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《2025.February》あみんちゅなにげに東海街歩きの旅岐阜そのⅠ~飛騨高山イルミネーション前編~<br /><br />気が付けば二月も終わり。昨年に引き続き冬の沖縄に行く~と宣言しながらも、結局目当てのイルミネーション開催の確認が取れずに流れてしまった。そのリベンジを考えてはいたものの、連休を取ったまでは良いのだが天気に恵まれずに中止に追いやられ、結局泊りがけの旅が出来ないままであった。<br /><br />そんな中多分イルミネーション巡りの旅としては最終となるであろう2/26からの四連休。二月末から三月初旬迄開催のイルミネーションイベントを探してみた。現地での移動距離が短ければ〝件数〟を稼ぐことができるという安易な考えはいつもと同じ。その様な条件下でうってつけの場所が見つかった。岐阜県の飛騨高山、今までも何度か訪れることを考えた場所ではあるのだが、なんせ山間部の場所ゆえに〝雪〟のことを第一に考えなければならない理由から先送りになっていた。しかしこのままだと永遠に行くことが出来ないと思い、今回勢いで訪れることを決めた。<br /><br />単純往復で600kmあれば、バスや鉄道とレンタカー利用となることが多いが、間違いなく雪道を走ることで考えれば、できれば勝手知ったるマイカーを利用したい。そのため日帰り旅で大活躍のmoveクンにちょっと長距離を頑張って貰うことに決めた。加えて予想以上に圧雪・凍結していることも踏まえて昨今話題の〝布チェーン〟も購入した。準備は整った。後は出掛けるのみであるが、ベースとなる行程表がなかなか組み上がらず休みも2日が過ぎてしまった。いくらなんでも〝日帰り〟で行くことができる場所ではないために、2月28日に出発出来なければまたお流れになってしまう。確かに夜のイベントであるがために朝早く出発する必要もない。そんな理由で8:00起床10:00出発と普段の生活パターンに準ずることで時間取りをした。これで旅立ちの準備が整い、出発するだけとして当日の朝を迎えた。<br /><br />令和7(2025)年2月28日金曜日<br />8時前に起床し荷物を作る。予定通りに出発できそうだが、ここではるが〝病院〟迄送れと宣う。その分少し早めに出発し、はるを送り届けてから目的地を目指す。セブンイレブン大津神領店に立ち寄り、軍資金の調達と一服タイムを取る。そして瀬田東ICから名神高速道路を利用して東へと向かい、伊吹PAでひと息入れる。この場所からの〝冠雪した伊吹山〟の景色は、近江の国の冬の風物詩として知られていることは有名であるため今更言うまでもない。私自身もこの景色を何回カメラで切り取ったのだろうと思う程だ。ひと息入れた後に走り始め、関ヶ原ICで一般道に下りる。なぜこのルートなのかと言えば、山間部に入る前に〝満タン〟にしておきたいという思いから、事前に調べた格安ガソリンスタンドが岐阜市にあり、所要時間はともかく走行距離が一番短いルートと取るということで関ケ原ICで下りた訳である。その後国道365・21号線を進み、予定通りセルフィックス岐阜東SSに辿り着く。日商有田株式会社という商社の〝独自ブランド〟のスタンドは、関東から中国・四国地方迄のエリアでガソリンスタンドの展開をしているが、大抵のエリアでは〝プライスリーダー〟の役割を担っており、天理SSには何度かお世話になっている。現金ならば164円/Lなので利用価値は高い。ただ意外に燃料は減っておらず、あまり目立った価格差はなかったことも事実ではあったのだが…。<br /><br />まあともあれ満腹になったmoveクンにはこれから頑張って貰わないといけない。下道経由で関市の下有知郵便局に向かう。ここには8年半前に一度はると来たことがあるのだが、局舎の写真を取り損ね、きっかけがあれば再訪しようと考えていた場所であった。田舎の郵便局であることは記憶に残ってはいるが、それより〝なんで取り損ねたか?〟の理由を思い出すのに時間はかからなかった。こちらの郵便局は、局前に2台分の駐車スペースがあるのだが、それを1台で占領するバカがいるためである。今回もそうだったが、そういう駐車の仕方をされると車を停められなくなるのである。よく周りが見えていない者が習慣にしていると言われるが、正しくそのような方が窓口で頓珍漢なやり取りをしていたようだ。局員氏が機転を利かせて先に処理してくれたので我慢したが、先に進まなければ多分炎上していたかも知れない。8年半もの間の抑圧は、小さなものではないのであるクワバラクワバラ…。<br /><br />のっけからヤバかったがリベンジを済ませ、暫く一般道と走って行く。そして道の駅美濃にわか茶屋に立ち寄ってひと息入れる。ここへも以前に訪れてはいるが、目的が違うので、下有知郵便局からの所要時間も全く違う。道の駅を出発後に東海北陸自動車道に乗り直す予定だったが、暫くそのまま下道を走ることにしてしまい、こちらも7年ぶりの再訪となる美並郵便局に立ち寄って旅行貯金をする。ここに来て漸く〝時間〟のことを考え始め、美並ICから東海北陸自動車道を走ることにする。途中松ノ木峠PAに立ち寄ってひと息入れる。こちらも6年半ぶりの再訪だが、雪はなかった。この時期は〝雪深い場所〟にある峠という様相を呈している。色々な時期に訪れて違う姿を見ることができることは、結構贅沢なことなのかも知れない。またの再訪を願いつつ車へと戻り先を急ぐことにする。<br /><br />程なくして飛騨清見ICから東海北陸自動車道を下りることとなる。これから高山市街に向かうには〝飛騨清見道路〟を走って行く。飛騨国府バイパスと言った方が知られているようだが、所謂〝中部縦貫自動車道〟の無料区間である。以前は国道41号線をひたすら走らなければ来ることが出来なかった高山の地であるが、東海北陸自動車道と中部縦貫自動車道を使えば、中部・関西圏からも手軽に訪れることができるようになった。それ故にオーバーツーリズムの弊害を受けている現実はあるが、私のような〝にわか観光〟でも来ることができるようになったのもまた事実である。便利になって〝良いこと〟〝悪いこと〟をふと考えてしまった私であった。<br /><br />高山ICで中部縦貫自動車道を下りると高山バイパスを暫く走り、市街地には入らずそのまま山手へと進んで行く。そして国道361号線へと進み、30分ほど走って道の駅ひだ朝日村に到着する。ここも再訪だが、建物まわり以外は雪が残っている風景は知らない。しかも結構固まっており、アクセルを強く踏んでしまうと前輪が空回りする。雪国にやって来た感Maxであるが、敷地内にイルミネーションが掛けられていることを知り、日没後にまた立ち寄ろうと考えて出発する。<br /><br />秋神貯水池横で国道を外れ、岐阜県道435号線に入る。飛騨御岳しだれ桜街道と風光明媚なネーミングが付けられてはいるが、凡そ酷道に近い。除雪も国道とは違い部分的なものとなっており、国道分岐から9km程の秋神温泉までの区間では結構な圧雪路となっている部分も多々あった。慎重な運転を心掛けながら走って行き、無事秋神温泉の駐車場に到着した時にはどっと疲れが出てきた。<br /><br />最初手前の駐車場に車を停めたが、どうやらこちらはバス用の駐車場だったようで、もう少し進んだ乗用車向けの駐車場に車を停め直し、氷点下の森の写真撮影の準備に入る。この岐阜県道435号線は秋神温泉までは通年通行できるのだが、それ以後御岳山の麓までの区間は冬季通行止めとなっている。以前は日暮れから朝までだったようだが、今年は雪が多いからかも知れない。とにかく今回の目的地のひとつである〝氷点下の森〟は、その通行止め区間の〝少し手前〟に位置している。氷点下の森を言うだけある場所であった。<br /><br />この氷点下の森ライトアップイベントは、秋神温泉が単独で行っているものである。冬になると氷点下の気温になることは当たり前の飛騨エリアにあっても、全くの雨や雪、気温などの自然条件だけでは見ごたえのある氷柱などが勝手に出来てしまうという訳ではない。よく見るとわかることだが氷柱の上の部分から水が流れており、その水が凍ることによって氷柱が成長するという仕組みになっているようだ。これは一軒しかない秋神温泉旅館が単独で運営されているものらしく、設備や景観の維持にはそれ相応の費用が必要となっていると思われる。2月の最終日であったために日没が結構遅かったために明るいうちに到着することが出来たのだが、冬場に飛騨山間部にある温泉宿に泊まる際にチェックイン時刻が17:00頃に設定されていることが多い理由が、路面が凍結し易い上に日没後だと状況の把握がし辛くなるためといった〝安全面〟の理由からであることを改めて知る。到着が早かったために日中の氷柱も見ることができたが、それ以上に路面の凍結状況を把握できていたことがその後の安心に繋がったことは言うまでもない。<br /><br />因みに今日令和7(2025)年2月28日の高山市の日の入り時刻は17:44とあった。氷点下の森ライトアップは日没から21:00迄となっている。明るいうちに一通り目を通してから車に籠っていると、18:00頃に照明のスイッチが入れられ始めた。様々な様式のイルミネーションを見て来たつもりだが、氷柱を用いたイルミネーションイベントは初めてである。定番の氷柱の外から照明を当てるものはともかく、氷柱の内側にも照明が設置されていて、夜の帳が下り始めると氷による光の屈折率の変化から何とも言えない幻想的な景色を醸し出している。この氷点下の森を運営している方が秋神温泉の御主人一人ということにも驚かされるが、この氷点下の森の中で〝氷柱貯蔵法〟を用いて熟成されている日本酒があることにもまたびっくりする。〝氷中貯蔵 熊の涙〟というものがそれであり、日本広しと言えどここ高山市朝日町でしか手に入らないものでもある。酒蔵が氷に覆われて熟成するというもので限定1,000本強程の限定品である。結構評価が高いようなことが書かれており、利き酒ができるようなことも書かれていた気がするのだが、なんせハンドルを握っている身故に飲酒運転はできない。というより下戸のために絶対飲酒運転ができない人と週十年言われ続けている〝実績〟の方が勝ってしまうかも知れないが…。<br /><br />旅館の御主人が観光ガイドを兼ねて飲食店の案内などをされていた。確かに寒さで手先が震え、三脚を立てないと写真がブレていまうような気温の中で、暖房の入ったレストランの中で暖か~い高山ラーメンをすするのも…という気持ちに流されかかったが、ここはまだ第一目的地、まだまだ行くところがある(泣)と心を鬼にして車に戻る。しかしすぐに発車することもできない。ドアをしめ切っていたにも拘らず、車内は外界の温度まで下がっていた。このままでは凍えながらハンドルを握らねばならないために、安全のことを考えて指の感覚が戻るまで暖機運転をし、改めて車を出発させる。<br /><br />秋神温泉から戻る道は下り坂になるために、ブレーキを踏まずに惰力走行を続けて圧雪区間を乗り切る。これからライトアップに向かう車数台とすれ違ったが、今まで結構滑ってしまったのだろう…向こう側が先に停まってくれた。取り敢えず県道区間は凍結の可能性が高いためにゆっくりと走り、国道に出てから遅れを取り戻すべく快走する。それでも行きより10分程余分にかかったが、道の駅ひだ朝日村まで戻って来た。<br /><br />  《続く》

《2025.February》あみんちゅなにげに東海街歩きの旅岐阜そのⅠ~飛騨高山イルミネーション前編~

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2025/02/28 - 2025/02/28

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たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。

たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん

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《2025.February》あみんちゅなにげに東海街歩きの旅岐阜そのⅠ~飛騨高山イルミネーション前編~

気が付けば二月も終わり。昨年に引き続き冬の沖縄に行く~と宣言しながらも、結局目当てのイルミネーション開催の確認が取れずに流れてしまった。そのリベンジを考えてはいたものの、連休を取ったまでは良いのだが天気に恵まれずに中止に追いやられ、結局泊りがけの旅が出来ないままであった。

そんな中多分イルミネーション巡りの旅としては最終となるであろう2/26からの四連休。二月末から三月初旬迄開催のイルミネーションイベントを探してみた。現地での移動距離が短ければ〝件数〟を稼ぐことができるという安易な考えはいつもと同じ。その様な条件下でうってつけの場所が見つかった。岐阜県の飛騨高山、今までも何度か訪れることを考えた場所ではあるのだが、なんせ山間部の場所ゆえに〝雪〟のことを第一に考えなければならない理由から先送りになっていた。しかしこのままだと永遠に行くことが出来ないと思い、今回勢いで訪れることを決めた。

単純往復で600kmあれば、バスや鉄道とレンタカー利用となることが多いが、間違いなく雪道を走ることで考えれば、できれば勝手知ったるマイカーを利用したい。そのため日帰り旅で大活躍のmoveクンにちょっと長距離を頑張って貰うことに決めた。加えて予想以上に圧雪・凍結していることも踏まえて昨今話題の〝布チェーン〟も購入した。準備は整った。後は出掛けるのみであるが、ベースとなる行程表がなかなか組み上がらず休みも2日が過ぎてしまった。いくらなんでも〝日帰り〟で行くことができる場所ではないために、2月28日に出発出来なければまたお流れになってしまう。確かに夜のイベントであるがために朝早く出発する必要もない。そんな理由で8:00起床10:00出発と普段の生活パターンに準ずることで時間取りをした。これで旅立ちの準備が整い、出発するだけとして当日の朝を迎えた。

令和7(2025)年2月28日金曜日
8時前に起床し荷物を作る。予定通りに出発できそうだが、ここではるが〝病院〟迄送れと宣う。その分少し早めに出発し、はるを送り届けてから目的地を目指す。セブンイレブン大津神領店に立ち寄り、軍資金の調達と一服タイムを取る。そして瀬田東ICから名神高速道路を利用して東へと向かい、伊吹PAでひと息入れる。この場所からの〝冠雪した伊吹山〟の景色は、近江の国の冬の風物詩として知られていることは有名であるため今更言うまでもない。私自身もこの景色を何回カメラで切り取ったのだろうと思う程だ。ひと息入れた後に走り始め、関ヶ原ICで一般道に下りる。なぜこのルートなのかと言えば、山間部に入る前に〝満タン〟にしておきたいという思いから、事前に調べた格安ガソリンスタンドが岐阜市にあり、所要時間はともかく走行距離が一番短いルートと取るということで関ケ原ICで下りた訳である。その後国道365・21号線を進み、予定通りセルフィックス岐阜東SSに辿り着く。日商有田株式会社という商社の〝独自ブランド〟のスタンドは、関東から中国・四国地方迄のエリアでガソリンスタンドの展開をしているが、大抵のエリアでは〝プライスリーダー〟の役割を担っており、天理SSには何度かお世話になっている。現金ならば164円/Lなので利用価値は高い。ただ意外に燃料は減っておらず、あまり目立った価格差はなかったことも事実ではあったのだが…。

まあともあれ満腹になったmoveクンにはこれから頑張って貰わないといけない。下道経由で関市の下有知郵便局に向かう。ここには8年半前に一度はると来たことがあるのだが、局舎の写真を取り損ね、きっかけがあれば再訪しようと考えていた場所であった。田舎の郵便局であることは記憶に残ってはいるが、それより〝なんで取り損ねたか?〟の理由を思い出すのに時間はかからなかった。こちらの郵便局は、局前に2台分の駐車スペースがあるのだが、それを1台で占領するバカがいるためである。今回もそうだったが、そういう駐車の仕方をされると車を停められなくなるのである。よく周りが見えていない者が習慣にしていると言われるが、正しくそのような方が窓口で頓珍漢なやり取りをしていたようだ。局員氏が機転を利かせて先に処理してくれたので我慢したが、先に進まなければ多分炎上していたかも知れない。8年半もの間の抑圧は、小さなものではないのであるクワバラクワバラ…。

のっけからヤバかったがリベンジを済ませ、暫く一般道と走って行く。そして道の駅美濃にわか茶屋に立ち寄ってひと息入れる。ここへも以前に訪れてはいるが、目的が違うので、下有知郵便局からの所要時間も全く違う。道の駅を出発後に東海北陸自動車道に乗り直す予定だったが、暫くそのまま下道を走ることにしてしまい、こちらも7年ぶりの再訪となる美並郵便局に立ち寄って旅行貯金をする。ここに来て漸く〝時間〟のことを考え始め、美並ICから東海北陸自動車道を走ることにする。途中松ノ木峠PAに立ち寄ってひと息入れる。こちらも6年半ぶりの再訪だが、雪はなかった。この時期は〝雪深い場所〟にある峠という様相を呈している。色々な時期に訪れて違う姿を見ることができることは、結構贅沢なことなのかも知れない。またの再訪を願いつつ車へと戻り先を急ぐことにする。

程なくして飛騨清見ICから東海北陸自動車道を下りることとなる。これから高山市街に向かうには〝飛騨清見道路〟を走って行く。飛騨国府バイパスと言った方が知られているようだが、所謂〝中部縦貫自動車道〟の無料区間である。以前は国道41号線をひたすら走らなければ来ることが出来なかった高山の地であるが、東海北陸自動車道と中部縦貫自動車道を使えば、中部・関西圏からも手軽に訪れることができるようになった。それ故にオーバーツーリズムの弊害を受けている現実はあるが、私のような〝にわか観光〟でも来ることができるようになったのもまた事実である。便利になって〝良いこと〟〝悪いこと〟をふと考えてしまった私であった。

高山ICで中部縦貫自動車道を下りると高山バイパスを暫く走り、市街地には入らずそのまま山手へと進んで行く。そして国道361号線へと進み、30分ほど走って道の駅ひだ朝日村に到着する。ここも再訪だが、建物まわり以外は雪が残っている風景は知らない。しかも結構固まっており、アクセルを強く踏んでしまうと前輪が空回りする。雪国にやって来た感Maxであるが、敷地内にイルミネーションが掛けられていることを知り、日没後にまた立ち寄ろうと考えて出発する。

秋神貯水池横で国道を外れ、岐阜県道435号線に入る。飛騨御岳しだれ桜街道と風光明媚なネーミングが付けられてはいるが、凡そ酷道に近い。除雪も国道とは違い部分的なものとなっており、国道分岐から9km程の秋神温泉までの区間では結構な圧雪路となっている部分も多々あった。慎重な運転を心掛けながら走って行き、無事秋神温泉の駐車場に到着した時にはどっと疲れが出てきた。

最初手前の駐車場に車を停めたが、どうやらこちらはバス用の駐車場だったようで、もう少し進んだ乗用車向けの駐車場に車を停め直し、氷点下の森の写真撮影の準備に入る。この岐阜県道435号線は秋神温泉までは通年通行できるのだが、それ以後御岳山の麓までの区間は冬季通行止めとなっている。以前は日暮れから朝までだったようだが、今年は雪が多いからかも知れない。とにかく今回の目的地のひとつである〝氷点下の森〟は、その通行止め区間の〝少し手前〟に位置している。氷点下の森を言うだけある場所であった。

この氷点下の森ライトアップイベントは、秋神温泉が単独で行っているものである。冬になると氷点下の気温になることは当たり前の飛騨エリアにあっても、全くの雨や雪、気温などの自然条件だけでは見ごたえのある氷柱などが勝手に出来てしまうという訳ではない。よく見るとわかることだが氷柱の上の部分から水が流れており、その水が凍ることによって氷柱が成長するという仕組みになっているようだ。これは一軒しかない秋神温泉旅館が単独で運営されているものらしく、設備や景観の維持にはそれ相応の費用が必要となっていると思われる。2月の最終日であったために日没が結構遅かったために明るいうちに到着することが出来たのだが、冬場に飛騨山間部にある温泉宿に泊まる際にチェックイン時刻が17:00頃に設定されていることが多い理由が、路面が凍結し易い上に日没後だと状況の把握がし辛くなるためといった〝安全面〟の理由からであることを改めて知る。到着が早かったために日中の氷柱も見ることができたが、それ以上に路面の凍結状況を把握できていたことがその後の安心に繋がったことは言うまでもない。

因みに今日令和7(2025)年2月28日の高山市の日の入り時刻は17:44とあった。氷点下の森ライトアップは日没から21:00迄となっている。明るいうちに一通り目を通してから車に籠っていると、18:00頃に照明のスイッチが入れられ始めた。様々な様式のイルミネーションを見て来たつもりだが、氷柱を用いたイルミネーションイベントは初めてである。定番の氷柱の外から照明を当てるものはともかく、氷柱の内側にも照明が設置されていて、夜の帳が下り始めると氷による光の屈折率の変化から何とも言えない幻想的な景色を醸し出している。この氷点下の森を運営している方が秋神温泉の御主人一人ということにも驚かされるが、この氷点下の森の中で〝氷柱貯蔵法〟を用いて熟成されている日本酒があることにもまたびっくりする。〝氷中貯蔵 熊の涙〟というものがそれであり、日本広しと言えどここ高山市朝日町でしか手に入らないものでもある。酒蔵が氷に覆われて熟成するというもので限定1,000本強程の限定品である。結構評価が高いようなことが書かれており、利き酒ができるようなことも書かれていた気がするのだが、なんせハンドルを握っている身故に飲酒運転はできない。というより下戸のために絶対飲酒運転ができない人と週十年言われ続けている〝実績〟の方が勝ってしまうかも知れないが…。

旅館の御主人が観光ガイドを兼ねて飲食店の案内などをされていた。確かに寒さで手先が震え、三脚を立てないと写真がブレていまうような気温の中で、暖房の入ったレストランの中で暖か~い高山ラーメンをすするのも…という気持ちに流されかかったが、ここはまだ第一目的地、まだまだ行くところがある(泣)と心を鬼にして車に戻る。しかしすぐに発車することもできない。ドアをしめ切っていたにも拘らず、車内は外界の温度まで下がっていた。このままでは凍えながらハンドルを握らねばならないために、安全のことを考えて指の感覚が戻るまで暖機運転をし、改めて車を出発させる。

秋神温泉から戻る道は下り坂になるために、ブレーキを踏まずに惰力走行を続けて圧雪区間を乗り切る。これからライトアップに向かう車数台とすれ違ったが、今まで結構滑ってしまったのだろう…向こう側が先に停まってくれた。取り敢えず県道区間は凍結の可能性が高いためにゆっくりと走り、国道に出てから遅れを取り戻すべく快走する。それでも行きより10分程余分にかかったが、道の駅ひだ朝日村まで戻って来た。

  《続く》

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ショッピング
5.0
交通
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
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