神戸-光州 前半、バーに当たって跳ね返った球を頭で押し込み、駆け出す神戸の大迫(撮影・笠原次郎)
神戸-光州 前半、バーに当たって跳ね返った球を頭で押し込み、駆け出す神戸の大迫(撮影・笠原次郎)

 サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)は5日、東地区の決勝トーナメント1回戦第1戦でヴィッセル神戸がノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で光州FC(韓国)と対戦し、大迫勇也と井出遥也のゴールで2-0とし、ホームで先勝した。8強進出を懸けた第2戦は12日に敵地で戦う。神戸の今季公式戦勝利は、2月11日のACLE上海海港(中国)戦以来6試合ぶりとなった。

 満身創痍(そうい)の神戸が、序盤に重苦しさを一掃した。前半20分、佐々木の右クロスに井出が頭で合わせると、クロスバーの跳ね返りを大迫が競りながら頭で押し込んだ。

 さらに29分、「試合前から狙うようチームとして意識していた」と言う大迫が右サイドをえぐって絶妙なクロスを上げ、井出が頭でたたきつけてポストに当てながら追加点。最終ラインに6人並べて引いて守る相手を空中戦でこじ開けた。

 2点を追う相手が前掛かりになってからも、高い位置からのプレスで手綱を緩めず、無失点で締めくくった。大迫は「チーム全体として機能した。価値ある2-0だった」と納得の表情だった。

 神戸は武藤や酒井ら主力の負傷が相次ぐ上、2月8日から中2、3日で続いた過密日程は最後の8戦目と疲れはピークに。1次リーグで棄権した山東(中国)戦が無効となり、3位から5位に下がった影響で、本拠地で迎えた初戦は極めて重要な一戦だった。

 J1リーグは開幕4戦未勝利。1日の福岡戦は先発を大幅に入れ替えて敗れたが、この試合に懸ける執念が実った。出場した2020、22年大会に続く8強入りへ前進。指揮官は「しっかり休んで回復してもらうことが一番」と言う。今季初めて中6日が空く敵地での第2戦に万全で臨む。(井川朋宏)