「固有の領土」の定義とは何でしょうか?

国際法その他におけるかっちりした定義を希望します。
単なる「領土」の定義ではなく、「固有の」として認められる条件を求めています。
また、固有の領土を有することのできる主体についても教えてください。

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  • 終了:2009/08/12 10:27:56
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id:MEI-ZA-YU No.2

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ポイント50pt

「固有の領土」とは国際法上の用語ではないようです。


http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Hoppou4.htm

http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htmより)

 固有の領土論には、法的な理論としては決定的な欠陥があります。

そもそも、『固有の領土』とは国際法上の用語ではないため、

使う人によって、都合よく定義される言葉です。

『北方領土は日本の固有の領土』とは、法的・政治的問題を説明したのではなく、

単なるスローガン・プロパガンダ・キャッチフレーズにすぎないものです。

日本語で、日本人向けキャッチフレーズをいくら上手に唱えたところで、法的な理論として、

国際社会に役に立たないことは明白です。


日本政府は固有の領土を英語で『an integral part of Japan's sovereign territory』と説明しているようです。

この英語では、戦後ドイツから割譲したポーランド西部をポーランドが領土主張の根拠としている状況と同じで、

日本政府が日本国民に向けて説明している『固有の領土』の定義とはずいぶんと異なります。

日本政府の『固有の領土論』は海外ではほとんど理解・賛同を受けていません。

(参考文献:国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア 岩下明祐/編著)


 固有の領土論のバリエーション

 固有の領土論は政治的動機から生じたものだったので、固有の領土の範囲も政治家により大きく異なっていました。

 現在、日本政府は「固有の領土」というと「外国の領土に一度もなったことが無い領土」のことで、

具体的には「北方四島」のことであると説明していますが、『固有の領土』は国際法上の用語ではないので、

いろいろな人が、自分の主張が正しいと感じるように『固有の領土』の意味をいろいろと変えて、いろいろな主張があります。

   a)南樺太・全千島を固有の領土とするもの

   b)全千島を固有の領土とするもの

   c)北方四島を固有の領土とするもの

   d)歯舞・色丹を固有の領土とするもの

   e)歯舞群島のみを固有の領土とするもの

   f)北海道のみを固有の領土とするもの

 

 戦後になってからは、朝鮮半島や台湾を固有の領土とする見解は無いと思います。

なお、小笠原・沖縄が米国の信託統治領だったころは、「固有の領土」の用語は、

これら地域を指す事もありました。


http://www8.cao.go.jp/hoppo/mondai/01.html

歴史的事実

北方領土にはかつて外国人が定住した事実がなく、また外国の支配下にあったこともなく、

18世紀末からは江戸幕府の直轄地として日本人の手によって開拓された。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/hoppo_qa.html

http://www.geocities.jp/tiarashore/kaikoku15.htm

http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Hoppou1.htm

日本政府は、北方領土は「日本の固有の領土」と主張しているけれど、実際には アイヌが北方領土の先住民 です。


http://kenuchka.paslog.jp/article/1163360.html

id:matsunaga

たくさんの情報をありがとうございます。

「固有の領土」という主張はかなり曖昧な、対外的に説得するには非常に不十分な論理であることがわかってきました。

そして、固有の領土とは、対外的な交渉には役に立たない、主に国内向けの言葉であるということのようですね。

外交交渉においては、もっと実効力のある理論を使うべきだと思うのですが。


そして「固有の領土」論において、(あまり好きな言葉ではないですが)先住民の存在は考慮の外なわけですね。開拓した者は記されるが、そこにもともと住んでいた住人は無視されているようです。


また、江戸幕府と明治政府は国家として継続しているということになるのでしょうか。

2009/08/08 02:06:58

その他の回答1件)

id:ymlab No.1

回答回数508ベストアンサー獲得回数34

ポイント30pt

慶応大学の先生のよる「かっちり?」とした定義です。

固有の領土とは、

http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2005_22198/slides/08/9.html

では、

いまだかつて、一度も外国の領土となったことがない領土のことらしいです。

ただ、そうなると沖縄の立場が・・・琉球王国だったし。

あと、戦国時代を内戦とみるか、それぞれが国とするかで、日本自体も微妙ですね。

なお、領土は、島などはいわゆる早く発見したもの勝ちのルールです。

いわゆる一般に有名になっている竹島は、

確かサンフランシスコ講和条約の時に、

韓国が竹島は韓国の領土だと主張したときに、

アメリカに却下されています。

先に発見、管轄した国が領土となります。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/g_sfjoyaku.html

id:matsunaga

そう、そういう曖昧さがあるように思いますので、「固有の領土」という概念による領土主張は適切なのかというのが質問動機です。

では「外国」とは何か、「国家」をつくっていなかった民族が住んでいたところはどうなるのか(北方領土は千島アイヌ固有の領土にはならないのか、いつの時点で先に発見したもの勝ちになるのか)といった点が疑問です。

また、「琉球王国固有の領土」あるいは「一度はアメリカ領だった沖縄」を「日本固有の領土」とすることができる根拠がよくわからなくなってきます。

中国はモンゴル領だったこともあれば満州領だったこともありますし、唐王朝や清王朝の最大領土は中華人民共和国の固有の領土に含まれるのか否かとか、ロシアはチンギス・ハーンに征服されていたのだからモンゴルの固有の領土なのか、とか、そもそもパレスティナは神から与えられたイスラエル固有の領土なのか、と、「固有の領土」という言葉にはいろいろと疑問が湧いてきます。

2009/08/08 01:12:27
id:MEI-ZA-YU No.2

回答回数4757ベストアンサー獲得回数767ここでベストアンサー

ポイント50pt

「固有の領土」とは国際法上の用語ではないようです。


http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Hoppou4.htm

http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htmより)

 固有の領土論には、法的な理論としては決定的な欠陥があります。

そもそも、『固有の領土』とは国際法上の用語ではないため、

使う人によって、都合よく定義される言葉です。

『北方領土は日本の固有の領土』とは、法的・政治的問題を説明したのではなく、

単なるスローガン・プロパガンダ・キャッチフレーズにすぎないものです。

日本語で、日本人向けキャッチフレーズをいくら上手に唱えたところで、法的な理論として、

国際社会に役に立たないことは明白です。


日本政府は固有の領土を英語で『an integral part of Japan's sovereign territory』と説明しているようです。

この英語では、戦後ドイツから割譲したポーランド西部をポーランドが領土主張の根拠としている状況と同じで、

日本政府が日本国民に向けて説明している『固有の領土』の定義とはずいぶんと異なります。

日本政府の『固有の領土論』は海外ではほとんど理解・賛同を受けていません。

(参考文献:国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア 岩下明祐/編著)


 固有の領土論のバリエーション

 固有の領土論は政治的動機から生じたものだったので、固有の領土の範囲も政治家により大きく異なっていました。

 現在、日本政府は「固有の領土」というと「外国の領土に一度もなったことが無い領土」のことで、

具体的には「北方四島」のことであると説明していますが、『固有の領土』は国際法上の用語ではないので、

いろいろな人が、自分の主張が正しいと感じるように『固有の領土』の意味をいろいろと変えて、いろいろな主張があります。

   a)南樺太・全千島を固有の領土とするもの

   b)全千島を固有の領土とするもの

   c)北方四島を固有の領土とするもの

   d)歯舞・色丹を固有の領土とするもの

   e)歯舞群島のみを固有の領土とするもの

   f)北海道のみを固有の領土とするもの

 

 戦後になってからは、朝鮮半島や台湾を固有の領土とする見解は無いと思います。

なお、小笠原・沖縄が米国の信託統治領だったころは、「固有の領土」の用語は、

これら地域を指す事もありました。


http://www8.cao.go.jp/hoppo/mondai/01.html

歴史的事実

北方領土にはかつて外国人が定住した事実がなく、また外国の支配下にあったこともなく、

18世紀末からは江戸幕府の直轄地として日本人の手によって開拓された。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/hoppo_qa.html

http://www.geocities.jp/tiarashore/kaikoku15.htm

http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Hoppou1.htm

日本政府は、北方領土は「日本の固有の領土」と主張しているけれど、実際には アイヌが北方領土の先住民 です。


http://kenuchka.paslog.jp/article/1163360.html

id:matsunaga

たくさんの情報をありがとうございます。

「固有の領土」という主張はかなり曖昧な、対外的に説得するには非常に不十分な論理であることがわかってきました。

そして、固有の領土とは、対外的な交渉には役に立たない、主に国内向けの言葉であるということのようですね。

外交交渉においては、もっと実効力のある理論を使うべきだと思うのですが。


そして「固有の領土」論において、(あまり好きな言葉ではないですが)先住民の存在は考慮の外なわけですね。開拓した者は記されるが、そこにもともと住んでいた住人は無視されているようです。


また、江戸幕府と明治政府は国家として継続しているということになるのでしょうか。

2009/08/08 02:06:58
  • id:seble
    歴史上から見ても領土は常に変化しますし、「固有の」領土なんて存在しません。
    そんな主張をしているのは、世界的にも日本の右翼とそれに紐付けられた一部政治家だけでしょう。
    (部分的に、1地方を歴史的にずっと自国の領土であったと主張しているような場合はありますけどね)
    日本は島国の上に長らく鎖国してましたから、領土の概念が世界的な常識とズレているのです。
    国家なんて、いつから国家と認めるか明確な線引きなどできませんし、中世の国家など、国境の線引きさえいい加減です。
    そもそも日本は無条件降伏したんだから、今更そんな事を主張するのは男らしくないです。

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