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1997年のJリーグ

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Jリーグ > 1997年のJリーグ
Jリーグ
シーズン 1997
優勝 ジュビロ磐田
ACC出場 ジュビロ磐田
試合数 272
ゴール数 898 (1試合平均3.3)
得点王 パトリック・エムボマ
G大阪・25得点)
最大差勝利ホーム試合
鹿島 7-0 名古屋(2nd第4節・8月9日)
最大差勝利アウェー試合
京都 0-6 磐田(1st第13節・7月5日)
最多得点試合
平塚 7-4 (2nd第1節・7月30日)
最多観客動員
38,707人 - 浦和 vs 広島
(1st第3節・4月19日)
最少観客動員
2,245人 - 市原 vs 広島
(1st第7節・5月7日)
平均観客動員 10,131人
1996
1998

1997年Jリーグは、リーグ戦が4月12日に開幕、10月4日に日程を終了し、12月6日12月13日にチャンピオンシップを行った。リーグの優勝クラブは1stステージが鹿島アントラーズ、2ndステージがジュビロ磐田で、チャンピオンシップにより決定された年間総合優勝はジュビロ磐田

参加クラブ

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1997年シーズンのJリーグのクラブは以下の通り。昨シーズンのジャパンフットボールリーグ準会員かつ上位2位までに入ったヴィッセル神戸が新たに加わり、計17クラブとなった。

チーム名 監督 所在
都道府県
ホームスタジアム 前年成績
鹿島アントラーズ ブラジルの旗 ジョアン・カルロス 茨城県 茨城県立カシマサッカースタジアム 1位
浦和レッドダイヤモンズ ドイツの旗 ホルスト・ケッペル 埼玉県 浦和駒場スタジアム 6位
ジェフユナイテッド市原 オランダの旗 ヤン・フェルシュライエン 千葉県 市原臨海競技場 9位
柏レイソル 日本の旗 西野朗 日立柏サッカー場 5位
ヴェルディ川崎 ブラジルの旗 エメルソン・レオン 神奈川県 等々力陸上競技場 7位
横浜マリノス スペインの旗 ハビエル・アスカルゴルタ 三ツ沢公園球技場 8位
横浜フリューゲルス ブラジルの旗 オタシリオ 3位
ベルマーレ平塚 日本の旗 植木繁晴 平塚競技場 11位
清水エスパルス アルゼンチンの旗 オズワルド・アルディレス 静岡県 清水市日本平運動公園球技場 10位
ジュビロ磐田 ブラジルの旗 ルイス・フェリペ・スコラーリ ジュビロ磐田サッカースタジアム 4位
名古屋グランパスエイト ポルトガルの旗 カルロス・ケイロス 愛知県 名古屋市瑞穂公園陸上競技場 2位
京都パープルサンガ ウルグアイの旗 ペドロ・ローシャ 京都府 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 16位
ガンバ大阪 クロアチアの旗 ヨジップ・クゼ 大阪府 万博記念競技場 12位
セレッソ大阪 ブラジルの旗 レヴィー・クルピ 長居スタジアム 13位
ヴィッセル神戸 イングランドの旗 スチュワート・バクスター 兵庫県 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 JFL2位
サンフレッチェ広島 スコットランドの旗 エディ・トムソン 広島県 広島ビッグアーチ 14位
アビスパ福岡 アルゼンチンの旗 カルロス・オスカール・パチャメ 福岡県 東平尾公園博多の森球技場 15位

レギュレーション

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この年は2年ぶりに2ステージ制に戻された。ただし、95年シーズンまでのステージごとのホーム・アンド・アウェー2回戦総当りではなく、1回戦総当たり(17節×2ステージ[注 1])(年間ではホーム・アンド・アウェー2回戦)が採用された。このためステージごとに見た場合、ホームでしか対戦しない相手、アウェーでしか対戦しない相手が発生した。その他、奇数クラブ(17クラブ)で施行されたため、各節につき1チーム試合がないクラブがあった。現状J1で参加クラブが奇数となったのは1997年度が最初で最後。

リーグ戦の各試合は従前通り完全決着方式(前後半90分で決着が付かない場合、前後半15分ずつのVゴール方式による延長戦を行い、それでも決着が付かない場合はPK戦)を採用したが、前年の鹿島が「PK戦負け」の数の差で優勝したこともあり、勝ち点配分の見直しが行われた。見直しにより、90分勝ちが3、Vゴール勝ち2、PK勝ち1に改められ、負けはいずれの場合も勝ち点0になった。

また、このシーズンから各選手が付ける背番号が固定制となった。

リーグ戦の冠スポンサーは無くなったが、Jリーグチャンピオンシップについてはサントリーが冠スポンサーとなり、サントリー・チャンピオンシップの名称で開催された。

スケジュール

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この年のリーグ戦は、1stステージが4月12日開幕・7月12日閉幕、2ndステージが7月30日開幕・10月4日閉幕と、4月から10月の約半年間で全34節[注 1]をこなす過密日程となった。これは、3月にW杯1次予選日本オマーンの「ダブルセントラル方式」)、11月に中立地開催の最終予選が予定されていたためであった。この影響でレギュラーシーズン最終節が10月4日に定められたが、これはレギュラーシーズンにおいて最も早い閉幕日である。

リーグ概要

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前述の通り、W杯最終予選に配慮して日程を繰り上げたJリーグだが、皮肉にもその最終予選はホーム・アンド・アウェー方式に変更となった上にシーズン終盤の9月7日から始まったため、第2ステージでは日本代表抜きで戦う節が多数あった。このこともあり、2ndステージの観客動員数は9,651人と1万人を割り込み、年間の平均観客動員数も10,131人と過去最少の数値[注 2] となった。それでも、地域密着型の運営を行った鹿島や浦和は観客動員数を大きく落とすことなくシーズンを終えている[1]

また、この年からCS放送でのテレビ中継をジュピタープログラミング(現・ジュピターテレコム)が取得したが、当時ジュピターにはスポーツ専門放送が無かったため、代替処置として

リーグ戦結果

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  • 以下の順位表において、勝利数・敗戦数はいずれも90分での勝利数・敗戦数を示す。

1stステージ

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開催期間:4月12日 - 7月19日

チーム 延勝 PK勝 PK敗 延敗 出場権または降格
1 鹿島アントラーズ 16 12 0 1 0 0 3 32 15 +17 37 チャンピオンシップに出場
2 横浜フリューゲルス 16 11 1 0 0 0 4 35 16 +19 35
3 柏レイソル 16 10 1 0 1 1 3 34 18 +16 32
4 ベルマーレ平塚 16 8 2 0 0 0 6 25 20 +5 28
5 横浜マリノス 16 7 3 1 0 0 5 31 31 0 28
6 ジュビロ磐田 16 8 1 0 0 3 4 32 21 +11 26
7 清水エスパルス 16 7 2 0 0 2 5 25 24 +1 25
8 ガンバ大阪 16 8 0 0 0 0 8 28 23 +5 24
9 浦和レッズ 16 6 1 1 0 0 8 25 24 +1 21
10 サンフレッチェ広島 16 6 1 1 0 2 6 22 23 −1 21
11 セレッソ大阪 16 6 0 1 1 2 6 21 26 −5 19
12 名古屋グランパスエイト 16 6 0 0 0 1 9 18 24 −6 18
13 京都パープルサンガ 16 6 0 0 1 1 8 19 32 −13 18
14 ヴィッセル神戸 16 5 1 0 0 2 8 24 34 −10 17
15 ジェフユナイテッド市原 16 3 2 0 0 0 11 21 34 −13 13
16 ヴェルディ川崎 16 2 2 0 2 1 9 16 27 −11 10
17 アビスパ福岡 16 3 0 0 0 2 11 11 27 −16 9

2ndステージ

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開催期間:7月30日 - 10月4日

チーム 延勝 PK勝 PK敗 延敗 出場権または降格
1 ジュビロ磐田 16 12 2 0 0 0 2 40 14 +26 40 チャンピオンシップに出場
2 ガンバ大阪 16 10 2 0 0 1 3 38 23 +15 34
3 横浜マリノス 16 8 4 0 0 0 4 42 28 +14 32
4 鹿島アントラーズ 16 9 2 0 0 1 4 46 23 +23 31
5 名古屋グランパスエイト 16 10 0 0 0 0 6 23 24 −1 30
6 清水エスパルス 16 9 1 0 0 3 3 27 16 +11 29
7 浦和レッズ 16 8 1 0 0 2 5 26 21 +5 26
8 セレッソ大阪 16 7 1 1 0 3 4 32 30 +2 24
9 ベルマーレ平塚 16 6 1 1 1 1 6 30 32 −2 21
10 柏レイソル 16 6 1 0 1 0 8 29 31 −2 20
11 横浜フリューゲルス 16 5 1 1 0 2 7 23 27 −4 18
12 ヴェルディ川崎 16 4 2 0 0 0 10 22 38 −16 16
13 サンフレッチェ広島 16 5 0 0 0 2 9 21 27 −6 15
14 ジェフユナイテッド市原 16 3 3 0 1 3 6 22 32 −10 15
15 アビスパ福岡 16 3 0 1 0 3 9 18 31 −13 10
16 京都パープルサンガ 16 3 0 0 1 2 10 21 38 −17 9
17 ヴィッセル神戸 16 1 2 0 0 0 13 19 44 −25 7

年間総合順位

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上位2チームの順位はJリーグチャンピオンシップの結果により確定する。

チーム 延勝 PK勝 PK敗 延敗 出場権または降格
1or2 鹿島アントラーズ 32 21 2 1 0 1 7 78 38 +40 68 チャンピオンシップに出場
1or2 ジュビロ磐田 32 20 3 0 0 3 6 72 35 +37 66
3 横浜マリノス 32 15 7 1 0 0 9 73 59 +14 60
4 ガンバ大阪 32 18 2 0 0 1 11 66 46 +20 58
5 清水エスパルス 32 16 3 0 0 5 8 52 40 +12 54
6 横浜フリューゲルス 32 16 2 1 0 2 11 58 43 +15 53
7 柏レイソル 32 16 2 0 2 1 11 63 49 +14 52
8 ベルマーレ平塚 32 14 3 1 1 1 12 55 52 +3 49
9 名古屋グランパスエイト 32 16 0 0 0 1 15 41 48 −7 48
10 浦和レッズ 32 14 2 1 0 2 13 51 45 +6 47
11 セレッソ大阪 32 13 1 2 1 5 10 53 56 −3 43
12 サンフレッチェ広島 32 11 1 1 0 4 15 43 50 −7 36
13 ジェフユナイテッド市原 32 6 5 0 1 3 17 43 66 −23 28
14 京都パープルサンガ 32 9 0 0 2 3 18 40 70 −30 27
15 ヴェルディ川崎 32 6 4 0 2 1 19 38 65 −27 26
16 ヴィッセル神戸 32 6 3 0 0 2 21 43 78 −35 24
17 アビスパ福岡 32 6 0 1 0 5 20 29 58 −29 19

サントリーチャンピオンシップ

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チャンピオンシップは2年ぶりであるが、この年はホームチームの決定を従来の「第1戦は第1ステージ優勝クラブ、第2戦は第2ステージ優勝クラブのそれぞれホームゲームとして行う」というやり方ではなく、抽選によりホームチームを決定する方式が取られた。

第1戦 1997年12月6日 ジュビロ磐田
(2ndステージ優勝)
3 – 2
(延長)
鹿島アントラーズ
(1stステージ優勝)
ジュビロ磐田スタジアム  
15:03 中山雅史 0分にゴール 0分46分
清水範久 119分にゴールデンゴール 119分
公式記録 ビスマルク 62分にゴール 62分
マジーニョ 88分にゴール 88分
観客数: 17,269人
主審: 岡田正義
第2戦 1997年12月13日 鹿島アントラーズ 0 – 1 ジュビロ磐田 県立カシマサッカースタジアム  
19:36 公式記録 中山雅史 81分にゴール 81分 観客数: 15,276人
主審: レスリー・モットラム

合計スコアが4-2となり、ジュビロ磐田が年間王者に決定。オリジナル10以外のクラブとして初めての年間優勝。

テレビ中継

表彰

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受賞者
最優秀選手賞 ブラジルの旗 ドゥンガジュビロ磐田
得点王 カメルーンの旗 パトリック・エムボマガンバ大阪
新人王 日本の旗 柳沢敦鹿島アントラーズ
最優秀監督賞 ブラジルの旗 ジョアン・カルロス(鹿島アントラーズ)
優勝監督賞 日本の旗 桑原隆(ジュビロ磐田)
優秀主審賞 日本の旗 岡田正義
優秀副審賞 日本の旗 廣嶋禎数
フェアプレー賞
高円宮杯
ヴィッセル神戸
フェアプレイ個人賞 日本の旗 永島昭浩(ヴィッセル神戸)

ベストイレブン

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ポジション 選手名 受賞回数 所属クラブ
GK 日本の旗 大神友明 ジュビロ磐田
DF 日本の旗 相馬直樹 3 鹿島アントラーズ
日本の旗 井原正巳 5 横浜マリノス
日本の旗 秋田豊 鹿島アントラーズ
MF ブラジルの旗 ビスマルク 3
日本の旗 中田英寿 ベルマーレ平塚
日本の旗 山口素弘 2 横浜フリューゲルス
日本の旗 名波浩 ジュビロ磐田
ブラジルの旗 ドゥンガ
FW 日本の旗 中山雅史
カメルーンの旗 エムボマ ガンバ大阪

得点ランキング

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順位 選手 所属 得点
1 カメルーン エムボマ ガンバ大阪 25
2 ブラジル エジウソン 柏レイソル 23
3 日本 永島昭浩 ヴィッセル神戸 22
ブラジル マジーニョ 鹿島アントラーズ
5 日本 福田正博 浦和レッズ 21
スペイン サリナス 横浜マリノス
7 ブラジル バウベル 横浜フリューゲルス 20
8 日本 呂比須ワグナー ベルマーレ平塚 18
日本 中山雅史 ジュビロ磐田
10 ブラジル ジャメーリ 柏レイソル 14

出典: J.LEAGUE Data Site

記録

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Jリーグ準会員

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脚注

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注釈

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  1. ^ a b チーム数が奇数のため各チーム1節ずつ試合のない節があり、各クラブ当たりでは「16試合×2ステージ=年間32試合」であった。
  2. ^ この数値は2014年シーズンまでのJ1通算でも最少の数値である。

出典

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  1. ^ 大住良之 (1997年10月20日). “No.207 地域密着忘れた的外れなJ批判”. サッカーの話をしよう 大住良之オフィシャルサイト. 2015年1月6日閲覧。

関連項目

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