電電ファミリー
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電電ファミリー(でんでんファミリー)とは、かつての日本電信電話公社(現:日本電信電話(NTT))に近い企業を指す。電話交換機の主要メーカーだった日本電気(NEC)、富士通、沖電気工業が、電電ファミリー御三家と呼ばれた[1][2]。
歴史
[編集]1980年代
[編集]- 1980年代半ばまで、日本の通信事業は日本電信電話公社がほぼ独占していた。公衆交換電話網(電話回線)を維持するため、電話機、電話交換機、電話網等は、電電ファミリー企業が一体となって開発、整備を担ってきた[3]。
- 1985年4月、電気通信事業法の施行により、日本電信電話公社は日本電信電話(NTT)として民営化され、新電電の参入が始まる。
1990年代
[編集]2000年代
[編集]- 2000年代に入ると、第3世代携帯電話(3G)が登場する。2001年に世界に先駆け日本で3G(W-CDMA)の商用サービスが始まる。
- 2000年代後半、iPhoneやAndroidのスマートフォンの台頭により、3Gのガラケーでガラパゴス化した、日本の企業は遅れを取る。
2010年代
[編集]- 2010年代になると、中国・韓国・台湾スマートフォンメーカーの飛躍、スマートフォンへの移行・開発が遅れた日本メーカーが次々とスマートフォン事業から撤退。電電ファミリー御三家の一つだったNECも2013年にスマートフォン事業から撤退した[4]。
- 2010年代後半になると、電気通信工事メーカーの再編が加速し、コムシスホールディングス、エクシオグループ、ミライト・ホールディングスの大手3社に集約される[5]。
2020年代
[編集]- 2020年になり、NTTは第5世代移動通信システム(5G)およびその次世代の第6世代移動通信システム(6G)通信の分野での協力構築のためにNECへの出資を発表した[6]。また、2021年には富士通とも6GやIOWNの技術開発を目的に業務提携している[7][8][9][10]。
電電ファミリー企業一覧
[編集]御三家
[編集]総合電機メーカー
[編集]電気通信工事メーカー
[編集]空調・管・衛生工事メーカー
[編集]電話交換機メーカー
[編集]電気通信工事資材商社
[編集]脚注
[編集]- ^ “「電電ファミリー」いまだ健在 電気通信工事の10社が相次いで経営統合。その背景は?”. 東洋経済新報社. (2013年7月31日) 2021年2月1日閲覧。
- ^ “NEC・富士通「幻の事業統合」に現実味、NTTが仕掛ける日の丸連合”. 日経クロステック. (2020年12月9日) 2021年1月15日閲覧。
- ^ “NTTの「電電ファミリー」戦略 富士通にも波及か 高い浮動株比率”. QUICK Money World. (2020年6月26日) 2021年2月1日閲覧。
- ^ “NEC、スマートフォン事業から撤退”. ケータイWatch. (2013年7月31日) 2021年1月15日閲覧。
- ^ “「電電ファミリー」いまだ健在 電気通信工事の10社が相次いで経営統合。その背景は?”. 東洋経済新報社. (2013年7月31日) 2021年2月1日閲覧。
- ^ “NTT、NECに出資 電電ファミリー結束の裏に通信の新潮流”. 日経ビジネス. (2020年6月26日) 2021年1月15日閲覧。
- ^ “NTTと富士通が提携へ 次世代「6G」で技術協力”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2021年4月24日) 2022年8月28日閲覧。
- ^ “NTT、「電電ファミリー」で6G開発 富士通とも提携”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2021年4月26日) 2022年8月28日閲覧。
- ^ 『NTTと富士通、「持続可能な未来型デジタル社会の実現」に向けた戦略的業務提携に合意』(プレスリリース)NTT、富士通、2021年4月26日 。2022年8月28日閲覧。
- ^ 『NTTと富士通、「持続可能な未来型デジタル社会の実現」に向けた戦略的業務提携に合意』(プレスリリース)NTT、富士通、2021年4月26日 。2022年8月28日閲覧。
- ^ 電電ファミリーの一員だが、一時期NTTドコモとの関係が悪化していたことがあった。
- ^ 同社の設立趣意書には、「日本電信電話公社の事業計画遂行に全面的に協力せんとするものであります」との記述がある。