コンテンツにスキップ

普通

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

普通(ふつう)とは、広く通用する状態のこと。普通の『普』は、「あまねく」「広く」を意味する字である。

対義語として、「特別」「特殊」「特異」「奇異」。類義語として、「一般」「通常」「平常」「平凡」「平庸」「凡庸」「(ひら、なみ、つね)」「(なみ、つね)」「(なみ、つね)」など。

用例

[編集]

「出る杭は打たれる」「能有る鷹は爪を隠す」ということわざや、宗教史における異端への残害に象徴されるように、社会の中で特別な者や奇異な者は時に袋叩きに遭い、普通であることや平庸であることが求められる。しかし、単に平庸であることは、「ありきたり」「没個性」「長所を持たない」「存在感が小さい」といった厭わしい意味で捉えられることがある。

一方で、1980年代前半のテレビ番組でも使用された「良い子、悪い子、普通の子」という表現や、近年の若者言葉における「普通に良い」というように、「一定基準を満たしている」「問題が無い」「短所を持たない」といった好ましい意味で使用されることもある[1]。例えば、言葉のジェネレーションギャップを歌い上げる『これってホメことば?』という歌にも「フツーにおいしい」という表現が取り上げられている。これらの「平均的」「正常」の外にも、「平然と~を行う」「日常のように~を行う」という意味で「普通に~を行う」というように、広く『平』や『常』の口語として『普通』を使用する者も増えている。

ただし、「普通選挙」「普通教育」などの用例や、中国語の「普通話」に見られるように、『普通』の原義は「広く通用する」「一般」なので、この用法は誤謬とはいえない。

普通という言葉への抵抗感

[編集]

2021年、食品・日用品の国際企業であるユニリーバは、ヘアケア製品などのビューティー商品から「ノーマル」(ここでは標準的、普通という意)とする表記を排除することを表明した。これは同社が世界各国で行った調査で、過半数の人が髪や肌に関して「ノーマル」という言葉が使われることに抵抗感を抱くことが判明した結果としている[2]

出典

[編集]
  1. ^ 加藤主税「携帯の普及に見る若者文化到来――現代若者言葉と老若共同参画の可能性」『國文學』2008年4月号、71頁。
  2. ^ ユニリーバ、ビューティー商品から「ノーマル」の表記を排除”. CNN (2021年3月10日). 2021年3月10日閲覧。

関連項目

[編集]