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堆積相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

堆積相(たいせきそう、英語: sedimentary facies[1])は層相の一種であり、岩相英語版[注釈 1]堆積構造英語版[注釈 2]生痕化石などによって設定される[4]:61

概要

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堆積環境英語版を知るためには単にのみを解析するのではなく、記載される類似性のあるものやそれらの関係性をもとに解析が行われる。これを満たすための概念が堆積相であり、堆積相は空間的に特定の環境において堆積した堆積物に一致する。

堆積相は解析の対象とする環境の違いによって、同じ地層露頭においても異なるものが設定されることがある。それらの厚さやスケールは様々であり、ルートマップ柱状図をもって表現する際はその縮尺に注意する必要がある[4]:61

堆積システムとの関係

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堆積相対比の法則などにより堆積相やその関係を分析することによって、古環境を復元することが可能である。具体的には、連続するいくつかの堆積相の組み合わせである、堆積相組合せ(堆積相塁重)を用い、それぞれの部分において環境を解釈することによる。

すなわち堆積相塁重の解析を行うことによって、空間的な広がりを持った堆積場を復元することが可能であり、これを堆積システムと呼ぶ[4]:62-65

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南イタリアゴルゴリオーネに所在する中新世のタービダイト

保柳, 公文 & 松田 (2004)においてはタービダイトにおける例を扱っている。先述の通り堆積相の設定は場合によって異なる。タービダイトを形成した混濁流[注釈 3]の解析を行う際は、Bouma (1962)におけるバウマシーケンスのA~E区分は堆積構造英語版の変化に対応しており、それぞれの区分を堆積相として用いるべきである。しかしタービダイト自体の解析を行う際は、同じような砂岩泥岩互層が続く限り一つの堆積相として扱うべきである[4]:61

注釈

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  1. ^ 本項で詳説する堆積相は堆積に基づく分類であるのに対し、岩相は岩石内の成分によって分類したものである。またこれに基づいてをまとめたものを特に「岩相層序区分」(: lithostratigraphic classification)と呼ぶ[2]:53
  2. ^ スランプ構造漣痕など、堆積によって形成される構造のこと[3]
  3. ^ : turbidity current、乱泥流とも。未固結の粒子が攪拌され形成される水流のこと[5]

脚注

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  1. ^ 堆積相https://kotobank.jp/word/%E5%A0%86%E7%A9%8D%E7%9B%B8コトバンクより2020年10月3日閲覧 
  2. ^ 坂幸恭 (1993). 地質調査と地質図. 朝倉書店. ISBN 978-4-254-16234-9. NCID BN09040677. OCLC 47344393. 国立国会図書館書誌ID:000002244409 全国書誌番号:93037481 
  3. ^ 堆積構造”. ジオ学習. 島根半島・宍道湖中海ジオパーク推進協議会. 2020年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月3日閲覧。
  4. ^ a b c d 保柳康一; 公文富士夫; 松田博貴 (2004). 日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会. ed. 堆積物と堆積岩. フィールドジオロジー. 3. 共立出版. ISBN 978-4-320-04683-2. NCID BA66873242. OCLC 676428748. OL 30536648M 国立国会図書館書誌ID:000007329924 全国書誌番号:20585030 
  5. ^ 混濁流https://kotobank.jp/word/%E6%B7%B7%E6%BF%81%E6%B5%81コトバンクより2020年10月10日閲覧 

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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