ワックスエステル
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ワックスエステル(Wax ester)とは、蝋(ワックス)の化学的な表記。
炭素数10から12以上の長鎖脂肪酸と、同じく8以上の脂肪族アルコールがエステル結合した、長い鎖状の分子構造を持つ[1]。
栄養学的な脂肪、つまり長鎖脂肪酸が3価アルコールのグリセリンにエステル結合したトリアシルグリセロールと異なり、ヒトは消化できず油脂瀉下を引き起こすことがある一方、皮脂腺で作られる脂質の主成分[2]でもある。
クジラや深海魚(オレンジラフィー、バラムツ、アブラソコムツ、クロマトウダイ、ヒョウマトウダイなど)に多く含まれ[3]、浮力調節とエネルギー貯蔵を兼ねていると考えられている。 アシネトバクター属の細菌では、エネルギー貯蔵に用いられている[4]。 カイアシ類やミドリムシなどのプランクトンでも見られ、一部では化石燃料の代替研究が行われている。
植物では、ホホバの種子から得られるホホバオイルが利用されている[5]。皮膚に塗布した時の使用感は、ホホバオイルとオレンジラフィー油では違いは分からない[6]。
出典
[編集]- ^ 魚類:異常脂質 自然毒のリスクプロファイル 厚生労働省
- ^ Lampe, M.A.; A.L. Burlingame, J. Whitney, M.L. Williams, B.E. Brown, E. Roitman, and M. Elias (1983). “Human stratum corneum lipids: characterization and regional variations”. J. Lipid Res. 24: 120–130.
- ^ D. Buisson and S.F. Hannan. “Studies on Wax Esters in Fish”. New Zealand Institute of Chemistry. 2012年7月10日閲覧。
- ^ Fixter, Nagi, McCormack, Fewson, J. Gen. Microbiol., 132, 3147-3157(1986)
- ^ ホホバオイル 皮革用語辞典 日本皮革産業連合会
- ^ 清水太基、平野諒、韓力、山之内智、柴田雅史「オレンジラフィー油の化粧品用オイルとしての性能解析」『色材協会誌』第90巻第8号、2017年、268-274頁、doi:10.4011/shikizai.90.268、NAID 130006101542。