- 原子記号Feで表される金属元素。鉄を主材料とした合金として各種道具、製品、構造材他、各種産業ならびに一般生活に於いて極めて広い用途で使われている。
- 鉄道の略称。
- 鉄道ファンの俗称。鉄ちゃん・鉄ヲタとも呼ばれる。 → 「鉄道ファン」参照。
- 世紀末高校バスケット部の顧問。 → 「鉄(格闘ゲームプレイヤー)」参照。
- 「カービィのエアライド」のモード「ウエライド」のコースの一つ → タグ検索:「ウエライド:鉄
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鉄とは、元素記号Feで表される金属元素である。 |
概要
鉄 鉱石を精錬する事で鉄は生産される。鉄は合金として加工されることで様々な特性を持った金属材料に変化させる事が出来、それら合金は様々な道具、製品、構 造材他、各種産業ならびに一般生活に於いて極めて広い用途で使われている。人間社会に無くてはならない金属素材の一つである。 鉄といえば、「錆びる」と思う人も多いだろう。しかし、現在では純度99.9999%の超高純度鉄が東北大学により製造に成功しており、この超高純度鉄は柔らかくて錆びにくく、酸や極低温にも強いという鉄のイメージをことごとく覆すような性質を持つ。つまり、われわれが知っている鉄の性質とは鉄合金の性質にすぎなかったのだ。 |
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鉄と社会
鉄と人間との関わりは深く、鉄器時代以降、強固さが要求される道具は次々と鉄製に置き換えられ、それらを使う作業の効率化をもたらした。武器にも鉄が用いられるようになり、製鉄技術の有無が文明の存亡を左右する事もあった。
産業革命以降の近代国家にとっては、製鉄能力・技術力の高さが国家の力を決定づける重要な要素を増してゆく。
文明にとって鉄は、すなわち「強さ」であり「技術力」の証だったのだ。
現在は情報技術や半導体産業が世界の先端を突き進む為の重要なテクノロジーとなり、鉄にはかつてのような国力に直接関わるほどの「強さ」からは一歩退いている。が、人間社会や産業における鉄の重要性やポジションは変わっておらず、この傾向は当面変わる事はないだろう。
鉄と生命
鉄 というと、金属材料としての役割がクローズアップされやすいが、その一方で人間が生きていく上で欠かせない重要なミネラル分であることも忘れてはならな い。鉄分は特に血液中のヘモグロビンとして含まれており、体内の鉄分が不足すると貧血症状となることはよく知られている。
ただし、鉄分を補給するにあたっては、鉄塊をなめても意味が無い。きちんと鉄分を含んだ食品(あさり・レバー・ひじき・海苔・ほうれん草など)を適度な量、摂取する事が肝心である。また、ミネラル分の極端な過剰摂取にも気をつけたい。
鉄はどこからやってきたのか?
さて、鉄はそもそもどこから来たのだろう? 地下? 鉄鉱脈? それはある程度正しい。 しかし、もっと根源的な問題へと掘り下げれば、今は亡き、見知らぬ、名も知れぬ恒星から生まれた事になる。 時間を遡って宇宙がビッグバンで誕生してから1億年頃まで戻ろう。 その頃の宇宙に存在する元素の大半は水素とヘリウム、そしてごくわずかのリチウムやベリリウムぐらいしかなかった。それらを材料にして宇宙で最初の恒星たちが生まれる。 恒星の中では原子核融合で起こる様々な反応によって、炭素・窒素・酸素など、より重い元素が作られていった。また、ある程度巨大な質量を持つ恒星中心部では、より強力な圧力と超高温によって酸素よりも更に重い様々な元素が次々と作られ、最終的に鉄のコアを形成するに至る。 鉄のコアが完成した段階で、その恒星の原子核融合反応は終了する。核融合反応による反発力という「支え」を失った恒星は自らの質量を支えきれずに、急速に恒星の中心部に向けて落ち込んでしまう。いわゆる「重力崩壊」である。 重力崩壊時に急速に恒星中心部へ落ち込んでいった物質が中心部のコアに激しく衝突する事で外側へ強力な衝撃波が反射する。よって、莫大なエネルギーと恒星を形作っていた大量の物質は外側へと爆発的に拡散してゆく。これが超新星爆発である。 超新星爆発によって、恒星の内部にあった様々な元素は宇宙空間へ拡散してゆく。また、超新星爆発の強大なエネルギーによって、鉄よりも重い元素が作られる。 こうして、拡散していった物質は超新星残骸という星雲状の広がりとなり、宇宙空間の分子雲などに対し収縮等の影響を与え、その中でも物質の密集した箇所で新たな恒星の素となる原始星が形作られてゆく。 星間物質の密集により、引力は増大し、周辺への影響を加速度的に増してゆく。この過程で、恒星や惑星の原型が次々と形成され、かつて超新星爆発によって宇宙の塵と化した恒星を構成していた物質は「次の世代」の恒星や惑星の材料となって生まれ変わる。 現在の太陽や地球を含む太陽系の惑星群はもちろんの事、私たち人間などの生物を形作っている水素・酸素・炭素・窒素・リン……生命活動に欠かせない元素たち。更には他のありとあらゆる物質もすべてが、かつて存在した名も知らぬ恒星から生まれたものなのだ。 そして何よりも、「鉄」もその中の一つであることを忘れてはならない。 |
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漢字として
本来は「鐵」が使用されていたが、中国でも古くから「鉄」が俗字として用いられた。日本においては1946年に告示された当用漢字表では「鉄」が採用され、現在の常用漢字に至る。「失」は「テツ」という読みを表すための音符でしかないが、「金を失う」と解釈し、験担ぎとして社名(あるいはそのロゴ)に「鐵」や「鉃(金偏に矢。字義は鏃)」を用いる鉄道会社もある。
人類と密着した金属なだけあって、異体字・俗字の種類も豊富である。
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関連項目
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