レース前、河野匡監督が23歳のルーキーに伝えていた目標は「25kmまでは先頭についていく」「あとは粘れるだけ粘る」ということだった。一方で、小林本人は「緊張していたので“ハーフまで”先頭について行こうと言われたと勘違いしていて。目標達成できたと思っていました」と苦笑しながら振り返る。 いずれにせよ、その言葉を指標に小林は24km付近まで鈴木優花(第一生命グループ)や伊沢菜々花(スターツ)といった有力ランナーの集まる先頭集団に食らいついていた。 24km付近で先頭集団から遅れたが… だが、昨年の優勝者でもあり、先頭を引っぱっていたウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)による急激なペース変化の影響も受け、このタイミングで一気に集団から遅れを取る。その差はそこから数キロの間に、あっという間に1分近くになっていた。 それでも本人は遅れたショックよりも、前述のように小さな達成感すら感じていた。 「『と