日本人の稲作は、時に農政に頼り、あるいは農政に翻弄されてきた歴史がある。しかし、これからの稲作農家に必要なことは自ら考えて経営することだ。「Wedge」2025年3月号に掲載されている「食料危機の正体 日本の農業はもっと強くできる」記事の内容を一部、限定公開いたします。 農林水産省「農林業センサス」によると、稲作の「法人経営体」は2005年の3443から、20年には約1.2万まで3.5倍に増えた。一方「個人経営体」でみると、約140万から約70万と、半減。コメ農家の減少が、コメ不足に拍車をかけるとの指摘もあるが、同じ期間の作付面積は約165万ヘクタールから約137万ヘクタールと2割しか減っていない。生産量も約906万トンから約776万トンと同じく2割弱の減。コメ農家は半減しているが、生産量は2割程度しか減っていない──。 「あくまで思考実験ですが」と前置きしたうえで、茨城県龍ケ崎市で800