静岡大学などの研究チームは3月13日、花粉の出ない新たな「無花粉スギ」を開発したと発表した。正常に花粉を形成できない現象「雄性不稔」の遺伝子を持ちつつ、成長や材質などにも問題のないスギの選抜に成功。研究チームはこのスギを「春凪」(はるな)と命名した。 雄性不稔遺伝子を持つスギは、一つの遺伝子の変異に起因して生じ、この遺伝子を持つ個体同士を交配させることで作り出せる。研究チームは、2010年に作出した雄性不稔遺伝子を持つスギを育成。23年には調査や統計解析、無花粉であることの確認などを進め、優良な1個体を選抜することに成功した。このスギは、スギの品質を審査する優良品種・技術評価委員会にて「品種評価基準を満たしている」と評価を得た。