pal-9999のサッカーレポート https://pal-9999.hatenablog.com/ Thu, 22 Dec 2022 02:44:47 +0900 http://blogs.law.harvard.edu/tech/rss Hatena::Blog 2022年カタールW杯決勝、アルゼンチン対フランスのレビュー 「サッカー史上最高の試合の一つ」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2022/12/22/024447 <p>はい、こんにちは、私です。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BF%A1%BC%A5%EB">カタール</a>W杯はアルゼンチンの優勝で終わりました。御覧になった方は知っているとは思いますが、あまりに、あまりに素晴らしい試合でした。自分が見たサッカーの試合ではベスト3に入ります。試合前のストーリー、試合内容、監督の采配、試合後のアルゼンチンの熱狂、それら全てが素晴らしい、本当に素晴らしい試合でした。</p><br /> <p>あまりに素晴らしい試合だったので、備忘録もかねて試合のレビューを残しておこうと思いました。未だにあの試合の余韻が抜けてません。それほどの試合でした。</p><br /> <p>一生のうちに、数試合しか見れないであろう、そんなスポーツ史上に残る試合であったと思います。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4 id="試合前のストーリーメッシの旅の終わりとムバッペ伝説の始まり">試合前のストーリー、メッシの旅の終わりとムバッペ伝説の始まり</h4> <p><br /> 先にこの試合の前のストーリーの話から始めたいと思います。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BF%A1%BC%A5%EB">カタール</a>W杯はサッカー界を長い事牽引し続けた二人のスーパースター、そして今後長らくサッカー界を牽引するであろうスーパースターが出場した大会です。</p><br /> <p>一人の名前は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%AA%A5%CD%A5%EB%A1%A6%A5%E1%A5%C3%A5%B7">リオネル・メッシ</a>。いわずと知れたサッカー界のスーパースターであり、サッカー界の主要タイトルの全てを取った選手でした。たった一つ、W杯を除いて。過去4大会に出場していますが、いずれの大会でも失意と涙と共にピッチを去っています。皮肉な話ですが、サッカーの世界においてはW杯とはフットボーラーの目指す究極のタイトルであり、ベストの選手であることを証明する為にはW杯を取らなければなりません。それゆえにメッシは史上最高の選手ではない、そういう言説がしばしば聞かれていました。メッシは彼の背中を見て育った若手選手たちと共に最後のW杯に挑む。</p><br /> <br /> <p>その<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%AA%A5%CD%A5%EB%A1%A6%A5%E1%A5%C3%A5%B7">リオネル・メッシ</a>の最大のライバルの名前は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C6%A5%A3%A5%A2%A1%BC%A5%CE%A1%A6%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%C9">クリスティアーノ・ロナウド</a>。メッシと双璧を為すサッカー界のスーパースター。彼も又、W杯優勝を目指し続けた男でした。しかし、今大会は彼にとって残酷な結果になりました。今大会で躍進したモ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>に敗れ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%EB%A5%C8%A5%AC%A5%EB">ポルトガル</a>はベスト8で姿を消しました。しかし、彼にも又後継者がいるのです。彼に憧れ、彼から多くを学び、そして彼のような選手になりたいと願った1人の少年が成長し、世界最高の選手となり、彼がこれからのサッカー界を背負っていくからです。</p><br /> <p>その名前こそ、フランスのキリアン・ムバッペ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C6%A5%A3%A5%A2%A1%BC%A5%CE%A1%A6%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%C9">クリスティアーノ・ロナウド</a>のポスターを部屋にベタベタと張り付けていた少年の名前が世界に轟いたのは2018年ロシアW杯でした。わずか19歳にしてメッシのアルゼンチンをベスト16で打ち倒し、フランス優勝の原動力になりました。類まれなスピードと、そのサッカーセンスは4年間でさらに成長し、今大会においては、間違いなく世界最高の選手といってふさわしい次元に達していました。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BF%A1%BC%A5%EB">カタール</a>W杯決勝はメッシが「これが最後のW杯になる」と公言して臨んだ大会です。</p><br /> <p>メッシは悲願のW杯を手にし、自身の旅の終わりに史上最高の選手である事を証明出来るのか。</p><br /> <p>ムバッペが二度目のW杯を獲得し、史上最高の選手への旅の始まりとなるのか。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BF%A1%BC%A5%EB">カタール</a>W杯決勝は、新旧二人のサッカー界の英雄がぶつかった試合として、長く語り継がれる試合になる事でしょう。もはや二度とは見られない、夢のカードが実現したのです。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="フランス代表とアルゼンチン代表のサッカーについて">フランス代表とアルゼンチン代表のサッカーについて</h4> <p><br /> さて、試合の話になる前にフランス代表とアルゼンチン代表のサッカーについて触れておこうと思います。</p><br /> <p>この二チームはフォーメーションや攻撃方法、守備方法の違いはあれど、「一人の王様と10人の僕」といっていいチームになっています。王様は守備をしません。その代わりにエネルギーの全てを攻撃に使います。そして、残りの10人が献身的に攻守でそれを支えるチームとなっています。</p><br /> <br /> <p>この手の王様チームは、守備戦術に縛りが出ます。一人守備しない王様がいる為、そのスペースをどう埋めるか、それが問題となります。</p><br /> <br /> <p>この試合の基本フォメは</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221221/20221221205416.png" width="611" height="383" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういう形です。アルゼンチンは433,フランスは4231。しかし、守備時になると、</p><br /> <p>フランスは</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221221/20221221205512.png" width="639" height="479" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こういう形に変化し、</p><br /> <p>一方のアルゼンチンは</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221221/20221221205456.png" width="598" height="526" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こういう形に変化します。</p><br /> <br /> <p>ムバッペの後ろはラビオがカバーし、メッシの後ろはデ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%A6%A5%EB">パウル</a>がカバーします。これは大会通じて双方のチームの変わらない形であり、監督がこの二人を守備をしない王様のカバーを任せるセンチネルとして絶大な信頼を寄せていることがわかります。</p><br /> <br /> <p>王様サッカーの欠点は、守備をしない王様のカバーをどうするのか、そこにつきます。王様は高い位置を取り続けてこその王様です。だから王様のカバーをする強力なガードが必要になります。それがアルゼンチンではデ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%A6%A5%EB">パウル</a>、フランスではラビオになるわけです。</p><br /> <p>また攻撃においてもいかに王様に良い形でボールをつけるか、それがチーム構成上の最大の問題になります。</p><br /> <p>アルゼンチンの場合、メッシが最も力を発揮できるのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>近く、中央でプレーした場合です。その為、幅を取るWG、深さを作るCFを配置する必要があり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>監督はメッシを最大限に活かす為の選手を集めています。さらにカウンターはメッシにボールが入った時に後ろの選手がメッシを追い越していく形を取っており、速攻にしろ遅攻にしろ、メッシに強く依存するチームです。メッシがあまり関与しないのは、相手が高い位置でコンパクトな守備ブロックを敷いている時です。この場合はメッシでなくサイドチェンジからのサイドアタックや裏へのフィードでCFを走らせ、相手のラインを下げる攻撃を行います。</p><br /> <p>一方のフランスはムバッペに良い形でボールをつけるために<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>が多いチームを作っています。ジルー、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%BA%A5%DE%A5%F3">グリーズマン</a>、ラビオ、T<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%EB%A5%CA%A5%F3%A5%C7%A5%B9">エルナンデス</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>であり、ジルーの左足の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>、左サイドの底からの縦パス、右サイドから左サイドへのサイドチェンジ、全て<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>の得意技であり、ムバッペに良い形でボールをつけられる選手たちが集められています。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>がどれだけムバッペを評価しているのかがよくわかるスタメンです。</p><br /> <br /> <p>双方のチームが王様を活かす為に設計されています。全ては一人の王様の為に。</p><br /> <p>今大会の決勝はそういうチーム同士の対戦でした。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="アルゼンチン対フランス前半戦">アルゼンチン対フランス、前半戦</h4> <p></p><p>まずは動画へのリンクから。</p><br /> <p><a href="https://abema.tv/live-event/70c9ebf7-61c2-4ff2-9b13-f6478e58cb3a">https://abema.tv/live-event/70c9ebf7-61c2-4ff2-9b13-f6478e58cb3a</a></p><br /> <br /> <br /> <p>いつものabemaTVの奴です。基本的にこの動画内の時間軸で話を進めます。</p><br /> <br /> <p>この試合の前半戦は一方的な試合になりました。前半戦、フランスはシュートを一本も打てず、アルゼンチンに一方的に押し込まれる事になります。</p><br /> <br /> <p>一体、何故、そういう事が起きたのか?それは前の項目で述べたフランスの守備方法と関係があります。</p><br /> <br /> <p>今大会、多くのチームはメッシを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>近くでプレーさせない為に、自陣内で最終ラインを高めに保ちつつコンパクトな守備ブロックを敷いてメッシを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>近くでプレーさせないという守備方法を取っていました。そういった相手とどう戦うかというのが今大会のアルゼンチン代表の攻撃面における課題と言えました。そういった相手に対して、最終ラインを引かせる為の両サイドに張り出したWGからのサイドアタック、深さを作るCFというチョイスであるのは前述しました。</p><br /> <p>しかし、フランスはそういった守備方法を苦手とするチームだったりします。ムバッペが守備をろくにしないのでどうしてもムバッペの裏にスペースが生じてしまうタイプのチームなんです。前述した通り、その裏のスペースはラビオがカバーするチームな訳なんですが、そのスライドには若干の時間がかかります。アルゼンチンはそこを狙いました。</p><br /> <br /> <p>この試合の前半のアルゼンチンのゲームプランなんですが、簡単に言えば、ムバッペの裏のスペースを使い、フランスの守備ブロックを右サイドに寄せてから、左サイドのディマリアへ展開というものです。左サイドのディマリアは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>ですから、左サイドの高い位置ならまずボールは失いません。そこを起点にアルゼンチンはひたすらフランスを押し込みました。</p><br /> <p>こうなると困るのはフランスなんです。右サイドを集中的に狙われると、良い形でカウンターに結びつけるのは困難なのです。なぜなら最もムバッペから遠いサイドだから。</p><br /> <p>一方で、ムバッペがいないサイドを攻撃するわけですから、アルゼンチンはSBを遠慮なく攻撃参加させられます。ボール失ってもSBが上がったスペースをムバッペに使われて爆速カウンター喰らう危険性がないですからね。結果として、ムバッペは前半は試合からほぼ消えてました。</p><br /> <br /> <p>この試合、ラビオのカバーが上手くいかなかった理由がもう一つあって、要はメッシです。メッシがラビオの裏をふらふらしてて、そこが気になってラビオがムバッペの裏のカバーに強く出られないのです。その結果、ムバッペの裏に入ってくるアルゼンチンの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を捕まえきれず、そこから逆サイドのディマリアへ展開される。</p><br /> <br /> <p>フランスが一失点目を喫したシーンはまさにそれでした。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221220/20221220230700.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これ、前半20:39からのアルゼンチンの攻撃シーンなんですが、エムバペがCBにプレスに出るんですが、この時、同時にフランスの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が前に出てアルゼンチンの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>捕まえるか、ジルーが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>捕まえてないと守備が間延びするだけなんです。しかし、フランスのラビオはSBとCBの間にいるメッシを気にしてるのか前でれてないんですね。</p><br /> <p>そして、この後はフリーになった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に出されて、そこからアルゼンチンは前に当ててサイドのディマリアに展開。ディマリアはドリブルを始め、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>がそのディマリアを倒してしまい、アルゼンチンはPKを獲得。</p><br /> <p>このシーンは単純に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>のやらかしです。ディマリアがPK貰いにいったのは明らかなんですが「ぶち抜かれた後に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内で手と足を出す」ってのは絶対やってはいけないプレーです。PK取られるに決まってます、あんなの。フランスは中に人数いたわけですから、あそこで手と足出す必要性はゼロなんです。でも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>はやっちまったんです。この後、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>は懲罰交代させられるんですけど、その他のプレーも酷かったのでしょうがないですね。</p><br /> <br /> <p>この試合、攻撃時にはムバッペの裏に必ずアルゼンチンの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>かメッシが入り込む試合でした。そこを使われてディマリアに展開。そんな攻撃をフランスは受け続けました。</p><br /> <p>しかし、この試合のアルゼンチンの二点目はカウンターでした。</p><br /> <p>前半35分からアルゼンチンのカウンターなんですが、これは「<strong>王様のいるサイドを攻めるのはカウンターが怖い</strong>」という典型例です。王様のいるサイドでボールを失うと止められないカウンターを喰らうことがあるんです。フランスはここでアルゼンチンの右サイドを攻撃していたのですが、雑なフィードをカットされてメッシにボールが入った所からアルゼンチンのカウンターがスタート。メッシの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%EB%A5%D0%A5%EC%A5%B9">アルバレス</a>、マク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%EA%A5%B9%A5%BF%A1%BC">アリスター</a>、ディマリアという綺麗なワンタッチパスが繋がり、最後はディマリアがワンバウンドさせてGKの上を超すというシュートを決めてアルゼンチンは二点目。</p><br /> <br /> <p>王様のいるサイドは守備が弱い、だからそこを狙ったら良い。それは全くその通りなんですが、ボールを失ったときが怖いのです。これは教科書みたいな素晴らしいカウンターでしたが、多くのチームがアルゼンチンの右サイドを攻めるのを躊躇う理由でもあります。ボールロスト時、メッシ経由のカウンターが怖いのですよ。アルゼンチンのカウンターの起点はメッシですからね。</p><br /> <p>皮肉な話ですが、これをアルゼンチンも後半にやってしまうのですがね。でもそれはまだ先の話。</p><br /> <br /> <p>さて、ここで決定的といえる二点目を奪われた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>ですが、最早我慢できないと見たのか、ジルーと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>を前半41分で二枚替えにでます。代わりに入ったのがコロムアニと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%E5%A5%E9%A5%E0">テュラム</a>。ムバッペをワントップに動かし、両サイドにきちんと守備ができる選手を投入。これでムバッペの裏のスペースは消えましたから、アルゼンチンは前半ずっとやってた攻撃が出来なくなり、フランスはペースを取り戻すことになります。</p><br /> <br /> <p>しかし、この時にすでに2点ビハインド。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>とジルーがいないと右サイドから左サイドへのサイドチェンジや、ジルーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>が無くなるので、ムバッペが上手く使えず、フランスは攻撃面で厳しくなります。見てた時は、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>、どうやって点取る気なんだろう?」と思ってみてました。</p><br /> <p>フランスは前半戦でシュート0本。全くといっていいほどフランスの良い所がでてない前半でした。ここまで一方的な展開になるとは思ってませんでした。フランスのほうが若干強いかなあと思っていたので。</p><br /> <p>勿論、アルゼンチンのゲームプランは見事でした。ムバッペの裏を使い、そこからディマリアへ展開し、フランスを押し込む。これは攻守両面で機能しました。ムバッペのカウンターを喰らう事なく試合を一方的に有利に進めれましたから。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="アルゼンチン対フランス後半戦">アルゼンチン対フランス、後半戦</h4> <p><br /> フランスにとって非常に難しい試合になってしまった前半戦でした。アルゼンチンの右サイドを直接攻撃するのはカウンターのリスクが高い。ですんで比較的守備が緩いアルゼンチンの左サイドを攻撃し、そこから右サイドのムバッペへサイドチェンジを入れたい所なんですが、そこでの頼みの綱といっていい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%BA%A5%DE%A5%F3">グリーズマン</a>はアルゼンチンの執拗なマークに苦しんでおり、上手くいかない。もう一つの攻撃手段である<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>はベンチに。</p><br /> <br /> <p>こうなるとカウンター狙いをしたいのですが、すでにアルゼンチンは二点リードを持っているし、左サイドのディマリアを集中的に使って攻めてくる。ムバッペを左サイドに置いておくとカウンターは難しい。だからムバッペを中央に移してカウンターで使いやすくする。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>の采配は理に適ったものですが、問題は二点ビハインドって所です。カウンター狙いで二点取るのは中々に難しい。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>が何かしないといけない。交代カード使って試合を動かさないと難しい。二枚替えで守備は安定しましたが、ジルーと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>がいないチームってのは攻撃面では難しい状況です。違いを作れるのはムバッペしかいない。しかしアルゼンチンはムバッペにボールが行かないようにゲームを進めてんです。</p><br /> <br /> <p>多分、多くの人はこう思うでしょう。「ムバッペをベンチにして守備できる奴いれるだけでいいんじゃね?二枚替え必要なくね?」とかね。</p><br /> <p>しかし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>はそれをしなかった。ジルーでもなく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>でもなく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%BA%A5%DE%A5%F3">グリーズマン</a>でもなく、前半消えてたムバッペを選んだ。その理由を我々は後半に知る事になるのです。</p><br /> <p>ちなみに恐ろしい話ですが、フランスは後半20分すぎまでシュート0本に抑え込まれました。前半の二枚替えは守備の安定のためのものですから、それはしょうがないんですけどね。</p><br /> <p>この試合の転機の一つとなったのはアルゼンチンがディマリアを下げてアクーニャを投入した所からです。これはアルゼンチンの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>監督がよくやる奴なのですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>監督はリードをしていると基本的にこの時間帯からは守備固めに入ります。2点リードしててフランスはシュート0本。それなら後は守備固めして逃げ切る。当たり前のゲームプランでした。</p><br /> <br /> <p>だがしかし。</p><br /> <p>この交代を待っていたのが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>でした。よく我慢したと思います。ディマリアがいなくなったのを見て一旦エムバペを左サイドに戻して様子見。そこから更に二枚の交代カードを切ります。T<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%EB%A5%CA%A5%F3%A5%C7%A5%B9">エルナンデス</a>に代えてカマヴィンガ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%BA%A5%DE%A5%F3">グリーズマン</a>に代えてコマン。攻撃時のシステムを424に変更。中盤が機能しない試合のため、中盤を飛ばして前線にボールをつけるシステムに切り替えました。肉弾戦ですね、これは。</p><br /> <br /> <br /> <p>そして、この時間帯、アルゼンチンはちょっとしたミスが出ます。それまではフランスの右サイドを中心に攻めていたのですが、この時間帯からフランスの左サイドを攻めるようになったんです。ディマリアを下げてアクーニャにしたせいでしょうが、これはね、やめたほうがいいんですよ。エムバペ経由のカウンター喰らう可能性があるから。</p><br /> <br /> <p>そして、それが起きちまったのが、後半33分です。アルゼンチンはフランスの左サイドを攻撃してたのですが、そこでのボールロストからエムバペにボールが入ってしまい、フランスのカウンターが発動。コロムアニが抜け出した所を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%BF%A5%E1%A5%F3%A5%C7%A5%A3">オタメンディ</a>が手をかけてしまい、それでフランスはPKを獲得。これをムバッペが決めてスコアは2-1に。</p><br /> <br /> <p>「王様のいるサイドを攻撃するとカウンターが怖い」、まさにこれが起きた瞬間でした。守備固めでいれたアクーニャでしたが、それが原因でアルゼンチンがフランスの左サイドを攻撃するようになり、結果としてエムバペ経由のカウンターを喰らったとすると、かなり皮肉な結果だったと言わざるをえません。他にもミスがあるのですが、最大の原因はムバッペから遠いサイドを攻撃しなかった所だと思います。</p><br /> <br /> <p>そして、悪い事は重なるもんで、後半35:39。フランスの攻撃でボールがこぼれた所に前からメッシが戻ってきてアルゼンチンにボールが移ります。こうなるとアルゼンチンは攻撃のスイッチが入るので、一斉にアタッカーが前に向かって走り出し、メッシのパスコースを作ります。ところが、その時にコマンが守備に戻ってきてメッシからボールを奪う事に成功するんです。</p><br /> <p>これによってアルゼンチンのカウンターに対するフランスのカウンターが発動することになりました。そしてコマンからラビオにボールが渡り、ラビオはそこからサイドを変えてムバッペへ。フランス相手に一番警戒しないといけない右サイドから左サイドへのサイドチェンジというのをアルゼンチンは許す形になってしまいます。右から左へのサイドチェンジというのはフランスの形であり、ムバッペは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%E5%A5%E9%A5%E0">テュラム</a>とのワンツーで抜け出して、最後はスーパーボレーでゴール。これでスコアは2-2に。</p><br /> <br /> <p>ここまで殆どシュート打ててなかったフランスだったんですが、ほんの3分の間にアルゼンチンから二点を奪い、試合を振り出しに戻したわけです。なんというドラマ、なんという試合。</p><br /> <br /> <p>これこそが、ジルーでもなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%F3%A5%D9%A5%EC">デンベレ</a>でもなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%BA%A5%DE%A5%F3">グリーズマン</a>でもなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>がムバッペをフランスの王に選んだ理由です。たった一人で試合を振り出しに戻すフランスの真の王。これができる選手だからこそ、あそこまで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>に特別扱いされているのです。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="アルゼンチン対フランス延長戦前半">アルゼンチン対フランス、延長戦前半</h4> <p><br /> こうして試合は振り出しに戻りました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>の交代は機能し、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>が選んだ王は試合を振り出しに戻した。しかし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>はその為に4枚のカードを切ることになりました。もう交代カードは切れません。一方で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>は交代カードを1枚しか切っておらず、ここからアルゼンチンのターンが始まります。サッカーって、時々ターン制バトルのように見える事があります。</p><br /> <br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>が延長前半最初に行ったのがSBの変更です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%EA%A1%BC">モリー</a>ナからモンティエルへ。これはムバッペにワンツーで抜け出されたのを見ての変更でしょう。あそこでついていけないようだとフレッシュな選手に変えたほうが良いですからね。</p><br /> <br /> <p>そしてもう一つ、アルゼンチンは延長前半から攻撃時のフォーメーションを3421に変更。</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221222/20221222003611.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こういう形で攻撃する形に変更してます。綺麗に3421出来てますよね。</p><br /> <br /> <p>これを見て延長前半6分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>をラビオからフォファナに変更してます。</p><br /> <p>これ、それぞれにどういう意図があるのかって話なんですが、アルゼンチンのほうは明確です。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221222/20221222004858.png" width="616" height="500" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これです。アルゼンチンは中盤中央で数的有利を作れるんです。これに対しては「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%E5%A5%E9%A5%E0">テュラム</a>とムバッペがアルゼンチンの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>見れば良くね?」とか思うでしょ?そこで再びムバッペ問題が出るんです。ムバッペは守備適当だからアルゼンチンの中盤中央での有利は揺るがない。そのため、延長前半、アルゼンチンは中盤中央の数的有利を活かして左サイドへ展開という、フランスが一番やられたくない攻撃が再び可能になったんです。</p><br /> <p>だから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>はラビオに変えてフレッシュなフォファナ入れざるを得なくなったんです。ムバッペの分まで守備してくれるフレッシュな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が必要だったんです。</p><br /> <p>そしてそれを見てから延長前半12分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>は疲れが隠せなくなっていたデ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%A6%A5%EB">パウル</a>に変えてパレデス、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%EB%A5%D0%A5%EC%A5%B9">アルバレス</a>に変えて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%BF%A5%ED">ラウタロ</a>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%EB%A5%C1%A5%CD%A5%B9">マルチネス</a>を投入。ここ、パレデスがアンカーに入ったのが肝でして、アンカーが最終ラインに下がって3バックポゼになるので、ここにはフランスがプレスに来ないのです。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221222/20221222010504.png" width="612" height="489" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>狙いとしてはこうですね。そして、延長前半13分、この采配がすぐ当たってデ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%A6%A5%EB">パウル</a>から縦パス入れてアルゼンチンはシュートまで持ち込んでます。</p><br /> <br /> <p>このあたりの時間帯は仕掛ける<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>、守る<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>という形ですね。この試合の隠れた見所の一つに両監督の采配がありました。</p><br /> <p>ここからはずっとアルゼンチンのターンで、延長前半終了までの間に3本シュート打つのですが、どれも入らず。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%ED%A1%BC%A5%CB">スカローニ</a>の采配は上手くいっていたのですが、結果が伴わずという形でした。ここで点取れないと、延長戦のハーフタイムで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>に対策されてしまうので良くない奴なんですが、残念なことにアルゼンチンは勝ち越せないまま、延長前半は終わります。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="アルゼンチン対フランス延長戦後半">アルゼンチン対フランス、延長戦後半</h4> <p><br /> さてアルゼンチンペースで延長前半は終了したわけですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>が何もせずに後半に入るわけもなくという奴です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>という監督、守備に関しては修正がクッソ速いんですよ。</p><br /> <p>延長戦後半開始直後、フランスは高い位置からプレスに行き、アルゼンチンの433が3421に変形する前にボールを奪うという守備を試みます。自陣に押し込まれて3421に変形されてしまうとアルゼンチンに中盤制圧されてやられるってのは延長前半でわかっていたので、そういう形にしたのでしょう。</p><br /> <p>ところが、これ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%A2%CC%DC">裏目</a>にでちまいます。</p><br /> <p>高い位置からプレスに行くという事は裏のスペースをアルゼンチンに提供するという事であり、アルゼンチンは裏へのフィードに攻撃を切り替えます。このあたりの判断の速さはアルゼンチンの攻撃が優れている理由です。このチームはものすごく頭が良いのです。相手の最終ラインの高さによって攻撃方法を変えられるチームなんです。これができるチーム、実はそんなに多くありません。</p><br /> <br /> <p>延長後半1:32にはフランスは裏へのフィードで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%BF%A5%ED">ラウタロ</a>・マルティネスの抜け出しを許してしまいます。これはロリスが出てくれたので助かりましたが、延長後半2:47、フランスの最終ラインが高いのを見てアルゼンチンは再び裏へのフィードを試みます。これが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%BF%A5%ED">ラウタロ</a>・マルティネス→メッシ→Eフェルナンデス→<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%BF%A5%ED">ラウタロ</a>・マルティネスと繋がって、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%BF%A5%ED">ラウタロ</a>・マルティネスの打ったシュートをメッシが押し込んでアルゼンチンは再び勝ち越しに成功。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B7%A5%E3%A5%F3">デシャン</a>が前から行く守備に切り替えたのは気持ちはわかります。痛いほどわかります。延長前半の凹られ具合を見たら、守備のやり方変えるしかないと思うのは当然です。でもあの時間帯で前プレは無理がありすぎました。しかも前プレの起点はムバッペですよ・・・・無理ですがな・・・・</p><br /> <p>これで試合は決まった、そう思いました。見ていた時はね。</p><br /> <p>ただ、フランスというチームは監督の采配が外れたとしても、ムバッペが息をしている限りは死なないチームなんです。</p><br /> <p>延長後半10:32、フランスのCK。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A1%BC%A5%B5%A5%A4%A5%C9">ファーサイド</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%E5%A5%E9%A5%E0">テュラム</a>に出されたボールをムバッペが拾い、そこから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>。これをアルゼンチンのモンティエルがハンドしてしまい、フランスはPKを獲得。これをムバッペが決め、再び試合は振り出しに。ムバッペはW杯決勝で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%C3%A5%C8%A5%C8%A5%EA%A5%C3%A5%AF">ハットトリック</a>、得点王がこれで確定ですよ、狂ってる。</p><br /> <p>しかもこの後、両チームがプレスかかってないのにラインを高くして守るもんですから、しょうもない裏へのフィード合戦になり、決定機が量産される事態が発生。</p><br /> <p>延長後半のATにはフランスがGKとの一対一作りましたがEマルティネスのスーパーセーブ、その後には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%BF%A5%ED">ラウタロ</a>・マルティネスが決定機までいったものの、両チームともにゴールは奪えず、最後は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PK%C0%EF">PK戦</a>に。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="アルゼンチン対フランスPK戦">アルゼンチン対フランス、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PK%C0%EF">PK戦</a></h4> <p><br /> PKの話をするのは好きじゃありません。自分は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%BF%A5%B2%A1%BC">運ゲー</a>だと思ってます。</p><br /> <p>単純に確率の話をしましょう。PKの成功率80%のチームと、PKの成功率50%のチームが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PK%C0%EF">PK戦</a>したとします。どっちが勝つと思います?</p><br /> <p>確率でいいましょうか。PK成功率50%のチームが勝つ確率が20%程度はあります。</p><br /> <p>要するにどんだけPK練習頑張ろうと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%BF%A5%B2%A1%BC">運ゲー</a>なんですよ。5回勝負じゃ運の要素がでかすぎる。</p><br /> <p>これが10回だと50%のチームが勝てる可能性はぐっと減り、100回ならばほぼ0です。</p><br /> <p>PKから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%BF%A5%B2%A1%BC">運ゲー</a>要素をなくしたいなら100回は蹴るゲームに変更するべきですね。</p><br /> <p>だからPK戦なんて戦術語るほどのモンじゃないんです。</p><br /> <p>この試合、あの時、あの場所で、アルゼンチンがPKで勝ったのは、メッシにちょっとだけ、ほんのちょっとだけサッカーの神様が優しかったから。</p><br /> <p>それだけで良いと思います。</p><br /> <br /> <p>メッシの旅の終わりをこの目で見られた。それだけで俺は十分幸せです。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="最後にこれからのサッカーの新時代について">最後に、これからのサッカーの新時代について</h4> <p><br /> この<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BF%A1%BC%A5%EB">カタール</a>W杯はムバッペとメッシという、史上最高の選手同士が死闘を繰り広げた大会として、長く語り継がれるであろう大会となりました。</p><br /> <p>史上最高の選手、そう呼ばれる選手は多くはありません。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%A3%A1%A6%A5%B9%A5%C6%A5%D5%A5%A1%A5%CE">ディ・ステファノ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%C3%A5%B1%A5%F3%A5%D0%A5%A6%A5%A2%A1%BC">ベッケンバウアー</a>、クライフ、ペレ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%E9%A5%C9%A1%BC%A5%CA">マラドーナ</a>。そして今、そこにメッシが加わりました。やがてはムバッペもそこに加わるでしょう。これらの選手が直接戦った試合として有名なのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%C3%A5%B1%A5%F3%A5%D0%A5%A6%A5%A2%A1%BC">ベッケンバウアー</a>とクライフが戦った西ドイツ大会決勝ですが、今回の決勝はそれに匹敵するか、それを上回る試合だったんじゃないでしょうか。ま、自分はその試合を見たことはないんですがね。</p><br /> <p>メッシの旅は終わり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C6%A5%A3%A5%A2%A1%BC%A5%CE%A1%A6%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%C9">クリスティアーノ・ロナウド</a>の夢も終わりを告げた大会でした。</p><br /> <p>それは寂しいものですが、すでに時代に選ばれた次世代のスターが出現しています。一人は今回の主役であったフランスのムバッペ。もう一人は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%EB%A5%A6%A5%A7%A1%BC">ノルウェー</a>のハーランド。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C6%A5%A3%A5%A2%A1%BC%A5%CE%A1%A6%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%C9">クリスティアーノ・ロナウド</a>、彼はW杯を取れなかった事で史上最高と呼ばれることはもうないのかもしれません。ただ、彼に憧れ、彼を手本にした選手たちは沢山います。ムバッペもハーランドも彼を自らの手本と呼び、彼のおかげでプロ選手になれたとまでいうほどです。その功績は誰も彼から奪えないものなのです。</p><br /> <p>ムバッペもハーランドもこれからのサッカー界を引っ張っていくスーパースターとなる選手です。この二人のプレーは一見の価値があります。とんでもないプレーをする選手たちなので、是非見てください。きっとファンになると思います。</p><br /> <br /> <p>ではでは。</p> </div> Thu, 22 Dec 2022 02:44:47 +0900 hatenablog://entry/4207112889947062494 2022年カタールW杯、日本対クロアチアのレビュー、PKの話はないぞ念のため https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2022/12/08/005710 <p>はい、皆さん、こんにちは。</p><br /> <p>本日は先日行われた日本隊<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のレビューをやっていきたいと思います。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PK%C0%EF">PK戦</a>での決着だったので、皆さんも消化できない部分も沢山あるでしょうが、PKは試合内容と全く関係がない要素なので、レビューでは扱いません。今回は試合内容の話にフォーカスしてお届けします。</p><br /> <p>クッソ長いので、暇な時に読んでください。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%A7%A5%F3%A5%BD%A1%BC">チェンソー</a>マンのアサの話並に長いです。<br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4 id="日本対クロアチアスタメンと両国の守備の違いについて">日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>、スタメンと両国の守備の違いについて</h4> <p><br /> まずスタメンから。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221206/20221206194545.png" width="673" height="426" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>スタメンですが、日本は3421で冨安と遠藤がスタメンに復帰してます。ワントップは前田、シャドーは鎌田と堂安。右WBに伊東が入ってる所が特徴ですね。試合前、「前半から堂安を使ってくるならポイチさんは前半を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>に譲らない」と思ってたのですが、堂安がスタメンなのを見て、ポイチさんは前半から点取りにいくつもりだと確信しました。</p><br /> <p>ここまで日本代表はドイツ戦、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>戦、スペイン戦で前半は相手に譲り、後半勝負という形を取っていたのですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>戦では前半から勝負をかけてきました。理由は後述します。</p><br /> <p>一方の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>ですが、最大の武器である中盤の三枚<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>、ブロゾビッチ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチは変わらず。他も前節から変わらずですが、左SBはパリシッチでなくソサが入ってます。いつもの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の433ですね。</p><br /> <br /> <p>さて、この試合の話なんですが、最初にまた守備の話から入ります。退屈かもしれませんが、この試合の話になると避けては通れない話になるのでお付き合いください。</p><br /> <br /> <p>基本的にポイチさんの3421は541で自陣内にブロックを敷く守備を好み、「バイタルを相手チームに取らせない」「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>で受けさせても絶対に前を向かせない」という事を徹底します。スペイン戦がまさにそれでした。これは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/J%A5%EA%A1%BC%A5%B0">Jリーグ</a>だと鹿島が伝統的にやってる守備であり、鹿島はブラジル式守備の影響が色濃いチームです。ブラジル式守備は「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>を相手に取らせない」事を非常に重要視します。何故、ブラジルがそういう守備をするかというと、ブラジルでバイタル空けると、</p><br /> <br /> <p><blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">半端ないって。。。 <a href="https://t.co/sjXFYsYrBF">pic.twitter.com/sjXFYsYrBF</a></p>&mdash; 大迫はんぱない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/bot">bot</a> (@osako_hanpa) <a href="https://twitter.com/osako_hanpa/status/1599848678369374208?ref_src=twsrc%5Etfw">December 5, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <br /> <p>こういう攻撃喰らうからです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>のワンタッチのコンビネーションで中央突破。こういうのブラジルは大得意なんですね。</p><br /> <p>この守備は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>を守るために中盤コンパクトにしてDFラインを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>の外側5m~10mくらいの位置で踏ん張る必要があります。韓国はこのシーン、DFラインは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内の内側まで下がってしまっている上にバイタルがスカスカになってますから、これだとブラジルに中央突破喰らう・・・という奴です。</p><br /> <p>この守備方法ですが、今回のW杯では日本対スペイン、日本対モ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>の試合でモ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>や日本がとったやり方です。この二試合でスペインは日本とモ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>に完全バイタル封鎖を喰らって、得意の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>を使った攻撃が殆どできませんでした。</p><br /> <p>韓国対ブラジルはちょっとしか見てないのですが、「この守備方法だとブラジル止められない・・・」というやり方でして、後述しますが、守備のやり方が欧州式だったんです。</p><br /> <p>一方、この守備、サイドアタックにはどうしても弱くなります。中央のスペースを消す関係上、サイドとサイドの裏のスペースがどうしても弱点になります。</p><br /> <br /> <p>さて、DFラインの守備方法として、もう一つメジャーなのが欧州式と呼ばれる方法です。こちらは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>の守備が緩い事が結構多いです。何で?と思うかもしれませんが、欧州式は「<strong>バイタルは多少取られてもいいからGKとCBの間にクロスを上げさせない</strong>」事を重要視してんです。</p><br /> <p>どういう事かというと、今大会の日本対ドイツ、日本対スペインの試合で起きたケースを極端に嫌うんです。</p><br /> <p><blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">三笘からなんだよなぁ✨<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#サッカー日本代表</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#サッカー</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#ゴール</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#日本代表</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E6%88%A6?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#ドイツ戦</a> <a href="https://t.co/ay5WnBZuQH">pic.twitter.com/ay5WnBZuQH</a></p>&mdash; つかれたまん (@<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/mfd">mfd</a>_fq) <a href="https://twitter.com/mfd_fq/status/1595440529738584064?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <br /> <p><blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">田中の逆転ゴール!!<br>ドイツ戦と全く同じ流れ来てる!!<a href="https://t.co/Q2ZuZgRGoh">pic.twitter.com/Q2ZuZgRGoh</a></p>&mdash; 麹 (@oryzae1824) <a href="https://twitter.com/oryzae1824/status/1598409725296922625?ref_src=twsrc%5Etfw">December 1, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <br /> <br /> <p>これです。どちらもゴールもそうなんですが、GKとCBの間に早いクロス上げられて押し込まれる奴です。これを極端に欧州のチームは嫌うんです。</p><br /> <p>欧州のDFはほぼ全員背が高く屈強です。その為、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221206/20221206201541.png" width="609" height="434" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういうクロスには極端に強いんです。一方で、GKとCBの間のクロスを上げられてしまうと彼らの強みが発揮できないので困るのです。だから最終ラインを低く設定し、裏のスペース消すんですね。これは必然的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>でスペースが生じやすく、そこからのコンビネーション、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>に弱くなるという欠点があります。サイドアタックには強いが、中央が弱くなる。これがこの守備の問題です。</p><br /> <p>こういう守備をJリーグでやってるのは名古屋が代表的で、あそこは伝統的に欧州系の監督を多く使ってきたチームでして(例外もありますが)、そういう守備の伝統があるんです。これはチームカラーと言ってもいいですね。</p><br /> <p>お隣の韓国なんですが、日本よりもフィジカルなスタイルで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B0%A5%E9%A5%F3%A5%C9">イングランド</a>みたいなスタイルで伝統的に戦ってきた国です。そういうサッカーしてる国なんで守備の方法も欧州式なんですよ。ただ、それでブラジルとやるのは悪手なんですよね。ブラジルやスペイン相手はバイタルを閉めないといけない。相手によって守備方法は変えないといけないんです。</p><br /> <br /> <p>今回、日本がぶつかった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>というチームは、守備方式としては欧州式、あるいは名古屋式と言っていいシステムです。「ある程度バイタルは取られても良いからDFラインの裏を取らせない、GKとCBの間にクロスを上げさせない」という事を最重要視するチームでした。</p><br /> <br /> <p>そういうチームなので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は基本的にDFラインを深めに取り、自陣で451でブロックを作るチームでした。このあたりはフォーメーションは違えど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>と同じですね。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は、その守備の関係上、どうしてもバイタルが緩い事になるチームです。なので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>を使うのが上手いチームとやるとボコボコにされる危険性が常にあります。2018年にスペインに6-0で凹られたり、ユーロのベスト16でも5-3で負けてますが、バイタル使うのが上手いスペインとやると、まあそういう事にもなるかなと思う守備です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>もスペインとドイツに大量失点してますが、守備方法の関係上、バイタル使うのが上手いチーム相手だとしゃーないすね。</p><br /> <p>さて、こういう守備やってくるチームなんですが、現在の日本代表にとっては結構困るチームなんですね。</p><br /> <br /> <p>現在の日本代表の攻撃がWGの突破力、つまり三笘と伊東のスピードとドリブル突破に極端に依存してるって話は前々回のエントリで扱いましたが、深い位置でブロック敷かれてしまうとWGってのは裏のスペースが無くて苦しくなるんです。特に伊東は前のスペースが欲しい選手なので難しくなるんですね。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>に対して伊東が縦に突破してGKとCBの間にクロスを上げる攻撃は非常に有効なんです。相手はでかくて屈強なCBで、GKとCBの間にボール入れられる攻撃には対処しにくい連中ですからね。</p><br /> <p>それが嫌だからDFラインを深い位置に取ってそれをいれられないようにしてるんです。これは今回の日本代表にとっては非常にやりにくい。</p><br /> <p>4年前の日本代表は大迫の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>、香川と乾のコンビネーション、柴崎のゲームメイクがありましたから、こういうチームウェルカムなんですよ。ハッキリ言って、こういうチームは四年前のチームにとっては良いカモです。しかし、今大会の日本代表にとっては非常に難しいチームです。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="日本対クロアチアスタメン起用の堂安について">日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>、スタメン起用の堂安について</h4> <p><br /> さて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>みたいな相手に対してはポイチさんは広島時代、どう対応してたかというと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の配給からの中央三枚のコンビネーションになります。広島式の王道、1トップ2シャドーのコンビネーションですね。</p><br /> <br /> <p>この試合、最初に堂安がスタメンでした。堂安はスペイン戦で目の覚めるような120キロの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>をバイタルから打っています。コンビネーションも上手い。さらに堂安は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>です。つまり、右サイドの高い位置からカットインできる。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>代表はラインを深く取ってGKとCBの間にクロスを上げさせない守備をやってます。そして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチの裏にスペースが頻繁に出来るチームです。であれば、そのスペースを堂安に使わせて、コンビネーションと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>を狙う。相手がそれを嫌がってラインを上げてバイタルのスペース消して来たら、伊東に縦突破させてGKとCBの間へクロスを上げさせれば良い。</p><br /> <p>自分が、この試合は堂安がキーとなると考えていた理由がコレです。ポイチさんが攻撃をこれで組み立ててくるのは間違いないと思ってました。</p><br /> <p>そして同時に試合前に久保が欠場というニュースを見て「あかん、これはあかん」と思った理由でもあります。堂安が疲れてきたら同じ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>の久保を入れたい試合なのですが、交代カードで久保が使えないのですよ。この試合で久保使えないのは本当に痛い。</p><br /> <p>さらに残念な話なのですが、急造3421で1トップ2シャドーの中央3枚のコンビネーションが上手く行ってません。その上にバイタル攻略に不可欠な中盤のゲームメーカーを日本代表は欠いています。</p><br /> <br /> <p>そして、これらの懸念は試合中に現実化してしまったのです・・・・<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="日本対クロアチア前半戦">日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>、前半戦</h4> <p><br /> この試合の録画へのリンクは↓から。</p><br /> <p><a href="https://abema.tv/live-event/9c8643c5-0550-4219-8de2-6576b077f8f5">&#x65E5;&#x672C; vs &#x30AF;&#x30ED;&#x30A2;&#x30C1;&#x30A2;&#xFF5C;&#x6C7A;&#x52DD;&#x30C8;&#x30FC;&#x30CA;&#x30E1;&#x30F3;&#x30C8;1&#x56DE;&#x6226;&#xFF5C;FIFA &#x30EF;&#x30FC;&#x30EB;&#x30C9;&#x30AB;&#x30C3;&#x30D7; &#x30AB;&#x30BF;&#x30FC;&#x30EB; 2022 | &#x65B0;&#x3057;&#x3044;&#x672A;&#x6765;&#x306E;&#x30C6;&#x30EC;&#x30D3; | ABEMA</a></p><br /> <br /> <br /> <p>先に言っておきます。「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のバイタルの守備が緩めなら柴崎を何で使わないの?」という疑問があるでしょう。</p><br /> <p>サッカーは相手がいるスポーツです。そして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の中盤は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチ、ブロゾビッチという欧州屈指の3人です。これを柴崎とマッチアップさせてしまうと事故が起きる可能性が非常に高いのです。これは非常に難しい判断です。やるならギャンブルと言っても良い。ポイチさんは守田と遠藤に託しました。その判断を自分は尊重します。</p><br /> <br /> <p>さて、この試合の前半なンですが、ひじょ~~~にオープンな展開になりました。ドイツ戦、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>戦、スペイン戦とはまるで様相の違う試合になりました。本田3が解説で「オープンなので怖い」みたいな事言ってましたが、自分も同じ感想でした。これまでの3試合では日本は前半は塩漬けにする事を選び、相手に主導権を渡し、前半を相手に譲るサッカーをしたのですが、この試合は前半から打ちあう事を選んだんです。</p><br /> <p>前半1:25、日本がまずFKを貰います。この試合の最初から日本代表の狙いはGKとDFの間でした。単純に高さ勝負だと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>に分があるため、CBとGKの間にボールを入れたい訳です。堂安はGKとCBの間にボールを蹴りこみ、それに選手が合わせるって形を取ります。ここ、冨安が触ってれば日本がここで先制できたんですが・・・・</p><br /> <br /> <p>次に前半2:25、日本のCKになるんですが、ここで日本は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>を選択。伊東から遠藤にパス。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>をすると<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は最終ラインをちょっと上げます。そこで遠藤がDFとGKの間にボールを入れるんですが、これを谷口がヘディング、これは惜しくも反れてしまいますが、非常に良い攻撃が出来てます。</p><br /> <br /> <p>そして前半4分あたりから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の攻撃が始まるんですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>代表の特徴として、サイドのワンタッチのコンビネーションからの突破が非常に上手いってのがあります。スペイン戦みれば、日本代表の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>の守備が非常に硬いってのは相手もわかってるので、そこは使わずサイドからという意図は見えてきます。</p><br /> <p>これ、試合前から怖かったのですが、日本の左サイドがワンタッチのコンビネーションで抜かれて、逆サイドの伊東のところにクロス上げられるとスペイン戦みたいな事故が起きる可能性が低くないんですよ。実際にこれは後半に起きてしまうのですがね。</p><br /> <br /> <p>本田さん、このあたりの解説で「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は(スペインと比べると)雑い。けどその雑さが怖い」って話してるんですが、伊東のところは雑なクロスでも失点してしまう可能性があるんです。本職のDFでなくアタッカーをWBに使う代償として受け入れないといけないリスクなんですけども。</p><br /> <p>今回のエントリで「インスイングのクロスはDFがマークとボールを同時に見れるので対処しやすい」って話をしましたが、それは本職がDFの選手の場合です。本職アタッカーの伊東にそれを求めるのは酷です。</p><br /> <br /> <p>試合の話に戻りますが、前半7:26秒、冨安が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%EA%A5%B7%A5%C3%A5%C1">ペリシッチ</a>に押されてパスを空ぶって抜け出され、GKとの一対一が出来てしまいます。ここは権田がビッグセーブ。これ、マジでビッグセーブでした。こういうシーンほどVARしろよって話なんですがね。なんのためのVARなんだか。VARについては言いたいことが沢山あるのですが、今回は関係ないので止めときます。</p><br /> <br /> <br /> <p>さて、話を試合に戻ります。前半8:21の所なんですが、動画みてもらうとわかるんですけど、日本代表は自陣内からのビルドアップから長友までボールを出すことに成功します。ここで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のDFラインは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内までラインが下がっていて、さらに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチの裏のところで堂安がフリーなんですよ。バイタルスッカスカ。あそこを使いたいのです。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221206/20221206224115.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>このシーンなんすけどね、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>ってこういうシーン本当に多いチームなんです。画面右下にいる堂安がフリーなんです。あそこは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチが埋めないといけない場所なんですけど、あそこが空くんですよね。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>なんですが、日本相手だからあそこ空いてても何とかなりましたが、次はブラジルです。あそこ空いてたらブラジル代表はCFとSBがワンツーして間違いなくあそこまでボール運べます。どうするんでしょうね。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の守備方法だとブラジルのアタッカー抑えきれないと思うんですよね。</p><br /> <p>話が反れたので話を試合に戻します。</p><br /> <br /> <p>前半9分、ここで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は日本の最終ラインが高いのを見て裏へのスペースにポーンと蹴ってきます。それを見て本田3が「ラインが高かったら平気でああいう所なんぼかやってくるんでちょっと嫌ですよね」って話してるんです。本田3がいうようにスペインはこういうボール蹴ってこないのですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>はやってくるんです。これは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の特徴と言っていいですが、良い意味で雑です。雑にクロス入れて来るし、雑に裏へのフィード出してきます。ポゼッションにはそれほど拘らないんです。スペインは秩序だったポゼッション、崩しの形を持ってるのですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は綺麗な形にはこだわらないのです。点に直結するプレーがあれば、雑であってもやってくるんですな。</p><br /> <p>これ、どういう事かというと、日本はワンミスで失点する可能性が常にあるって事です。ミスが多いチームにはこういうの非常に有効だったりします。多分ですが、日本はミスが多いって思われてますね。実際そうなんですが。</p><br /> <br /> <br /> <p>前半11:36、ここ、日本がやりたい攻撃ができたシーンです。ここは見事な攻撃で遠藤からブロゾビッチの脇に降りてきた前田に楔をいれて、それを鎌田に落とし、それをブロゾビッチの脇のスペースでフリーだった堂安につける。ここからサイドの伊東の展開して、伊東は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のDFとGKの間にクロス。これ最後に長友が滑り込んだんですが触らず。この形なんですよね、日本がやりたい攻撃。ここは本当に見事な攻撃でした。こういう攻撃は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>みたいなチームにとって一番嫌な攻撃です。</p><br /> <br /> <p>前半14分。ここも雑な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の攻撃なんですが、日本代表がライン高いのをみて、その裏に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>がポーンと蹴ってくるんです。これで日本の左サイドを抉って左足でファーの伊東の所へクロス。本当に雑な攻撃なんですけどね、日本はこれが嫌なんですよ。</p><br /> <br /> <p>双方のチームの狙いはこの時間帯ではっきりしてきていて、日本はブロゾビッチの脇を取ってサイドに展開し、そこからGKとDFの間へのクロス。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は日本の左サイドからファーの伊東の所へクロス。試合はかなりオープンな展開で、双方のチームの弱みをはっきりと狙う展開です。そして、そのどちらがそれを成功させるか、それが問題でした。</p><br /> <p>前半25分、ここで本田3が解説で「見てください(日本の)ラインめちゃくちゃ高いですよ、で蹴ってきた時が怖いんです、ホラこれ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%D5%A5%B5%A5%A4%A5%C9">オフサイド</a>ないですよ」って言って、その通りに日本のDFラインの裏に抜け出されます。ここ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は良い意味で雑なんです。裏にスペースあったら雑に最終ラインから蹴ってくるんですよ。綺麗なサッカーにこだわらないのです。スペインは日本戦、モ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>戦で綺麗で上品なサッカーに拘って自滅しましたが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は拘らない。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のサッカーって、スペインとは明確に違います。中盤三枚がポゼッションのキーとなっている433という点では同じですが、「得点に直結するプレーは雑でも良いからやる」チームです。だから最終ラインから裏に蹴る事を躊躇なくやってきます。スペインはやってこないんです。</p><br /> <p>前半27分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の攻撃がまたいい形で決まるんですが、日本が中盤をコンパクトにしたバイタル封鎖守備をやってるので、雑にサイドの裏に蹴ってくるんです。そして、そこからファーへのクロスに繋げてます。これね、スペインがやってこない攻撃なんですが、中盤コンパクトにしたサッカーにはコレが効くんです。本田3が「ウザいなー」って解説してますが、「雑だがインテリジェンスがある攻撃」を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>はやってます。</p><br /> <p>そこから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の攻めが続くんですが、もう徹底して伊東の所を狙ってきます。ニアの伊東と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%EA%A5%B7%A5%C3%A5%C1">ペリシッチ</a>を競らせて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%EA%A5%B7%A5%C3%A5%C1">ペリシッチ</a>が中央に反らす、さらにこぼれたボールを伊東の所に放り込む。徹底して伊東狙いです。あそこが日本の穴だとわかってますから、そこを徹底して突くんです。攻撃は雑なんですが、明確な意図がある。伊東はクロスの対応に難がある。だったらそこを狙えばいい。堅い中央は使わない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の狙いはハッキリしてます。</p><br /> <p>前半28分の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の攻撃も同じです。中央から斜め外に動く<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%EA%A5%B7%A5%C3%A5%C1">ペリシッチ</a>の動きで裏を取り、そこからサイド攻撃。スペインはこれやってこないんですよ。スペインはひたすら中央にこだわる。日本とモ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>は中央封鎖守備してたのにね。スペイン対モ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>の試合見てて「スペインのサッカーには知性がない」とか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>で言いましたが、相手の強いところに突っ込んで弱い所に行かないからです。バッカじゃねぇのって思ってました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B0%A5%E9%A5%F3%A5%C9">イングランド</a>もサイド封鎖されてるのにひたすらサイド攻撃する<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BE%B6%DA">脳筋</a>サッカー国ですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>はそうじゃありません。日本の弱いところを集中的に狙ってきてます。</p><br /> <p>中央封鎖されてるのに中央にいくスペイン、サイド封鎖されてるのにサイドに行く<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B0%A5%E9%A5%F3%A5%C9">イングランド</a>。これを極東の島国では馬鹿の一つ覚えと言います。</p><br /> <p>前半30分前後、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は中央のコンビネーション試すんですが、それはあっさり日本の守備の網にかかってます。こういう攻撃は日本は怖くないんです。中央封鎖してるので。</p><br /> <p>前半32分、これ画像でやりますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221207/20221207194909.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>って、こういう風に守備の時に最終ラインを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>手前くらいまですぐ下げるんですよ。日本はバイタル封鎖守備なので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>手前5~10mあたりに最終ライン設定するんです。一方<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>はさっさとPA手前まで下げます。これは最初にも述べましたが、両国の守備方法の違い、やられたくない攻撃の違いによります。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>がすぐ最終ラインを下げるのはGKとDFの間にクロス上げられたくないからです。日本はスペインとドイツに、そのクロスで得点を奪っており、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>がそれを警戒しているのがよくわかるシーンです。</p><br /> <p>で、ここねえ、日本はボール一回戻して伊東を裏に走らせるんですが、それはあまり良い手ではないんですよね。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のアンカーの両脇にスペースあるんですよ。バイタルにスペースあるなら、そこを狙って欲しいのですがね。うーーん、という奴です。この手の守備をやるチームに伊東を裏に走らせる攻撃はあまり効かないのですよ。あまり良くないという奴です。ブラジルやスペインだったら間違いなく中央に来てます。クロスにこだわりすぎてないか、そういうシーンでしたね。実はこの試合、こういうシーンが多かった試合でもあります。</p><br /> <p>次、前半33分のシーン、ここも画像でやりますけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221207/20221207200128.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これ、日本の攻撃シーンなんですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>ってチームは最終ラインを深い位置に設定します。だから日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は割と簡単に相手陣内で前向いてボール持てるんです。動画で見て欲しいのですが、ここから日本は中央でのコンビネーションを開始。遠藤が堂安に当てて前田に落とし、それをバイタルに走りこんだ遠藤に戻すというプレーで絶好の位置で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が前を向ける所まで行ったんですが、惜しくも繋がらず。</p><br /> <p>これねえ、クラブチームなら間違いなく中央ぶち抜いてます。今回の代表、準備期間が短い中で3421に変更したので1トップ2シャドーと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>のコンビネーションがちょっとズレるんですよ。こういうシーン何度もありました。</p><br /> <br /> <p>急造の3421だ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>ょうがないんですが、本当に惜しいです。こういう攻撃ね、柴崎とかが大得意な奴なんです。相手陣内で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が割と簡単に前向ける試合なんで、柴崎がいればなあ、1トップ2シャドーの連携がしっかりできてればなあ、って何度も思いました。</p><br /> <p>ちゃんとしたゲームメーカーがいて、1トップ2シャドーのコンビネーションがしっかりしてれば二点以上取れて勝てた試合なんです。本当に惜しい。そこが惜しい。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%CF%A1%BC%A5%D5">インサイドハーフ</a>は、アンカーの裏をウロウロしてる2シャドーを気にして日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に積極的にプレスに出れない試合でした。そのため、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は高い位置で簡単に前を向ける。柴崎が欲しいんです。日本がボール持ってる時は。</p><br /> <br /> <p>そんな中、前半40分には鎌田が決定機を迎えるのですが、シュートは枠の上に。あそこ、決めといて欲しかったです。もうマジ決定機逸脱。このあたりはずっと日<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%A4%CE%BB%FE%B4%D6">本の時間</a>でした。</p><br /> <p>前半42:48秒、日本はCKから先制します。ここ本田3が「あの立ち位置みても(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>)対応できんですよ、そうそうそうやってみ」と解説いれてて、その後に実際に日本代表は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>を選択。</p><br /> <p>これ、前半2分にみせたのに近い形なんですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>で相手のDFラインを上げさせて堂安にGKとDFラインの間に巻いて落ちるボールを入れさせるという形。ここは遠藤が触って前田が押し込みました。これは守備を頑張ってた前田へのご褒美です。高さで勝る相手にはこういう形での<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>は非常に有効なので覚えといてください。</p><br /> <p>リアタイしてた時は本田さんの言う通りになってて画面の前で笑ってましたけどね。</p><br /> <p>日本代表、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%BA%C7%BD%AA%CD%BD%C1%AA">アジア最終予選</a>ではセットプレーからの得点ゼロのチームだったのに、まさかのCKからの得点です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>もびっくりだったでしょう。これ、スペイン、ドイツ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>では見せてなかった形だったので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は対応できなかったですね。ベスト16の試合まで、セットプレーの形を隠してた訳で、ポイチさんもここぞという試合まで手札伏せてたわけです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%BA%C7%BD%AA%CD%BD%C1%AA">アジア最終予選</a>、W杯GLの死の組で手札を使わず、いけるかどうかもわからないベスト16まで温存とか、控え目に言って頭がおかしい。</p><br /> <p>前半32分以降、日<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%A4%CE%BB%FE%B4%D6">本の時間</a>が来てたのですが、その時間帯にしっかり点が取れました。今の日本代表には決定力はあるんです。自分達の時間にしっかり点とりますから。</p><br /> <p>日本はこの一点リードをもって後半に入る事になります。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="日本対クロアチア後半戦">日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>、後半戦</h4> <p>ここから先は書くのは気が重いです。日本が上手くいかなかった後半の話です。</p><br /> <br /> <p>日本代表は1点リードで折り返したので、ここまで常に行ってきた後半開始頭からの二枚替えを行わず。相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>も交代枠は使わず、そのままのメンバーで後半に入りました。</p><br /> <p>双方のチームが明確な狙いを持って攻撃を組み立てており、それはどちらのチームも上手く行っていました。あとは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の伊東狙いがハマるか、日本の攻撃がハマるか、それの勝負でした。</p><br /> <br /> <p>さて、最初は日本でした。後半0:22分、相手陣内で日本はボールを奪い、そこから速攻。相手のバイタルはスカスカで鎌田はそこからマークに来たブロゾビッチを華麗に外して(ブロゾビッチは背中を見せてターンさせらてます)、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>。これは枠を外れるんですが、良いシーンでした。</p><br /> <p>あんですねえ、ここ、「日本は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>もうちょい頑張ろうや」という奴なのですよ。</p><br /> <p>バイタルにスペースできるし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が簡単に前向けるチーム相手なんですよ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>、シャドー、WBの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>で点取りたいのです。強力なミドルがあるチーム相手だと、DFラインはミドルが怖いのでラインを上げざるを得なくなります。そうすると、今度は裏にスペースできます。そしたら日本の二枚看板、三笘と伊東のスピードが活きるんですよ。</p><br /> <br /> <p>後半2分あたりで本田が解説で三笘の話を始めます。「三笘さんどうします?」ってね。本田3は三笘を一列前で使いたいようでした。WBだと守備に追われるからというのが理由です。</p><br /> <p>自分もここが気になってまして、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>がWBのところを狙ってきてるのに両WBを「伊東・三笘」にしてしまうのは悪手だと思ってたんです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は日本の両サイドの裏のスペースを狙い、そこからファーへのクロスを上げるってのを前半<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>つこくやってました。こういう攻撃をするチーム相手に両WBをアタッカーにするのはリスクが高すぎるんです。</p><br /> <br /> <p>後半8分、日本の攻撃シーン、ここ大問題起こしてて</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221207/20221207215504.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>このシーンです。ここ伊東がサイドからGKとDFの間を狙ってクロスを上げてるんです。これは確かに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は嫌な攻撃なんですよ。でも、これが嫌だからDFラインを深くしてるんです。こういう相手にそこを狙うのは悪手なんですよ。で、バイタル見てください。堂安がフリーなんですよ。バイタルスカスカ。ここねえ、伊東が堂安に出してたら決定機です。伊東からのパスを堂安は左足でトラップしてシュートか、DF引きつけて逆サイドにいる鎌田にパスすれば一点取れたシーンなんですよ。</p><br /> <p>あのね、わかるんです。気持ちはわかるんです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>みたいな相手はDFとGKの間にクロスが有効。その通りです。しかし相手はそれが怖いからDFラインを深く取り、バイタルにスペースが出来るリスクを取ってるんです。だったら中央攻めるべきでしょってね。</p><br /> <br /> <p>見返すとこういうシーンがあって悔しくなるんですよ。こういうシーンが出来た時の為の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>の堂安なんです。でも使えてない。こういう所なんです。こういう所で駄目押ししてれば勝てた試合なんです。</p><br /> <br /> <br /> <p>そして皆さんご存じかとは思いますが、後半10分、日本は失点してしまいます。</p><br /> <br /> <p>日本が失点したのはマジで雑なクロスなんです。日本の左サイドで裏取られたわけでもないし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のSBがインスイングでゴールに向かう軌道の雑なクロスをファーに上げました。これを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%EA%A5%B7%A5%C3%A5%C1">ペリシッチ</a>にヘディングで決められて失点。</p><br /> <br /> <p>これ、しょうがないんです。伊東がクロス対応に難があるってのは最初からわかってた事で。本職のSBなら失点しないタイプのクロスです。でもポイチさんは伊東を選んだ。右サイドの堂安と伊東で点を取りたかったんでしょう。実際、ひとつ前の後半8分のシーン、伊東が堂安にボールつけてたら日本が二点目取れてたかもしれない。そうすればポイチさんは何の迷いもなく伊東を一列あげて酒井を投入したでしょう。</p><br /> <p>サッカーの試合って、こういう事よくあるんです。ほんのちょっとした事で全部変わってしまうのです。鎌田がバイタルで前を向いて打ったミドルが入っていれば、伊東が堂安にボールをつけていれば、そういう所なんですよ、勝負を分けるのは。PKなんてどうでもいいのです。試合内容のほうがよっぽど重要です。</p><br /> <br /> <p>そして、ここから両監督が試合に介入を始めます。</p><br /> <br /> <p>最初の交代カードは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>でした。後半17分、CFのペトコビッチを下げてブディミルを投入。これはもう一点取って勝ちに行くってメッセージです。</p><br /> <p>それを見てポイチさんも交代カードを切ります。後半19分に長友に代えて三笘、前田に代えて浅野。相手が点取りに前にくるなら、打ち合いに応じるというメッセージです。これ、滅茶苦茶リスクがあります。両WBが伊東と三笘。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は前半から両WB狙いを続けている。相手が利用できる場所がこれで両サイドに出来たわけです。ポイチさんがこの采配した時は「リスク高すぎる、止めた方が・・・」と思いました。</p><br /> <br /> <p>これもう、どっちが先に点を取るか、そういう勝負を選んだという事です。全力で殴りあうって監督からのメッセージです。</p><br /> <p>最初にチャンスを作ったのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>でした。やはり三笘のところ狙ってきました。日本の右サイドから三笘のところにクロス。これは相手のヘディングが反れてくれて助かりましたが、三笘も結局アタッカーです。クロスの対応には難があるんですよ。</p><br /> <p>ただ、ピンチの後にはチャンスも来るもんで、後半24分、日本にもチャンスが来るんです。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221207/20221207222920.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>ここ、三笘がサイドの高い位置でボール持てました。この時ね、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>も「三笘のドリブルはやばい」ってわかってますから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>がサイドのヘルプに来てます。つまり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>はアンカー一人。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のバイタルはスカスカなんです。</p><br /> <p>ここ三笘は縦に突破して、GKとDFの間にクロスいれようとするんですけど、そっちは可能性が低いんです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>はDFラインを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内まで下げており、GKとDFラインの間のスペースはほとんどなくなっている。これじゃ縦に突破しても難しいんです。それより中使うべきなんです。サイドに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>釣りだしてるんですから、アンカーの両脇使いたい。</p><br /> <p>本当にこういう所なんですよ、こういう所。相手が警戒してる所じゃなくて、相手の弱い所狙わないと。伊東も三笘もGKとDFの間へのクロスにこだわりすぎてんです。相手はそれを滅茶苦茶警戒してんです。だからDFラインが非常に低くてバイタルにスペースがある。そっちに行って欲しいのに、そっちに行かない。こういうディテールの部分が大事なんですって本当に。PKじゃなくてね。</p><br /> <p>この試合、三笘は滅茶苦茶警戒されてました。でもね、それなら相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%CF%A1%BC%A5%D5">インサイドハーフ</a>をサイドに釣りだして、バイタルでフリーになってる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>やシャドー使えばいいんですって。</p><br /> <p>俺はね、この試合についていえば、こういう所が話題になって欲しいんですよ。でもみんなPKの話ばっかしてる。そうじゃないだろって思うんですよ。だから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PK%C0%EF">PK戦</a>が嫌いなんです。PKは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%BF%A5%B2%A1%BC">運ゲー</a>です。試合は自分達でコン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%ED%A1%BC%A5%EB">トロール</a>できる。なら試合の話しようやって事です。</p><br /> <br /> <p>さて、後半30分、ポイチさんはここで動きます。もう露骨に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>がファーへのクロスを狙っているを嫌ってか、鎌田に代えて酒井を投入。これで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>に集中的に狙われていた伊東を一列上げてシャドーのポジションに移動させました。</p><br /> <p>これは恐らく、ポイチさん的には逃げ切りのプランだったはずなんです。これをやってしまうと日本代表の右の攻撃が機能しなくなる恐れがあるからです。実質、左の三笘に攻撃は全てを託すって形になってしまうんですね。</p><br /> <br /> <p>この試合、日本代表のメインの攻撃プランは右サイドの堂安と伊東でした。理由は最初に話した通りです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチの裏にスペースが出来やすいチームで、そこを堂安と伊東で攻略したい試合なのです。そのチャンスはあった。しかし、そこで点は取れなかった。</p><br /> <br /> <p>酒井でも出来ないことはありません、しかし精度は落ちてしまう。さらに堂安は後半30分も過ぎると体力的に厳しくなってくる時間です。ここで交代枠で使える久保が欠場してるんです。久保がいれば、もう無理やりの殴り合いを続けても良かったんです。しかし、その久保がいない。ここにきて久保の欠場が痛い事になったんです。</p><br /> <p>日本代表は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の最大のウィークポイントといっていい右サイドの攻撃をここで諦めざるを得なくなりました。</p><br /> <p>ポイチさんはここで伊東を左のシャドーに回し、左サイドからの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の攻略を試みることになります。しかし、ここでは日本代表の構造的問題があり、日本は左サイドの底にゲーム作れる奴がおらんのです。谷口は右利き、守田も右利き。左のシャドーだった鎌田も下げました。鎌田は頻繁に下がってきて日本のビルドアップ助けてたんですが、その鎌田も下げてしまった。代わりに入ったのは伊東です。彼はビルドアップを助けられる選手ではありません。</p><br /> <p>これでは三笘に良い形でボール持たせるのは非常に難しい。しかも三笘はガチガチに警戒されてます。</p><br /> <br /> <p>このあたりの時間帯から、見てて「もう攻め手がない・・・」という感じでした。</p><br /> <br /> <p>そして後半31分、日本の左サイドのビルドアップのミス(吉田が事故りました)から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%EA%A5%B7%A5%C3%A5%C1">ペリシッチ</a>にボールが渡ってしまい、日本は大ピンチになります。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%EA%A5%B7%A5%C3%A5%C1">ペリシッチ</a>は右利きなんですが、左足も同じくらい上手い選手で、対応した冨安は右足のシュートコースは消してましたが、左足のシュートコースは空けざるを得ない状況。終わったかと思いましたが、冨安がシュートに触って軌道を変えてくれました。本当に冨安は現在の日本代表で最高の選手です。彼じゃなかったら、あそこでこの試合は終わってましたね。</p><br /> <p>こういうプレーこそ称賛すべきなんです。本来はね。PKの話とかどうでもええねん。</p><br /> <br /> <p>後半34分、日本はFKを獲得。ここでFKのこぼれ球を三笘が拾って、そこから中の冨安にス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A1%BC%A5%D1%A5%B9">ルーパス</a>。DFラインの裏へ冨安が抜け出すんですが、ここでシュートでなく中へのクロスを選択・・・・冨安、そこ打ってええねん。GKとDFの間のクロスにこだわりすぎやねん。そういうとこだぞ、日本代表。本当にそういうところだぞ、馬鹿の一つ覚えみたいにGKとDFの間にクロスばっかいれるな。</p><br /> <br /> <p>見返すと本当にこういう所が悔しくなるので嫌になるんですよね。</p><br /> <p>スペインは中央閉められているいるのに中央に行って自滅。<br /> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B0%A5%E9%A5%F3%A5%C9">イングランド</a>はサイド閉められているのにサイドに行って自滅。<br /> 日本はGKとCBの間閉められているのにそこにクロス入れまくって自滅。</p><br /> <p>こういうの、専門用語でサッカーインテリジェンスがないといいます。</p><br /> <p>ただ、このあたりから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>もサッカーインテリジェンスがない攻撃始めるんですよ。</p><br /> <p>日本の右サイドは酒井のWBに変わったんですが、後半36分、そこに雑なインスイングのクロスいれてくるんです。酒井は本職のDFであり、クロス対応は万全です。インスイングのクロスで失点を許すような選手じゃありません。それなのに、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>はそこにいれちゃうんです。その後も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>はそんな攻撃を続けることになります。怖いのは三笘の所を狙ったクロスだけでしたが、右WBはすでに酒井です。そう簡単には抜けません。</p><br /> <p>後半42分、ポイチさんは疲れが見えていた堂安に代えて南野を投入。本当はここで久保を入れたいのです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチの裏にスペースがあるんだし。しかし久保はいない。ここに来て久保がいない事が響いてきます。南野では右サイドの攻撃は作れないんですよ。これで日本の交代カードは四枚目。</p><br /> <p>ここで双方のチームが攻め手を失いました。日本は攻め手がない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>もない。事故が起きない限り、これは延長戦です。そして、試合は延長戦に突入することになります。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="日本対クロアチア延長戦">日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>、延長戦</h4> <p>もうこの時点で双方のチームが攻め手がない状態でした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の頼みの綱といっていい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>は疲れが隠せなくなっています。左サイドの攻撃も右WBに酒井が入ったので難しい状態です。三笘も抜けてなかったので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>に唯一残った攻め手としては三笘の所になんとかしてクロスを入れる。それしかない。しかし、ポイチさんは伊東を右に動かしており、その対応をさせてますから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は難しい。</p><br /> <br /> <p>日本もそれは同じでした。交代カードは残り一枚でもう切れない。選手に託すしかない。そうなると、日本はほぼ三笘にかかってきます。そこしかない。だから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>にガチガチに警戒されてて難しい。</p><br /> <br /> <p>お互いに残った攻め手は一枚のみ。当然警戒されるわけです。だからお互いに点取るのは難しい延長戦です。ミスしたほうが負ける。</p><br /> <br /> <p>そして最初にミスがでたのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>でした。</p><br /> <br /> <p>延長前半3分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は雑なフィードを日本にカットされ、三笘がドリブルでボールをもって持ちあがる展開になりました。この時、日本のアタッカーは五枚。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は最終ラインの所で五枚。決定機になる奴です。ここで三笘は中央にカットインしていき、CFの浅野とのワンツーを試みます。</p><br /> <p><strong>ところが浅野にボールが入りそうな所で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のCBが浅野を後ろから手で押して倒したんですよ、PA内で。</strong></p><br /> <p>これで浅野がボールを受けることが出来ず、三笘とのワンツーは失敗。ワンツー成功してれば決定機でした。そしてファウルは勿論無し。ま、VARなんてこんなもんですよね。HAHAHA。このW杯、VARでどうでもいいプレーでPK与えるケースが散見されるんですが、こういうプレーは許されるみたいです。</p><br /> <p>全国のサッカー少年へ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内でCFが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>を試みたら後ろから手を使って全力で押し倒せ!!!CFは手で押されても倒れちゃ駄目だぞ!!!</p><br /> <p>そういう事ですね。それが審判のジャッジならそれが全てです。<strong>でもプッシングでPK取る審判もいるからCBは気をつけてね。</strong></p><br /> <br /> <br /> <p>そして延長前半9分。ここで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の監督は二枚替え。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチを下げて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%CF%A1%BC%A5%D5">インサイドハーフ</a>を二枚追加。この交代なんですけど、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%CF%A1%BC%A5%D5">インサイドハーフ</a>が日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に行けなくなっていて、日本にボール支配されるような状況になってたんですよね、この時間帯。だから日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>へのプレスを復活させたかったんでしょう。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の看板ともいえる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%C9%A5%EA%A5%C3%A5%C1">モドリッチ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%D0%A5%C1">コバチ</a>ッチが下がりました。そうなるとですね、ポイチさん、柴崎を使っても良いんじゃ?となるわけです。相手の怖い<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%CF%A1%BC%A5%D5">インサイドハーフ</a>は下がった訳だから、柴崎を入れてゲームメイクさせるってのも手です。</p><br /> <br /> <p>前半14分、日本はカウンターから三笘が中央にカットインしてミドルを打つんですが、これはGKの守備範囲、そこから日本は波状攻撃かけるんですが、最後の守田のボレーは残念な形に。ここが延長前半二度目の最大のチャンスでした。</p><br /> <br /> <p>本当に日本は三笘次第なんですが、警戒されまくってて中々使えない。そういう展開です。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="日本対クロアチア延長後半">日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>、延長後半</h4> <p>さて延長後半、ここでポイチさん、最後の交代カードです。守田に代えて田中碧。</p><br /> <p>うーん、ここが最後に柴崎を使うチャンスではあったんですが、ポイチさん、最後まで柴崎使いませんでした。そんなに練習でのパフォーマンスが低かったんでしょうか・・・・</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>の監督はここで最後の交代カードを全部切ってます。日本に中盤にプレスがかかりきらず、危険な状態が続いていたので、前の選手を代えて中盤へのプレスを復活させた形です。こうなると日本の攻め手が更に難しくなるわけです。嫌な交代です。明らかに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PK%C0%EF">PK戦</a>みてる交代です。</p><br /> <br /> <br /> <p>延長後半3分、最終ラインの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%F3%A5%B0%A5%D5%A5%A3%A1%BC%A5%C9">ロングフィード</a>のこぼれ球を日本代表は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>陣内で拾いました。バイタルで拾ったボールを左の三笘に展開、ここ、延長後半最大のチャンスになりました。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221208/20221208001517.jpg" width="1200" height="583" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この所。大外で日本は一枚余ってます。延長後半は出オチです。ここで点取れなかったのが全て。日本は大外で一枚余っているんです。こんなチャンスもうない。そして三笘はパスを選択。浅野につけようとしましたが、CBにカットされて終わりました。</p><br /> <p>うん。三笘、自分で打て。「三笘は視野が広すぎた」とか海外で言われてたシーンですけどね、自分で打てよという奴です。打っていいんや。エゴが無さ過ぎる。打って良いんだよ三笘。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>のDFラインは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>の中央まで下がってるだよ。だったらミドル打ってええんや。打って良かったんや・・・</p><br /> <p>ミドルの精度云々の話しましたがね、あの位置なら自分で打って良いという話を最後にしたかったからです。</p><br /> <p>今回のレビューで言いたいのはココなんです。三笘、自分で打て。エゴ出していいんだ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>みたいな守備やるチームにはミドルで良いんだよ。</p><br /> <br /> <p>この後は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>がサイドからクロス放り込む、日本はボール取ったら裏に浅野走らせるみたいな感じで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%A5%BB%C5%B9%E7">泥仕合</a>になり、最後は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PK%C0%EF">PK戦</a>に突入。結果は皆さんご存じの通りです。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="クッソ長くなりましたが最後にエムバペの話">クッソ長くなりましたが、最後にエムバペの話</h4> <p><br /> 日本代表の今回の冒険は終わりましたが、選手たちのキャリアは今後も続きます。</p><br /> <p>最後にエムバペの話させてください。</p><br /> <p>自分はフランスのエムバペを現在世界最高の選手と評価してます。「止める手段がない選手」だからです。</p><br /> <p><a href="https://www.youtube.com/watch?v=Mbkexst7_9Y">Kylian Mbapp&eacute; - All 52 Goals &amp; 24 Assists in 2021! - YouTube</a></p><br /> <br /> <p>エムバペってスピードが異常なのでライン高くする守備は通用しません。動画みればわかると思うのですが裏にポーンと蹴られたらエムバペにやられちゃいます。誰もついていけないから。これが何を意味するかというとハイプレスとブラジル式守備は通用せんって事です。裏にスペースあったらエムバペに抜け出されるだけです。</p><br /> <br /> <p>じゃあ引いてスペース消す欧州式やればいいじゃん?と思いますよね。でも駄目なんです。エムバペはカットインドリブルとミドルがあり、強烈なミドル撃てます。ライン下げちゃうとカットインドリブルかミドルでやられます。対処のしようがないんですよ。対処のしようがないから2021年シーズンは52ゴール24アシスト。W杯で通算9ゴール。止める手段がないです。</p><br /> <br /> <p>フランス代表を相手に試合するならエムバペ対策はただ一つ。ジルーをフリーにしてジルーにシュートさせろ、以上です。それ以外ない。それじゃ勝てないだろって?エムバペにシュート打たせるよりジルーにシュートさせる方が得点期待値は低めですから、それ以外に俺は対策思いつかないです。</p><br /> <p>三笘、鎌田、遠藤、守田はワンランク上のクラブに行きたいなら、強力な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>を身につけないといけません、本当に。特に三笘には言いたいのですが、ビッグクラブに行きたいなら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>のレベル上げないといけません。エゴもってシュート打て。パス選ぶ事が多すぎ。お前が決めろ、いいね?WGは強烈ミドルがないとライン下げられて終わりだからね。</p><br /> <br /> <p>視野が広く、パスがだせることは大事です。でも同じくらい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>も重要です。</p><br /> <p>今後の日本代表には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>で点取れるWGと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がマジで必要なんです。いなきゃライン下げられてブロック作られて塩試合に持ち込まれて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%A5%AB%A5%C3%A5%D7">アジアカップ</a>ですら相当苦戦します。このままだとね。</p><br /> <br /> <br /> <p>では皆さん、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B4%A4%AD%A4%B2%A4%F3%A4%E8%A4%A6">ごきげんよう</a>。こんなクッソ長いエントリ読んで頂き、ありがとうございました。</p> </div> Thu, 08 Dec 2022 00:57:10 +0900 hatenablog://entry/4207112889942853527 2022年カタールW杯、日本対スペインの祝勝会、でなくレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2022/12/03/013330 <p>はい、勝ちましたね、皆さん。</p><br /> <p>今日一日ハッピーな気分でした。私です。こんだけ爽快な勝利であれば、別に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%F1%CC%B1%A4%CE%BD%CB%C6%FC">国民の祝日</a>とかなくても一日中ハッピーな気分なので十分です。素晴らしい勝利でした。</p><br /> <p>前回のエントリでも述べましたが、あれだけの悪条件の中でスペインに逆転勝利をおさめるというのは並大抵の事じゃありません。そんなわけですので、本日はあの試合のレビューを書いてまとめておきたいと思います。</p><br /> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fabema.tv%2Flive-event%2F8f7fe9e8-a6ef-4590-b8c2-a221f6fd1f0a" title="日本 vs スペイン|グループE|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" loading="lazy"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://abema.tv/live-event/8f7fe9e8-a6ef-4590-b8c2-a221f6fd1f0a">abema.tv</a></cite></p><br /> <p>試合の方はabemaで動画がいつでも見れます。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4 id="日本対スペイン前半戦日本代表の451守備ブロックについて">日本対スペイン、前半戦、日本代表の451守備ブロックについて</h4> <p></p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221202/20221202213549.png" width="684" height="454" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>先にフォーメーションとスタメンから。</p><br /> <p>この試合、スペインの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B9%A5%B1%A5%C4">ブスケツ</a>が出ないんじゃないかとか前情報があったのですが、この試合では普通に出てました。そしてスペインは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AA%B2%C8%B7%DD">お家芸</a>の433。中盤のペドリ、ガビ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B9%A5%B1%A5%C4">ブスケツ</a>は三試合連続ですね。違いはワントップにアセンシオでなくモラタ、右WGがウィリアムズだったって事でしょうか。</p><br /> <p>一方で日本はこの試合、最初から3421で入りました。ここまで日本は前半は4231から入ってたんですが、この試合では最初から3421です。これはいわゆる広<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%E7%B7%BF">島型</a>ですね。ここ8年くらいかな、この形を採用するチームは増えてます。このシステムは前からプレスにいく場合は343、後ろに引いて守る場合は541、ボール持ってる時は3421となる可変式フォーメーションになります。</p><br /> <p>日本はこの試合、最初から伊東が右WBに入り、左CBには谷口が入ってます。前田のワントップに鎌田と久保の2シャドー。他はいつも通り。</p><br /> <br /> <p>でもって、この試合なんですが、つまらないと思いますが、最初は日本の守備の話から入ります。これは退屈な話かもしれませんが、この話は避けて通れません。</p><br /> <br /> <p>日本代表はここまでの二試合、前半の最初の10分はハイプレスを行ってました。しかし、この試合ではそれを行いませんでした。前半の入りからいきなり541を自陣で組んで守るという形で入りました。ここは正直言って「おや?」と思った部分です。いつもの日本代表らしくないな、と。ゲームの入り、いきなり「攻めてこい守ってやるぜ」という形から入ったんです。</p><br /> <p>この試合の守備のポイントとしては、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221202/20221202215923.png" width="598" height="619" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この円で囲った中盤の3枚、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B9%A5%B1%A5%C4">ブスケツ</a>、ガビ、ペドリを試合から消すという戦術上の目的です。この三枚がスペインのポゼッションのキーです。なんでこの3人を試合から消したいかというと、この3人が簡単に前を向いてボール配給できる状態になると<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>みたいな事になるんですよ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B9%A5%B1%A5%C4">ブスケツ</a>からサイドに配給されても駄目ですし、ガビとペドリにバイタルで前向かれたら世界中のどんなチームだろうと守れません。この3人は試合から消す必要があるんです。</p><br /> <br /> <p>スペインの中盤三人を試合から消してしまう事、それがこの試合の前半の日本の戦術的目標でした。</p><br /> <br /> <p>さて、その為に日本がどういう事やってたかというと、まず前田に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B9%A5%B1%A5%C4">ブスケツ</a>見させました。これで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B9%A5%B1%A5%C4">ブスケツ</a>を試合から消せます。次の問題がガビとペドリになります。この二人は通常であれば日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>二人とマッチアップしており、特に問題はないのですが、実際の所、この二人はちょっと引いてボール受けにくる事があります。この時に誰が見るか、結構気をつけないといけないんです。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221202/20221202221520.png" width="606" height="647" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>なんでここで久保なのかって話なんですが、ここでね、田中碧が出てってしまうと、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221202/20221202221834.png" width="610" height="633" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>スペインはこーいう動きしてくるんですよ。田中碧を前に引っ張り出して、空いたスペースにCFか左WGが入ってくるんです。そしてSBが高い位置を取る。ここで円で囲ったスペース、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>というんですが、ここでWGかCFがボール受けて前を向ければそこから一気に決定機に持っていけます。前回のエントリで扱いましたが、これも所謂一つの「中盤のゲームメイクを使った戦術」です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>はこれでまんまとやられました。スペインに好き放題にバイタル蹂躙されてましたからね。</p><br /> <br /> <p>この試合なんですが、日本の前半の戦術目標は「スペインに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>を使わせない」、ここに集約されてました。その為にはどうするべきか?答えは「<strong>出来るだけダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を中央から動かさない事</strong>」なんです。スペインはあの手この手で日本のダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を引っ張りだそうとしてきますが、それに乗って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が引っ張り出されるとやられちゃうんです。</p><br /> <p>こういう戦術を取った結果、日本の前三人、つまり前田、久保、鎌田の守備負担は異常なレベルに膨らみました。つまり、常時二人の選手を見てないといけない状態になりました。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221202/20221202223047.png" width="618" height="598" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>もうずーっとこんなんです。滅茶苦茶です。でもしょうがないんです。スペインはグループEでもっともバイタルを使うのが上手いチームであり、それに対抗するにはここまでやらないといけないんです。</p><br /> <p>さらに言えばボールがSBにでた時とかも</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221202/20221202223621.png" width="596" height="607" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こんな感じで対応します。とにかく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>の番人である日本のダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を動かされたくないんです。動かすとやられちゃうんです。逆にいえば、ダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>にいる限り、スペインはそうそう中央使えません。</p><br /> <p>もうね、この試合、スペインは日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が動くと必ずその裏に入ってくる選手がいました。その裏に入ってくる選手は必ずケアしないといけない試合でした。3バックはその動きのケアに最新の注意を払っていた試合です。注意深く試合見てみてください。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が出た後のスペースに入ってくる選手、CBが前に出て捕まえてます。これは徹底しないと絶対やられる奴です。</p><br /> <p>さて、これで最初の日本代表の守備ブロックの話は終わりです。</p><br /> <p>ちなみに、この守備戦術を取る代償は何かというと「前3人が異常に体力を消耗する」って所です。ずっと一人で二人を見てるような状態なんでどうしようもないのですがね。</p><br /> <p>一方で、この試合、日本では体力を温存できる選手も出ます。だれかというとWB。本田さんも解説で言ってましたが、スペインはゆっくりポゼッションします。後ろで回せる時はゆっくり回してサイドチェンジしてました。ポゼッションは8割方スペインです。そうなるとWBは後ろで対面の守備してるだけで良くてそんなに疲れないのですよ。ずーっと後ろで対面見てるだけでサイドをアップダウンする機会はそんなにありません。だから日本代表の二枚看板の片割れである伊東の体力は温存できるんですね。</p><br /> <p>ちょっと話題は反れますがね、この守備のやり方、やられるとクッソむかつくんです。ポイチさんが広島の監督やってた頃、時々アウェーの試合でやってたんですが、やられると一番ムカつくタイプの守備でした。本当にムカつくんです。やられるとバイタル取るのは殆ど無理で、サイドで勝負するしかなくなるからです。高確率で541ブロックによる塩試合に持ち込まれるんですよ。</p><br /> <p>見てて「前半は塩試合に持ち込む気だぜえ・・・」って感じでした。</p><br /> <p>ただ、スペインもやっぱり世界最高レベルのチームです。あっさりと先制しちまいました。前半11分にあっさり先制。これねえ、日本の守備ブロックで誰がどう考えても不味いポイントがありまして、右WBに入ってる伊東の所、あそこ狙われると困るんですよね。</p><br /> <p>日本の一失点目なんですが、日本の左サイドから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A1%BC%A5%B5%A5%A4%A5%C9">ファーサイド</a>の伊東の所狙われたんです。日本は本職のWBじゃありません。クロスへの対応は難がある。サイドアタックされて、伊東がファウルでしか止められなかったり、あるいは逆サイドから伊東のところにクロス打ち込まれると困るんです。正直、伊東のWBは守備面で絶対に問題がでるってのはスタメン見た時から思ってた事で、前半11分の失点については、まあしょうがないかなと思ってました。あそこはしょうがないです。</p><br /> <br /> <p>前半から堅く行きたいなら、スペイン戦の前半は酒井使いたいんですよ。でも怪我で使えない。遠藤も使えない。冨安も使えない。スタメンの守備の要3人がいないのに、前半一失点で済んだ訳で、日本は前半、ほぼゲームプラン通りの試合が出来たと評価してよいと思ってます。</p><br /> <br /> <p>スペインの前半もゲームプラン通りです。ポゼッションは8割越えで一点リード。完璧ですね。一方で日本はポゼッションは2割。一点ビハインドですが、ここまではゲームプラン通りです。スペインに殆どバイタル使わせませんでしたから狙い通りの守備は出来てます。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="日本対スペイン後半戦の話">日本対スペイン、後半戦の話</h4> <p><br /> この試合、ポイチさんは後半始まると同時に切り札を投入しました。久保に代えて堂安、長友に代えて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>です。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221202/20221202233006.png" width="619" height="569" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <br /> <p>ちょっと早いんじゃないかと思いましたが、エースの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>を後半頭から投入です。そして久保の交代については妥当でした。前半終了間際、abemaのマイクから「タケー頑張れー」って声が聞こえてるんですが、ちょっとね、久保は守備で問題がありましてね、見てて「おいおいそこのスペースは埋めなきゃ駄目だろ」って場所を空けちゃう事があったんです。「あれ、ひょっとして久保もうバテてる?」と思ってしまうシーンがあって気になってました。なのでフレッシュな堂安に代えたのは大変妥当な判断だったと思います。ただ、その代えた堂安がいきなりゴール決めるとは思いませんでした。</p><br /> <br /> <p>さて、この布陣、みればわかりますが、日本のWBは本職じゃありません。中央の守備は前半上手く行ってましたが、サイドの伊東と久保の所だけは怖かった。ところが後半頭から左WBは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>です。スペインはこれ、サイドアタックしてファーにクロス上げれば良いだけです。そこに本職のDFはいないんだから、そこを狙えばいいだけなのですよ。</p><br /> <br /> <p>後半頭からポイチさんはリスクを取りました。勝負をかけるってメッセージです。塩試合はここまで。リスクを取ってでも点を取るってメッセージです。</p><br /> <br /> <p>そして後半頭、試合は大きく動くことになります。前半開始直後、日本はハイプレスをしませんでしたが、後半開始直後、日本はハイプレスをかけて前からボールを奪う守備に切り替えます。</p><br /> <br /> <p>驚いたことに、これがハマったんですよ。</p><br /> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fabema.tv%2Fvideo%2Fepisode%2F16-76_s30_p1290" title="FIFAワールドカップカタール2022 - グループステージ 第3戦 - 日本 vs スペイン 試合ハイライト|グループE (スポーツ) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" loading="lazy"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://abema.tv/video/episode/16-76_s30_p1290">abema.tv</a></cite></p><br /> <br /> <br /> <p>日本の先制点、動画貼るのでこれで解説いれます。</p><br /> <br /> <p>動画2:34秒のところからですけど、鎌田、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>、前田のプレスでGKまでボール戻させて、そこに前田がもう<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%A7%A5%A4%A5%B9">チェイス</a>を入れます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>へのパスコースは前田に切られていて、CBのところも堂安が狙っている。なのでGKは空いてるSBへのパスを選ぶんですが、そこにWBの伊東が自分のマーク捨ててプレスに出たんですね。これプレス抜けられたら大ピンチって事なんですが、ここは伊東はリスクを取りました。本田さんはここの伊東褒めてましたが、あそこの判断は本当に良かった。日本はギャンブルに勝ったんです。</p><br /> <br /> <p>そして2:44秒のところでボールがこぼれます。</p><br /> <p>ここでスペインにやらかしが出ちゃったんです。</p><br /> <p>堂安の所にボールがこぼれたんですが、そこにスペインのペドリが飛び込んじゃったんです。さらに背中を見せてターンしてしまうというおまけつき。これは絶対やっちゃいけない守備です。あそこは堂安の中へのコースを切って外に追いやらないといけないシーンなんです。</p><br /> <p>結果として堂安は中央へカットインして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>をフリーで撃ち、これがキーパーのニアをぶち抜いて日本は同点。</p><br /> <p>まー、ペドリやっちまったというシーンですね、見返すとありえない守備でした。もちろん、堂安のシュートはスーパーでしたけどね。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>そして立て続けに日本は得点を重ねました。</p><br /> <p>動画で4:25の所からですが、右サイドの高い位置で伊東がボールもてた所からです。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221203/20221203000858.png" width="626" height="465" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>図でやると、こういう状況が出来ました。この時点ではスペインの守備に特に問題はありません。</p><br /> <br /> <p>で、この時、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の田中碧がバイタルに走りこんだんですね。これもリスクのあるプレーなんですが、この時にペドリが、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221203/20221203001442.png" width="592" height="429" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>カットインしてくる伊東に対して中へのコース切る守備やっちまったんです。そして田中碧のマークを捨てた。その結果、何が起きたかというと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221203/20221203001836.png" width="622" height="502" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなるわけです。ドフリーの田中碧にパス出され、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>で日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がフリーで前を向く」という状況が突然出来ちまったんです。これ、もうスペインは大ピンチです。一人がおかしな守備やった事で、何でもない状況が突然ピンチになりました。伊東は右利きのWGです。右サイドから中へのカットインはそれほど警戒すべきプレーじゃありません。あそこは田中碧のマークを外してはいけないんです。</p><br /> <br /> <p>そして田中碧は堂安へのパスを選択。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221203/20221203002652.png" width="568" height="355" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>ペドリは一つ前の失点で堂安に中にいってミドル決められてますから堂安の中へのコース切ってます。あの場所では<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>の中を切って外に行かせて右足でのプレーを強いるのは当然なんですが、ここで大問題。スペインのシステムと日本のシステムのかみ合わせの関係上、大外で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>が一枚余るんです。あそこにクロスが届いたらスペインはお終いです。</p><br /> <p>で、その通りの事が起きちまったんです。堂安はGKとCBの間にクロスを入れ、それはこの試合を象徴するプレーに繋がりました。</p><br /> <p><blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Sometimes you can&#39;t beat a good cover... tomorrow&#39;s The Game from <a href="https://twitter.com/TimesSport?ref_src=twsrc%5Etfw">@TimesSport</a> <a href="https://t.co/mIy0ADtQoK">pic.twitter.com/mIy0ADtQoK</a></p>&mdash; Tom Clarke (@_TomClarke) <a href="https://twitter.com/_TomClarke/status/1598436300654366739?ref_src=twsrc%5Etfw">December 1, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <br /> <br /> <p>こいつです。今現在も議論を呼んでる奴。スペインとドイツは認めたくねーでしょうが、入ってますからね、コレ。インプレーです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>の折り返しのクロスを田中碧が決めて日本は逆転。</p><br /> <br /> <p>これで日本は2-1ですから、虎の子の一点を守りきれば無条件で突破確定です。あとは守るだけ。</p><br /> <br /> <p>後半、スペインが日本のサイドを狙ってくる事はわかりきってました。そしてポイチさんはそれに合わせて交代カード切っていけばいいだけです。主導権はこちらにある。そして、その通りの采配をポイチさんはやりました。スペインはサイドのアタッカーを交代で強化して、日本の両サイド、WBの所を狙ってきましたが、スペインの交代カードを見てから、ポイチさんは後半23分に鎌田を下げて右のWBに冨安を入れてスペインの右のサイド攻撃を封殺。これで日本の右サイドが突破されて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>のところにクロスいれられる可能性はなくなりました。</p><br /> <br /> <p>唯一ポイチさんが怖いのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>がぶち抜かれる事や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>が対面止められずにファウルしてしまい、FKやCKから失点する事位でしたが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>はサイドの一対一では負けなかった。これはマジででかかったです。</p><br /> <p>ただ、後半15~40分あたりは、試合そのものより、ドイツ対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>の試合の経過情報のほうが面白かったです。後半13分に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>が同点、後半25分に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>逆転という激アツ展開。ここで「スペイン、ドイツの同時予選敗退」というまさかの状況が生まれてました。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>のTLが物凄い熱気に包まれており、「スペイン、お前予選敗退するのか?」という異常な状況。この状況は日本にとってはうれしくないのです。スペインが最後にギャンブル仕掛けてくる可能性が出てくるので。個人的には「ドイツ、クッソ役にたたねぇ!!」と毒づいてました。</p><br /> <p>そして、後半28分にドイツ同点ゴール。ここで再びスペインの二位通過が復活。これでスペインは終盤にギャンブルしなくてよくなったんですね。</p><br /> <p>ここで又ドイツがリードされたら、もうTLが爆発してましたが、この後はドイツが立て続けにゴール決めていって最終的に4-2に。ドイツは二点リードであればスペインが日本と引き分けてくれたら得失点差で突破できたので宿題は済ませました。</p><br /> <br /> <p>もし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>がリードを保ってたら、スペインはギャンブルに出たでしょうが、何もしないでも二位通過は確定してたのでスペインはギャンブル無しで試合を終わらせました。日本は一位通過。どちらにとっても良い結果でしたね。日本は突破できれば良かったし、スペインも二位通過できればブラジルと違う山に行けるし、初戦はモ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%B3">ロッコ</a>です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%ED%A5%A2%A5%C1%A5%A2">クロアチア</a>よりやりやすい相手です。</p><br /> <br /> <p>悲惨だったのはドイツです。スペインが負けてる以上、ATに6点入れないといけなかったのですが、それは不可能だろって話で。</p><br /> <p>本当に後半は面白かったです(月並み<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="次はベスト16なんですが">次はベスト16なんですが</h4> <p><br /> タイトルで祝勝会とか言ってますが、個人的には「もう十分勝ったから後はボーナスステージ(はぁと」という状況です。</p><br /> <br /> <p>W杯優勝国の二つをぶっ倒しての16強進出です。もう十分楽しませて頂きました。あとはボーナスステージという気分なのですね。自分はあとは気楽に見ます。</p> </div> Sat, 03 Dec 2022 01:33:30 +0900 hatenablog://entry/4207112889941796583 現在の森保ジャパンの攻撃とその問題点について https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2022/11/30/213307 <p>どうもこんにちは、私です。</p><br /> <p>こないだの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>戦はレビュー書くような内容がないのでサボりました。</p><br /> <p>実際に失点の原因は「吉田がいつもの奴をやった」だけですし、攻撃面でも「引いてがっちりブロック作られて点取れない」のはアジア予選でもしょっちゅうなので本当に書く内容がないです、あの試合。当ブログとして言えることは「残り時間が少ない時は迷わず大きくクリアしろ」という事くらいです。もっとも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E1%A5%EB%A1%BC%A5%F3">カメルーン</a>対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EB%A5%D3%A5%A2">セルビア</a>の試合で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E1%A5%EB%A1%BC%A5%F3">カメルーン</a>の二失点目は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E1%A5%EB%A1%BC%A5%F3">カメルーン</a>のDFが残り時間少ないのに中途半端なクリアしたのを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EB%A5%D3%A5%A2">セルビア</a>に拾われて失点してたので、ああいうミスはサッカーにおける事故で一定確率で起きちまう奴なんですけどね。</p><br /> <p>そういうわけですので、本日はちと趣向を変えまして、現在の日本代表の攻撃の話をしていきたいと思います。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4 id="コスタリカ戦で本田さんが言ってた奴"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>戦で本田さんが言ってた奴</h4> <p><br /> <iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fabema.tv%2Flive-event%2F0d62c9f4-e09a-4f22-bc6c-8ff450280d99" title="日本 vs コスタリカ|グループE|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" loading="lazy"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://abema.tv/live-event/0d62c9f4-e09a-4f22-bc6c-8ff450280d99">abema.tv</a></cite></p><br /> <br /> <p>ここでは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>戦の動画へのリンク貼っときますが、この試合で前半から本田さんが「隙間にボールが入らない」みたいな話を結構してたのを覚えている人がいると思います。あと遠藤のパス出しについても動画内でかなり問題点指摘してましたが、最終的に「ワタルはそういう選手じゃない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>ょうがないんですけどね」でまとめてました。これねえ、どういう事なのか、サッカーあんまし見てない人はわからんと思うので解説しときます。</p><br /> <p>この日、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>は541でブロック組んでる時間が長かったんですが、541ブロックを日本が3421で崩そうとした場合、どうしたらいいかというと、一番簡単の図で解説すると、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130185536.png" width="612" height="617" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形を作るのが一番手っ取り早いです。あの位置でシャドーがボール持って前向ければ決定機に繋げるのは難しい話じゃないです。本田3はこの形作りたいんです。この形を作ることが出来れば、あとは割と簡単で、</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130190125.png" width="606" height="623" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こんな感じで決定機に繋げられます。このケースでは、ボール持ったシャドーにCBが食いつきますから、その裏のスペースが空きます。その裏にもう一枚のシャドーが走ります。この時にシャドーをマークしてるCBにCFがスクリーンかけてマークを剥がします。そしてフリーになったシャドーにボールが通ればGKとの一対一が作れます。</p><br /> <p>これの他にもワンツー、スルーを使ったコンビネーション、WBが斜めに走りこむ動きに合わせたス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A1%BC%A5%D1%A5%B9">ルーパス</a>も使えますし、CB外して<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>でもオッケーです。</p><br /> <p>ようするにあそこのスペースでシャドーか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がボールもって前向ければ高確率で決定機に持ち込めるわけです。</p><br /> <p>さて、ここで問題です。</p><p>一枚目でシャドーがボール持ってるスペースをサッカーでは「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>」と呼ぶんですが、あそこでボール持って前向くにはどうしたら良いでしょうか?</p><br /> <p>あそこでボールもってアタッカーが前向ける状況を作り出すには、大きく分けて三つの手段があります。</p><br /> <p>今日はここを解説していきます。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="CFのポストプレー">CFの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a></h4> <p>これは最も代表的なサッカーのプレイであり、そして現在の日本代表が使えなくなってる攻撃でもあります。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130191221.png" width="590" height="584" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>一番単純なのはCBからのボールをCFに当ててシャドーに落とす形です。これが一番簡単なんですが、最も難しいプレーでもあります。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>とCBはこれを絶対に通させないように訓練されてる連中だからです。屈強なCBを背負いつつ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>とのサンドイッチに晒されながらボールをシャドーに落とせるCFなんてのは世界でも実はそんなにいません。</p><br /> <p>CFというのは一番の仕事は点を取ることなんですが、チーム戦術の上で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>に優れている事も求められます。しかし、W杯のレベルで点取れて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>も最高。そんなCFは世界的にみても数人だけです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ポーランド</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D0%A5%F3%A5%C9%A5%D5%A5%B9%A5%AD">レバンドフスキ</a>がこれの代表格ですけど、ああいう選手は滅多にいないんですよ。</p><br /> <p>日本代表の場合、これが完璧にできるのは大迫だけでした。過去形になってるのは、大迫のパフォーマンスの低下が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%BA%C7%BD%AA%CD%BD%C1%AA">アジア最終予選</a>の時から明らかだったからです。ポイチさんにとって、これが最高に頭の痛い問題でした。</p><br /> <p>ポイチさんが代表監督になった時、最初にやった事は香川を外して南野をトップ下に抜擢したことです。これは本当に大ヒットでした。というのも大迫にとって、一番やりやすいタイプのトップ下だったからです。南野と大迫の縦関係は完璧といって良く、大迫のポストから南野の裏抜けだけで点取った試合がいくつもあります。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%A5%AB%A5%C3%A5%D7">アジアカップ</a>の決勝で大迫のポストから南野が決めたシーンなんかその象徴ですけど、ああいうプレーは今の日本代表だと難しいのです。大迫のパフォーマンスが下がってしまったので。</p><br /> <p>これは南野がW杯でスタメンでない理由でもあるのです。大迫とのセットで使われていた部分があるので、大迫がいないとトップ下で南野を使う理由があまりないのですよ。</p><br /> <p>ポイチさん、上田に大迫の役割を求めていたのかもしれませんが、残念ながら現在上手く行ってません。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="中盤のゲームメイクを使った戦術">中盤のゲームメイクを使った戦術</h4> <p><br /> こっちは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>よりちょっと面倒になります。戦術も多岐にわたる為、全部説明するのは流石に無理です。なので代表的な方法として「相手チームの中央を1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>にする」事に絞って説明します。</p><br /> <p>現在のサッカーの戦術においてはダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が一般的です。このダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の一人をサイドに引っ張り出すか、最終ラインに吸収させる事が出来れば中央を1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>にする事が可能です。どうすればいいかというと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130193804.png" width="596" height="622" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形は日本がドイツの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>に散々やられた方法なんですが、サイドにシャドーを一枚落とすんです。そこで相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を一枚サイドに釣りだす。そうすると中央が1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>になってその両脇にスペースが出来るんです。あそこの両脇のスペースで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>かシャドーが前を向ければ決定機に持ち込めます。ドイツ戦ではこれを散々やられました。</p><br /> <br /> <p>そしてもう一つがドイツ対日本で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>に前半19分にやられた奴なんですが、図でやると</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130195600.png" width="600" height="627" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><br /> <span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130195615.png" width="607" height="645" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういう動きです。最終ラインからボールを動かして、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>からサイドに展開した瞬間にWBとCBの間に走りこみ、そこでリターンを受けます。この動きには相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>はほぼ必ずついてきます。「ワンツーされたらマークを離すな」は基本ですからね。この動きで相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を最終ラインに吸収させ、バイタルを1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>にします。そして、その両脇のスペースを使ってフィニッシュ。</p><br /> <br /> <p>中盤のゲームメイクによってバイタルにスペース作るやり方は本当に多岐にわたるので全部紹介するのは無理です。これは正直申し上げてゲームメーカーと呼ばれる選手の芸術なんです。真似したくても出来るもんじゃないです。出来る選手見つけてくるしかありません。ドイツの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>はそういうタイプの選手であり、彼がいなくなった後にドイツが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/gdgd">gdgd</a>になって立て直せませんでしたが、誰でもできるモンじゃないんです。</p><br /> <br /> <p>現在の日本代表でこれが出来る選手は柴崎になります。ポイチさんは就任当初、柴崎と遠藤のダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を取っており、初期森保ジャパンがゲームメイクに困ることはなかったんです。しかし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%BA%C7%BD%AA%CD%BD%C1%AA">アジア最終予選</a>から柴崎のパフォーマンス低下が目立つようになりました。</p><br /> <p>ポイチさんも本当に困ったと思います。大迫の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>、柴崎のゲームメイクをチームの攻撃の主軸にすることができなくなったんです。</p><br /> <br /> <p>その結果としてポイチさんが出した解決策が433によるWGを使った攻撃、になります。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="WGを使ってバイタルを取るにはどうしたらいいか">WGを使ってバイタルを取るにはどうしたらいいか?</h4> <p><br /> 現在の日本代表はWGの突破力に完全に依存しているといっても良いです。もう本当にこれしかありません。伊東と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>の突破力頼みです。ただ、この二人はWGとして見た場合、性質がかなり異なります。</p><br /> <p>伊東は純足のWGであり、右サイドの縦突破を得意とし、前にスペースがあったほうが活きるタイプの選手です。これの代表的な選手としては昔の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%A7%A1%BC%A5%EB%A5%BA">ウェールズ</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%EC%A5%B9%A1%A6%A5%D9%A5%A4%A5%EB">ガレス・ベイル</a>とか右でWGやってた頃のエムバペですね。圧倒的なスピードで縦に突破してクロスかニアをぶち抜くシュート、それが求められる仕事です。</p><br /> <p>一方で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>は逆足タイプのWGになります。右利きのWGを左サイドに配置し、カットインから違いを作ることが求められます。これの代表的な選手はメッシですな。メッシの右サイドからカットインしてシュートは芸術ですからね。</p><br /> <br /> <p>WGの縦突破は戦術でなく絶対的なスピードがモノをいう分野なので今回は扱いません。スペースにポーンと出してスピード勝負。話はシンプルです。</p><br /> <p>一方でWGのカットインについてはチーム内でかなり戦術を煮詰めておく必要があります。実は前回の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>戦で途中から入った伊藤のパス出しがかなりSNSで叩かれていたのです。そのあたりも絡めて説明していきます。</p><br /> <br /> <p>伊藤が叩かれてたシーンの一つにこういう状況がありました。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130202315.png" width="610" height="617" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>伊藤は左利きのCBであって、あの状況だと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>にボールつけるのは難しい事じゃありません。ただ、この状況で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>にボールつけちゃうと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>はDF背負ってボール受けざるを得ないので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>にとってはCBから直でボールつけられると困る部分があるんですよ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>はDF背負うのは得意な選手じゃないんです。</p><br /> <p>じゃあ、どうしたらいいかというと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130202815.png" width="608" height="619" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こっちです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>でなく遠藤につけたいんです。一度遠藤にボール入れるとDFは中央に絞ります。中央突破されると困るからです。そこで遠藤は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>にボール落として<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%BF%A5%EA%A5%AB">コスタリカ</a>のWBの裏にフリーラン。そこで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>からリターン貰えればサイドを抉れます。</p><br /> <p>さらにいえば、この遠藤の動きに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がついてくれば(ほぼ確実に遠藤についてきます)中央へのカット<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B3%A1%BC%A5%B9">インコース</a>が空くので</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221130/20221130203821.png" width="620" height="617" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういう形で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>が中央へカットインできるんです。そして円で囲ったスペースはガラ空きです。</p><br /> <p>ここでは「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>がドリブルで対面を抜く」のが前提ですが、カットインで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>に侵入できる。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>はそれが出来る選手です。</p><br /> <p>カットインした先は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>がミドル撃つなり、中央の動き出しに合わせてラストパス出すなり、クロスあげるなり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>引きつけてからフリーの守田にパスするなり、好きにやればいい。</p><br /> <p>一見良い事づくめです。しかし問題があるのです。遠藤が右利きなのです。</p><br /> <p>例えばあの場所でワンタッチで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>にボール落とそうとすると左足の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9">インサイド</a>でボール蹴らないといけません。右足の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9">インサイド</a>でやろうとすると相手のDFに近い方の足なのでひっかけられる可能性が高いんです。左足の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9">インサイド</a>なら、右半身でDFをブロックしつつ左足でプレーすれば安全にボール扱えます。しかし遠藤は右利きです。難しいのですよ。</p><br /> <p>さらに言えば、遠藤が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>とのワンツーに成功したとしても、クロス上げる時はやっぱり左足でクロス上げないといかんのです。これだとクロスの精度がどうしても落ちます。やっぱり難しいのです。</p><br /> <p>左サイドの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>のカットインを活かしたいなら、ここは絶対に左利きの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が欲しいのです。でもそんな選手はおらんのです。左足でワンタッチパスができる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が欲しい。でも今の代表にはそれがいないのです。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>の突破は現状の日本代表で唯一守備ブロックをぶち壊せる武器ですが、そこに重要なパーツが一枚足らんのです。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4 id="攻撃面でも守備面でも足らないものだらけでもスペイン戦は明日">攻撃面でも守備面でも足らないものだらけ、でもスペイン戦は明日</h4> <p></p><p>ポイチさんの心労は計り知れません。誰にもそれを理解することは出来ないでしょう。</p><br /> <p>サッカーでチーム組むなら欲しいどうしても欲しいがなかなか手に入らない選手ってのがいます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>が出来て点が取れるCF、優れたゲームメ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%AB">イカ</a>ー、突破力のあるWG、左利きの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>。これらは本当に貴重です。W杯クラスのこういった選手は大体ビッグクラブが独占してます。チームに一人でもこういう選手がいたら感謝すべきです。そのくらい貴重なんです。</p><br /> <p>現在の日本代表にあるのは突破力のあるWG、つまり伊東と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>だけです。</p><br /> <p>4年前だったら、大迫と柴崎がいました。でも今は1人はW杯で落選。もう一人は使う目途がたちません。代わりとなれる選手も出てこなかった。それなのにW杯で戦わないといけない。圧倒的に手札が足らないのにも関わらず。しかも更に悪い事に守備の要の冨安と遠藤が怪我してんです。</p><br /> <br /> <p>攻撃の手札があまりに少ない。守備の要は怪我をしている。これで代表監督にどうしろと?</p><br /> <p>スペイン戦は明日です。ポイチさんの手札は限りなくブタに近い。もっているジョーカーは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>と伊東のみ。</p><br /> <p>勝てば無条件突破です。しかし立ちふさがる壁はあまりに高い。</p><br /> <br /> <p>どうする<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B9%CA%DD%B0%EC">森保一</a>。</p><br /> <p>解決策は・・・俺には浮かびません。</p> </div> Wed, 30 Nov 2022 21:33:07 +0900 hatenablog://entry/4207112889941194909 2022年カタールW杯、日本対ドイツのレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2022/11/25/023457 <p>4年ぶりの更新になりますが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>でレビューやってくれという要望が多かったので4年ぶりにサッカーレビューでもやってみようかと思います。</p><br /> <p>正直な話、最近のネットのサッカー系レポートについてはもう文章の時代じゃなくて動画の時代になってましてね、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/youtube">youtube</a>とかでサッカーの解説動画作ってる人も多くて、そっちが50万再生とか稼いでる時代なので「もう文章でサッカーの解説する時代じゃねぇなあ」と思ってるんですよ。文章で解説やってもW杯でもせいぜい2~3万ですし。</p><br /> <p>ここ数年、ネットも動画時代で動画配信できねえ奴は用無しなんじゃねーかと思ってる所もありまして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>位しかやってませんでした。自分は時代の流れに完全に取り残された男です。</p><br /> <br /> <p>これも時代の流れですからね、しょうがないです。愚痴ってもしょうもないので、本題に入りたいと思います。</p><br /> <p>この試合の動画についてですが、abemaで全部動画でみれますので、それへのリンクを貼っておきます。</p><br /> <br /> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fabema.tv%2Flive-event%2F650b34c2-2203-44cd-875c-94039e5a5e28" title="ドイツ vs 日本|グループE|FIFA ワールドカップ 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" loading="lazy"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://abema.tv/live-event/650b34c2-2203-44cd-875c-94039e5a5e28">abema.tv</a></cite></p><br /> <br /> <p>基本的に、この動画の時間にそって説明していきます。正直言って、この試合の戦術解説に関しては解説で本田さんが全部喋ってくれてるので、それを図をいれつつ補完する形になります。</p><br /> <p>この試合の展開から始めますと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221124/20221124211227.png" width="692" height="463" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <br /> <p>基本的にはフォーメーションは双方4231同士でした。ただ、これはあくまで初期配置です。ドイツは攻撃時にフォーメーションが変わります。日本は試合開始10分くらいはハイプレスしてたのでドイツのフォメチェンは問題になってなかったんですが、日本がハイプレスを止めて自陣内でのプレスに切り替えた辺りからドイツのフォメチェンが問題になり始めます。</p><br /> <p>ドイツは試合当初、ポゼッション時にWGを中に絞らせて1トップ2シャドーの形を取って、両SBを高い位置に上げてトップ下の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>を頻繁に中盤に落としてきてました。</p><br /> <p>ちょっと極端な図になるんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221124/20221124211906.png" width="731" height="487" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こんな感じで日本が6バックになってるような状況に陥りました。</p><br /> <br /> <p>このポジションチェンジが日本に二つの問題を引き起こしました。一つは日本のWGの二人が最終ラインに吸収されて6バックの状態になってしまっていた事。これではボール取れてもWGの位置が低すぎてまともに攻撃につなげることが出来ません。日本の最大の武器である伊東の良さが消えてしまう。</p><br /> <br /> <p>そしてもう一つ。中盤中央で2対3の数的不利が出来てしまい、ドイツの中央でのポゼッションを止める事ができなくなった事。ここの所、ドイツが本当に上手くてですね、中盤中央に1トップとWG、トップ下のミューラーがポジションチェンジを繰り返しながら中盤に降りてくるんですね。そこを日本が上手く捕まえることが出来ておらず、日本代表は完全にドイツに中盤を制圧される事になります。そして中盤中央を制圧されて、今度はサイドに散らされてサイドもやられるという悪循環にハマって前半は完全にサンドバック状態になりました。</p><br /> <p>この問題については、abemaの動画で12分くらいの所から本田がすぐに気づいて日本の守備の問題について詳しく解説してます。</p><br /> <p>本田3「前田さんと鎌田さんがだんだん最終ラインにプレスかけれなくなってきたんですよ。で伊東さんが最終ラインにいって6バックみたくなってるんですよ。タケも最終ラインまで引いてほぼ6バック。こうなってくると低いんですよ位置が。でエネルギーがないんですよ、そしてホラ、また拾われるんですよ」</p><br /> <p>ってね。前半12:27の動画のシーンj確認してもらうとわかるんですが、日本は本当に6バックになっちまってます。</p><br /> <br /> <p>もう一つ、日本代表は前半、CKの守備でも苦戦してましてね、abemaの動画だと前半15:55の所のドイツのCKなんて、ドイツはスクリーンプレイを上手に使ってリュディガーをフリーにして、ヘディングにつなげてます。日本はCKの守備をマンツーマンでセットするんですが、マンツーマンはスクリーンプレイでマークずらされるとフリーでシュートされてしまう危険性が常にあります。ここね、完全にリュディガーがフリーでヘディングしてます。これは戦術的にはドイツの一点です。ここで日本は先制されてもおかしくなかった。日本が失点しなかったのは運が良かったからとしか言えません。スクリーン上手いチームにマンツーマンで守備セットするのは怖いんですよね。</p><br /> <br /> <br /> <p>次、前半19:37分からです。ドイツのポゼッションなんですが、ここも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>がずっと上手いんですよ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>がこの日の日本にとって最大の問題だったってわかるシーンなんですが、まず最終ラインまで降りてきてボールを受けてズーレにはたく。その後、すぐにポジションを中盤に戻してます。ドイツはズーレからミキッヒに繋ぐんですが、ここで最終ラインから中盤に戻ってきた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>がフリーになってるんです。ミキッヒ→<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>→ムシアラ→<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%E0">ラウム</a>と流れるようなパスワークで中盤を制圧してサイドに展開。そこから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>は相手のバイタルに走りこんで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%E0">ラウム</a>からパスを受けてヒールでムシアラに落としてムシアラがカットイン。ムシアラはDFが止めたんですが、最後はこぼれたボールをキミッヒに弾丸ミドル打ち込まれました。権田のセーブで助かりましたが、ここも失点しててもおかしくなかったです。</p><br /> <p>ここねえ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>は最終ラインに降りて行って、そこからゲームメイクからフィニッシュのお膳立てまで全部ひとりでやってるんです。たまんねえですね、こんな事されたら。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>がボールに触っちゃうとそこからゲームを作られてしまうので、ずーっと日本代表にとって頭の痛い選手でした。</p><br /> <p>前半15分、前半19分だけで2失点してもおかしくなかった。日本にはツキがあった。これはこのゲームの前半で一失点で済んだ事からも明らかです。</p><br /> <br /> <p>前半21分、日本は久保が良い位置でボール奪った所から速攻に繋げるんですが、本田も言ってましたが「タケ、右(足)やから、左だったら確実にアシストしてたシーン」でした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>の選手は逆足が苦手な事多くてですね、ああいう決定的なシーンでも逆足だと決めきれない事多いんです。これは最後の伏線でしたね。浅野は最後の決定機、純足だったから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%A4%A5%A2%A1%BC">ノイアー</a>のニア抜きました。</p><br /> <br /> <br /> <p>前半の22分、ここでまた本田が「ここなんですよ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>が(右サイドに)降りて来るんですよ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>がタイミング良くは受けれてないんですけど、でもちょっと気にはなってます」って解説いれて、その後に「タケがプレスに行ったら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>が開きます、ホラ」って言ってますよね。よく見とるなーと感心してたんですけど、この<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>の動きが厄介でしてね、この後も本田が続けて解説してるんですけど、「それが結構厄介でしてね、田中さんがどんどん引っ張られていくので、ホラ、サイドに開いてから戻ってきてるんで凄い走らされてるんですよ」って解説してますけど、22分のところも田中碧がサイドに引っ張り出されて中央が1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>になり、遠藤の両脇をドイツに使われて中盤からサイドに展開されちゃってるんです。それで日本は余計に走らされて体力削られ続けてんですね。</p><br /> <p>この試合の後、選手が「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>のポジショニングが厄介だった」って言ってましたけど、この動きが本当に効いてて日本がドイツに中盤を制圧される原因になってました。</p><br /> <p>皮肉な話ですが、この厄介な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>が後半22分に交代してから日<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%A4%CE%BB%FE%B4%D6">本の時間</a>がやってくるわけです。ただそれはずっと先の話。</p><br /> <br /> <p>前半23分にも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>から始まる攻撃で危険なシーンを作られ、前半25分にもサイドに流れてきた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>から攻撃作られ、前半27分には3バック気味になったドイツのポゼッションから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>のミドルに繋げられと、もう完全にサンドバックです。ドイツのポゼッションに全く日本は対応できてません。</p><br /> <p>前半28分。ドイツはこの時間帯、CB二人とSB一人の3バックポゼのスタイルでこのあたりからドイツの狙いが明確にわかるようになります。図にすると、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221124/20221124222739.png" width="732" height="496" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>日本がズーレをボールの取りどころを定めているってのを逆手にとったやり方です。3バックポゼでズーレにボール預けて久保を引きつけ、久保がいなくなったスペースに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>を落とす形。ここもズーレ→<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>からゲーム作られ、ニャブリのカットインから最後は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>のミドル。</p><br /> <p>ドイツがやり方をちょっと変えたので日本の守備は混乱してて誰が誰みるのかわかんくなってる状態です。</p><br /> <p>ここで本田が「いや四枚じゃ厳しいよ、だって相手五枚に、ヒロキとユウトが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>みたりニャブリみたりで、WGがアレやから、これはキツイすね」と解説いれて、このあたりから5バックにしたほうがいいと気づき始めた感じでしたね。</p><br /> <br /> <p>この試合ね、本田さんの解説はどれももっともな事しか言ってないんですよ。だからこの試合については俺がどうこういうより、本田さんの解説だけで事足りるって試合なんです、本当に(’この記事書く意味あるのかって話)。</p><br /> <br /> <p>そして前半30分。日本代表が失点したシーン。ここもそうなんですが、結局ズーレにボールが入ったところからです。ズーレにボールが入ったところで久保が行ってしまうと背後を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>に取られるってのを繰り返していたんで、久保はここでは行っておらず、背後の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>をケアしてます。ズーレがドリブルで日本陣内に入ったところで久保は寄せるんですが、この時にドイツのCFが降りてきてズーレからの楔を受けて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>に落とします。これで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>がフリーでボール持てました。ここも結局<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>からゲーム作られたんです。</p><br /> <p>で、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>→キミッヒと繋いで逆サイドに走りこんだ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%E0">ラウム</a>に展開。これで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%CA%A5%EB%A5%C6%A5%A3%A5%A8%A5%EA%A5%A2">ペナルティエリア</a>内で正真正銘のGKとの一対一が出来てしまいました。戦術的にはもうこれでドイツの一点です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内でGKとの一対一作ったんですからね。この後、権田が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%E0">ラウム</a>倒してしまってPKを取られ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>に決められて日本は失点。</p><br /> <p>もうこの時点で運が悪ければ3点取られててもおかしくない、一方的な試合展開でした。ここまでは。</p><br /> <br /> <p>前半の試合の話はこれの繰り返しです。右サイドは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>から始まる攻撃で凹られ、左サイドは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>から始まる攻撃で凹られるの繰り返し。日本代表は悲惨なほどに凹られっぱなしで前半のスタッツは壊滅的としか言えない内容でした。1失点で済んだのは運が良かったから、ドイツ代表に決定力がなかったからとしか言えません。それほどに酷い内容でした。</p><br /> <br /> <p>前半はドイツのゲームプランに全く日本は対応できておらず、本当に何もさせてもらえませんでした。</p><br /> <p>本田さん、前半から「5バックにしたほうがいい」って繰り返してましたが、これは至極真っ当な指摘で、後半、日本代表は5バックに変更し、3421フォメでドイツに挑むことになります。</p><br /> <br /> <br /> <p>さて、こっからは日本代表が盛り返した後半の話です。前半は一方的に凹られた日本代表でしたが、後半頭から久保に代えて冨安を投入。3421としました。</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221124/20221124225526.png" width="735" height="488" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうですね。これは初期配置であり、守備時には</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221124/20221124225801.png" width="735" height="503" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなって541でブロック作る形になります。前から行くときは343ですね。</p><br /> <p>ただ、この守備がすぐ機能したわけじゃなくて、後半開始直後いきなりドイツに決定機作られてます。さらに後半5分にもムシアラのカットインからシュート打たれてて、最初からフォメチェンが上手く行ってたというわけでもないのです。ぶっつけ本番での3421です。最初から上手く行くわけないんですわ。</p><br /> <p>そして、この試合を動かす日本の選手交代が始まります。長友に代えて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>、前田に代えて浅野。最終的に日本代表を勝たせた二人がここで投入。</p><br /> <br /> <p>後半12分に日本は後半最初のビッグチャンスを迎えます。ドイツの楔を吉田が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%BB%A5%D7%A5%C8">インターセプト</a>したところから一気に速攻。ドイツのDFと日本のFWで3対3の数的同数での勝負でした。ここはニアの浅野で勝負したんですが、残念ですが浅野のヘッドは枠に飛ばせず。</p><br /> <br /> <p>この後もドイツペースは変わってなくて、後半15分には又<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>にバイタル取られてそのまま<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内に入られてシュート。ここもドイツの一点もののシーンでした。なんでドイツのシュートは入らないんでしょうかね。あんな綺麗にバイタルで前向けてるのに。見返すと本当に不思議なほどです。</p><br /> <br /> <p>ただし、この後の後半15分あたりからドイツも怪しくなってくるんです。後半12分に引き続き、再び日本の攻撃で最終ラインの所で3:3の状況作られました。ここでも浅野がシュートふかしてしまいました。逆足のシュートでした<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>ゃーない。でもここ決めれなかったので個人的には「3:3の状況で勝てんかーきっついなあ」と思ってました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>、はたかず自分で行ってもよかったのになあ、と。</p><br /> <br /> <p>その直後、15分のシーンでもドイツのパスを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%BB%A5%D7%A5%C8">インターセプト</a>して日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC">ショートカウンター</a>。ここも残念な攻撃で終わってしまったのですが、このあたりからですね。</p><br /> <p>見返してみると大体このあたりからドイツがどんどん怪しくなっていって、日本がペースを引き寄せ始めるんです。この辺りの時間帯から日本はポゼッションできるようになり、守備でもドイツのパスをひっかけることが出来るようになってきます。守備も攻撃も機能しはじめるんですね。</p><br /> <p>ドイツの監督はそれをみてか、後半22分に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>の二枚替え。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>に代えてゴレツカ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>に代えてホフマン投入。結果論ですが、これは悪手でした。日本代表にとって最大の問題といっていいプレーヤーがいなくなったんです。この試合、「ドイツは選手を代えるごとに弱くなり、日本は選手を代えるごとに強くなっていった」と言われる事になる采配でした。ドイツ監督としては守備が怪しくなっていて、最終ラインで同数になるような場面を二回作られていたのでそこを何とかしたかったんでしょうけども。</p><br /> <br /> <p>本当にこの辺りからドイツは守備怪しくなっていて、後半22分にも吉田の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%F3%A5%B0%A5%D5%A5%A3%A1%BC%A5%C9">ロングフィード</a>から酒井に抜け出されて最終ラインの所で二対二の状況を作られる羽目になってます。ドイツ、守備を何とかしないといけないって状況でした。最終ラインのところであんなに数的同数になるようだといずれ失点してもおかしくありません。一本のフィードで裏を取られてしまうような状況になってたんですドイツ。</p><br /> <p>ドイツは後半12分、15分、22分と三回も最終ラインで数的同数の守備を強いられており、テコ入れが必要な状況だったのは間違いない事です。</p><br /> <br /> <p>後半24分、本格的にドイツが怪しくなったのがココでした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A5%E9%A1%BC">ミュラー</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E5%A5%F3%A5%C9%A5%A2%A5%F3">ギュンドアン</a>がいなくなって日本の守備がハマりはじめたんです。この時間帯以降、ドイツは効果的なビルドアップが出来なくなっていきます。日本の守備にドイツの選手は捕まってしまい、それ以前のような攻撃が出来なくなってしまったんです。</p><br /> <p>後半24分にドイツは立て続けに決定機を迎えますが、ここが本当に最後のドイツの決定的なチャンスでした。ここを凌ぎ切ったのが本当に大きかった。</p><br /> <p>ここから攻撃は手詰まり、守備も怪しい、ドイツはそんな状況に陥ってしまいました。要するに遂に日<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%A4%CE%BB%FE%B4%D6">本の時間</a>が来たんです。そしてそれを見てか、森保監督はここで畳みかけるように攻撃のカードを切ります。後半26分、田中碧に代えて堂安を投入。</p><br /> <p>そして後半27:35に日本に決定機が訪れます。遠藤のふわっとしたフィードをドイツのSBとCBの間でボールを受けた伊藤が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内でシュート。これは本当に決定的なシーンでしたが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%A4%A5%A2%A1%BC">ノイアー</a>に防がれ、こぼれたボールに詰めた酒井はシュートをふかしてしまいます。ここドイツの最終ラインが酷い守備やってて、右SBのズーレと右CBのリュディガーの間におかしなスペース出来てんですよ。なんでそこ開けた?という感じです。ドイツの最終ラインの守備がおかしいんですよね、ずっと。</p><br /> <p>これも後から見返してわかったんですが、ドイツの右SBズーレはこの後ドイツの2失点に関与することになります。</p><br /> <p>そんでもってここでリプレイみた本田が「ほらズーレが穴なのよ、わかる?もっとそこ狙っていけって」と仰っておられますわね。本当に的確な事しか言ってないんですわ解説者本田。攻撃でも守備でも真っ当な指摘ばかりです。</p><br /> <br /> <p>後半29分、森保監督は酒井に代えて南野を投入。ここで両WBが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>に伊東、浅野のワントップに南野と堂安のシャドーという形に変更します。超攻撃的な布陣すぎて草という奴です。</p><br /> <br /> <p>そして日本が同点に追いついたのが後半29分35秒からの攻撃です。本田はこのシーン「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>さんいける<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>さん」って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>さん連呼オジサンになってるんですが、この時ね、ドイツがよくわかんない守備やってくれたんですね。ドイツのWGが日本のCBのプレスに前に出てくれたんです。動画で確認して欲しいのですが、これが決定的な結果を招くことになります。</p><br /> <p>ドイツのWGが前にでて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>は左サイドの高い位置でボール持てました。この時、ドイツのWGが守備ブロックにいないんです。これが何を意味するか。図でやるとこうなるんですが</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20221125/20221125010837.png" width="731" height="484" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>WGが守備ブロックにいれば、あの場面ではWGとSBのダ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EB%A5%DE%A1%BC">ブルマー</a>クすればいいだけの場面でした。しかしWGは前に出てしまった。つまり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>のカットインするスペースが開いたんです。そして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>は空いた中央にカットイン。ここ、ズーレは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>に振り切られているのでミキッヒは南野のマークをリュディガーに受け渡して<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>の対応に行くしかありません。</p><br /> <p>ここからドイツのマークが一個ずつずれていくんです。これはどうしようもない問題を引き起こすのですが、</p><br /> <p>リュディガーは南野をマークする<br /> ↓<br /> シュロッターベックは浅野をマークする<br /> ↓<br /> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%E0">ラウム</a>は堂安と伊東を同時にはマークできない</p><br /> <p>そう、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A6%A5%E0">ラウム</a>が一人で二人を見ないといけなくなるんです。これはどうしようもないのです。</p><br /> <p>そして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>は一人でズーレ、ミキッヒ、ゴレツカを引きつけてから南野へのス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A1%BC%A5%D1%A5%B9">ルーパス</a>。この時、動画で確認するとわかるのですが、29:40のところでドイツの最終ラインの所でDFは三枚。一方で日本は4人なんです。もうどうしようもない。</p><br /> <p>かつてないほどの決定機になりました。そして南野のシュートは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%A4%A5%A2%A1%BC">ノイアー</a>が前に掻き出すしかなかった。ファーに伊東が詰めていたのでファーに反らせば伊東に決められる。でも前にこぼれた所には堂安がいる。詰んでいたのです。あの時、あの瞬間の状況では。</p><br /> <p>びっくりするくらい綺麗なゴールを決めて日本は同点においつきました。</p><br /> <br /> <p>ところで自分はこのゴール決めた後、「ドローでいい」と思っていたのです。というのも、あんなゴール決めた後に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>が空くことはもうないからです。あれをみたらドイツは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C6%D1">三苫</a>には絶対にWGとSBのダ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EB%A5%DE%A1%BC">ブルマー</a>クを動員して何もできなくさせます。もちろん、ダ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EB%A5%DE%A1%BC">ブルマー</a>クをやればドイツも攻撃の時にWGが上手く使えず、日本代表の前半みたいな事になるのですが、それはそれでいいのです。日本は同点で勝ち点1でも十分だったし。</p><br /> <br /> <p>ところが日本代表は同点で良しとしなかったんですね。というか、単純にドイツの穴と本田が連呼してた右SBのズーレが又やらかすんですが。</p><br /> <br /> <p>後半38分ですね、浅野が一本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%F3%A5%B0%A5%D5%A5%A3%A1%BC%A5%C9">ロングフィード</a>で抜け出すんですけど、誰が不味い守備やってたかというとズーレでした。</p><br /> <p><blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">At the point at which the ball is kicked, Rudiger and Schlotterbeck seem to be playing an offside trap. Rudiger in particular seems to be letting his runner go free. However, Niclas Sule has dropped in behind the line meaning Asano is onside. <a href="https://t.co/znOlf4WfaP">pic.twitter.com/znOlf4WfaP</a></p>&mdash; Jon Mackenzie (@Jon_Mackenzie) <a href="https://twitter.com/Jon_Mackenzie/status/1595453693733789696?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <p>これです。ドイツの最終ラインは後半ずっと怪しい状況だったんですが、ここで右SBのズーレが最終ラインを崩してしまい、それが浅野の飛び出しが成功した原因です。</p><br /> <p>この後は皆さんご存じの通り、抜け出した浅野は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%A4%A5%A2%A1%BC">ノイアー</a>のニアをぶち抜くスー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A1%BC%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">パーシュート</a>決めて日本は逆転に成功したんです。</p><br /> <br /> <p>日本に勝ち越された後、ドイツには試合をひっくり返す力はもう残ってませんでした。「ドイツは選手交代をする度に弱くなり、日本は選手交代をする度に強くなった」という試合評の通りです。ドイツの選手交代はまるで機能せず、日本の選手交代はドンピシャでしたから。</p><br /> <p>試合終了の笛が吹かれるまでもうドイツは前半のような攻撃は出来なくなっていた。一方で日本が逆に3点目いれるチャンスまであったほどです。</p><br /> <p>試合を見返してみて、やはりこの試合は本当に厳しい試合でした。前半で試合が壊れていてもおかしくなかったし、後半の24分くらいまではドイツが圧倒的でした。しかし、そこを一失点で凌いで日<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%A4%CE%BB%FE%B4%D6">本の時間</a>が来るまで耐える事ができた。そして日<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%A4%CE%BB%FE%B4%D6">本の時間</a>が来た時に少ないチャンスをモノにしてドイツより美しいゴールを二つ決めて日本は勝ったわけです。</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A6%A5%B8%A5%A2%A5%E9%A5%D3%A5%A2">サウジアラビア</a>がアルゼンチンを倒し、日本はドイツを下した。今回のW杯は史上かつてないほどの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%E3%A5%A4%A5%A2%A5%F3%A5%C8%A5%AD%A5%EA%A5%F3%A5%B0">ジャイアントキリング</a>が吹き荒れる大会となっています。</p> Fri, 25 Nov 2022 02:34:57 +0900 hatenablog://entry/4207112889939527442 2018年FIFAワールドカップ、日本対ベルギーのレビュー「日本が史上最もベスト8に近づいた日」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2018/07/07/211918 <p>非常に残念ですが、日本のベスト8への夢は潰えました。</p><br /> <p>本当にあと少しでベスト8という所だったので気持ちの整理に時間が必要だった人も多いんじゃないでしょうか。</p><br /> <p>本日はそんな日本対ベルギーの試合のレビューをお送りします。結果は2-3で日本は逆転負け。あと20分守れたらベスト8という所まで来てたんですがね・・・。気持ちが落ちてついてから見返してみると色んな事がわかりました。今日はそんなレビューになります。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対ベルギー、スターティングメンバーとフォメ</h4> <p><br /> まず、日本対ベルギーのスタメンですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180705/20180705221909.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180705221909j:plain" title="f:id:pal-9999:20180705221909j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなってました。日本は4231で、大迫のワントップに2列目は乾香川原口、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は長谷部柴崎、4バックは長友昌子マヤ酒井の並びです。ちなみに試合が行われる前に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ポーランド</a>戦でのスタメン流出が問題となり、長友と本田がメディアに「情報流出止めて!」的なメッセージを出す異常事態が起きてます。このメッセが出た時には「あれ?まさかスタメンとフォメいじってくる?」とか思ったんですが、試合前日の会見で昌子を連れて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%B4%C6%C6%C4">西野監督</a>がインタビューをやったので、「あら昌子が出るなら4231のままだ」という感じでした。もし3421にするなら槇野使うでしょうしね。</p><br /> <br /> <p>一方でベルギーのほうはいつもの3421です。スタメンは完全に予想通り。コンパニがCBで復帰した位ですかね。</p><br /> <br /> <p>この試合なんですけど、試合前に西野サンが言った通りの試合でした。つまり、「<b>日本がここのラウンドに入ったということで、(日本の)チームスタイル、個人のスタイルはすべて分析されているうえで戦う。両チームがそういう中での戦いになると思う。もちろんストロングの部分がベルギーにあるが、されどウイークポイントもたくさんあると感じているので、全面に日本のストロングを出して対抗したい</b>」という奴です。</p><br /> <p>これ、プレビューで書くつもりだった事でしたが、プレビューさぼって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>で書き込みした奴張っときますが、</p><br /> <p><blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja"><p lang="ja" dir="ltr">ベルギーはカウンターヤバイしセットプレーもヤバイけど、守備は隙があります。あれなら点は取れる相手です。問題はベルギーのカウンターとセットプレーを凌げるかです。日本は攻撃で人数かけるし両SBあげるサッカーやってるので尚更。</p>&mdash; pal9999 (@pal9999) <a href="https://twitter.com/pal9999/status/1013756571115851777?ref_src=twsrc%5Etfw">2018年7月2日</a></blockquote><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <p>これですけど、ベルギーってチームは守備で極めてわかりやすい穴があるチームです。ベルギーの試合をチェックしてみて、すぐに「あ、これなら点は取れる相手だ」と思いました。具体的に言えば、左WBの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E9%A5%B9%A5%B3">カラスコ</a>は本職がMFなんで裏狙えます。右WBのムニエもそんな大したことないです。その上にSBのオーバーラップにベルギーのシャドーがついてこない事が非常に多いのでサイドでは2対1作りやすいです。ベルギーのシャドーは守備意識が薄くて、中盤はフィルターが効かない事が多いです。中盤のフィルター能力が低いチームなので、日本にとってはとんでもなくやりやすい。中盤で簡単に前向けますからね。そもそも中盤の4枚が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>、デブルイネ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A3%A5%C4%A5%A7%A5%EB">ヴィツェル</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>なんですが、守備がキチンとできるの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A3%A5%C4%A5%A7%A5%EB">ヴィツェル</a>くらいです。</p><br /> <p>1試合みただけで欠点が大量にみつかったんで、点は取れるなって確信しました。サイドの守備でも中盤の守備でも、ハッキリ言って穴が多い。試合後、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%DA%A5%C3%A5%ED">カペッロ</a>がベルギーの守備に対して「なってない」と断罪してましたが、守備はGKの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>とCBの3人、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A3%A5%C4%A5%A7%A5%EB">ヴィツェル</a>頼みな所があります。この5人がやられるとベルギーは失点します。</p><br /> <br /> <p><span style="font-size: 150%"><b>しかし日本も守備は良くないのでお互い様なんですがね!!!</b></span></p><br /> <br /> <p>という訳でして、この試合なんですが、日本もベルギーもお互いに相手の弱点を狙って試合を進めていました。お互いに<b><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B6%A4%A4%BC%F5%A4%B1">誘い受け</a>みたいなサッカー</b>やってるのでね。突いてくれと言わんばかりの穴があるチーム同士の対戦です。</p><br /> <p>西野さんは試合前に「<b>ベルギーには弱点があるので対抗できる</b>」と言ってましたが、本当にわかりやすい弱点があるチームです。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>試合開始~前半20分まで。日<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%A4%CE%BB%FE%B4%D6">本の時間</a>帯</h4> <p><br /> ここからは試合内容に進みましょう。</p><br /> <p>ベルギーの守備上の欠点に関しては開始6分で露わになるんですけど</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706191023.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706191023j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706191023j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706191026.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706191026j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706191026j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706191032.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706191032j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706191032j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706191034.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706191034j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706191034j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706191037.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706191037j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706191037j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706191039.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706191039j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706191039j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>このシーンです。このシーンの問題なんですけど、ベルギーが前プレかけた時、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>とデブルイネが被ってしまってるんですね。そして酒井ゴリがフリーになってしまった。そしてそこから大迫への楔入れられて香川に落とされ、香川から柴崎に繋がれた。これで日本は前プレ突破できました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>ね、前プレの時も引いて守る時も、守備では本当に適当です。</p><br /> <p>そしてそこからサイドに展開されてからが最大の問題なんですが、長友が中央にフリーランかけたとき、そこに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>は当然ついていってません。WBが対応してます。だから乾にフリーになる。</p><br /> <p>このシーンを取りあげたのは、ベルギーの守備の問題点である「<b>中盤のフィルター能力の低さ</b>」と「<b>サイドで2対1を作られやすい</b>」ってのがモロに出たシーンだからです。前半開始6分でコレですよ。</p><br /> <p>ハッキリ言って、こんな守備やってたらブラジル相手だと無理ゲーだと思ってたんですが、本日のベルギー対ブラジル戦では流石にスタメンいじって中盤のフィルターを増やし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%E9%A5%A4%A5%CB">フェライニ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A3%A5%C4%A5%A7%A5%EB">ヴィツェル</a>、シャドリの3枚にしてブラジルのサイド攻撃の際には中盤1枚サイドに送ってました。</p><br /> <p>基本的に、このチームは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>、デブルイネの守備に大きな問題を抱えてます。中盤でこの三人がフィルターにならないといけないのに、フィルターとして機能してません。日本の中盤に割と好き勝手にプレーされた原因は、この三人の守備が適当だからです。(ブラジル戦では流石にスタメンいじりましたが)</p><br /> <p>さらに言えば、開始直後は大迫への楔の対応は最悪に近く、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194749.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194749j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194749j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194752.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194752j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194752j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194758.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194758j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194758j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194758.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194758j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194758j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194801.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194801j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194801j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194804.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194804j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194804j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194807.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194807j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194807j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706194811.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706194811j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706194811j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは開始7分のシーンですけどね。開始7分でCBからCFに楔打ち込まれてトップ下に落とされるとか、ヌル杉です。見ててアホかと思った程です。どうかしてるぜ。開始7分でCFに楔打ち込まれてトップ下に落とされてサイドで2対1作られる守備やってたら、試合後に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%DA%A5%C3%A5%ED">カペッロ</a>に「守備はなってない」と言われて当然でござる。</p><br /> <p>もうひとつロングボールへの対応も酷くて、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706200734.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706200734j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706200734j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706200738.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706200738j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706200738j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これですよ。この布陣じゃセカンドボール拾えないし、中盤2枚じゃ相手にセカンド取られた後にフィルターが効きません。実際、この後、日本にショートパス3939繋がれて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A3%A5%C4%A5%A7%A5%EB">ヴィツェル</a>の脇で簡単に香川に前向かれて乾にはたかれました。長友は即座に乾を追い越す動きいれて(勿論<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>はついてこない)、相手のWBが長友に釣られた瞬間を見逃さずに乾はクロスあげました。原口は斜めにニアに入ってきてヘディングを試みますが、惜しくも合わず。<b>原口は完全にマーク外してコンパニの前に入ってた訳で、あってたらここで日本が先制してました。</b></p><br /> <p>完璧な日本の攻撃でしたが、ベルギーは本当に「守備はなってない」。</p><br /> <br /> <p><span style="font-size: 200%"><b>これが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/FIFA%A5%E9%A5%F3%A5%AF">FIFAランク</a>3位のチームの守備です。</b></span></p><br /> <p>ベルギーのサッカーを日本が真似したら、W杯で間違いなくボコボコにされてます。絶対に真似しちゃ駄目。日本じゃ無理。日本じゃガチで無理。最低でも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>クラスのGKがいないと無理。</p><br /> <p>この守備でも何とかなってるのはカウンターが糞強力で帳尻できてるからです。カウンターは世界のトップ3に入ります。ブラジル、フランス、ベルギー、これが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AF">カウンターアタック</a>三強です。調子扱いて攻撃してると前3人のカウンターで沈められます。岡ちゃんは試合前に「ベルギーはカウンターでしか点取ってない」って言ってましたが、それが彼らのストロングポイントです。基本的に前3枚はあんまり守備せず攻め残ります。</p><br /> <p>日本は明らかにベルギーを研究しており、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>、デブルイネ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>が守備そんなにやらないという所を狙っていました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>のスペースが常時空いてる状態だったし、SBがオーバーラップすればついてこない。そこを利用することで日本はチャンスを作り出すことができました。</p><br /> <p>大体前半20分あたりまでは日本が良い感じで攻撃できてたんですが、ベルギーもやられっぱなしにはなりません。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/FIFA%A5%E9%A5%F3%A5%AD%A5%F3%A5%B0">FIFAランキング</a>3位のチームなんですから。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対ベルギー、前半20分以降の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>を中心としたポジションチェンジ</h4> <p><br /> ここからは前半20分以降のお話になります。前半20分あたりからベルギーの時間が始まります。ベルギーはスロースターターな所があって、大体このあたりの時間帯からギアあげてきます。この試合の場合、前半20分あたりから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>が動き始め、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/FIFA%A5%E9%A5%F3%A5%AD%A5%F3%A5%B0">FIFAランキング</a>3位の実力を見せ始めます。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706204051.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706204051j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706204051j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>ここですけどね。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>が降りてきてデブルイネが上がってますが、ベルギーの攻撃は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>が中心となってポジションチェンジが起こります。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E9%A5%B9%A5%B3">カラスコ</a>、デブルイネがぐるぐるとポジションチェンジしながら攻撃してきます。これに日本はかなり苦労する事になります。図にすると</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706204707.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706204707j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706204707j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんな感じなんですが、ベルギーとやるチームはどこも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>を警戒します。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>に前向かせないように徹底してます。当然、マークも集中します。そういった場合、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>はマーク引き連れて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の位置に降りたり、サイドに流れたりして、空いた自分のスペースを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E9%A5%B9%A5%B3">カラスコ</a>やデブルイネに使わせます。これが実に厄介でどこのチームも苦労してます。単なるドリブル馬鹿なら対策方法簡単なんですがね(ダ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EB%A5%DE%A1%BC">ブルマー</a>クつければ良いだけ)。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>は周りの使い方も上手いんです。だから厄介なんです、この選手。</p><br /> <br /> <p>そしてもう一つ、長谷部と乾の間のスペース問題。前半20分、22分と立て続けに長谷部と乾の間の所で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>、ムニエに前向かれてます。</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706205718.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706205718j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706205718j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは前半20分のシーン。</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706205721.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706205721j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706205721j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こっちは前半22分のシーン。</p><br /> <p>多分、ココでベルギーの選手達は「あ、ここの守備緩い」と気付きました。あそこのスペースだと前向ける、とね。もしくはスカウティングの段階でわかっていたんでしょうが、乾の守備はお世辞にもよくありません。長友との縦の関係はともかくとして、長谷部と乾の関係が悪い。中央のスペースをケアする事に関しては酷いもんです。<b>そのためベルギーに長谷部の左脇のスペースを使われてしまう</b>。この問題は特に後半に酷くなります。</p><br /> <p>長谷部の左脇のスペース。ここが、この試合における日本代表の最大の問題となったスペースでした。ただ、前半、乾の体力が残ってるうちはまだ良かったんです。後半ですね。本当に深刻な問題となったのは。</p><br /> <br /> <p>この後、前半40分くらいまではベルギー優勢の時間となります。左は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E9%A5%B9%A5%B3">カラスコ</a>、デブルイネのポジションチェンジ、右は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>とムニエがポジションチェンジをくり返してきて、日本はマークを掴みづらくなり苦労するようになります。この時間帯は両WGと香川まで下がって来て守備する時間帯が多かったです。</p><br /> <p>攻撃面でも、最初は通っていた大迫への楔に対して、ベルギーが慣れてきてCBと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>で挟めるようになってきており、難しい時間帯でした。</p><br /> <p>尚、前半43分には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>のお笑い未遂、前半44分にはムニエのお笑い守備があったんですが、残念ながら日本は決めきれず。前半は0-0で折り返すことになります。ムニエについては時々ア<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%C1%A5%E5%A5%A2">マチュア</a>みたいな守備やります<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>後半開始,日本の先制点と2点目</h4> <p>さて、日本全国をエクスタシー寸前まで追いこんだのが後半の立ち上がりでした。ベルギーは立ち上がりが緩いんですね。</p><br /> <p>これはキャプでやる必要もないでしょう。日本の左サイドで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>とムニエがワンツーを試みますが、乾はこれを読んでおりパスカットに成功。ボールを柴崎に預けると同時に原口が右サイドを猛烈な勢いで駆け上がり、柴崎から原口へ。カウンターから3対3の状況が出来、最後は原口がベルトンゲンを外してシュート。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>でも止められず、日本が先制!!</p><br /> <p>このカウンターは3バック相手の基本です。WBの裏を使ってカウンター。基本中の基本ですが、素晴らしいカウンターでした。</p><br /> <p>ただ、この直後、ベルギーは決定機作ってます。この時、ちょっとベルギーは形変えてきてるんですが、</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706213039.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706213039j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706213039j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706213042.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706213042j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706213042j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706213044.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706213044j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706213044j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706213047.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706213047j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706213047j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><br /> <span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706213050.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706213050j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706213050j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これです。ここではベルギーは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>一人、WBの裏に落として、そこから組み立て始めました。これは前半には見られなかった形なんで日本はマークのズレが生じてます。そこから一気に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>のシュートまで持っていかれました。この時、日本が失点しなかったのは運が良かったからです。これは完全に1点モンのシーンでした。</p><br /> <p>そして、後半から特に顕著になったんですが、ベルギーは執拗に日本の左サイドを狙うようになります。</p><br /> <p>ただ、ベルギーの左サイド狙いが報われる前に、ベルギーの中盤スカスカ問題が後半6分で出ます。中盤スカスカというか、単なるデブルイネの怠慢守備なんですが・・・・</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706214510.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706214510j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706214510j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706214513.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706214513j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706214513j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706214516.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706214516j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706214516j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706214518.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706214518j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706214518j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>まあ、デブルイネが真面目に守備やらなかった罰です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A3%A5%C4%A5%A7%A5%EB">ヴィツェル</a>だけで最終ラインの前のスペースをプロテクトできる訳がない。こーいう守備やるから自分はベルギー相手には点取れると確信してたんです。本当に中盤でフィルターが効かないチームなんです。勿論、乾のシュートはゴラッソでした。アンくらいのシュートじゃないと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>の守るゴールは割れませんから。ブラジル戦では枠内シュート9本喰らって失点1のGKです。</p><br /> <p>中盤のフィルターが効かないチームなので、ベルギーってバイタルミドル対策はCBとGK頼みです。それを何とかしてるのが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>なんですよ。日本のチームは真似しちゃ駄目ですよ。あれは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>だから何とかなるんです。中盤のフィルター効かなくても守れていた日本のチームなんて全盛期楢崎の名古屋くらいです。そういうレベルのGKもってないならマジで真似しちゃ駄目。死にます。ガチで死にます。</p><br /> <p>ここでベルギーは2点差を追いかける展開になりました。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>赤い悪魔の反撃</h4> <p></p><p>もうすでに長すぎるエントリになってますが、この後に起こった後半9分のシーンはとりあえずには居られないので取りあげときます。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706221537.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706221537j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706221537j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706221540.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706221540j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706221540j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706221541.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706221541j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706221541j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180706/20180706221544.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180706221544j:plain" title="f:id:pal-9999:20180706221544j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>このシーンのカウンター対応ですけど、典型的な日本の守備です。数的同数のカウンター食らってるのに、いきなり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が相手のボールホルダーとの距離詰めるっていうね。よく「日本の守備はディレイ」っていう人がいますけど、ここ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>二人が全くディレイ(ボールホルダーと距離を保ちながら併走)せず、逆に間合い詰めてます。ディレイなんてこれっぱかしもやってません。数的同数のカウンターの状況でね。しかも海外組の選手が、ですよ。</p><br /> <p>このシーン扱うのは、この試合、逆転された時の山口の対応が強く批判されてるからです。あの時に山口がやらないといけない守備はディレイでした。デブルイネのドリブルに併走する形で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>ギリギリか3m手前位まで下がるしかないです。5対3のカウンターだったので、それ以外に選択肢ないんですが、やりませんでしたね。併走をやめてしまってる。でも、このシーンでもそうですが、長谷部も柴崎もディレイやってませんよね。</p><br /> <p>あの対応、別に山口蛍だけに限ったモンじゃないです。日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>、あーいうプレーをよくやります。これ日本のサッカー文化です。数的同数のカウンター受けて突っかける、数的不利のカウンター食らってるのにディレイしないとかいう。</p><br /> <p><span style="font-size: 150%"><b>ただ恐ろしい話なのはココからです。西野ジャパンは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%B9%A5%C8%A5%DE%A5%C3%A5%C1">テストマッチ</a>含めて7試合、海外の強豪と試合して13失点しましたが、カウンターからは二失点しかしてません。</b></span></p><br /> <p>SBが高い位置とる上にポジションチェンジ多用するので、いかにもカウンター食らいそうなサッカーしてるチームなんですが意外とカウンターからは失点してません。</p><br /> <br /> <p>そういう訳ですので、僕はこういった日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>のプレーを容認することにしました。カウンターからはあんまり失点してない訳だし、別にええやろうと。イタリア人には「守備の文化がない」とか「日本は時間を稼ぐという守備の基本が出来てない」等と否定されそうですが。</p><br /> <br /> <p>話を戻しましょう。ベルギー戦ですが、皆さんご承知の通り、試合が動くのは後半19分、ベルギーが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%EB%A5%C6%A5%F3%A5%B9">メルテンス</a>に変えて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%E9%A5%A4%A5%CB">フェライニ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E9%A5%B9%A5%B3">カラスコ</a>に変えてシャドリを入れてきてからです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%E9%A5%A4%A5%CB">フェライニ</a>の投入については、攻撃では高さ。そして守備では長友のオーバーラップへの対応です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%E9%A5%A4%A5%CB">フェライニ</a>はきちんと守備でサイドのケアをやってました。シャドリ投入に関しては、直前のプレーで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%E9%A5%B9%A5%B3">カラスコ</a>が香川と酒井のワンツーであっさり裏取られたので守備で不安すぎるのと、逆サイからのクロスに合わせる係。デカイですからね。攻撃では高さ勝負、そして守備強化という采配でした。</p><br /> <p><b><span style="font-size: 150%">そして一番重要な事ですけど、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%E9%A5%A4%A5%CB">フェライニ</a>(194㎝)とシャドリ(187㎝)をいれた事でCKの際に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>が守備やらないで良くなった事です。これ以降、日本のCKの際に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>は前残りするようになってます。</span></b></p><br /> <p>これはその後のATでのベルギーの大逆転カウンター、ベルギー対ブラジルでのCKからのカウンターに繋がりました。相手のCKからのカウンターの時に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>使えるのは大きい。もの凄く大きい。そして、日本の選手とベンチはこれに気付くのが遅すぎました・・・。ある意味ではブラジルも。高すぎる代償を支払うことになります。</p><br /> <p>ベルギーは後半16分,後半20分、後半22分と立て続けに日本の左サイドを狙ってきます。この辺りの時間帯、徹底して日本の左サイド狙いです。左サイドのどこ狙ってるかというと、前半言及した場所なんですよね。日本の左<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の脇。この時間帯は長谷部が右で柴崎が左だったんですが、柴崎の左です。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180707/20180707014643.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180707014643j:plain" title="f:id:pal-9999:20180707014643j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは後半16分のシーン。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180707/20180707000354.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180707000354j:plain" title="f:id:pal-9999:20180707000354j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><p>これは後半20分のシーン。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180707/20180707000353.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180707000353j:plain" title="f:id:pal-9999:20180707000353j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><p>ここは後半22分のシーン。</p><br /> <br /> <p>ここなんですけど、乾が疲れてきて動けなくなってきていたんで、この辺りで代えといても良かったんじゃないかなと思う訳です。左サイドの守備は本当に怪しくなってきてました。途中から長谷部右に出したのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>対策なんでしょうけど、左サイドに柴崎乾だと守備のバランスが・・・という奴です。右より左のが深刻な問題だった訳で・・・あそこに起点作られてやられてるのに西野さんの対策が・・・</p><br /> <br /> <p>それでこの後、ベルギーのCKから川島の非常に残念なプレーで日本は失点。川島はもう十分叩かれているので、あえて触れません。</p><br /> <p>この後もベルギーの日本の左サイド狙いは続いて後半25分の攻撃はやはり左狙い。ここ延々とベルギーの左狙いが続いてるの何も手を打たないというのはちょっと・・・という感じです・・・西野さんェ・・・・</p><br /> <p>そして問題の後半26分。日本はCK取って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>を選択するんですが、柴崎がとんでもなく酷いロストかましてベルギーのカウンター発生。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>が前残りしてる状態で数的同数カウンター食らうとかいう罰ゲーム、ゲームオーバー寸前でしたが、デブルイネのシュートにギリギリで昌子のシュートブロックが間に合いました。しかしCKとなり、1度ははじき返したのですが、セカンドボール拾われて再度<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>からクロスあげられて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%E9%A5%A4%A5%CB">フェライニ</a>のヘディングで日本は同点に追いつかれます。ちなみにカウンターのシーンで乾がシャドリにぶっちぎられているんですが、最後のベルギーのカウンターのシーンでもやっぱりぶっちぎられてたりします。</p><br /> <p>このシーンだと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%E9%A5%A4%A5%CB">フェライニ</a>のヘディングにどうしても目がいってしまうんですが、それ以外にも問題が多すぎるシーンです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>からの柴崎の酷いプレー、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>が前残りしてる状態で数的同数カウンター、シャドリにぶっちぎられる乾と日本の三失点目に繋がる伏線出まくってます。</p><br /> <br /> <p>そして後半31分、ここでもベルギーは日本の左サイド狙いです。もう徹底して日本の左サイド<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%C0%A4%A4%A4%A6%A4%C1">狙いうち</a>。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B6%A1%BC%A5%EB">アザール</a>まで左サイドにくるレベル。</p><br /> <p>続いて後半32分の攻撃は日本の左サイド狙うと見せてサイドチェンジ。<br /> 続いて後半34分の攻撃でも日本の左サイド狙うと見せてサイドチェンジ。</p><br /> <p>そして後半35分、ここで、ようやっと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%B4%C6%C6%C4">西野監督</a>が動きます。原口に代えて本田、柴崎に代えて山口。え、左放置!?という采配でした。</p><br /> <p>ここまでの試合では西野さんの采配当たったんですがね・・・この日は・・・</p><br /> <p>後半40分、やはりここでもベルギーは日本の左サイド狙いなんですが・・・ちょっとここでの乾の守備はひどい。乾がきちんとマークついてないので・・・・</p><br /> <p>後半16分からベルギーは徹底して日本の左サイド狙いをしてました。本当に露骨に左サイド狙ってきてました。難しい判断だったのかもしれませんが、交代枠は乾だったんじゃないかなと思います。日本の左サイドに起点作られてやられた訳で、あそこ何かしないといけなかった。交代枠で山口を左<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に入れてきてましたけど、それでも足らない。乾の守備が中途半端になりがちなトコを狙われているので、ベルギーの左サイド狙いが明確化した時点で左WGに守備強化のカードをもっと早く切ってもよかった。延長までいけば、もう1枚カード使える訳だし。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>そして問題の最後のシーンの話・・・</h4> <p><br /> ただし最後に浴びたカウンターは左サイド関係ないのです。日本は残り30秒時間潰せば延長という状況でCKから5対3のカウンター食らって逆転負けしました。</p><br /> <br /> <p>本当にね、何であそこで本田は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%A4%A5%DC%A1%BC%A5%EB">ハイボール</a>蹴り込んだのか問い詰めたい。心の底から問い詰めたい。</p><br /> <br /> <p>「残り時間30秒で延長戦で」</p><p>「ベルギーはカウンターが非常に強力と誰もが知っていて」</p><p>「CKからカウンター取れるように<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>が前残りしてるベルギーに対して」</p><p>「エリア内に180後半~190超えの選手が6人守備でいるのに」</p><p>「ゴールから逃げていく軌道の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%A4%A5%DC%A1%BC%A5%EB">ハイボール</a>をGK<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EB%A5%C8%A5%EF">クルトワ</a>の守備範囲に蹴り込む」</p><br /> <p>とか理解できません。なんでやねんと。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>で時間稼いで、時間ギリギリまで使ってからカウンター食らいにくいボール蹴る場面だろ常識的に考えて。</p><br /> <br /> <p>しかも、この失点後、自分の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>のTLでは「山口蛍氏ね」的なコメントが溢れかえりました。</p><br /> <p>この国のサッカー文化だと5対3のカウンター食らって失点すると<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が戦犯にされるみたいです。怖いです。</p><br /> <p>それと、このCKの時ね、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>が前残りしてるのに昌子までベルギーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内に入ってるんですよ。後半29分の時は昌子が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>について残ってたから最後のシュートブロックが間に合った。でも最後の場面では昌子は上がってしまってて最終ラインに居なかった。恐ろしい早さで戻ってきて、最後の場面、スライディングしてたのは凄かったですけどね。昌子が試合後に死ぬほど後悔してましたけど、あそこで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>前残りしてるのに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内にはいった判断の悪さはね・・・・</p><br /> <p>なんで、あの場面であがっちゃんでしょうね・・・CB一人は残ってないといけなかった・・・後半29分のCKシーンでは残ってたのに・・・何故・・・・本当に本当に理解しがたいミスが幾つもあります、このシーン。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>使わない本田、シャドリにぶっちぎられる乾(2回目です。なんで替えなかったの西野はん・・・・)、何故か<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内に入ってた昌子、ディレイしない山口と立て続けに4つの不味いプレーです。そりゃ失点しますって。</p><br /> <p>くり返しますが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%B3%A1%BC%A5%CA%A1%BC">ショートコーナー</a>で時間潰してれば何も問題なかったんですがね!!<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>試合の総評と日本代表の今後など</h4> <p>試合の総評なんですけど、このエントリはベルギー対ブラジルの試合またいで書いてます。ベルギーはブラジルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%A6%A5%F3%A5%B4%A1%BC%A5%EB">オウンゴール</a>と、カウンターで2点取って2-1でブラジルを下しました。ベルギーのカウンターはCKでの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>前残しからのデブルイネのミドルでした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E9%A5%F3">ミラン</a>ダと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%A2%A5%B4%A1%A6%A5%B7%A5%A6%A5%D0">チアゴ・シウバ</a>は最終ラインにおらず、ベルギーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内に入ってました。だからカウンターになった時、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>のターンをブラジルは防げなかった。(ベルギーとブラジルの試合は面白かったし、レビュー書こうかと思った程です。あれはかなり濃い試合でした。)</p><br /> <p>この試合で日本が犯した過ちを王国ブラジルが綺麗に再現してて草生やしましたですわ。<b>ベルギーはCKで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%AB%A5%AF">ルカク</a>を前にのこしてんです。CBの一人は残らないといけない。</b></p><br /> <p>王国でもやらかすんですから、日本がやっちまったのはしょうがないと割切るしかないです。そうする事にしました。じゃないとやりきれない。</p><br /> <p>こうやって試合見返してみると、ベンチワーク含めて後半は残念な部分が多いです。後半69分まで完璧な試合でしたが、その後が残念すぎました。色々と。</p><br /> <p>ただグズグズ言ってても結果は変わりませんからね、この辺りにしときましょう。日本対ベルギーは極上のエンターテイメントでした。それだけで十分。</p><br /> <br /> <p>最後に日本代表の今後の話もしときます。皆さん、知っておられると思いますが、本田と長谷部、酒井ゴートクが代表からの引退を表明してます。一時代の終わり、という感じですね。</p><br /> <p>長谷部とゴートクの代役については、これはそれほどには困らない部分があるんですが、問題は本田の代役です。来年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%A5%AB%A5%C3%A5%D7">アジアカップ</a>では2列目乾香川原口で良いので問題ないのですが、その後が問題になります。香川と乾は年齢的に次は厳しい。本田は日本代表では極めて貴重な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>でした。良い<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>無しで良いチームは作れないっていう位、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>は重要な存在です。いるといないのとじゃ使える攻撃オプションに大きな差がでるんです、本当に。俊輔、本田の次に控えている<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%D5%A5%C6%A5%A3">レフティ</a>が未だに出てきてないってのがちょっとした不安材料です。候補は何人かいるんですが、今の所使える算段がついてない。今の所、最有力候補は堂安なんですけどね。久保君はどうなるかなあ。今回のW杯では経験積ませてあげられなかったのが残念。</p><br /> <br /> <p>ここまで書いてきて1万2000字とかいう誰が読むんだよエントリになった事に気付きました。この辺りでやめておきます。ではでは。</p> </div> Sat, 07 Jul 2018 21:19:18 +0900 hatenablog://entry/10257846132598399369 2018年FIFAワールドカップ、日本対セネガルのレビュー「完璧な選手なんていません」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2018/06/27/213826 <p>はい、皆さん、こんにちは。</p><br /> <p>本日は先日行われた2018年<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/FIFA%A5%EF%A1%BC%A5%EB%A5%C9%A5%AB%A5%C3%A5%D7">FIFAワールドカップ</a>、日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>のレビューをお届けします。結果は皆さんご存じかとは思いますが、2-2での引き分けでした。</p><br /> <p>この試合内容は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>が勝ち越す度に日本が追いつくという本当に面白い試合だった為、海外でも好評だったようですね。試合事態は日本が勝ってても良かった試合なんですが、日本の守護神こと川島大明神が</p><br /> <p><b>「相手アタッカーに向かってボールをパンチングする」</b></p><br /> <p>という斬新なセービングを編み出した事から追いかける展開になってしまいました。知らない人の為に説明しておくと、日本のサッカー界には「ガヤる」という言葉がありまして、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%D0%C2%E7%BA%E5">ガンバ大阪</a>GKだった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%A3%A5%F6%C3%AB%CD%DB%B2%F0">藤ヶ谷陽介</a>さんのドラマチックなプレーの数々を指して使われるようになった単語です。</p><br /> <p>GKのやらかしというと代表的なのはシュートを前にこぼして相手FWへのアシストをしてしまうとか、飛び出したのにボールに触れる事が出来ず失点とかがあります。どっちもガヤさんの得意技でした。懐かしいですね。飛び出してボールをクリアしようとしたらキック空振りしてしまい大迫に決められた試合とかガヤさんの全盛期でしたね。</p><br /> <p>ちなみに日本の2点目なんですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>のGKがクロスをパンチングしようとして前に出て岡崎倒したあげく、<b>飛び出したのに触れる事ができない</b>という失態を犯し、結果が本田のゴールとなりました。この試合、日本はGKのちょんぼで先制され、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>はGKのちょんぼで追いつかれるというお互いに優しい事やってました。</p><br /> <p>先日の試合ではGKのGAYAプレイはお互い様だったので、川島のアレについては許してあげてもいいんじゃないかと思います。てか叩かれすぎです。サッカーを普段見ない人は日本人GKの真のお笑いを知らないんでしょう。</p><br /> <p><iframe allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/2eZP5NLIpj4" width="560" height="315" frameborder="0"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=2eZP5NLIpj4">日本人GK ミス集|Funny Japanese Goalkeeper Fails and Mistakes ● Stupid Goalkeepers</a></p><br /> <br /> <p>この動画を見ればシュートを前にこぼしてしまうとか、飛び出したのにボールにさわることが出来なかったとか、良くある日本のGKのミスなんて笑って許してあげられるようになると思います。(どっかの島国の代表GKが動画の中にいるような気しますが気のせいです)</p><br /> <br /> <p>GKネタはこの辺りにして本題にはいりましょうか。この試合については有り難いことに書くことあります。前回の試合みたいに戦術面で殆ど書くことが無かった試合と違って扱える話題があります。うちみたいなブログでは本当に有り難い話です。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>、前半戦のレビュー</h4> <p>ちょっと前振りが長くなりすぎてしまいましたが、ここからが本題になります。この試合のスタメンですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180626/20180626204901.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180626204901j:plain" title="f:id:pal-9999:20180626204901j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなってました。日本はコロンビア戦からスタメンは変わらず。一方で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>は433でセットしてきました。4231と433はマッチアップ的に、サイドと中盤が噛み合います。</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180626/20180626204934.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180626204934j:plain" title="f:id:pal-9999:20180626204934j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなりますが、基本的に誰が誰を見るのかがハッキリとするマッチアップです。その為、日本がボールをポゼッションする場合、一工夫しないといけません。一工夫いれないと香川、柴崎、長谷部、乾、原口はガチムチマッチョの黒人を背負った状態でボール受ける事になりますから何にも出来ずに終わります。この5人はマーク背負ってプレーできる選手じゃありません。<b>今の日本でマーク背負ってプレーできるのは大迫だけです。</b>最終ラインから何の工夫もなく中盤にボール入れられたらボール狩られて終わります。</p><br /> <br /> <p>一方で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>なんですが、攻撃面ではフィジカルゴリ押しのサッカーします。アタッカーにはマークついてようが構わずボール入れます。この場合アタッカーはそこからターンして違いを作り出せないといけないんですが・・・・これができる選手が前にそろってるんですよね。恐ろしい話ですが。前半38分に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>が作った川島との一対一のシーン、後半25分の日本の失点シーンのいずれもそうでしたが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の選手がマーク背負いながらターン出来た事が引き金になってます。前半のは長谷部がやられ、後半のは柴崎がやられました。あれが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>のサッカーなんです。</p><br /> <br /> <p>基本的に、この試合は全く異なるアプローチを取るチーム同士のぶつかり合いでした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>は極めて高いフィジカルを活かしたアタッカーによる単独の局面打開を試み、日本は中盤の選手が前を向いてボールを受ける為に流動的なポジションチェンジを試みることになります。</p><br /> <br /> <p>それでは試合で何がおきたのか、それを時系列で追いながら話を進めていきましょう。</p><br /> <br /> <p>まず試合の方なんですが、開始2分で日本が左サイド突破されかけるという衝撃的な展開からスタートしました。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>のほうですが開始2分で</p><p><span style="font-size: 150%"><b>右サイドからの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%A4%A5%F3">スローイン</a>を受けたCFのニアンが昌子を背負いながらあっさりターン決めて右サイドのサールにはたく</b></span></p><br /> <p>という凄まじいプレーをいきなり成功させてます。</p><br /> <p>試合を見ていて、「ねーーーーーよ」と思ったプレーです。昌子ってあんなに簡単にやられるCBじゃないんですけどね。W杯期間中でサッカー知らない人の為に言っておくと、「ゴールに背を向けてボールを受けたアタッカーを前向かせてはならない」というのが守備の基本中の基本です。これが出来ないなら守備組織なんて何の意味もありません。ゴールに背を向けてボール受けたアタッカーをあっさりターンさせちゃうようじゃ守れません。</p><br /> <p>昌子は体寄せてたんですが、本当にあっさりとニアンにターンされました。さらにサールは長友をスピードで上回ってて「やべえ、やべえよ」といきなり不安になる立ち上がりでした。</p><br /> <p>この後、前半4分にもサイドに流れたニアンにCK取られ、前半6分にはニアンがロングボールおさめて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に落とし、そこから左サイドのマネに展開。マネは酒井ゴリ抜いてクロスあげる事に成功しました。</p><br /> <p>開始6分すぎまで昌子が全くニアンに歯が立たず、ニアンにボールおさめられてサイドにはたかれてクロスあげられるという<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の攻撃を止める方法が事実上存在しない状況でした。中央でボールおさめられてしまうと4バックはそれに対応して中に絞らざるを得ません。中央突破を防ぐ為です。しかし中に絞ればサイドが空きます。そして空いたサイド使われるとマネとサールを止めるのは非常に難しい。これを止めるには中央のニアンなんとかしないといけない。まずニアンなんです。ニアンにボール納まってしまうと日本は本当に厳しい。</p><br /> <p>さらに守備では、この時間帯、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>は前から来ていて昌子の所にボール追いこんで取るっていう狙いが明白でした。まあ、このあたりは昌子もわかってたみたいで、</p><br /> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fnews.livedoor.com%2Farticle%2Fdetail%2F14914458%2F" title="狙いどころとされた昌子源 冷静に対応「俺だなと分かった」 - ライブドアニュース" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://news.livedoor.com/article/detail/14914458/">news.livedoor.com</a></cite></p><br /> <p>こっちで記事にもなってますがね。</p><br /> <p>攻撃では昌子狙い、守備でも昌子狙いと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>は徹底した昌子狙いなのが開始10分までのゲーム展開です。この時間帯は日本は殆ど良い所なかったです。日本にも狙いはあったんですが、この時間帯は上手くいってませんでした。</p><br /> <p>そして前半11分、なんでもないクロスを原口が頭でクリアしようとしたんですが、これが中途半端になって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>ボールになってシュート打たれ、川島がパンチングで前にこぼしたボールがマネの膝に当たって、ボールはそのままゴールへ。日本は前半11分でビハインドという大変有り難くない状況となりました。</p><br /> <p>正直に告白するとビルドアップも上手くいってねーし、昌子がニアンに勝てないようだとボコられてしまう・・・と思っていたんですが、潮目が変わったのが前半17分です。小さなプレーですが、「およ?」と思ったシーンでした。昌子がニアンに競り勝って日本がセカンドボール拾ったんです。「昌子、ニアンに勝てる?」という感じで希望が湧いてきたんですね。このあたりの時間帯からニアンがボールを納められなくなり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の攻撃が機能しなくなってきます。前半24分には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>は二回、ニアン狙いのボール入れるんですが日本も慣れてきて逆に奪ってカウンターに持ち込み、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の右サイド破って長友がクロスいれることに成功してます。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NHK">NHK</a>でも解説の福西さんは前半23分あたりだと「(昌子がニアンに)苦労してますね・・・」と言ってたんですが、僕が昌子を見直したのがこの後の修正力です。最初はニアンにやられまくったんですけど、徐々に慣れてくるとニアンを逆に抑えこむ事に成功したんです。これは本当に感心しました。というか昌子がニアン抑え込めなかったらあのままボコられてたと思います。</p><br /> <p>ニアンが昌子に勝てなくなるにつれて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の攻撃は単発になり機能不全になっていきました。中央さえ使われなければ、マネは酒井が抑え、サールは長友で抑えられます。日本は後ろが安定するにつれて攻撃面も良くなっていきました。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本のビルドアップと狙い所</h4> <p>さて、ここからは本日のメインディッシュ。</p><br /> <p>この日の日本のビルドアップについてです。コロンビア戦の場合、開幕3分でコロンビアが一人少なくなったのでビルドアップについてはどうにかなった試合でした。しかし、今回相手は11人揃ってます。相手は昌子の所にボール追いこんで、そこからボール狩ろうという意図でやってます。日本でDF背負ってプレーできるのは大迫だけで、他は背負ってプレーできません。マッチアップは噛み合ってるので足下へのパスだとまず前向かせてもらえません。<b>しかし、日本のストロングポイントは中盤にあります。何とかして中盤の中央の選手、香川、長谷部、柴崎のだれか一人が前向いてボール持てる状況を作らないといけません。</b></p><br /> <br /> <p>さて、日本が最初にやってたのはオーソドックスなアレです。つまり長谷部最終ラインに落として3バックに変形しSB押し上げるって例の有名すぎるアレです。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180626/20180626221519.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180626221519j:plain" title="f:id:pal-9999:20180626221519j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これは試合の最初のほうからやってました。狙いとしては長谷部のマッチアップの相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>1枚を前に引っ張りだし、空いたスペースを大迫、柴崎、香川に使わせるって感じでしょう。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627200958.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627200958j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627200958j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>ここですな。相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>一人前に引っ張り出すとアンカーの脇のどっちかが空く事になります。そこを使えればチャンスになります。このシーンだと長谷部がドリブルで持ち上がって相手引きつけてから大迫使ってビルドアップしてました。</p><br /> <p>そして大体、前半の28分頃から日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が良い形で前向けるようになります。この形、香川が落ちる形が一番しっくり来るんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180626/20180626225916.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180626225916j:plain" title="f:id:pal-9999:20180626225916j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これ。香川<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の位置に落として乾絞らせるか、空いたスペースに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>一人走り込ませる形。前の選手が降りてきてビルドアップ手伝うようになると俄然ビルドアップがスムーズに行くようになりました。</p><br /> <p>そんでもって前半33分、日本が先制する流れですが、これはキャプでやっときますかね。</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627200042.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627200042j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627200042j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627200048.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627200048j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627200048j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627200054.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627200054j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627200054j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627200103.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627200103j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627200103j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形なんですが、香川が降りてきて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>二人引っ張ってフリーになった柴崎から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の右SBの裏へロングパス。これに長友が抜け出して、最後は乾が得意な角度からズドン!で日本同点という流れでした。</p><br /> <p>これ以降も2列目が降りてきてビルドアップ手伝って、空いたスペースを他の選手に使わせるという形で攻撃が機能しはじめました。大体、前半30分前後から日本は中央の3枚のいずれかが前向いてボール持てるようになります。こうなると、このチームはストロングポイントを発揮できるようになります。</p><br /> <p>この日の日本の狙いですが、まず<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>のSBの裏。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>はラインの裏へのケアが甘く、マークの受け渡しも曖昧になる所がありました。この為、空いたスペースに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を飛び込ませるのと、裏への<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%F3%A5%B0%A5%D5%A5%A3%A1%BC%A5%C9">ロングフィード</a>は非常に効果的でした。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>、後半戦。シセの修正と日本の対応</h4> <p><br /> こっからは後半の話になります。日本は同点においつけたし、攻撃も守備も安定してるので特に変更はなく後半に入ってます。一方で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>のほうは攻守に不安定な状態になった為かシステムをいじってきてます。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627000506.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627000506j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627000506j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>日本が最終ラインに長谷部落としてきてるって事からかP・アンディアイエを一列前に出して中盤をダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に変更してきてます。最終ラインへ落ちる長谷部をP・アンディアイエに捕まえさせて中央は横並びにし、アンカーの脇を狙われないようにした形です。</p><br /> <p>前半28分以降、日本が主導権を握りゲームを進める展開が続いてました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>はポジションチェンジをくり返す日本の中盤を捕まえきれておらず、ここの修正は急務でした。最終ラインの裏へのボールにしろ大迫への楔にしろ、香川、長谷部、柴崎が圧倒的に多いわけですから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>はまずココを何とかしないといけない。日本にとってのニアンは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>にとっては香川、長谷部、柴崎でした。ここを抑え込まないとどうにもならない。</p><br /> <p>ただ、この修正の後も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>は中盤で日本の選手を捕まえきれませんでした。</p><br /> <p>後半3分の場面だと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>がシステムを修正してきてるのは間違いない場面だったんですが・・・</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627204247.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627204247j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627204247j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627204250.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627204250j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627204250j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627204253.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627204253j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627204253j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>このシーン、何回見返しても意味がわからんのですが、この後、大迫はボール失わなかったんです。普通ボール失いますよ、こんなの。マジ半端ねぇ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の守備は間違ってないです。普通のCFならあそこでボール取れるし、そこからカウンターにいけてます。ところが大迫がボール取られない。意味がわからない。シセが大迫褒めてたのも当然ですわ。狙い通りの守備できてるのに大迫が個人で打開しちまったんだから。</p><br /> <p>ついでに後半5分のシーンでも大迫はDF背負いながら見事にボールおさめてカウンターの起点になってるし、大迫は背負ってプレーするの上手すぎますわ。</p><br /> <p>そしてここから後半14分位までは長谷部、昌子が痛んだりして、プレーが中断気味で進んでたんですが、後半14分あたりから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>に怪しい所が出始めます。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627205947.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627205947j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627205947j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627205949.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627205949j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627205949j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627205952.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627205952j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627205952j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627205955.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627205955j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627205955j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627210000.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627210000j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627210000j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627205959.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627205959j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627205959j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627210002.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627210002j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627210002j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>ここでは長谷部が長友のところに降りてますけど、あそこだと誰もついてこない。だから長谷部の所から作られてしまうし、何より不味いのは柴崎の攻撃参加の時、マッチアップの相手が完全に柴崎のマーク外してしまってる点です。</p><br /> <br /> <p>更に言えば、この後、後半15分にも柴崎の飛び出しから大迫へのグランダーのクロスで決定機ってシーンがありましたが、あそこでも柴崎のマークの受け渡しに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>失敗してます。このあたりなんですよね、アフリカのチームだなあっての。裏のスペースのケアであったり、マークの受け渡しであったりと、細かい所でムラがある。香川が下がって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>をバイタルに飛び込ませる形が機能しちゃうのは、こーいう所なせいですよね。</p><br /> <p>さらに後半17分なんですが、Aエンディアイエのマークが一瞬緩んだ隙を逃さず柴崎が左SBの裏へスーパーフィード。これに酒井ゴリが抜け出す事に成功します。この後、ゴール前のシーンになった時、柴崎がゴール前に飛び込んでくるんですが、Aエンディアイエは柴崎にマーク外されてしまい、柴崎がノーマークの状態でゴール前に入ってきてました。</p><br /> <p>この時間帯ね、もうちょっとチームとしての連携度が上がってたら、柴崎のゴールが生まれていたと思います。攻撃参加すると完全にフリーでしたからね。香川が開けたスペースに柴崎が飛び込んで来るってのを大迫がわかってプレーできてれば・・・という奴です。</p><br /> <p>この時間帯、柴崎とA・エンディアイエのマッチアップは柴崎が圧勝してる状態でした。この時間帯での柴崎のパフォーマンスは凄まじく、裏へのパスの対応に難があるとみるや裏への長いフィードを通し、マークの受け渡しに難があるとみるや果敢な飛び出しからチャンスメイクと、たった一人で日本の攻撃を引っ張ってる状態でした。</p><br /> <br /> <p>シセとすれば・・・当然交代カードの時間です。(ついでにカウンターから乾の決定機がひとつありました)</p><br /> <p>後半20分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>はA・エンディアイエにかえて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%A7%A5%A4%A5%AF%A1%A6%A5%AF%A5%E4%A5%C6">シェイク・クヤテ</a>を入れてきます。この交代は極めて妥当です。A・エンディアイエが柴崎のマーク外しすぎてました。</p><br /> <p>ここまでの時間帯、日本には決定機が二つありました。しかし、 「決めるべきところで決めないと罰を受ける」ってのがサッカーです。</p><br /> <p>後半25分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内でゴールに背を向けてボールを受けたサバリがマークについてた柴崎を見事なルーレットのターンで抜いて、股抜きクロス。これを飛び込んできたワゲが決めて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>が2点目。</p><br /> <p>まさか左SBがルーレットからのターン決めてくるとは思いませんでした。ワールドカップって本当に怖いですね。やばいのしかいねえ。あんましいいたかないですがね、柴崎が欧州で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>としては使ってもらえない理由がこのシーンには凝縮されてます。そして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>に冷遇されてた理由もね。ハリル的サッカーやる監督は「あそこでターンさせちゃうようじゃ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>としては計算できねぇ・・・」となります。一方で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>はそこには目をつぶります。目をつぶって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>で使います。やるサッカーが180度違うからです。</p><br /> <p>柴崎の良い所も悪い所も凝縮された10分間です。監督によって好き嫌いが大変分かれるタイプの選手です。この試合は柴崎の全てが出た試合でした。<br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>のギャンブル</h4> <p>さてリードされた瞬間に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>が動きます。後半は上手くいってました。上手く行ってたんです。しかし勝ち越しを許してしまった。</p><p>後半27分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>は香川に変えて本田投入。さらに後半30分には原口に代えて岡崎を投入し、システムを442に変更します。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180627/20180627155759.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180627155759j:plain" title="f:id:pal-9999:20180627155759j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これ見たときの感想としては</p><br /> <p><span style="font-size: 150%"><b>「うわあ、ギャンブル始めやがった」</b></span></p><br /> <p>というモンです。後半ね、上手くいってたんですよ。マジで。しかし、ここで本田と岡崎を投入して442にしてしまうと、上手く行ってたバランスが崩れます。具体的には岡崎はビルドアップ助けてくれないし本田の右は中央のスペースに入りすぎる。これだとビルドアップが不安定になるし、柴崎が飛び込むスペースが前になくなる。ここまで上手く行ってたバランスが崩れる。メンバー交代後、チームが機能するかどうかは完全にギャンブルになります。下手すると変更後、チームが全く機能しなくなる恐れすらあった。</p><br /> <p>ところが何が起きたかというと、後半32分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>のGKからのフィードを昌子が拾った所から岡崎に当てて、岡崎が大迫に流して大迫が得意のターンからクロス。これにGKが飛び出すが触れることが出来ずに岡崎倒して転倒!!!!乾が折り返して本田が同点ゴール叩き込んで同点となったのです。ここでまさかのGKやらかしですよ。GKのやらかし!!</p><br /> <br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%DC%C5%C4%B7%BD%CD%A4">本田圭佑</a>はもってます。マジでこの二人はもってますわ。</p><br /> <p>この後は特にそれほど書くことなく試合は引き分けで終了しました。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>試合の総評と西野ジャパンについて</h4> <p><br /> 試合そのものは本当に面白い試合でした。本当に本当に面白い試合でした。勿論勝てればそれに越したことはなかったのですが、十分に満足度の高い試合でした。</p><br /> <p>試合内容としては、先にも述べましたが、全く異なるスタイルを持つ二つのチームの戦いでして、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>はフィジカルを前面に押し出したスタイル、日本は流動的でテクニカルなスタイルで戦いました。どちらが優れているという話ではありません。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>にはそういうサッカーが合う選手が揃っていて、日本にはそういうサッカーに合う選手が揃っていたという話です。(正確にはそういう選手を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>が選んだのですがね)</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>という監督が就任して、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>の時とサッカーのスタイルを180度変えてしまいました。本番直前にやるサッカー変えちまったんです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>はより静的でフィジカルなスタイルのリ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3%A5%B5%A5%C3%A5%AB%A1%BC">アクションサッカー</a>やってましたから。これの恩恵を受けた選手もいれば、被害を被った選手もいます。恩恵を受けたのは香川、乾、柴崎、大島みたいな選手達。被害を被ったのは山口、井手口ですね。中盤でボール動かさないサッカーから、中盤でボール動かすサッカーに大変更したので必要な選手がまるで変わってしまいました。正直言って最初は「時間なさすぎるし無理なんじゃね?」と思ってました。</p><br /> <p>そして本番前のガーナ戦とスイス戦で完敗したので日本は葬式ムードでした。</p><br /> <p>ところが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%E9%A5%B0%A5%A2%A5%A4">パラグアイ</a>に勝った辺りから風向きが変わり始め、グループリーグが始まるとコロンビアに勝って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>と引き分け。チームの調子はどんどん良くなってるし、開幕前の葬式ムードが嘘のようです。選手の雰囲気も明らかに良くなってるし、すでに4ポイント持っててグループ首位で、次は敗退が決まってる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ポーランド</a>相手なんで、本当に良い風が吹いてます。</p><br /> <p>現在、その良い風に乗れてないのが慣れない右サイドで窮屈にプレーしてる原口と2試合連続でやらかしてる川島ですけど、スタメンはいじらないでよいと思います。今のままで良いです。特にGK川島には批判が集中してますが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>のチームは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>とGKに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A5%F3%A5%BF%A5%B8%A5%B9%A5%BF">ファンタジスタ</a>がいないと面白くないのでね。このままで行きましょう。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%CF%AF">西野朗</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%A3%A5%F6%C3%AB%CD%DB%B2%F0">藤ヶ谷陽介</a>で勝ちましたよ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%EE%C5%E7%B1%CA%BB%CC">川島永嗣</a>でも勝つでしょう。</p><br /> <p>結局ね、完璧な選手なんていません。日本代表の選手はみんな美点もあれば欠点もあります。全部ひっくるめて受け入れてあげてください。</p><br /> <p>泣いても笑っても次の試合で全てが決まります。次の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ポーランド</a>戦もレビューはしますんで4649。</p><br /> <br /> <p>書いててもうつかれたので、ではでは。</p> </div> Wed, 27 Jun 2018 21:38:26 +0900 hatenablog://entry/17391345971658057008 2018年FIFAワールドカップ、日本対コロンビアのレビュー「大迫半端無いって」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2018/06/21/010145 <p>はい、皆さん、お久しぶりです。皆さんハッピーですか?僕はハッピーです。先日の日本の勝利のおかげでな!!!!!</p><br /> <p>日本代表がコロンビアを下馬評を覆しての勝利をおさめたので、張り切ってレビューでも書くかと思い、書き始めたわけですけど、実にレビューしにくい試合です。ええ、とても書きにくい。理由は?</p><br /> <p><b><span style="font-size: 200%">開始3分のレッドカード+PKで事実上試合が決まったからです。</span></b></p><br /> <br /> <p>ええ、もう、あのワンプレーで勝利を確信して<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>じゃ「よしかったな!」と呟いた程度に決定的でした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%B4%C6%C6%C4">西野監督</a>も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>監督も試合開始3分でゲームプラン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%C1%A4%E3%A4%D6%C2%E6%CA%D6%A4%B7">ちゃぶ台返し</a>喰らった格好でした。ちなみに逆の立場で日本がアレやってたら「はい解散」と呟いてたと思います。あれで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%B4%C6%C6%C4">西野監督</a>は勝たないといけない試合になりましたし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>はゲームプランも糞もねぇという状態でした。</p><br /> <br /> <p>このブログ、サッカーの戦術解説とかをメインでやってるのですが、先日の試合に関しては、本当に開始3分のプレーで全てが決まったと断言できる訳で細かい話はあんましできません。ですので今回のエントリに関しては試合経過を追いつつ、何がピッチで起きたのかについて解説する形でお送りします。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対コロンビア、前半戦で起きた事</h4> <p><br /> 両チームのスタメンからはいりましょう。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180620/20180620234053.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180620234053j:plain" title="f:id:pal-9999:20180620234053j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <br /> <p>まずこうなってました。コロンビアはエースの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%E1%A5%B9%A1%A6%A5%ED%A5%C9%A5%EA%A5%B2%A5%B9">ハメス・ロドリゲス</a>が怪我でベンチスタート。キンテロが代わりにトップ下に入った4231。対する日本も4231で大迫のワントップに2列目は乾香川原口、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は長谷部柴崎。4バックは長友昌子マヤ酒井ゴリの並びでした。前と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は予想通り。昌子はちょっとしたサプライズだったかなという感じでした。</p><br /> <br /> <br /> <p>さて、試合3分のアレの話になりますけれどキャプで解説する程のモンでもないので文章のみで言わせてもらいますが、</p><br /> <p><span style="font-size: 200%"><b>CとDのサン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%A7%A5%B9%A5%B3">チェスコ</a>ンビが同時にやらかすという奇跡</b></span></p><br /> <p>に恵まれました。大体あのサンチェス二人が悪い。いわばサンチェスの奇跡です。</p><br /> <p>具体的にいえばD・サンチェスがクリアボールの処理を誤って大迫に抜け出されてGKとの一対一を作られ、こぼれ球を香川が拾ってシュートしたのをC・サンチェスが手でブロックしてしまい決定機阻止で一発退場+PK。</p><br /> <p>これで日本の勝利がほぼ確定しました。完。</p><br /> <p>で終わると身も蓋もないので、もうちょっと書きます。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>もコロンビアナインも抗議してましたがねー、枠に飛んだシュートを手でブロックしたら決定機阻止で一発退場+PKです。ルール上そーなります。</p><br /> <p>てかね、大迫がGKとの一対一決めてたらその後のC・サンチェスの決定機阻止からのレッドカードは無かった訳ですよ。</p><br /> <p>ほんっっっとうにサッカーってわからないモンですね。結果論ですけど「大迫が一対一外したのが正解だった」という意味不明な出来事でした。日本という国ではFWが外す度に、</p><br /> <br /> <p><span style="font-size: 200%"><b>決定力不足</b></span></p><br /> <br /> <p>と念仏みたいに大合唱されるのですが、FWの決定力不足が試合を決定ずける時もあるわけです。矛盾して聞こえますが、実際にW杯で起きた出来事なのでしょうがない。振り返ってみると本当に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%EB%A5%CA%A5%EC%A5%D5">ポルナレフ</a>な出来事でした。</p><br /> <p>この辺りで日本の最初のゴールの話は終わりにしましょう。香川がPK決めて日本は先制。日本はもう絶対的に有利な状況になりました。</p><br /> <p>ところがここからコロンビアは攻勢に出て日本は守勢に回ります。</p><br /> <p>まあリードしてるんだし攻めさせといてカウンターでも良かったんですけど、それやるなら柴崎いらねーだろ山口で良いって話で。</p><br /> <p>日本はリードした時点で二つのゲームプランが考えられました。コロンビアは追いつかないといけない訳だから攻めてきます。リードされた以上はブロック作って守ってる場合じゃない。点とらないといけない。だから攻めさせといてカウンター狙いってのが一つ。もう一つは数的有利な状態になった訳だからボール持てます。ボール持てるんだから徹底的にボール回してコロンビアを守備で振り回して体力削りながら追加点狙うってプラン。</p><br /> <p>日本代表のスタメンからみると狙うべきは後者です。トップ下に香川<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に長谷部と柴崎がいるんですからね。</p><br /> <br /> <p>ところがリードしてからの日本代表はいわゆる「後ろが重い」サッカーでした。これだけだと意味がわからないから具体的にいうと「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>もSBが攻め上がらない」サッカーやってました。攻撃で人数かけないサッカーです。カウンター食らうのが嫌だったんでしょうね。でもそれだとコロンビアは守りやすい。日本のほうは数的有利な状態なのに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>もSBも攻め上がらないからコロンビアにとっては怖くない。</p><br /> <p>という訳で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/twitter">twitter</a>でも「たいくつだぜ!」とか呟いてたんですけど、前半5分~25分くらいは退屈な試合でした。日本はカウンター狙いのサッカーやっててコロンビアがボールもって攻めるみたいな試合でした。15分の日本のカウンターシーン以外、面白い事が何もなくて退屈でした。</p><br /> <br /> <p>大体、前半25分くらいまでは後ろが重いサッカーやってたんですが、26分あたりから日本のSBが高い位置取り始めます。具体的には長友です。</p><br /> <br /> <p>こうなると焦り始めるのが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>です。長友が高い位置取り始めると、それをマークするのはク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C9%A5%E9%A1%BC">アドラー</a>トになるんですが、守備意識の低いク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C9%A5%E9%A1%BC">アドラー</a>トでは日本に左サイドを制圧される恐れがあります。前半31分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>の修正は早くて、ク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C9%A5%E9%A1%BC">アドラー</a>トを外して<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%EA%A5%AA%A5%B9">バリオス</a>を投入。そしてキンテロをサイドに出して長友とマッチアップさせました。</p><br /> <br /> <p>この辺りの時間帯、すでにコロンビアは日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>二人に対するプレスがかけられない状態になってました。コロンビア陣内で長谷部と柴崎がフリーで前むいてボールを捌ける状況でした。そこから両サイドに展開されたら、日本に中盤とサイドを制圧されてしまいます。なので中盤の守備力を強化してサイドのマッチアップを明確化させたかったんでしょうが・・・・これが思わぬ副作用を伴いました。</p><br /> <br /> <p>ただ、その副作用が出る前に前半39分コロンビアは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A5%EB%A5%AB%A5%AA">ファルカオ</a>が取ったFKからキンテロが決めて同点に追いついてます。</p><br /> <br /> <p>この後は特に何のドラマもなく前半終了のホイッスルとなりました。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対コロンビア、後半で起きた出来事</h4> <p><br /> さて、後半の話に入りましょう。</p><br /> <br /> <p>開始直後から日本代表の狙いは明白で、両SBが高い位置を取り始めました。このあたりは選手のコメントからも伺えますけど、ハーフタイムにテグコーチが修正をいれたそうです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CC%EE%B4%C6%C6%C4">西野監督</a>は「数的有利じゃなくてポジショニングをしっかり」と言ってましたが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621000732.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621000732j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621000732j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これが後半3分の日本代表のポジショニングです。両SB張り出させて原口を中にいれるスタイルに変更してます。前半、リードした後のポジショニングとは違う配置になってます。</p><br /> <br /> <p>さて、前半の話のとき<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%EA%A5%AA%A5%B9">バリオス</a>追加してキンテロをサイドに出した事で思わぬ副作用がでたって話をしましたが、後半から、割と深刻な状況になってます。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%EA%A5%AA%A5%B9">バリオス</a>は香川にかなり厳しくマークについていて香川を試合から消すことには成功してました。ただ、原口が中に入ってきて酒井ゴリが高い位置を取るようになると、これが日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>二人を完全にフリーにしてしまう事に繋がりました。</p><br /> <p>一人少ない状況で香川に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>一人がマンツー気味でついてて、そこに原口が中に入ってきたらどうなるか?答えは日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>にはだれもプレスにいけない。以上。</p><br /> <p>日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に全くプレスがかからない為、コロンビアはラインを上げることができず、ひたすら押し込まれ続けることになります。さら長友とキンテロのマッチアップなんですが、序盤から攻守に走り回ってたキンテロは長友の上下動についていけず、左サイドを日本が制圧しはじめてました。中央で数的不利、サイドでも数的不利な状態になったコロンビアを日本代表が一方的に押し込む展開になります。</p><br /> <br /> <p>そして、この試合での最大の悪手だと思われる采配が起きます。</p><br /> <p>後半14分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%E1%A5%B9%A1%A6%A5%ED%A5%C9%A5%EA%A5%B2%A5%B9">ハメス・ロドリゲス</a>の投入。キンテロはガス欠気味だったから交代を決断したんでしょうが、これが本当に悪手でした。</p><br /> <br /> <p>この時間帯、コロンビアは守備の枚数が絶対的に足りてなかった訳です。中央でもサイドでも人が足りてない。なのにコンディションが良くなく、守備意識が低い選手をいれたら尚更それに拍車がかかってしまう。日本は両SBを高い位置においていたので、その裏を使えばカウンターに持ち込めますけど、キンテロだけでなくコロンビアの選手は殆ど疲弊していて、サイドが走れない状況になってました。サイドの選手が走れない以上、SBの背後をついたカウンターは難しい状態でした。ボール持って前向いても両サイドにアタッカーがいないんですよ。攻め上がるスタミナが残ってない。そして両サイドをコロンビアが使えない以上は日本は中央閉めとけば良いだけでした。</p><br /> <p>サッカーってのは疲労が伝染するスポーツです。FWが守備で走らないとその分MFが走らねばなりません。そしてMFが疲弊して走れなくなると、次はDFがその分走らないといけなくなり疲弊していきます。コロンビアの場合、疲労の伝染が深刻だったんですが、ハメスを入れた事でさらにそれが加速します。</p><br /> <p>ハメスは右サイドの守備に回らないといけない状態だったんですが、はっきりいって役にたってませんでした。そして立て続けに日本は左サイドからチャンスを作れるようになってきます。ハメスに関して言えば後半19分の守備はひでーもんで香川にハメスの守っていないといけないスペース使われるし、後半20分の時の乾のシュートに至る流れでも本当に何もしてません。23分にもハメスが守ってないといけないスペースを香川に使われてるしで本当に役に立ってませんでした。</p><br /> <p>そして後半24分に日本は試合から消え気味だった香川に変えて本田を投入。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>はすぐさまキエルドに変えてバッカを右に投入してハメスを左に回します。これは日本の左サイド対策でしょう。日本に右サイド制圧されかかってましたから。</p><br /> <p>ただ、これがねえ・・・ハメスが左にまわった事が日本の右サイドを一気に活性化させました。事実上、コロンビアの左サイドは守備者が一人減ったに等しい。本田も右サイドに流れてましたけど、あれは正解。コロンビアはハメスの守ってる場所が穴になるんですから。</p><br /> <br /> <p>そして後半26分、ハメスが左に回った副作用がモロにでるわけですよ。ここはキャプでやりましょうか。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003355.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003355j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003355j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003357.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003357j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003357j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003359.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003359j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003359j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003403.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003403j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003403j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003405.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003405j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003405j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003408.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003408j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003408j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003410.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003410j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003410j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180621/20180621003413.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180621003413j:plain" title="f:id:pal-9999:20180621003413j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これですわ。</p><br /> <p>酒井ゴリの決定的なシュートに至る流れで、ハメスはただ突っ立って見てただけ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A5%EB%A5%AB%A5%AA">ファルカオ</a>ですら戻るそぶりみせてたのにね。ずーっとこの調子だったんです。ハメスが埋めるべきスペース埋めてないから、そこを日本代表に使われてる。</p><br /> <br /> <p>そして、この後、CKから大迫が半端無いヘディング決めて日本は待望の追加点を獲得。これが決勝点となって日本は勝ち点3を手にいれましたとさ。</p><br /> <br /> <p>ちなみに、このCKは狙いがはっきりとわかるプレーでした。ゴール前の動きと配置を見る限り、コロンビアはマンツーでセットしてるので、吉田のマーカーに原口がスクリーンかけて吉田をフリーにしてズドンってのが狙いだったんでしょう。ただ、吉田でなく大迫がスーパーヘディング決めてしまいましたけどw</p><br /> <br /> <p>まあ、細かい事はどうでもいいのです。これで勝てたのでめでたしめでたしでございます。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対コロンビア、総括</h4> <p><br /> 総括・・・といきたいところですが、書くべき事はただ一つ。</p><br /> <p>前半3分のアレが全てでした。</p><br /> <p>結経アレがなければコロンビアは一人少なくなることは無かったんです。数的不利に陥ってなければ日本に中盤制圧される事も無かったし、サイドで数的不利に陥ることもなかったでしょう。ハメスを投入しても攻守のバランスは保てたはずでした。あれで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>のゲームプランは全部破壊されてしまった訳で、あとはパッチワークみたいにつぎはぎあててく事しかできてませんでした。</p><br /> <p>一方で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%C7%A5%A3%A1%BC">ダンディー</a>西野ですが、前半3分の幸運で相手の交代策をみてからカードを切れるという優位性を維持できた上に後半の修正も上手くいき、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>がハメス投入で自滅してくれたので「この人マジでもってるな」という感じでした。ここまでサッカーの女神に愛されたのはやはり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%C7%A5%A3%A1%BC">ダンディー</a>だからでしょうかね?</p><br /> <p>最初にも書きましたが、本当にサッカーてな面白いスポーツです。FWが一対一外した事が良い結果を生んだ事例とかねえ・・・・こんなのがW杯で見られるとかねえ・・・・</p><br /> <br /> <p>そして各所で言われてる話ばかりですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%B1%A5%EB%A5%DE%A5%F3">ペケルマン</a>の失敗はハメスを入れた事でした。本当に本当に悪手でした。あそこまで守備が壊滅的ならば試合では使うべきではなかった。それでも使ってしまったのは・・・・4年前、ハメス投入で一気に流れを変えて勝利した記憶があったからなんでしょうね。以前の記憶を引きずってはいけなかった。過去は過去。現在は現在です。</p><br /> <br /> <br /> <p>今回の試合のMoMは勿論大迫半端無いです。2得点ともに決定的な役割を果たしているし、ハメスのシュートをブロックしたのも大迫でした。計3点分くらいの働きで勝利を決定づけたのは大迫です。この出来ならだれも文句はないでしょう。</p><br /> <br /> <p>正直いって、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%E9%A5%B0%A5%A2%A5%A4">パラグアイ</a>とコロンビアをニタテにするという信じられない事が現在進行形で起きてます。アジアの代表チームは南米チームに本当に弱くて、日本がW杯で南米チームに勝ったのはこれが初、そしてアジア勢がW杯で南米に勝つのもこれが初という快挙でした。南米に勝ったので僕はもう胸が一杯なのですよ。</p><br /> <br /> <p>次の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>戦なんですが、非常に難しい試合になります。単純に強いです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ポーランド</a>に勝ってますからね。今回の試合の場合、相手が早い時間帯で10人になった事で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>二人がフリーで前むいてボール捌ける夢のような試合でした。次の試合ではこんな事は起きません。絶対に起こりません。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ポーランド</a>の試合を見ましたが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>は守備が良いです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>はまず前向かせてもらえないと思った方が良いです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の守り方はCBとSBがボール持って前むいてもいいが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>より前の選手は絶対前向かせないって守り方します。日本はボール持てるでしょうが、中央経由のビルドアップをする為にはビルドアップを工夫しないといけません。U字型のビルドアップやったら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%CD%A5%AC%A5%EB">セネガル</a>の思う壺ですかんね。あれは絶対だめ。</p><br /> <br /> <p>今回の勝利のおかげで後2試合は確実に楽しめます。W杯は四年に一度のお祭りです。存分に楽しみましょう。</p><br /> <br /> <br /> <p>ではでは。</p> </div> Thu, 21 Jun 2018 01:01:45 +0900 hatenablog://entry/17391345971656090852 2018国際親善試合、日本代表対ウクライナ代表のレビュー「ハリルホジッチのサッカー」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2018/04/02/214441 <p>さて皆様こんにちは。</p><br /> <p>大変お久しぶりですが、本日は先日行われた日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>の試合のレビューをお届けします。</p><br /> <br /> <p>ここの所、サッカーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/A%C2%E5%C9%BD">A代表</a>は、全然勝ててないので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>に対する風当たりが強いです。なんで、あまり気乗りはしませんが、今回のエントリはハリルを擁護気味で書いてみることにしました。どうせ、俺が叩かないでも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は袋叩きにされるでしょうからね。この後、ガーナ、スイス、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%E9%A5%B0%A5%A2%A5%A4">パラグアイ</a>とやってW杯本戦ですが、勝てる気しませんし、勝てなけりゃ袋だたきにされるのが代表監督の仕事です。</p><br /> <br /> <br /> <p>しかし、内容的に周回遅れ気味のエントリですし、今回の話はどうしたって、</p><br /> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.footballista.jp%2Fspecial%2F40832" title="現役セリエAコーチが徹底分析!偏見なしにハリル戦術を評価する | footballista.jp" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.footballista.jp/special/40832">www.footballista.jp</a></cite></p><br /> <p>こっちの記事の二番煎じになってしまうのですが。</p><br /> <br /> <p>今回の記事の内容的にはハリルサッカーの特徴です。主なポイントとしては</p><br /> <p>1,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は中盤でボール動かす気がない。よく言えば縦に早いサッカー、悪く言えば中盤省略サッカー。</p><br /> <p>2,守備は中盤においてマンツーマン気味のゾーンを敷いている</p><br /> <p>の2本立てでお送りします。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>試合のレビューの前に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>のチーム作りの方向性について</h4> <p><br /> さて、今回の試合の話に入る前に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>が作っているチームの話から入ろうと思います。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は就任以来、攻撃においては「縦に早く」、守備においては「デュエル」という言葉を頻繁に使ってきました。ハリルは非常に明快なコンセプトに基づいてチーム作りを進めており、試合を見ていればほぼコンセプト通りの攻撃、守備が行われているのが見て取れます。</p><br /> <br /> <p>現在の日本代表なんですけど、前回のブラジルW杯で「<b>俺達のサッカー</b>」で惨敗した事の反省があったせいなんでしょうが、本当に全く正反対のチームになってます。前回のチームは攻撃ではポゼッション、守備ではゾーンのチームでしたが、今回のチームは攻撃は速攻とロングボール、守備はマンツーマン気味のゾーンです。</p><br /> <br /> <p>本当に全く正反対のチームになっていて、試合見ながら「これ、韓国とかオージーがやるサッカーだよねえ・・・・」と思う事が多いです。</p><br /> <p>ここからは図を使って説明しますが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は攻撃において</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402124824.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402124824j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402124824j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>このように相手が最終ラインまでプレスをかけてきたら、ロングボール蹴らせます。ショートパス繋いでプレスを外していくなんてシステムはチームに落とし込んでません。マリ戦で「中島のサイドに蹴れ」って何度もピッチサイドで叫んでたそうですが、あの試合、マリは最終ラインを高い位置に設定して前からプレスにきてました。<b>相手が前からプレスかけてきたらロングボールで対応する。</b>それが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>の基本的なチーム作りです。</p><br /> <p>基本的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は守備重視の監督です。前プレ喰らって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC">ショートカウンター</a>食らう位ならロングボール蹴った方が良いと考えてる感じですし、カウンター食らわないように攻撃に人数もかけないタイプです。</p><br /> <br /> <p>ここ二試合で、代表選手から「もうちょっとボールもったほうがいいんじゃ~」みたいなコメント、「ゴール前の人数足りてないんじゃ~」みたいなコメントが散見されますけど、W杯は間違いなく守備的に戦う事になるので、ハリルは取り合ってくれないと思います。</p><br /> <p><span style="font-size: 150%"><b>さらにいえばハリルは中盤でボール動かす気がありません。</b></span></p><br /> <br /> <p>これも図を使って説明しますが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>の基本的なビルドアップは「縦に早く」です。それを図を使って説明すると</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402125020.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402125020j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402125020j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こんな感じなります。基本的にパス回しは最終ラインの4人によるU字型のパス回し。ここで4人のうち一人がフリーで前向けたら、そこから前の4人の誰かに縦パスかサイドチェンジを入れて、一気に裏のスペースを攻略するというコンセプトです。縦パスが入ってからのバリエーションとしては<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>、ワンツー、スルーを使ったコンビネーション、ドリブル突破などを主軸にしています。</p><br /> <br /> <p>このU字型のパス回しなんですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%BC%A5%C3%A5%B7%A5%E7%A5%F3%A5%B5%A5%C3%A5%AB%A1%BC">ポゼッションサッカー</a>のご本尊、現マンCの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%A2%A5%EB%A5%C7%A5%A3%A5%AA%A5%E9">グアルディオラ</a>監督が非常に嫌う形です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%A2%A5%EB%A5%C7%A5%A3%A5%AA%A5%E9">グアルディオラ</a>はU字型のパス回しを「無意味」と切り捨てるタイプです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%A2%A5%EB%A5%C7%A5%A3%A5%AA%A5%E9">グアルディオラ</a>は必ず中央のルートを使ってビルドアップします。つまり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がビルドアップに深く関わります。一方で、ハリル・サッカーでは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>はビルドアップに関わりません。</p><br /> <p>マリ戦では大島がそれなりに頑張ってましたが、大島がいなくなってからは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を経由したクリーンなビルドアップは殆ど見られませんでした。</p><br /> <br /> <p>ここまで、日本のビルドアップについて説明してきましたが、最初にハリルのサッカーを「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は中盤でボール動かす気がない。よく言えば縦に早いサッカー、悪く言えば中盤省略サッカー」と定義した理由は、これでわかって頂けたかと思います。<b>基本的にMFがビルドアップに関わらなくて良いサッカーなんです。</b>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が下がってくることを監督は嫌う」って代表の誰だかが言ってましたが、ハリルのチームでは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>はビルドアップに関わらんでも良いのです。最終ラインから直で前線にボール入れて、そこから一気に裏を狙うビルドアップしかしませんからね。</p><br /> <br /> <p>んじゃあ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の仕事は何よ?って話になるんですが、ほぼ守備です。ロングボール入れた後に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボール拾う事、最終ラインから前線にボールが入った後、ボールロストからカウンター食らわないように準備しておく事。ボール奪った後に素早く前線にボールつけた後に自身が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%BF%A5%EB%A5%A8%A5%EA%A5%A2">バイタルエリア</a>に走って行くこと。この3つが重要で、井手口、山口、長谷部、今野みたいなフィジカルバトルで戦える選手がハリルのお気に入りになってるのは当然の話なんです。そして柴崎、大島みたいなタイプが基本的に冷遇されちまうのも同じ理由です。香川や清武もそれほど大事じゃありません。あのサッカーだとね。中盤はボール狩りができてフィジカルバトルが強い選手が必要なサッカーなんです。</p><br /> <br /> <p>中盤では創造性やテクニックよりフィジカル。それが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>のサッカーです。だからそういう選手が重用されてます。韓国やオージーが好みそうなサッカーなんですよね。もっとも最近のオージーや韓国はポゼッションに目覚めてますが、日本はフィジカルバトルサッカーに舵を切ってます。アハハー。</p><br /> <br /> <p>次に話を守備にうつしましょう。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>のサッカーは守備でも非常に特徴的なサッカーです。どういう事かと言いますと、「<b>中盤の守備において人につく割合が非常に高い</b>」サッカーやります。基本、中盤は一対一のサッカーでマッチアップの相手を明確に決めて守るタイプです。「デュエル!デュエル!」と連呼するのも当然です。マンツーマン気味に守るんだから。</p><br /> <p>このタイプの守備には良い所と悪い所があります。中盤をマンツーマン気味に守る以上、中盤で相手チームにスペースを与えてしまう事は避けられません。マンツーマンという守備方法は「<b>相手チームのFWのポジショニングにDFのポジションが支配される</b>」という構造上の欠点を抱えています。まあ、この辺りは実際の試合で何が起こったのか、それを振り返りながらチェックしてみましょう。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>、前半戦で起きた出来事</h4> <p><br /> こっからは試合のレビューになります。前振りが長くなりましたので手短に。</p><br /> <br /> <p>まずスタメンですが</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402125426.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402125426j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402125426j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなってました。日本は杉本がCF、本田が右WG、ゴートクが右SB、CBのコンビは槇野と植田。植田は高さ対策でしょう。ゴートクはゴリのかわりでしたが・・・・まあ・・・</p><br /> <br /> <p>マリ戦との違いですが、マリがラインを高く上げてハイプレスにきたのとは違い、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>は前から来ませんでした。日本のほうもハイプレスはそんなにしなかったので、双方のチームはボールを持てる試合でした。図にすると</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402125442.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402125442j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402125442j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなりますが、日本も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>もCBのどっちか一方はノープレッシャーでボール持てる試合でした。なのでボール保持は難しくない試合でした。双方共に。ただ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>と日本は全く違う攻撃を組み立てる事になります。</p><br /> <br /> <br /> <p>試合内容のほうなんですが、これ開始1分から動きました。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402130810.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402130810j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402130810j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>ここ、開始一分で裏取られました。アホかと思いましたが、この試合、日本の右サイドは守備に整合性が無く、マンツーマンなのかゾーンなのかよくわからない守備をくり返し、ゴートクと本田がユニットとして守れていませんでした。その結果がこの日の右サイドズタズタサッカーです。</p><br /> <p>さて、中盤マンツーマン気味って話をしましたが、それが顕著に出るのが、この後の前半3分のシーンです。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402131718.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402131718j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402131718j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402131723.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402131723j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402131723j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402131722.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402131722j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402131722j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <br /> <p>同じ日本の右サイドの攻防になってますが、このシーン、ゴートク、本田は共にマッチアップに張り付く守備をやってます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>のほうは、本田が左SBに食いついたので左WGが空いたスペースに降りてきてます。この動きにはゴートクがついてきてますが、空いたSBの裏にCFが走り込む動きを見せてます。人を基準にして守ると、どうしたってバイタルやSBの裏のスペースが空いてしまいます。このシーンはその典型例です。</p><br /> <br /> <br /> <p>そして、このマンツーマン気味の守備の欠点がモロに出たのが前半21分の最初の失点シーンなんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402133237.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402133237j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402133237j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402133239.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402133239j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402133239j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402133241.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402133241j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402133241j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402133244.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402133244j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402133244j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これですね。動画みてもらえばわかりますけど、本田が自分の担当のゾーンから離れて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>のSBのほうに動いた結果として、あそこのスペースガラ空きになりました。そこからシュート喰らってゴール。そしてCBのマークにいったのは杉本でした。本来、あのゾーンは本田が守ってないといけないんです。ただ、ハリル方式だと「人を基準にして守る」サッカーなのでこういう状況が絶対生まれます。</p><br /> <p>つまりね、そういうチームだって事です。フットボリスタでレナート・バルディは日本の守備を「<b>2CB+フリーマンの1アンカー、その他6人は1対1</b>」って評してますが、僕も全く同意見です。ゾーンで守るのはCBと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>一人。あとは一対一で守ろうとしてんです。だからハリルは「デュエル!デュエル!」と連呼するんです。ただし、人に基準をおく守備をやる場合、この手のミスが頻繁に起こります。このシーンでいえば、CBがシュートを打ったスペース。あそこは頻繁にスペースガラ空きになります。そこを使って崩せるチーム相手だと問題を抱える事になります。この失点以降は本田も右サイドでスペースのケアやるようになってましたが、右サイドのザルっぷりは変わりませんでした。</p><br /> <br /> <p>ちなみに2失点目は守備のやり方云々でなく、単純にゴートクのやらかしです。あれはもう弁解の余地無くゴートクが悪い。この試合、ゴートクは軽く3回はやらかしをやってるので次呼ばれるかというと・・・・それは本人が一番わかってるでしょう・・・・</p><br /> <br /> <p>あともう一つ、前半31分、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%EC%A4%CF%A4%D2%A4%C9%A4%A4">これはひどい</a>」と画面の前で頭抱えたシーンですが</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402134014.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402134014j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402134014j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これな。</p><br /> <br /> <p>マッチアップ気にしすぎて中央開けてCFに縦パスいれられたあげく、その後、簡単にターンされるとか割と救いようがないシーンでした。日本の右サイドは完全な穴、さらに中央使われて簡単にビルドアップされてしまうという二重苦。これで二失点で済んでよかったですよ、本当に。</p><br /> <br /> <p>守備の話はこれくらいにして、攻撃の話をしてみましょうか。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>戦。この試合で「うわあ・・・・」と思ったパス回しがあったんですが、それが前半27~8分のところ。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402140507.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402140507j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402140507j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402140044.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402140044j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402140044j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402140047.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402140047j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402140047j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402140050.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402140050j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402140050j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402140052.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402140052j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402140052j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402140055.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402140055j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402140055j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>・・・・・もうね。</p><br /> <p>左SBから左WGに当てて詰まる→左CBにボールが戻って来る→左CBから右CBへ→右CBから右SBへ→右SBから右WGへ。</p><br /> <br /> <br /> <p><span style="font-size: 200%"><b>なんという完璧な各駅停車のU字型ビルドアップ。これ本当に日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/A%C2%E5%C9%BD">A代表</a>なんですか?</b></span></p><br /> <br /> <p>流石に目眩がしました。こんな酷いビルドアップを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/A%C2%E5%C9%BD">A代表</a>が見せちゃダメだろ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%A2%A5%EB%A5%C7%A5%A3%A5%AA%A5%E9">グアルディオラ</a>だったら切れてる。まあ、このシーンではハリルもピッチサイドで切れてましたがね。このビルドアップじゃ何も起きません。起きるわけありません。</p><br /> <br /> <p>恐ろしい事に、この試合ではこの形のビルドアップが何度かくり返されてました。各駅停車でDFがボール回していき、SBがWGに縦パス入れて、何も起きない。この連続。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402124308.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402124308j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402124308j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この試合、TVの解説でも、この手のビルドアップには苦言が出てましたが、各駅停車のU字型のパス回しからSBがWGに縦にボールつけるのは本当に悪手です。ボール取ってくださいと言ってるようなモンです。</p><br /> <p><span style="font-size: 200%"><b>U字型の各駅停車パス回しダメ絶対</b></span></p><br /> <br /> <p>ちなみに、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>はきちんと中央経由のビルドアップが出来てました。各駅停車でなく大きなサイドチェンジも上手でした。</p><br /> <br /> <p>一方で日本はサイド経由の各駅停車。攻撃面では差を見せつけられる結果になりましたとさ。</p><br /> <br /> <p>なんというか凄い否定的な意見を書いてしまいましたが、別にね、必ず<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>経由をしろとはいいません。そういうサッカーする監督じゃないのはわかってます。ただDFによる各駅停車のU字型パスだけはマジでやめろ。DFから直接前3枚にあてて、そこから突破かコンビネーションで崩すサッカーだというなら、それはそれで良いのです。ただし、サイドチェンジ混ぜろ。各駅停車のU字型パス回しやめれ。あれはポゼッションでも速攻でもない。言いたいのはそれだけです。</p><br /> <br /> <p>まあ、前半39分、左サイドの攻めで原口が前向いてFK取ったパス回しは良かったです。そこから柴崎のFKで同点にできましたね。</p><br /> <p>しかし、その後の43分、44分と立て続けに右サイド破られたときはどうしようかと思いましたよ。ゴートクのやらかしと本田の守備が化学反応を起こしており、本番前に本田、ゴートクの並びはNGだとわかったことだけが収穫です。絶望的に守備が酷い。前半だけで4回は右サイドで裏取られてます。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>、後半戦で起きた事</h4> <p><br /> さて後半の話にいきましょうか。</p><br /> <p>前半で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>のほうは日本の守り方がわかってきてます。日本も大分、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>の攻撃方法がわかってきてました。後半はそんなチーム同士の対戦になりました。</p><br /> <br /> <p>前半47分の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>のパス回しとか日本の守備の欠点をついた上手いやり方です。</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402142335.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402142335j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402142335j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402142338.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402142338j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402142338j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402142340.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402142340j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402142340j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>なかなか良いパス回しですよね。サイドへの展開から、中央の選手の動きで日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を最終ラインに吸収させ、空いたバイタルのスペースを利用。見事なビルドアップです。</p><br /> <br /> <p>一方で日本としては人に基準をおく守備やってるんだから、どうしたってあーなります。ただ、人に基準をおいてる分、メリットもあります。このシーンの場合、サイドチェンジされてもゾーンほど大火傷にはなりません。人についてる守備ですからね。ここの場面でも本田が相手SBについてたので大火傷せずに済みました。</p><br /> <p>ある意味じゃ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>はサイドチェンジに拘りすぎた部分があります。人につく守備やってるチームにはサイドチェンジはゾーン相手ほど有効ではないです。</p><br /> <p>そして、後半開始から10分くらいまでは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>ペースで進んだんですが、後半10分の時、日本は珍しく良い攻撃みせました。ゴートクから中央への斜めのパス。このパスでスルーを使ったコンビネーションから逆サイドにはたいて長友のクロス。これは良い組み立てでしたね。こういうの増やしてくれたら良いんですけどね。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>さて、後半60分あたりから、本当に日本代表の守備が「嗚呼、人につく守備だ・・・」という状況になってきます。どういう事かというと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402143732.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402143732j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402143732j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402143738.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402143738j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402143738j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>わあ・・・・バイタルガラガラなり・・・・・・・・・・</p><br /> <br /> <p>なんでこんな状況が生まれるかっていうと、人につく守備やってるからです。どーやってもバイタル使われる守備方法です。具体的には</p><br /> <p>1、サイドに展開した後にオフザボールの動きで日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を最終ラインに吸収させ<br /> 2、空いたバイタルにカットイン、もしくはバイタルに入ってきた選手にパス<br /> 3、バイタルからのコンビネーション、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>、サイドへの展開からのクロスでフィニッシュ</p><br /> <p>という展開にもちこまれやすくなります。</p><br /> <p>このままバイタルスカスカになっていたので中央割られそうだなーと思ってた所だったんですが、後半68分。ゴートクのやらかし発生から日本は失点。バイタルスカスカで失点でなく、DFのやらかしで失点。</p><br /> <br /> <p>まあこれがサッカーですよね。組織の構造上の問題よりDFのやらかしのほうが失点に結びつく可能性が高いスポーツです。</p><br /> <br /> <p>一点ビハインドとなった日本は、ここから攻めの形を変えます。中島が投入された後の83分あたりから日本は攻撃の形を変化させて、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402212318.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402212318j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402212318j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402150549.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402150549j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402150549j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20180402/20180402150553.jpg" alt="f:id:pal-9999:20180402150553j:plain" title="f:id:pal-9999:20180402150553j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>この日、初めてといっていい形ですが、長友を高い位置に張り出させてWGを中に絞らせてます。これによって中央の人口密度があがりました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>は中央3名、一方で日本は中央4名。こうなった事で日本は数的有利を活かして中央を経由してビルドアップできるようになります。ここから、日本は中央使えるようなり、サイド経由の各駅停車サッカーが終わります。</p><br /> <p>その結果として、中央経由のビルドアップが機能しはじめました。これの恩恵を最大に受けたのが途中出場の中島です。前半のサッカーだったら中島は空気だったでしょうけど、このサッカーなら水を得た魚みたいなモンです。</p><br /> <br /> <p>ここから日本は終了まで怒濤の攻めを見せます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>にカウンターを浴びることはありましたが、中央の数的有利を活かして日本はゴールの臭いがする攻撃が出来てました。追いつけませんでしたけどね。</p><br /> <p>最後の10分くらいは良い攻撃できてました。ただ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>がこの手のサッカーやるのはリードされて追いつかないといけない最後の10~15分くらいのもんだと思われます。そうでない限り、あのサッカーをやるでしょう。理由はというと、なんだかんだで、あのサッカーは点取られにくいからです。<br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%AF%A5%E9%A5%A4%A5%CA">ウクライナ</a>総評</h4> <p>では、まとめに入ります。</p><br /> <p>見返してみたら、ハリルのフォローどころか、全然フォローになってないエントリ書いてしまいました。大草原不可避。特に中央経由しないU字型のパス回しについては厳しい事書きましたが、利点もあるんです。ハリルのサッカーだと、ボールを失った後、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC">ショートカウンター</a>食らう危険性は非常に低いです。最終ラインから前3枚にボールつけた瞬間が一番ボール奪われやすいのですが、そこでボール失っても<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>2名とDF4名で即座に守備に移れるんですね。これは結構なメリットです。</p><br /> <br /> <p>ま、自分としては、あのサッカーでW杯戦って良いと思います。ザックがW杯で戦ったスタイルとは真逆といっていいスタイルですが、実験としては悪くありません。日本がフィジカルを前面に押し出すスタイルのサッカーでどこまで戦えるのか、一発やってみるのも悪くないです。</p><br /> <br /> <p>ハリルのサッカーと相性悪い選手は諦めましょう。長友なんかは攻め上がってこその選手なんですが、ハリルサッカーは左右のSBにビルドアップを求めている為、低い位置に留まらざるを得ません。だから長友はあんまり良さでてません。香川とか柴崎みたいなタイプも中盤で居場所を見つけにくいです。中央はパス回しよりフィジカルバトルが優先されるサッカーですしね。岡崎みたいにボール収めるのが苦手なFWはCFでは使いずらいし、WGは最低でも単独突破ができる選手じゃないとダメです。</p><br /> <br /> <p>そういうハリル流「俺のサッカー」に合う選手がW杯にいけるでしょうし、合ってない選手は落選になるでしょう。</p><br /> <br /> <p>俺達のサッカーが終わってハリルのサッカーになりましたが、戦術レベルで柔軟性のあるサッカーではなく、割とガッチガチの逆コンセプトのサッカーでしたとさ。</p><br /> <p>こういうサッカーでW杯戦ってみるのも良いと思いますよ。どうなるか見てみようじゃないですか。前回はポゼッションでダメだった訳だし。</p><br /> <br /> <p>ではでは。</p> </div> Mon, 02 Apr 2018 21:44:41 +0900 hatenablog://entry/17391345971631176501 2017/8/31ロシアW杯最終予選、日本対オーストラリアのレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2017/09/03/000209 <p>はい、皆様、お久しぶりです。</p><br /> <p>一年以上放置してた訳で、こんなブログはもう忘れ去られているでしょーが、日本代表がロシアW杯への出場を決めたので、本当に久しぶりに試合のレビューをしてみたいと思います。当然ですが、扱う試合は先日の日本対オーストラリアの試合です。ちなみに放置していた理由は単にサボっていたのと(金にもならんし忙しいし)、試合自体レビューする内容がない試合が何試合か続いたりしたからです・・・・・。</p><br /> <p>ただし、今回の試合については、w杯最終予選の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%D8%A5%F6%B8%B6">関ヶ原</a>と言って良い試合で、内容的にレビューするだけの価値のある試合でした。非常に興味深い試合だったので、レビューしながら試合の内容を振り返ってみたいと思います。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対オーストラリアのマッチアップについて</h4> <p><br /> さて、今回の試合ですが、スタメンは、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902195748.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902195748j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902195748j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなっておりました。日本は433。オージーは3421。日本は中盤のスタメンを大幅にいじっており、井手口、山口、長谷部という中盤3枚を守備的MFで固める陣容になっていました。両サイドも左乾、右浅野となっており、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%E9%A5%AF">イラク</a>戦とはまるで違うスタメンとなっていました。</p><br /> <p>元々、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>っていう監督は、アタッカーは海外組を使い、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は守備MFを二枚で固めるのを好む監督だったんですけど、この試合では守備MF三枚というガチ守備スタメンを組んで来てました。</p><br /> <p>なんで中央に三枚の守備MFが必要だったのか?それは、この試合のマッチアップを理解する必要があります。</p><br /> <br /> <p>433のチームが3421のチームと対戦する場合、問題となるのが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902200442.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902200442j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902200442j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この白で囲ったエリアになります。433は3421と対戦する場合、中盤中央で数的不利に陥ります。これがどのような問題を引き起こすかというと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902200556.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902200556j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902200556j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなるのですが、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>二人が相手の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を捕まえに前にでてしまうと、アンカーの両脇のスペースを相手チームのシャドーに利用されてしまうんですね。もっとも、ここで「CBが前に出て対応すればいいじゃん?」と思う人もいるでしょうが、それには3421のチームは簡単に対応できる方法があって</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902200751.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902200751j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902200751j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーなるんですが、CBが前に出てくるなら、CBの後ろのスペースをCFが利用できます。この動きにはもう片方のCBがついてくるでしょうが、そしたら逆サイドのシャドーが斜めに裏に走り込む動きをすればいい。</p><br /> <p>ようするにですけど、このマッチアップだと、中央突破をされやすいんですね。</p><br /> <br /> <p>それからもう一つ。実はロングボール蹴られても問題を抱えます。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902201053.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902201053j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902201053j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーなるんですけど、3バックの両サイドから斜めにCFにロングボール蹴り込みます。そうなると、どーなるかというと、中央の四角で囲ったエリアにボールがこぼれる可能性が高いわけです。そして、そのエリアでは433のチームは数的不利に陥ってるわけです。当然、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボールを拾われる可能性が高い。そして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボールを拾われたらロングボールが機能してしまう。</p><br /> <br /> <p>つまるところ、マッチアップ的に非常に面倒な組み合わせなんです。繋がれるにしても、蹴られるにしても中盤中央で数的不利に陥っている事が守備上の問題を引き起こすわけです。</p><br /> <br /> <p>この問題に対処するために、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>はいくつかの策をチームに施してます。その一つが中央に3人の守備MFの配置になります。香川や柴崎、小林については3対4のマッチアップに対処できる守備力を持ち合わせてません。だから先発から外される結果になりました。これについては妥当な判断だと思います。元々守備的なサッカーする監督ですからね。井手口、山口、長谷部はカバーできる範囲が広く、二度追い、三度追いが出来る選手です。こういう<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>でないと数的不利の状況では守りきれません。</p><br /> <br /> <p>さて、マッチアップの話はこの辺りにしておいて、実際の試合で何が起きたのか、それを経過を追いつつレビューしていきましょう。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対オーストラリア、前半戦のレビュー</h4> <p><br /> ここからは前半戦のレビューです。この試合の入りなんですが、日本代表が最初にやったのはハイプレスでした。試合の入りでハイプレスをやるのはよくある事なんですが、433と3421だと、433のチームがハイプレスやるのは比較的簡単だったりします。つまり、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902202810.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902202810j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902202810j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーなるのですがね。相手の3バックに対して3トップをぶつけてしまえば、相手はボールを後ろで落ち着けることが出来ません。ここで相手のパスコースを限定していってサイドに追いこんでスペース圧縮して、そこで取ってしまえばいい。</p><br /> <p>これは最初、結構上手く行きました。具体的にいえば、前半2分くらいのシーンですが、</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902203447.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902203447j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902203447j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902203451.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902203451j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902203451j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902203455.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902203455j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902203455j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <br /> <p>こういう流れでしたが、うまーく前からの守備でボールを取り返す事に成功してます。</p><br /> <p>日本は大体前半5分くらいまではこれで上手く守れていたんですが、前半6分あたりから怪しい所が出始めてオージーがペースを握り始めます。具体的には、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902203906.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902203906j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902203906j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは前半6分の所のシーンですけど、まさに日本が一番避けたい状況がここで生まれてます。ただ、このシーンですが、オージーのシャドーがボールコン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%ED%A1%BC%A5%EB">トロール</a>にもたついてくれたおかげで助かりました。強豪国のシャドーだったら、あそこでフリーでボール受けたら決定機作ります。</p><br /> <br /> <p>さらにこの後すぐに又同じ攻めでやられる事になります。具体的には、</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902204207.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902204207j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902204207j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902204215.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902204215j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902204215j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902204851.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902204851j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902204851j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902204218.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902204218j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902204218j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902204923.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902204923j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902204923j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなるんですけどね。これも山口と井手口を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に食いつかせて、その裏を狙う狙う攻撃です。日本はシャドーに対してCBの昌子が対応してるんですが、潰しきれずに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>にボール落とされてしまいました。長友は昌子の裏のスペースをカバーするために中に絞らざるをえず、サイドでオージーのWBがフリーになってます。これも強豪国なら、ここからシュートまで持ち込めるシチュエーションが出来てるんですが・・・オージーがこの後やった攻撃が・・・・</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902204537.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902204537j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902204537j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>何故かバックパスしちゃうっていう・・・・何で走り込んで来た逆サイドのWB使わなかったのか、よくわかりません。ちなみに浅野が糞真面目にWBについてきており本当に偉い。</p><br /> <br /> <p>この二つのシーンは、この日のオージーを象徴するシーンなんです。この試合の後、オージーのFWが<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>「ポゼッションでは我々が上回っていたと思うが、ボールをスピーディーに回せなかったんだ。本来のゲームプランは少ないタッチ数でどんどん回して相手の守備を崩すところが、4回も5回もボールに触っていた。ああなると意図する攻撃はできない。エリア内になかなか侵入できなくて、チャンスを掴めなかった。日本にとっては守るのがイージーだったはずだ」<br /> <br />  さらに、終盤はもっとロングボールを多用すべきだったと述懐する。<br /> <br /> 「ゲーム終盤、日本は自陣深くに籠っていた。選手交代を活かしながら我々はポゼッションからロングボールを使う攻めに転じるべきだったが、意思の疎通ができていなかったように思う。それが残念でならないよ。そして、不意打ち(2点目)を食らった。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%C3%A5%C8%A5%DC%A1%BC%A5%EB">フットボール</a>とはそういうものさ」</p><br /> <p><a href="http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=29470">「日本はイージーに守れたはずだ」豪州代表のベテランFWが大一番を辛辣分析</a></p> </blockquote> <p></p><p>こんな風に振り返ってますけどね。この二つのシーン、どっちのシーンもそうですがオージーの選手、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AD%A5%F3%A5%B0%A5%B5%A1%BC%A5%C9">アタッキングサード</a>に入ってからボールタッチが多すぎます。シンプルにやればいいのに。日本代表が1タッチ、2タッチでボール回していくのに対して、オージーは3タッチ以上しちゃってるので攻撃でリズムがでないんですね。</p><br /> <br /> <p>ついでに言えば、中盤中央は数的有利なエリアなんだから、ロングボール放り込んで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボールの奪い合い勝負でも良かったんです。中盤中央でのフィジカルバトルに持ち込んだほうが日本にとっては嫌だったでしょう。もっとも、これには<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は対策講じてたのですが・・・・・</p><br /> <br /> <br /> <p>試合に話を戻しますが、前半6分~12分あたりまで日本は前からの守備が上手くはまらず、自陣に撤退しての守備を強いられます。この時間帯、日本はちょいと混乱してました。</p><br /> <br /> <p>前半12分のシーンを取りあげますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902210927.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902210927j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902210927j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これなんですけども、日本の右サイドでは比較的守備の役割分担が上手く行っていて、このシーンだとシャドーをSBが捕まえて、WBをWGが捕まえる形で対応できてます。これだとオージーは有効なビルドアップできませんから、一回ボールを後ろに戻してます。ここからが問題なんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902212148.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902212148j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902212148j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902212200.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902212200j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902212200j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902212210.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902212210j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902212210j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902212213.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902212213j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902212213j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902212217.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902212217j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902212217j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>ここ、こうなった後、グランダーのクロスをGKとCBの間に入れられました。これはオージーのFWが走り込めてなかったので助かりましたが、逆サイドでオージーのWBにボール拾われてそこから又クロス上げられました。冷やっとしたシーンでした。</p><br /> <br /> <p>ここを取りあげた理由は、これが後半に乾が最初に交代させられた原因だからです。攻撃において乾は間違いなく機能していたんですが、一方で左サイドにおいて、乾の守備はチームに問題を引きおこしていました。この他にも、前向いた選手につっかけてかわされて左サイドを突破される原因になったり、切り替えの時に軽率にスライディングしてかわされてオージーのカウンターのスイッチをいれてしまいったりと。最終的に後半23分、25分と立て続けにオージーに左サイドを突破されると乾が最初に交代させられる事になりました。</p><br /> <br /> <br /> <p>この試合なんですが、</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902213520.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902213520j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902213520j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>最終的にはこんな感じで圧倒的にオージーがポゼッションする一方で、まーるで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内に進入できずシュート打てない試合でした。一方で日本代表はポゼッションはできてませんが、オージーの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PA">PA</a>内に簡単に進入し、シュートうったりクロスあげたり、CK取れた試合でした。ついでに言えば、日本のサイドはオージーのサイドに一対一で勝てるけど、オージーは日本のサイドに一対一で勝てない試合でもありました。</p><br /> <br /> <br /> <p>話を試合に戻しますが、大体前半20分くらいまで日本は我慢の試合でした。押し込まれる展開でしたが我慢強く守れてました。当然、日本も段々とオージーの攻めに慣れてきます。そうなると反撃タイムになります。前半21分に山口のパスカットから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC">ショートカウンター</a>。さらに前半22分には大迫が相手のバックパスかっさらって単独でシュートまで持ち込みました。(これ決めてれば大迫がスパーヒーローだったんですが・・・・井手口に全部もってがれてしまいましたね)</p><br /> <br /> <p>この後、前半20~30分あたりまでは日本は守備で落ち着きを取り戻してたんですが、前半31分に不用意に乾が前向いてるオージーのWBに飛び込んで交わされて左サイドを突破されたり、前半36分には長谷部がバックパスかっさらわれてピンチを招いたり、前半38分には吉田に当たって軌道がそれたシュートがポスト直撃したりと、日本もなんだかなあ・・・という時間帯に突入し・・・</p><br /> <br /> <p>前半40分、突然、試合が動きます。</p><br /> <p><iframe allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/fhEJS8I5Pvs" width="420" height="315" frameborder="0"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=fhEJS8I5Pvs">【W杯最終予選】浅野琢磨ゴール - 日本1-0オーストラリア 31/8/2017</a></p><br /> <br /> <br /> <p>長友のクロスから浅野の裏への抜けだしが決まって日本が先制です。この先制点については長友のクロスと浅野の飛び出しだけで点とったのでビックリしました。</p><br /> <p>もっともゴールのアレについては、オージーのDFも愚痴ってますが、</p><br /> <br /> <p><a href="https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170901-00010021-soccermzw-socc">浅野の殊勲弾は「安っぽいゴール」 ミスから生まれた1失点目に豪州DFが悔しさ爆発</a></p><br /> <br /> <p>完全に相手の左WBのミスです。日本代表で同じ事やったら当然、糞味噌に叩かれますよねえ。長友のクロスはゴールに向かってくる軌道のクロスで、オージーのDFのスミスは浅野とボールを同時に視界内に収める事は難しくないハズでした。である以上、マーク外すとかありえないシーンなんですが、何故か浅野のマークを外してしまい、日本に先制点をプレゼントしてくれました。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>これで非常に日本は楽になりました。一方でオージーはW杯への切符が一気に遠のく事になります。たった一つのミスでとんでもない代償を支払わされる事になるのがサッカーの恐ろしい所です。日本も結構ミスはしてるんですけどね。ただ今回はDFが致命的なミスはしませんでした。オージーはDFがやらかしました。DFやGKの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%E7%A5%F3%A5%DC">チョンボ</a>での失点ってのは一定確立で起きてしまうので、そこはどうしようもない部分があります。</p><br /> <br /> <p>この後、オージーは前半終了まで、同じような攻撃をくり返し、最後までロングボール使ってきませんでした。なんというか、非常に不思議なオージー戦で、何で蹴ってこないんだろ?ポゼッションではシュートまで持ち込めてないんだから、ロングボール蹴って中盤中央での<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボールの奪い合いのフィジカルバトルにすればいいのにと思ったのは僕だけじゃないと思います。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対オーストラリア、後半のレビュー</h4> <p></p><p>ここからは後半戦のレビューになります。後半は双方、交代はなし。</p><br /> <br /> <p>キャプではやりませんけど、後半3分、オージーは前半とまるで一緒の攻撃を日本にしかけてきてます。日本の山口と井手口を引っ張りだしてから、シャドーに当ててサイドに展開。この後、サイドからグランダーのクロスがDFとGKの間に入って吉田と川島のお見合いが発生し、あわや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%E9%A5%AF">イラク</a>戦の再現か!?というシーンが発生しましたが、この日は川島がポロリをせずにセーフでした。日本のサッカーファンの脳内で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%E9%A5%AF">イラク</a>戦の失点シーンが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%F6%C7%CF%C5%F5">走馬燈</a>のように再現されたシーンでした。惜しかったですね!(何がだ</p><br /> <br /> <br /> <p>さらに後半4分では右サイドの守備で酒井ゴリが「<b>オージーのWBに背中を見せてターンする</b>」というア<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%C1%A5%E5%A5%A2">マチュア</a>全開なミスを披露してサッカーファンを楽しませてくれます。しかし、日本のSBが割と致命的なミスをしてるのにオージーの左WBは違いを作れません。オージーの監督にお悔やみを申し上げます。良い左WBなら日本は失点しててもおかしくなかったシーンでした。後半開始10分くらいの浅野の裏取りまで日本は良い所があんまりないです。面白いシーンはてんこもりなんですけども。</p><br /> <br /> <p>さてオージーの左WB君、後半10分には再び浅野に裏をとられるわけです。本日2回目。このWB、オージーのメディアでは糞味噌に叩かれてるみたいですが、攻守に全く役に立ってません。このWB、代えてない所をみると、そんなに左WBは手薄なんでしょうかオージー。</p><br /> <br /> <p>これで終われば良いのですが、オージーの左WB君のやらかしは続きます。後半10分のシーンですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902223721.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902223721j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902223721j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>驚いた事に何とダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が固めている中央にカットインドリブルを試みるスミス君。メッシや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A5%ED%A5%CA">クリロナ</a>だって無理目なプレーです。CFとのワンツーを試みますが、ダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が固めてるんです。日本の守備陣にひっかかってロスト。そこから日本のカウンターが発動し、日本はシュート打ってCK取りました。</p><br /> <br /> <p>この選手のおかげで日本は後半始まってから二回もチャンス作れてるわけで感謝しなきゃいけませんよ皆さん。こんなサービス精神溢れるWBはそういません。普通は前半で交代です。</p><br /> <br /> <p>さらに続きます。後半12分、この左WB君は酒井ゴリのマークを振り切って(単に酒井がマーク外しただけですが)、裏に飛び出すことに成功します。ここでゴールをお膳立てできれば・・・というシーンでしたが、なんだかよくわからないクロスを逆サイドに出して終了でした。</p><br /> <br /> <p>左WBネタはこの辺りにして、後半15分、オージーが動きます。FWのユーリッチを投入。日本のサッカーファンは当然、「放り込み来るぞーーー」と思ったんですが、</p><br /> <br /> <p><span style="font-size: 150%"><b>そ れ で も 愚 直 に 繋 い で 来 る オ ー ス ト ラ リ ア 代 表</b></span></p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>に変わりはありませんでした。本当にどうしちゃったんでしょうねオージーは。</p><br /> <br /> <p>というわけで、日本はやる事変わらず。ショートパス引っかけたら大迫に預けて全体を押し上げて攻撃ってのを続けます。大迫は化け物じみてボール収まるため、後半16分、20分とカウンターの起点になってます。まー、大迫がいる限り、ボール取る場所が低くても問題ないです。大迫にボールが納まる訳だから、大迫にボール預けて全体押し上げれば良い。</p><br /> <br /> <br /> <p>さて、試合が動くのは後半23分からです。この日、オージーが初めて決定機らしい決定機を作りました。キャプではやりませんが、日本の左サイドの2対2の状況からオージーが左サイド突破してグランダーのクロスを中央に折り返します。失点ものシーンでしたが、ここは酒井のビッグプレー。ボールをクリアーして事無きを得ました。</p><br /> <br /> <br /> <p>さらに日本のピンチが続きます。左サイドで今度は長友が裏取られて突破され、中央にグラウンダーのクロスを折り返されることになりました。ここも再び酒井が体を張って事無きを得ました。</p><br /> <br /> <p>後半になってから、酒井については背中見せてターンしてみたり、裏取られてみたりと自分の担当ゾーンでは良い所がなかったのですが、左サイドが突破された時には本当に良いプレーをしてくれました。日本の失点を二つ防いでます。ここはきちんと評価してあげないといけません。</p><br /> <br /> <p>ここからは後半27~29分の間、オージーは徹底的に日本の左サイドを狙ってきます。そして、二回連続で左サイドが突破されたのを見て、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>は交代を決断。左サイドの守備を安定させる為、後半29分、乾に代えて原口を投入。</p><br /> <p>後半31分、中盤中央での<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボールの拾い合いになります。最初の所で、ロングボールには<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>対策してたみたいな話しましたが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボールの拾い合いな状況になると、日本は必ず一枚、WGが中に絞って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボールの奪い合いに備えてました。日本はここで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9">セカンド</a>ボール拾うと、大迫に預けてからカウンターというハリルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AA%B2%C8%B7%DD">お家芸</a>を発動。オージーのお馬鹿なミスもあり、井手口の決定的なシュートがあったんですが、これはオージーのDFに阻まれました。</p><br /> <br /> <p>さて、日本のほうなんですが、この時間あたりから守備ではもうなりふり構わなくなり、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20170902/20170902231630.jpg" alt="f:id:pal-9999:20170902231630j:plain" title="f:id:pal-9999:20170902231630j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>もう6バックみたいな守備になってました。サイドが突破されはじめたのを見て、WGを最終ラインまで下ろしての守備に切り替えたわけです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>も逃げ切る為に手段選ばなくなってきてました。</p><br /> <br /> <p>あとは守備でどれだけ耐えられるかだなーと思ってたんですが、後半37分、ここで再びオージーのやらかし。</p><br /> <br /> <p><iframe allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/Mfttr8q4IQ8" width="420" height="315" frameborder="0"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=Mfttr8q4IQ8">08/31ワールドカップ予選 日本vsオーストラリア 井手口陽介、2点目追加点ゴールシーン</a></p><br /> <br /> <p>オージーのバックパスを原口がかっさらって、そこから井手口に繋ぎ、井手口がスーパーミドル突き刺して日本のW杯出場を決定づけたわけです。</p><br /> <br /> <p>この試合、日本も3本ほどバックパスをオージーにカットされて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A5%C8%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC">ショートカウンター</a>食らってます。しかし、そこでオージーのアタッカーは違いを作れなかった。一方で、日本がオージーのバックパスカットできたのは2本なんですが、その内、1本をモノにした。この差は大きいです。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>この後は特に書くことはありませんね。後半37分に2点目とったわけですからね。逆転される恐れは残ってませんでした。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>試合を振り返ってみて。</h4> <p><br /> さて、久々にサッカーの試合のレビューをやってみましたが、こうやって試合を振り返ってみると、本当に日本は我慢強く守ったなあと思います。中盤中央の数的不利問題を抱え、サイドを突破される事はあってもシュートまで行かせることはほとんどありませんでした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A5%EB%A5%DB%A5%B8%A5%C3%A5%C1">ハリルホジッチ</a>の起用も大当たりでしたし、豪州に完勝できたので、これはチームの自信になります。</p><br /> <p>レビューでも扱いましたが、この試合の守備上の肝である中盤中央の数的不利問題については、守備MF3枚の起用、シャドーへのCBのチェック、シャドーに裏を取られた場合、諦めずについていくといった形で対応できていました。上手くいってない時間帯もありましたが、サッカーってのはそういうモンです。攻撃面では非常にシンプルでしたが効果的でした。</p><br /> <br /> <p>オージーについては・・・まあ左WBのスミス君は次の試合は外されるでしょう、間違いなく。本当にどうしようもないプレーしてたので。彼だけは本当に場違いでした。一人だけとんでもなく不真面目なプレーをしてました。</p><br /> <br /> <p>今回の試合では本田と香川を使わずにオージーに勝てました。もともと、最終予選になってから、この二人は役にたってなかったのでスタメンから外し、試合で使わなかったたのは妥当です。むしろ遅すぎた位です。</p><br /> <br /> <p>岡崎、本田、香川は選手としてピークを過ぎ、一方で下の世代はピークを迎えました。力関係は逆転し、下の世代が実力でスタメン取ったに過ぎません。サッカーの世界で起こる当たり前の世代交代の時期だったんです。</p><br /> <br /> <p>今回、日本が最終予選を勝ち抜けたのは、下の世代の力です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%CC%B5%FE%B8%DE%CE%D8">北京五輪</a>世代のアタッカーはこれっぽっちも役に立ってません。というわけで本田と香川と岡崎については、ロシアまでひっぱる必要は無いと思いますよマジで。まあ、マヤと長友はまだ使えるので残すべきですけど。</p><br /> <p>久しぶりに長い記事書いて疲れました。今日はこの辺りで。</p><br /> <p>あとサウジ戦は消化試合なんでレビューはやりませんからねー。</p><br /> <br /> <p>ではでは。</p> </div> Sun, 03 Sep 2017 00:02:09 +0900 hatenablog://entry/8599973812294317477 日本代表におけるバイタルの守備のやり方についての話 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2016/06/17/062935 <p>はい、皆様、こんにちは。超お久しぶりです。またもや間隔空いてしまいましたが、ちょっと気になった事がありまして、本日は現在の日本代表における守備のやり方について取りあげたいと思います。</p><br /> <br /> <p>すでに前回の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2%A1%A6%A5%D8%A5%EB%A5%C4%A5%A7%A5%B4%A5%D3%A5%CA">ボスニア・ヘルツェゴビナ</a>戦から一週間以上経ってるので、周回遅れ気味なんですが、2016/6/11 に行われたガンバ対湘南戦や、6/15に行われたガンバ対浦和戦を見て、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルの守備のやり方」について思う事があったので、ちょっと一筆書いておこうと思った次第です。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本代表対<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2%A1%A6%A5%D8%A5%EB%A5%C4%A5%A7%A5%B4%A5%D3%A5%CA">ボスニア・ヘルツェゴビナ</a>代表における失点シーンの話</h4> <p><br /> さて、まずは前回の日本代表の試合の話になります。あの試合、日本は1-2で負けてる訳なんですが、日本の2失点のシーンをキャプで解説しときます。どっちも日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルでの守備のやり方に問題があります。</p><br /> <p><a href="https://www.youtube.com/watch?v=UYaF9gRyQtQ">https://www.youtube.com/watch?v=UYaF9gRyQtQ</a><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=UYaF9gRyQtQ">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <p>こっちに動画を張っときますが、キャプでやると、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617042527.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617042527j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617042527j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617042530.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617042530j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617042530j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617042533.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617042533j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617042533j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617042537.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617042537j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617042537j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617042541.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617042541j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617042541j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617042545.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617042545j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617042545j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617042549.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617042549j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617042549j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなんですけどね。</p><br /> <p>この試合なんですが、はっきり言って日本のCB二人が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2">ボスニア</a>のCFに一対一で負けまくっていたので失点はしょうがない部分があります。ただし、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルの守備方法は正直感心しないので言わしてもらいますが、このやり方は問題があります。</p><br /> <p>どう問題があるというと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の柏木です。あそこでCBがボールもった時、引いてくる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2">ボスニア</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>を柏木が捕まえて前にでてしまってるんです。その結果として、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルが1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>になり、その後のプレーで1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の両脇を使われて、CBを前に引っ張り出され、最終ラインに出来たギャップを使われて失点してます。</p><br /> <br /> <p>このシーンだと、柏木にも勿論問題があります。ボールが頭上を越えた時点で、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は最終ラインとの距離をすぐに詰めないといけないんですが、ハッキリ言って遅いです。ただ、柏木みたいな守備専<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>じゃない選手にそこまで求めるのは酷かもしれません。</p><br /> <br /> <p>実は、これ2失点目も全く同じ形で失点してます。</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617043719.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617043719j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617043719j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617043721.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617043721j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617043721j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617043725.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617043725j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617043725j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617043729.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617043729j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617043729j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーでしたがね。</p><br /> <br /> <br /> <p>これね、2失点ともそうなんですが、ボールが出る前から、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がチェックに出るもんだから、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルが1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>になってるんです。その結果として、1ボラの両脇がガラ空きになって、そこを使われて失点してます。</p><br /> <br /> <p>前回の試合で、僕が気になったのはココで、全く同じ形で2失点してるんですわ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルの守備方法に明らかに問題がある。この試合、柏木は前半で交代させられて、後半から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%F3%C6%A3%B9%D2">遠藤航</a>が入ってきましたが、ぶっちゃけ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タル1ボラ問題は後半も継続してました。その結果が後半の2失点目に繋がる訳です。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の対人の強さの問題じゃねぇんですよ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がボールが出る前からチェックに出て、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルが1<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>になった所をやられている訳ですからね。</p><br /> <br /> <p>後半でもしょちゅう同じ問題が生まれていたんで、チームとして、2列目の守備のやり方に問題があるといわざるを得ません。</p><br /> <br /> <p>今の日本代表なんですが、2列目に浅野とか宇佐美みたいな実質FWといっていい選手を使う傾向があります。こういった選手は守備面では、対面の選手をみるのに精一杯で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルのケアまでは頼めません。そういう選手を使っている以上、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が引っ張り出されないようにトップ下とCFが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の前のスペースを消し続ける必要があるんですが、この辺、今の日本代表の守備は適当と言わざるを得ません。</p><br /> <p>この試合の前半の場合、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2">ボスニア</a>の方はCFと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9%A5%C8%A5%C3%A5%D7">セカンドトップ</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の前のスペースをきちんと消して引いてくる日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>はFWが捕まえてました。結果としてダブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が常に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルを固めてましたから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2">ボスニア</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルはかなり硬かったです。一方、相手が中央固めていたので、サイドにはスペースがあり、それが前半の宇佐美無双に繋がったわけですけどね。</p><br /> <br /> <p>正直いって、同じ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2">ボスニア</a>出身監督でも守り方は随分違うなと思った試合だった訳です。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%D0%C2%E7%BA%E5">ガンバ大阪</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タル問題について</h4> <p><br /> 次に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%D0%C2%E7%BA%E5">ガンバ大阪</a>の話をしときましゅ。今回、周回遅れで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%B9%A5%CB%A5%A2">ボスニア</a>戦の話題を取りあげたのが、最近見た<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%D0%C2%E7%BA%E5">ガンバ大阪</a>の2試合が非常に面白かったからです。</p><br /> <br /> <p>6月11日に行われた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%D0%C2%E7%BA%E5">ガンバ大阪</a>対湘南の試合の方ですが、</p><br /> <br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/fQMeqc4STiY?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=fQMeqc4STiY">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>動画張っときますけど、コレです。</p><br /> <br /> <p>この試合なんですが、湘南の3得点は全部スーパーミドルでした。ただし、全部そうでしたが、この試合のガンバの守備方法って、基本的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルが空くんですね。</p><br /> <br /> <p>どういう事かというと、ガンバってチームはサイドを攻められて4バックにギャップが出来た場合、ガンバの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が一人、必ず最終ラインのカバーに入るって形を取ってます。そうなると、必然的に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルが1ボラになりますから、1ボラの両脇にはスペースが生まれます。</p><br /> <br /> <p>ガンバの1失点ですが、湘南にサイドを攻められた時、4バックの中央、CBの間にギャップが生まれました。そのギャップを埋める為に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がカバーに入ってます。その結果、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルがガラ空きになりました。そして、空いた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルから湘南のミドルが決まって失点。</p><br /> <p>2失点目は、これは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C7%A5%DF%A5%A6%A5%BD%A5%F3">アデミウソン</a>の怠慢守備です。このシーンの場合、ガンバの守備ブロックは整っており、これといってスペースは生まれてません。ただ、あの位置に持ち上がった下田に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C7%A5%DF%A5%A6%A5%BD%A5%F3">アデミウソン</a>がしっかり寄せてればミドル打たれなかったのに、怠慢な寄せしかしなかったので、スーパーミドル突き刺されました。</p><br /> <br /> <p>そして三失点目。これは興奮しましたが、湘南のサイド攻撃の結果、ガンバのCBがサイドに引っ張り出されたので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が最終ラインのカバーに入りました。このプレーは特に問題はなかったのですが、クリアしたボールが運悪く<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルに転がりました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が最終ラインのカバーに入った訳ですから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルにはスペースが出来ます。このこぼれたボールを湘南の下田が再びスーパーミドル突き刺しました。</p><br /> <br /> <br /> <p>現在のガンバさんなんですが、前目の選手の守備意識にちょっと問題があります。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が最終ラインのカバーに入る以上、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルのカバーを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AB%A5%F3%A5%C9%A5%C8%A5%C3%A5%D7">セカンドトップ</a>とWGがやらないといけないのですが、ぶっちゃけ、そこが上手く行ってません。第一節の鹿島戦、第四節の神戸戦なんかでも、その辺が上手く行ってなくて失点してます。</p><br /> <br /> <p>でもって、面白いナーと思ったのが、実はこないだの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%D0%C2%E7%BA%E5">ガンバ大阪</a>対浦和の試合んですよね。</p><br /> <p>前回の湘南戦で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルミドルを三発食らい、僕は「同じ守備のやり方してたら浦和に絶対狙われるぞー」とか思ってた訳ですよ。どういう事かってーと、これは湘南戦でのキャプでやりますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617054718.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617054718j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617054718j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617054724.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617054724j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617054724j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617054729.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617054729j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617054729j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617054735.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617054735j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617054735j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これですけど、こういう守備やってたらガンバは絶対浦和にボコられんだろ・・・って守備でした。あそこで3421の2シャドーをフリーで前向かせちゃうような守備やってたら浦和相手はダメです。</p><br /> <p>さて、ガンバの長谷川監督。対浦和で何したのかっていうと、スタメンをガラッと変えてきてまして、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%C3%A5%C8%A5%DC%A1%BC%A5%EB">フットボール</a>ラボさんからのキャプですいませんが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617055842.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617055842j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617055842j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><br /> 湘南戦<br /> ↓<br /> <span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160617/20160617055850.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160617055850j:plain" title="f:id:pal-9999:20160617055850j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><br /> 浦和戦</p><br /> <p>となってました。このビッグマッチで井手口使ってきたのには驚きましたが、結果的に、これは当たりでした。後半66分に井手口が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C9%A5%EB%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%C8">ミドルシュート</a>のブロックに行ったシーンとか、素晴らしい判断の良さでした。湘南戦で散々やられてた形でしたが、きっちりと対応してましたからね。</p><br /> <p>浦和戦なんですが、ガンバの方は、442でがっちりブロックを組み、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の前のスペースは遠藤と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C7%A5%DF%A5%A6%A5%BD%A5%F3">アデミウソン</a>で完全に潰してました。湘南戦では前の守備が適当で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が引っ張り出されるシーンがよくありましたが、浦和戦では遠藤と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C7%A5%DF%A5%A6%A5%BD%A5%F3">アデミウソン</a>でがっちり鍵かけてましたので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が前に釣り出されない。結果、ガンバの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルにスペースがないって状況でした。</p><br /> <p>となると浦和としてはサイドなんですが、ガンバの右サイドは阿部と丹羽ががっちり固めてて難しい。ガンバの左サイドは宇佐美なんで、狙い目になるんですが・・・・今の浦和さんって、右サイドの高い位置で違いを作れる選手ってのが・・・いない。</p><br /> <p>そんなこんなで、ガンバが前半の1点守りきって勝利という結果でした。ガンバは湘南戦からはスタメンも守備のやり方も随分と変えて、非常に守備的に戦ってました。結果はしっかりついてきた訳ですから、あれはあれで良いと思います。</p><br /> <br /> <p>今回の話は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルの守備のお話なんですけど、442で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルを完全に封鎖したい場合、両サイドの選手の守備、そしてFW二枚が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4">バイ</a>タルのケアを行う事が必要不可欠になります。今の日本代表ですが、その部分で上手く行ってません。ガンバさんもスタメンによってムラがあります。今日はそんなお話でしたとさ。</p> </div> Fri, 17 Jun 2016 06:29:35 +0900 hatenablog://entry/6653812171401467031 2018FIFAワールドカップアジア2次予選、日本代表対シリア代表のレビューとハリルホジッチ戦術、そして日本サッカーの病について https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2016/04/03/213422 <p>さて皆さん、お久しぶりでございます。更新が半年近く止まってましたが、久々に日本代表のレビューでもやってみようかと思います。対象の試合は、直近の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦とシリア代表戦になります。この2試合なのですが、ハリルが色々と戦術のテストをしてくれたおかげで、うちのブログでも書くことが出来た訳です。本当に有り難い話です。うちみたいなブログは監督が戦術いじってくれないと書くことなくて困るのです。</p><br /> <br /> <p>今回のエントリなんですが、シリア戦のレビューとかいいつつ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦の話もします。内容的には、いつかやろうと思っていた話なんですが、「<b>サイドにWG貼るタイプのサッカー</b>」と「<b>サイドにWGが貼らないサッカー</b>」の戦術の違い、選手の動き方の違いなんかを扱います。</p><br /> <p>実は、日本サッカーの場合、「WGを使ったサッカー」をやるチームがそんなに無く、WGを使ったサッカーの代表格である433系はあんまり人気がありません。そのため、ワイドに張ったWGを使うサッカーってのが過小評価されてると思う事もあるわけです。レーブのドイツが使っていた4231のシステムはSBとWGがサイドに張り付いてるタイプだったんですけどね。まあ433になってからシステムが変わりましたが。</p><br /> <br /> <p>という訳で、本日はまずシリア戦の日本代表のシステムと戦術の話をしてから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>でハリルホジッチが試していたシステムの話をします。二つのフォメを比較すると、色々と面白い事がわかります。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>シリア戦における日本代表の戦術とシステムの話、ハリルホジッチジャパンの戦術のおさらい。</h4> <p><br /> まずは、先日のシリア戦の日本代表のシステムの話から入りましょう。随分長い事、日本代表のレビューしてなかったので、簡単にハリルホジッチの戦術のおさらいから入ります。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403191919.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403191919j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403191919j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>フォメはこうでした。4231で、ワントップと2列目はいつもの。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>は長谷部と山口蛍、4バックは長友、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%EA%A5%B2">モリゲ</a>、マヤ、ゴートクの並びです。相手のシリアは4141を採用してました。香川にアンカーを貼り付けたかったんでしょう。</p><br /> <p>フォメはザック時代と一緒ですが、ハリルホジッチは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の二人の片方にゲームメーカーでなくて、働き蜂タイプを入れてるところに特徴があります。<b>また、原口を時々<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>で使ってますが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>に前への攻撃参加が得意な選手を起用している所にも特徴があります。</b></p><br /> <br /> <p>こういった人選は、通常、サイドにWGを張らせるタイプの4231で使われます。ハリルホジッチの戦術面での狙いとしては、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403192404.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403192404j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403192404j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなりますが、このシステムの肝はSBとWGをサイドに張り出させる事で、相手のブロックのSBとCBの間、SHと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の間にギャップを作る事が狙いになります。その上で、このギャップをトップ下、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>、CFが使っていくことになります。具体的には</p><br /> <p>1、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>のSBとCBの間に走り込み<br /> 2、トップ下がSHと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の間でボールを貰って前を向いて配球する<br /> 3,SBとCBの間に流れて来たCFの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>からの展開</p><br /> <br /> <p>といった形を狙いとして持っていました。相手が中央を固めてくるなら、サイドチェンジからサイドに張り付いてるSBとWGのコンビネーションで崩していく、といった形となります。ハリルホジッチの4231の戦術での狙いとしては、こんな所になります。特に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の攻撃参加が多いチームに仕上がってます。ザック時代より<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が前に走り込むのを本当によく見るようになりました。</p><br /> <br /> <br /> <p>上記の三つのやり方を使った攻撃シーンをシリア戦のキャプで説明しますが、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403194319.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403194319j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403194319j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403194322.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403194322j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403194322j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403194326.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403194326j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403194326j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>前半27、これは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の走り込みを使った攻撃で、サイドチェンジからSBとCBの間に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がフリーランかけるって攻撃。これはハリルホジッチがよくやってる攻撃です。山口と長谷部は前への攻撃参加は得意な方ですから、これは正しい使い方。このシーンだと走り込んだ長谷部はフリーになってますから、あそこにパスが出せればビッグチャンスになります。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403195141.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403195141j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403195141j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403195144.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403195144j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403195144j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403195148.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403195148j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403195148j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403195151.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403195151j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403195151j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>前30、これはCFがSBとCBの間に走りこんだケース。この動きで相手のアンカー引っ張って、宇佐美が中にカットインするコース作ってます。岡崎はこういう動きもサボらずやってくれます。</p><br /> <br /> <p>これらのプレーは、以前にブログで扱ってますので、</p><br /> <p><iframe src="http://pal-9999.hatenablog.com/embed/20130123/p1" title="サッカーにおける代表的なコンビネーションプレーのお話 - pal-9999のサッカーレポート" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://pal-9999.hatenablog.com/entry/20130123/p1">pal-9999.hatenablog.com</a></cite></p><br /> <p>興味のある方はどうぞ。WGのカットインを使ったコンビネーションプレーです。SBとCBの間に走り込む選手に相手チームの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がついてくるならカットイン、ついてこないならそのままパスをつけてサイドを抉ってクロスという形に持ち込むのが多いですね。</p><br /> <p>お次は</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403200546.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403200546j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403200546j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403200551.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403200551j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403200551j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403200555.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403200555j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403200555j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403200558.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403200558j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403200558j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403200602.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403200602j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403200602j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403200606.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403200606j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403200606j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これはCFの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>からトップ下のギャップ受け、前半41。ここは本田がサイドに張ってる状態なんですけど、あそこにいてくれるとSBとCBの間のスペースを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>とトップ下が使いやすいんです。SBがどうしてもWGにひっぱられますからね。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403201455.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403201455j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403201455j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403201500.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403201500j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403201500j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403201504.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403201504j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403201504j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403201508.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403201508j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403201508j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403201511.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403201511j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403201511j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これはワントップの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>から展開です。後31からの奴ですね。ここは本当に絵に描いたような<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>からのコンビネーションが決まってます。SBにはたいた後、WGがサイドに開く動きでSBとCBの間にスペース作って、そこのスペース使ってCFが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>をしてトップ下がラストパス。本当にお手本みたいなコンビネーションが決まってます。</p><br /> <br /> <br /> <p>これらの攻撃なんですが、シリアがアレな守備やってるんで通った部分もありますが、<b>ワイドのアタッカーを使って相手を横に広げて攻撃するってコンセプトがきちんと出来てるシーンなんで紹介しました。</b></p><br /> <p>ハリルホジッチなんですが、就任当初は速攻速攻言ってましたが、「<b>アジアは日本のホームじゃ極端なドン引きしてくる+アジアは1点リードされても前にでてこない</b>」という現実を目にした結果、最近はあんまし速攻速攻言わなくなった感じです。アジア予選における日本代表というのは「<b>いかにドン引きアジアから点を取るか</b>」という戦いになりますので、しょうがないと思います。これが現実です。先に2点リードしない限り、アジアは前にでてきません。</p><br /> <p>なので、ハリルさんも引いた相手から点取るために色々とやってる訳です。あの監督、きちんと考えてチーム作ってます。</p><br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/FpPwsfru7Sw?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=FpPwsfru7Sw">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>得点シーンは、1点目<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%A6%A5%F3%A5%B4%A1%BC%A5%EB">オウンゴール</a>、2点目はシリアのクリアミスから香川の個人技、3点目はカウンター、4点目は相手のクリアミスから、五点目は長友のオーバーラップからクロス、でしたね。</p><br /> <br /> <p>全体として日本代表は攻撃面では良い試合したと思うのですが、問題もありました。やっぱり本田が中に入りすぎる問題がこの試合でも起きていて、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403204448.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403204448j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403204448j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>前18のシーンですが、ここね、本田はワイドに開いて欲しいシーンなんです。この後、本田はワイドに開いてるんですけど、ワンテンポ遅かったです。そのため、SBとCBの間にスペースが無いから、CFや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が使いたいスペースを本田が潰しちゃってるんです。</p><br /> <p>WGがああいうポジショニングを取ると、CFの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B9%A5%C8%A5%D7%A5%EC%A1%BC">ポストプレー</a>、トップ下のギャップ受け、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>の前への走り込み、全部出来なくなります。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403204520.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403204520j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403204520j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これは前35のシーンですけど、ここもそうなんですが、本田が中に入りすぎてます。本田はこの時、バックステップでサイドに開いていけば、SBがついてきますから、SBとCBの間で香川が使うスペースが出来ます。あそこに香川が動くとアンカーがついてくるでしょうけど、そしたら、バイタルが無人になりますから、そしたら本田にボールつけて、本田がドリブルでカットインすれば良いんです。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><a href="http://f.hatena.ne.jp/pal-9999/20130122224802" class="hatena-fotolife" itemprop="url"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20130122/20130122224802.jpg" alt="f:id:pal-9999:20130122224802j:image" title="f:id:pal-9999:20130122224802j:image" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></a></span><br /> <span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><a href="http://f.hatena.ne.jp/pal-9999/20130122224803" class="hatena-fotolife" itemprop="url"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20130122/20130122224803.jpg" alt="f:id:pal-9999:20130122224803j:image" title="f:id:pal-9999:20130122224803j:image" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></a></span></p><br /> <p>こういうプレーですけどね。このシーンの場合、あそこで本田がボール貰った場合、マークがついてる状態でフリックで香川にボールを出すか、マークついた状態からターンするっていう難易度の高いプレーを選択するしかなくなります。わざわざそんな難易度の高いプレーしなくても、サイドに開いて、香川にSBとCBの間のスペース使わせるか、あるいは香川にアンカーがついてくるならバイタルが空きますから、それからサイドでボール受けてカットインしたほうがずーっと攻撃はスムーズに行くんです。</p><br /> <br /> <p>この問題なんですけど、実は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%AC%C5%C4%A5%B8%A5%E3%A5%D1%A5%F3">岡田ジャパン</a>時代に俊輔が右サイドやってた頃、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B6%A5%C3%A5%AF%A5%B8%A5%E3%A5%D1%A5%F3">ザックジャパン</a>時代に香川が左サイドやってた頃にもよく引き起こされてました。<b>日本代表名物<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">サイドアタッカー</a>がサイドに張っていられない問題。</b>日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">サイドアタッカー</a>って、やたらと中に入りたがる傾向があり、何だかなあ・・・・と思う事が多いです。それやっちゃうと逆足のウィング使う意味ないでしょうと。逆足のWG使うメリットはまさにここで、カットインドリブルを使った攻撃したいから逆足のWGを使うわけです。</p><br /> <p>この形を取れば、それほど人数かけなくてもフィニッシュまで持ち込めるので攻守のバランスを崩さなくて良いんです。ここがもう一つのメリットです。</p><br /> <br /> <p>この問題はハリルホジッチが就任して以来、ずーっと続いており、「どうするのかなー」と思っていたのですが、ハリルホジッチが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦で戦術いじっていて「おお、そっち系の戦術の引き出しも持ってるのね!」と、ちょっと感心したので、それについて触れておきます。ハリル先生が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦で戦術いじってくれてたんで、今回のエントリ書く気になったんですけどもね。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦の日本代表の戦術のお話</h4> <p></p><p>次は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦の話になります。試合の順序は変わってしまいますが日本代表の攻撃時の問題と絡めると、この試合の戦術テストの意味がわかりやすくなるので、それについて説明しときます。</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403205345.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403205345j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403205345j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>試合なんですが、この試合の日本代表はスタメンとフォメいじってまして、4312となってました。日本代表で2トップみたのは久しぶりです。しかし原口は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>で使われたり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%CF%A1%BC%A5%D5">インサイドハーフ</a>で使われたりと便利屋の如き扱われ方です。</p><br /> <br /> <p>この試合で、ハリルホジッチは、結構毛色の違う戦術を試してます。図でやると</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403205518.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403205518j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403205518j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こーなります。両SBの位置が超高い。4312はもともとサイドの高い位置にアタッカーがいないシステムなんでサイドはほぼ全部SBのプレーエリアになるんですけど、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦の両SBの位置取りはとんでもなく高かったです。どれくらい高かったかというと、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403205707.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403205707j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403205707j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦の前17分のシーンですが、両SBが相手<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AD%A5%F3%A5%B0%A5%B5%A1%BC%A5%C9">アタッキングサード</a>でプレーしてるんですね。正直呆れましたが、ただ、この日の日本代表は、常にサイドの高い位置にアタッカーがいる状態でした。</p><br /> <p>両SB上げるサッカーってのは、日本代表で見るのは久しぶりです。ザックはこれを絶対やりませんでしたからね。イタリア人監督は「SBはつるべの動きをするものだ」というセオリーに忠実なので両SB上げるサッカーはまずやりません。ハリルホジッチはつるべの動きにはそれほどこだわりはないようです。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403210000.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403210000j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403210000j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403210056.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403210056j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403210056j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>このシーンでもそうなんですけど、とにかく酒井ゴリの位置が高い。シリア戦だと、あの位置にはアタッカーがいない事がよくありました。</p><br /> <br /> <p>で、この高い位置に張り出したアタッカーが常に入るって事は何が起きるかっていうと、</p><br /> <p><a href="http://www.football-lab.jp/japan/report/?year=2016&month=03&date=24">&#x65E5;&#x672C;&#x4EE3;&#x8868; [&#x30CF;&#x30EA;&#x30EB;&#x30DB;&#x30B8;&#x30C3;&#x30C1;] &#x30DE;&#x30C3;&#x30C1;&#x30EC;&#x30DD;&#x30FC;&#x30C8; | 2016&#x5E74;3&#x6708;24&#x65E5; &#x65E5;&#x672C; vs &#x30A2;&#x30D5;&#x30AC;&#x30CB;&#x30B9;&#x30BF;&#x30F3; | Football LAB &#xFF5E;&#x30B5;&#x30C3;&#x30AB;&#x30FC;&#x3092;&#x30C7;&#x30FC;&#x30BF;&#x3067;&#x697D;&#x3057;&#x3080;&#xFF5E;</a></p><br /> <br /> <p>こっちのサイトで数字に出てますが、<b>クロス47本</b>って数字に繋がる訳です。この日はサイドチェンジがボンボン入ってましたが、あの位置にアタッカーがいないと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>やCBは試合を大きく動かせません。普段の日本代表だと、あの位置にアタッカーが居ないため、サイドチェンジができないって問題が結構起きるんですけど、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦みたいに両SB上げたり、あるいは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%CF%A1%BC%A5%D5">インサイドハーフ</a>がサイドに張り出したりするなら、そういった問題は起きないわけです。</p><br /> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%AC%A5%CB%A5%B9%A5%BF%A5%F3">アフガニスタン</a>戦なんですけど、後半もそうだったんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403210518.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403210518j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403210518j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>常に両サイドの高い位置にアタッカーがいるんです。後半12分の攻撃とかは普通に見事な攻撃で</p><br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/i22kwb8Fvxg?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=i22kwb8Fvxg">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <br /> <p>清武の得点ですね。これはキレーな攻撃でした。</p><br /> <br /> <p>これ系の「<b>中央3名のアタッカー+両サイドの高い位置に常にアタッカー</b>」がいるシステムってのは、日本だとミシャ式3421サッカーが有名ですが、欧州だと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%EB%A5%C8%A5%E0%A5%F3%A5%C8">ドルトムント</a>がやってます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%EB%A5%C8%A5%E0%A5%F3%A5%C8">ドルトムント</a>の場合、433ベースから変形して両WGが中に絞って両SBが上がるってシステムですけどもね。実はドイツ代表なんかも最近はこっち系です。</p><br /> <br /> <p>でもって、このシステムの場合、WGを使わないので「<b><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">サイドアタッカー</a>がサイドに張っていられない病</b>」という日本代表の特異な病が発症しないんです。日本代表がこのシステムを使う最大のメリットは個人的にはコレです。ハリルホジッチがこのシステムをテストした時に思ったのは、「あらハリルさん、意外と本田の病気を気にしてるのね」という事でした。こっち系のシステム使うんであれば、本田の中に入りたがる病は、さほど問題にはなりません。そもそもサイドで使う事はありませんから。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>最後に日本代表の不治の病について</h4> <p><br /> 最後に日本代表の不治の病について言及しておきます。日本代表を随分長い事見てますが、このチーム、誰が監督やっても治らない病気ってのがあります。今回のエントリでは、「<b><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">サイドアタッカー</a>がサイドに張っていられない病</b>」の話をメインにやってきましたが、もう二つほどありまして、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403211711.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403211711j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403211711j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403211334.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403211334j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403211334j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403211337.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403211337j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403211337j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これは前半27分に日本が数的不利カウンターを受けたシーンのキャプで、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403212034.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403212034j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403212034j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403212038.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403212038j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403212038j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403212041.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403212041j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403212041j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403212045.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403212045j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403212045j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これはシリア戦40分に数的不利カウンター食らった時のキャプです。どちらのケースでも原因は一緒です。DFと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>が軽率にスライディングし、それがかわされたせいで数的不利、数的同数カウンターを食らうことになりました。特に前半40分のマヤのスライディングは画面の前で草生やしました。</p><br /> <br /> <p><b>守備においてはスライディングというのは最後の手段です。ただし、日本代表においては最後の手段を最初にぶっぱなす傾向があります。</b></p><br /> <br /> <p>日本のサッカー教本でも、ドイツのサッカー教本でも、オランダのサッカー教本でも、イタリアのサッカー教本でも、「スライディングは最後の手段」という点で一致してます。ただ、最後の手段をどの段階でぶっぱなすかは、国によって差異があるようです。</p><br /> <br /> <p>「<b>スライディング病</b>」と僕は呼んでいますが、日本代表ってチームではDFが滑ってはいけない場面で滑ってかわされてカウンター食らうってのがホントに多いです。</p><br /> <br /> <br /> <p>そして最後が、皆さんお馴染みかとは思いますが、「<b><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%DF%A5%AB%A5%BC">カミカゼ</a>アタック病</b>」です。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20160403/20160403212214.jpg" alt="f:id:pal-9999:20160403212214j:plain" title="f:id:pal-9999:20160403212214j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>実に麗しい4対5が出来てます。</p><br /> <p>根本的に前に人数かけ過ぎでして、シリア相手に4対5作られるとか草です草。アジア相手に前に人数かけすぎて、数的同数、数的不利カウンター食らうのは日本代表のお家芸です。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>「<b><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%C9%A5%A2%A5%BF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">サイドアタッカー</a>がサイドに張っていられない病</b>」、「<b>スライディング病</b>」、「<b><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%DF%A5%AB%A5%BC">カミカゼ</a>アタック病</b>」は日本サッカーの風土病みたいなモンでして、治らない病です。誰が代表の監督やっても発症してますので、僕はもう治らない病だと割切って見てます。<b>よく日本の守備はディレイ中心とか言われますが、攻守の切り替えの時、SBやCB、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%E9%A5%F3%A5%C1">ボランチ</a>がいきなり相手のアタッカーにスライディングするのを何度も何度も何度も見てきました。</b>僕は「日本の守備はディレイとか言う人は、切り替えの時にいきなり滑るDFが沢山いるの見てないんだろうか?」と不思議に思うことが多いです。</p><br /> <br /> <br /> <p>これね、皆様も割切って<s>感染</s>観戦なさることオススメいたします。文句言っても治りません。治った試しがありません。もはや日本サッカー文化の一部となっており、不治の病です。</p><br /> <br /> <p>ぶっちゃけた話、後ろ二つは見てるだけなら、スリルがあって非常に面白いですから、エンタメとしては間違ってません。前のに関してはWG使わないシステム使えば問題は起きません。</p><br /> <br /> <p>今日はこのあたりで。ではでは。</p> </div> Sun, 03 Apr 2016 21:34:22 +0900 hatenablog://entry/10328537792369516388 スポーツにおけるジャイアントキリング~スポーツ別での大番狂わせのお話~ https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/09/25/024824 <p>さて皆さん、こんにちは。本日はサッカーの話じゃなくて、タイトルの通りに「ジャイアントキリング」の話でもしようかと思います。この話をしようと思ったのは、皆さんご存じでしょうが、ラグビーW杯で、日本代表が南アフリカ代表を破るという快挙を成し遂げたからです。この試合については、すでに各所で話題になってますし、試合内容については触れません。日本代表対南アフリカ代表の試合の内容については、他所の記事を当たってみてくださいな。</p><br /> <br /> <p>あらかじめ言っておきますが、ラグビー日本代表が成し遂げた事は、サッカーを喩えに使って説明するのは困難です。というのも、ラグビーはあらゆるスポーツの中で、最もジャイアントキリングが起きにくいスポーツだからで、ラグビー日本代表の五郎丸が「ラグビーに奇跡はない」って話をしてますが、<b>ラグビーで強いチームは格下には負けません</b>。そーゆースポーツの為に、劇的な試合展開と相まって「<b>スポーツ史上最大の番狂わせ</b>」とまで言われている訳です。</p><br /> <p>うちのブログは、サッカーブログなんで、ジャイキリの話をする場合には、まずサッカーの話から始めるのが筋でしょう。というわけで、日本サッカー史上に輝く最初の大金星、「ベルリンの奇跡」の話から入りますけど、</p><br /> <p><iframe width="459" height="344" src="https://www.youtube.com/embed/u3Lhdv9zfLQ?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=u3Lhdv9zfLQ">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <p>youtubeにこんなのが上がってましたが、1936年、ベルリンのヘルタ・プラッツ・スタジアムにおいて、日本代表がスウェーデン代表を3-2で打ち破った試合です。当時、アジアから踏み出した事がなかった日本代表だったんですが、ベルリンオリンピックに参加することになったわけです。この時は「ベルリンへ!ベルリンへ!」を派遣費用のための合い言葉に寄付金が募られたんですが、始まってみると、なんと一回戦で優勝候補の一角スウェーデンと当たることになり、「とんだものと当たったとがっかりし」状態になってました。スウェーデンは日本ではサッカーやってるの?といぶかしんで状態でした。惨敗は覚悟の上での戦いとなったわけです。</p><br /> <p>試合は前半はスウェーデンが二点リードで折り返したのですが、後半から日本が巻き返し、後半だけで3点を取り返して逆転勝ち。この時の日本の逆転時のスウェーデンラジオの実況、</p><br /> <br /> <p><b>「Japaner, Japaner, Japaner(日本人だ、日本人だ、日本人が!)」</b></p><br /> <p>はスウェーデンにおいて、最も有名な実況の一つとなっています。もっとも日本代表はその後のイタリア戦で0-8で負けて敗退しちゃうんですけどね。</p><br /> <br /> <p>サッカーにおいては、この手のジャイキリは珍しい話ではなくて、W杯の有名所だと、</p><br /> <p>1,W杯史上最大の番狂わせとも呼ばれる、第四回ブラジルW杯におけるアメリカ代表(アマチュアの寄せ集めだった)のイングランド代表に対する勝利<br /> 2,第八回イングランドW杯における北朝鮮のイタリア代表に対する勝利<br /> 3、第11回アルゼンチン大会におけるチュニジアのメキシコ戦での3-1での勝利</p><br /> <p>なんかが上げられます。ちなみに、この三つが有名なのは、1に関しては、映画にまでなってますし、主将のライトは敗戦のスケープゴートにされました。2に関しては、「コレア」が第一次大戦でイタリアが惨敗した戦場、「カポレット」と並ぶ不名誉な敗北の代名詞にまでなったからです。ちなみに、イタリア代表は空港で怒り狂ったサポに出迎えられ、トマトと卵を投げつけられ、代表監督は即刻解任されるというオチがついてます。3の被害者はメキシコで、選手は空港でトマトと石の出迎えを受け、選手の自宅には脅迫状が届く始末でした。</p><br /> <p><b>この三つを取りあげたのは、有名所だという事の他に、ノンプロのアマチュア集団にプロ混じりのチームが負けたという、しょーもない敗戦だったからです。</b></p><br /> <p>サッカーってスポーツは、今回取りあげるスポーツの中で、もっとも番狂わせが起きやすいスポーツです。最近では、マンチェスターシティがウェストハムに負け、バルサがセルタに負けてますけど、この手のジャイキリはサッカーでは割と頻繁に起きます。</p><br /> <p><b>サッカーにおいては、「ジャイキリ」が頻繁に起きるって事を一番よく知ってるのが、オンラインのブックメーカーです。</b></p><br /> <br /> <p>ブックメーカーのオッズを使って説明すると、基本的にコイントスが賭の対象なら、どちらかが出る確率は1対1です。この場合、オッズは2.0(デシマル値)という形で表示されます。サッカーにおいては、bet365の最新のオッズで説明すると、次の「FCバルセロナ対ラス・パルマス」では、バルサの勝利が1.07、「レアル対マラガ」ではレアルの勝利が1.12となってます。「うわ、低っ!」と思われるかもしれませんね。<b>でもね、このオッズだと、ラス・パルマスだろうと、マラガだろうと、100試合やれば7~8試合はバルサやレアルに勝てるって位のオッズなんです。</b></p><br /> <p>サッカーにおいては地球上最強のチームであっても、格下に負ける可能性ってのが常に有るんです。それがサッカーってスポーツなんですわ。だからブックメーカーは、サッカーでは圧倒的な本命チームに対しても賭けを受けてくれます。</p><br /> <br /> <br /> <p>さて、ここまでサッカーってスポーツはジャイキリが起こりやすいスポーツだって話をしてきました。じゃあ、他のスポーツは?という話になるんですが、ここで</p><br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777813223/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51gNS8Cf3VL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか" title="サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777813223/fifthedition-22/">サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> クリス・アンダーゼン,デイビッド・サリー,児島修</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 辰巳出版</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/06/30</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4777813223/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (3件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <br /> <p>この本紹介しときますけど、この本にサッカー、ハンドボール、バスケットボール、アメリカンフットボール、野球のオッズの中央値と分布の話があります。それによると、スポーツ別の本命チームのオッズの中央値は</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150925/20150925015336.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150925015336j:plain" title="f:id:pal-9999:20150925015336j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p><b>ハンドボール1.28、NBA1.42、NFL1.49、サッカー1.95</b></p><br /> <p>こうなってるそうです。<b>ちなみにラグビーW杯の場合、オッズの中央値が1.06とかです。</b></p><br /> <p>各スポーツの本命オッズを調べていけば一目瞭然なんですが、ハンドボールとラグビーは、笑っちゃうほどジャイキリが起きません。だから、ブックメーカーは本命のオッズをもの凄く低く設定します。ラグビーに関しては、本命のオッズが1.00とかザラです。ウィリアムヒルでオッズ見て貰えば良いのですが、本命のオッズが異常に低いのがラグビーです。日本がニュージーランド代表とやったら、100回やって100回負けるオッズがつくのがラグビーです。</p><br /> <p>なんでラグビーではジャイキリが少ないのか。それは、他の人が扱ってるのでググって下さい。</p><br /> <p>次にジャイキリが少ないのがハンドボール。これもジャイキリが少ないスポーツで、ホントに実力差が結果に反映されます。</p><br /> <br /> <br /> <p><a href="http://www.top-league.jp/standings/2014/#g_all">2014-2015星取表 ジャパンラグビー公式サイト</a></p><br /> <br /> <p>ここで、ジャパンラグビー公式サイトの星取表貼っときますけど、ラグビーってスポーツは上位と下位で笑える程、差が出ます。星取り表みてもらえばわかると思うんですが、下位チームは身も蓋も無く、上位チームに全敗してます。これは、ハンドボールも同じで、</p><br /> <br /> <p><a href="http://www.jhl.handball.jp/jhl39/results/standing.html?1">&#x661F;&#x53D6;&#x8868; | &#x65E5;&#x672C;&#x30CF;&#x30F3;&#x30C9;&#x30DC;&#x30FC;&#x30EB;&#x30EA;&#x30FC;&#x30B0;</a></p><br /> <p>こっちに日本ハンドボールリーグの星取表貼っときますが、ハンドの世界はラグビーほどじゃないですが、下位は上位に勝てません。</p><br /> <br /> <p>1~3位のチームが、8位以下にチームが負けるなんてありえない。それがラグビー、ハンドボールの世界です。実力差が結果にはっきりと反映されるスポーツなんです。この二つに共通するのは、とにかくコンタクトプレーが多いって所でして、フィジカル差がはっきり結果に反映されるせいだとも言われます。(もっとも同じフルコンタクトのアメフトは以外とジャイキリ多いんですが)</p><br /> <br /> <p>一方で、サッカーの世界では、</p><br /> <p><a href="https://data.j-league.or.jp/SFRT06/search?selectedCompetitionName=%EF%BC%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%80%80%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%EF%BC%91&selectedYear=2014%E5%B9%B4&selectedYearId=2014&selectedCompetitionId=372&yearId=2014&competitionId=372">J. League Data Site</a></p><br /> <br /> <p>こうなるんですけどね。これは2014のJ1の話ですが、ラグビーやハンドと違って、サッカーは7~9位のチームであっても、上位3チームに勝てちゃうんです。それどころか、15位以下のチームでも、上位3チームに勝つことすらある。</p><br /> <br /> <p>この「ラグビー、ハンド」のジャイキリ起きない勢と「野球、サッカー」のジャイキリ上等勢の中間に位置するのが、NBAとNFLになります。ただ、ここはちょっと説明が必要ですね。NBAにしろ、NFLにしろ、ここは戦力均衡に力をいれてるプロスポーツでして、野球やサッカーほど戦力が特定のチームに集中するって事が起きてません。NFLなんかは、野球やサッカーみたいに戦力集中させたら、ひょっとしたらラグビー化するのかもしれません。</p><br /> <br /> <br /> <p>一口にスポーツといっても、このように、大番狂わせが多いスポーツと、大番狂わせが全く起きないスポーツってのが存在する訳です。「勝負はやってみるまでわからない」とは、よく言われますが、現実的には、やる前から結果がわかってしまうスポーツもあるって事です。そういうスポーツは、プロ化する場合、ある程度の戦力均衡策が必要と言われます。逆に、サッカーや野球の場合、大番狂わせが多い為、一試合に限っては、結果の予測が困難を極めます。なので、戦力均衡をやらず、不平等そのものなリーグ運営をしても、試合そのものの魅力は損なわれないという見方も出来ます。</p><br /> <br /> <p>勿論「ジャイキリが起きないからラグビーやハンドはつまらない」という人もいます。サッカーとか野球好きな人は、そういう人多いと思います。一方で、アメリカではMay the best team winなんて言葉がありますが、「最高のチームが勝ちますように」って意味ですが、「勝利に相応しくないチームが勝ってしまう」 事があるのがサッカーと野球だったりします。ラグビーやハンドは、基本的に強いチームがかつスポーツなんで、練習や努力は選手を裏切りません。それがラグビーやハンドの良い所だという人もいます。</p><br /> <br /> <p>今回はジャイキリの話だったんですが、スポーツの中には、「やる前から結果がわかりきってるスポーツ」と「結果は誰にもわからないスポーツ」というのがあります。ただ、それぞれのスポーツにはそれぞれの楽しみ方があり、結果の予測性ってのは、必ずしも大きな問題ではなかったります。今日はそんなお話でしたとさ。</p><br /> <br /> <p>それでは。</p> Fri, 25 Sep 2015 02:48:24 +0900 hatenablog://entry/6653458415122527129 2015 ロシアワールドカップ二次予選 「日本対アフガニスタン」のレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/09/10/043443 <p>さて皆さん、こんにちは。本日は先日行われました「日本対アフガニスタン」のレビューをお届けします。試合自体は6-0で日本が勝ちました。久々の大勝でしたので、最近、日本代表の試合みてモヤモヤしてた方は、スカッとしたのではないかと思います。</p><br /> <p>今回の試合なんですが、有り難い事に割と書くことはあります。なので、この日のハリルホジッチが取った戦術と、アフガニスタンの守り方の話から入りたいと思います。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対アフガニスタン、スタメンとアフガニスタンの守り方</h4> <p><br /> まず、両チームのスタメンから入ります。ただ、アフガニスタンの選手は誰も知らないので、そっちは勘弁してください。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910014842.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910014842j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910014842j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>スタメンはこうなってました。日本は左WGに原口が入った4231、アフガニスタンは442となってました。この日の相手のアフガニスタンなんですけど、守り方が極端な事やってまして、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910015422.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910015422j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910015422j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これ試合開始直後から、ずーっとこうだったんですけど、アフガニスタンはホームで11人ドン引きという身も蓋も無い事やってきました。試合中、「これ許されるのか?」という感じで呆れて見てましたが、ホームで11人ドン引きとか普通無いです。アウェーならともかく、ホームで11人ドン引き442ブロック、FW二人が日本のボランチを見るとか、日本をリスペクトしすぎだろという感じです。ぶっちゃけ、天皇杯なんかでJ3のチームがJ1のチームをジャイキリする事が時々ありますが(昨日、名古屋と清水がやらかしてますけど)、何が起こるかわからないのがサッカーなんだし、あそこまで日本をリスペクトする必要ないだろうと。この日、恥も外聞もなくドン引きしてるアフガニスタン代表にブーイングが飛ばないのは不思議でした。アフガニスタン人はアレで良いのでしょうかね?前にFW残してないので、カウンターすらロクにできない布陣です、コレ。この日の試合なんですけど、前日コメントで長谷部なんかが「アフガニスタンは前にでてくるかも云々」言っていたので、僕は前に出てきてくれるのかな、と思っていたのですが、予想は完全に裏切られる形となりました。コレはハリルホジッチも同じだったと思います。アウェーで11人ドン引きされるとは思ってなかったでしょう。ハリルホジッチもそろそろアジアに慣れてきた頃なんで言っときますが、アジア相手には速攻できません。どこも日本相手にはドン引き、少人数のカウンターというゲームプランで来るからです。前にでてきてくれるの、オージー、韓国、ウズベキスタン位です。</p><br /> <br /> <p>とまあ、そういう訳で、この試合もゴール前固める相手をどうやって崩して点とるかという、典型的なアジア相手の試合となった訳です。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>この試合におけるハリルホジッチのゲームプラン</h4> <p></p><p>さて、アフガニスタンはホームで442ドン引き、11人でゴール前にバス停戦術を敷いてきた訳ですが、こっからはハリルホジッチのターン。さて、こーいう相手をどうやって崩しまショーという話になるんですが、この日のキーマンは二人。原口と山口蛍でした。これ、この日の一点目に、この日のハリルホジッチの戦術の全てが凝縮されているので、動画貼っておきますね。</p><br /> <br /> <br /> <p><iframe src="//www.youtube.com/embed/IN_IJ7o2d4M" allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" width="420"></iframe><br><a href="http://www.youtube.com/watch?v=IN_IJ7o2d4M">アフガニスタンvs日本代表 ゴールハイライト Afghanistan Japan Goals - YouTube</a></p><br /> <br /> <p>これの香川の一点目です。動画だけだとわかりにくいので、図でこの時の攻めの流れを説明しますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910022222.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910022222j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910022222j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910022230.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910022230j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910022230j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910022235.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910022235j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910022235j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういう流れでした。ずーっと前に、うちのブログで「<a href="http://pal-9999.hatenablog.com/entry/20130123/p1">サッカーにおける代表的なコンビネーションプレーのお話</a>」って記事を書いて説明した事ですけれど、これは「カットインからのコンビネーション」で、サッカーの代表的なコンビネーションプレーの一種です。WGを使ったサッカーのもっとも代表的なプレーでして、サイドに張ってるWGを使って、相手のSBとCBの間にスペースを作り、そのスペースにトップ下かボランチを走り込ませる事で、相手チームのボランチを最終ラインに吸収させ、空いたスペースにWGがカットインしていくって形になります。</p><br /> <p>この日、アフガニスタン相手に日本が延々とやっていたのが、この攻撃でして、前半5分にはすでにやってるんですけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910023721.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910023721j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910023721j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910023725.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910023725j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910023725j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうですね。</p><br /> <p>この日のハリルホジッチの序盤の戦術は、WGをサイドに開かせ、ピッチを広く使い、トップ下かボランチがSBとCBの間に走り込むって形です。これは先日、カンボジア戦のプレビューやった時にも話した事ですけれど、以前のドイツ代表が得意にしてた形です。この日の試合なんですが、これでいきなり点とれたのはホントに良かったです。相手が11人ドン引きの試合なので、早い時間帯で先制したかったのですけれど、理想的な時間に先制点が取れました。</p><br /> <p>この日の試合なんですが、山口蛍と原口がやたらと目立っていましたが、それはこーいう理由です。この後、前半33分にはCKからの流れでモリゲがゴールして二点目。上手くいくときは上手くいくもんです。CKからさっぱり点がとれなかったのに、あっさり点とれちゃいました。</p><br /> <p>ただ、あまりに上手くいってるモンだから、はっちゃけすぎたシーンもありました。前半35分ですけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910025543.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910025543j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910025543j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910025547.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910025547j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910025547j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910025551.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910025551j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910025551j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910025555.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910025555j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910025555j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910025602.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910025602j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910025602j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910025607.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910025607j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910025607j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910025612.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910025612j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910025612j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>このシーンなんですけど、香川と山口がSBとCBの間に走り込む事で、原口が中央にカットインするコースを作るのは良いんです。ただ、両SBが高い位置とったまま、ボランチまでゴール前に突っ込んでる為、「後ろも誰もINEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!」って状況が出来てます。この攻撃はクレージーです。当然、この後、カウンター食らいかけました。そういや、ハリルホジッチが、W杯における日本対コロンビアの試合見て、「(試合の最後)後ろに誰もいなかった。ああいう試合は二度と見たくない」とか仰っていましたが、まあ、日本代表のカミカゼ・アタックは風土病みたいなモンでして、「両SBが上がって両ボランチまでゴール前に走り込む万歳サッカー病」は岡田ジャパンでもザックジャパンでもハリルジャパンでも発症しました。代表監督がどうやっても完治しないので、諦めてください。</p><br /> <br /> <br /> <p>まあ、この試合は、アフガニスタンが11人ドン引きしており、前半は前にFWを一人も残してたなかったのでカウンター気にする必要はあんまりなかったんですけどね。正直、日本が両SB上げて、ボランチをガンガン攻め上がらせる攻撃やってきた時点で、アフガニスタンは前に一人FW残せよって思ってみてましたが、それでも11人ドン引きを続けてました。日本はカミカゼ・アタック大好きですが、アフガニスタンは塹壕戦が大好きなんでしょう、多分。</p><br /> <br /> <p>この試合なんですけど、左サイドの攻撃はホントに上手くいってました。でもって、サイド攻撃が上手くいってると、当然、中央も上手く使えるようになってました。前半13分には、一度、左サイドにボールを当てて、相手のSBを引っ張り出し、そのスペースに香川が走り込んでボランチを中央から動かし、空いた中央のスペースに降りてきた岡崎に楔を打ち込むって流れで攻撃出来てます。あれは非常に良い流れでした。</p><br /> <p>この日の前半は、ほぼ理想的な展開で終えることができてます。相手のチャンスは、日本がアホみたいに両SB上げ上げ、両ボランチがゴール前に殺到なんて馬鹿みたいな事やらかした時位で、バランス取って攻めてる時は、相手はほぼノーチャンスでした。</p><br /> <br /> <p>ただ、問題もあって、この日の右サイドなんですけど、本田が例の病気をこじらせてしまい、なんかよく分からない事になってました。この話は試合後半のキャプ使って説明しましょう。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対アフガニスタン、後半における問題</h4> <p><br /> この試合なんですが、後半で4点取ってるわけで、前半より点とれてたんだから、あんまりグチグチ言うのは良くねぇんですが、後半で「うーん・・・」というシーンがいくつか見られたので、本田がらみの右サイドの話をしときます。</p><br /> <br /> <p>シンガポール戦の後、レビューで「日本の右サイドの渋滞」の話をしましたけど、後半開始直後、またやらかしてまして、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910032959.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910032959j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910032959j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>このシーンなんですけど、長谷部と本田と岡崎がみんな同じスペース使おうとしてるんですわ。図でやると、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910033306.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910033306j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910033306j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなるんですけど、このシーンだと、相手のSHが酒井ゴリのマークにサイドにでてるので、ボランチとSHの間にギャップが出来てる訳です。そこに長谷部、岡崎、本田が殺到してるシーンで、3人が同じスペース使おうとしてどうするの?という話です。シンガポール戦で、それやっても何も起きないってわかったでしょ・・・・</p><br /> <p>さらに呆れたのは、この後の2:58のシーンで</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910033958.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910033958j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910033958j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910034005.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910034005j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910034005j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910034252.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910034252j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910034252j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>思わず安西先生登場。</p><br /> <p>この日の試合、右サイドが昨日不全だったんですけども、結局の話、本田が中に入るべき所とサイドに張るべき所の使い分けがビタイチできてねぇんです。本田がやりたいプレーってのは、岡崎の5点目の時みたいなプレーで、ボランチとSHの間のギャップでボール受けてターンして、CFかトップ下とのパス交換から一気にゴール前へって感じなんでしょうけど、ほとんど常時中に入って来ちゃってて、SBとCBの間に長谷部や香川が走り込むスペースがないんですね。ちょっと本田がやりたい事と、香川・長谷部がやりたい事、岡崎がやって欲しい事を図でやりますけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910040306.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910040306j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910040306j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは中にはいってきてる本田がやりたい事で、あそこの白で囲ったスペースでボール受けてターンしたい訳です。あそこでターンして違いを作るってのはレフティの仕事といって良いです。</p><br /> <p>一方で、他の連中が本田にやって欲しい事は、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910040407.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910040407j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910040407j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910040413.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910040413j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910040413j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こっちなんですよね。右サイドではイメージの齟齬が起きてるんです。</p><br /> <br /> <p>この試合の後半なんですけど、途中から原口を右SBにいれてるんですが(このチームにおける原口の便利屋のごとき扱いには涙が出そうですが)、本田の中に入りたがる病がそこからさらにひどくなり、最終的には本田をトップ下にして、両サイドを宇佐美と武藤にするってトコにハリルホジッチは落ち着いてました。</p><br /> <br /> <p>この辺り、ハリルホジッチの考え方が、ちょっとよくわからないのですけど、就任当初から本田が中に入ってくるのを放置してるんです。一方で、香川とか長谷部に、右サイドのSBとCBの間に走り込む動きをさせてる訳で、右サイドのビルドアップがチームとして混乱してんですよね。明らかに。</p><br /> <br /> <br /> <p>この試合の後半は4点取れてるわけで、あんまグダグダ言ってもしゃーない事なんですが、右サイドのアレははっきりいって感心しません。早い所、何とかしてほしいです。</p><br /> <p>ちょっと言わせて貰うと、本田がどうしても中に入るのやめられないっていうなら、日本代表は攻撃時に、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150910/20150910041849.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150910041849j:plain" title="f:id:pal-9999:20150910041849j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういうポジションチェンジやったほうがいいです。これ、ドルトムントがやってるやり方ですけどね。これなら、本田が中にはいってきても問題ありません。ただ、今回の試合みたいに、ボランチやトップ下のSBとCBの間への走り込みをメインにした攻撃するなら、本田、サイドにきちんと張ってなさいって話です。じゃないと右サイドで組み立てできないので。</p><br /> <p>ちなみにですが、どういうやり方しても、これらのサッカーはカウンターに弱いです。前がかりになりやすい布陣なので、カウンター一発で失点しかねません。</p><br /> <p>今日はこのあたりで。ではでは。</p> </div> Thu, 10 Sep 2015 04:34:43 +0900 hatenablog://entry/6653458415120782693 書評「Jリーグ再建計画」とJリーグの経営の今について https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/09/08/050619 <p>本日は割と堅い話になるが、Jリーグのチームの経営については扱いたいと思う。</p><br /> <p>これについては、先日読了した、</p><br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532262372/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/519Kelb9X-L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="Jリーグ再建計画 (日経プレミアシリーズ)" title="Jリーグ再建計画 (日経プレミアシリーズ)"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532262372/fifthedition-22/">Jリーグ再建計画 (日経プレミアシリーズ)</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 大東和美,村井満,秋元大輔</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 日本経済新聞出版社</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/05/09</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 新書</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4532262372/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (6件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <p>の書評もかねて行いたいと思う。</p><br /> <p>実は、Jリーグの経営の話については、先日、</p><br /> <p><a href="http://www.jleague.jp/aboutj/management/club-h26kaiji.html">Jクラブ個別経営情報開示資料(平成26年度)</a></p><br /> <p>で、J1のクラブの経営情報が開示され、2014年のJクラブの経営状態が明らかになった。</p><br /> <p>結論からいっちまうと、幾つかのチームは色々ヤバイ。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>「Jリーグ再建計画」について</h4> <p><br /> まず、本の話からになるけど、先に紹介した「Jリーグ再建計画」については、サッカーライターの秋元大輔さんが、大東和美前チェアマン、村井満チェアマンなどといったJリーグの要人にインタビューして書かれた本となっている。内容としては、「何故2ステージ制を採用しなければならなかたのか?」という話や、「現在のJリーグの窮状」についての話などがメインになっている。</p><br /> <p>この本でも扱われているけれど、2ステージ制への移行をせねばならなかった理由として、「2014年からJリーグ本体に最大13億円の減収予測がたった」というものがある。これは主に放映権料の減額を提示された事が原因だったと言われる。この本にもあるが、もともとJリーグは地上波では視聴率が3~4%しか取れず、スカパーのJリーグ部門も赤字みたいなんで、放映権料ビジネスという点で、Jリーグは全く採算が取れない状態に陥っていた。</p><br /> <p>一方で、野球の夏の甲子園もそうだが、一発勝負のトーナメントはプロ野球の視聴率が全然取れない時代においても、相変わらず視聴率が良い。具体的には決勝になると視聴率が20%くらい取れる。</p><br /> <p>そして、これはサッカーもそうなんだが、高校サッカー選手権の決勝のほうがよっぽど数字が取れるというのが現状だったりする。去年、高校サッカー選手権決勝「富山第一×星稜」が、富山県内で瞬間最高視聴率62.6%を記録したそうだが、トーナメント形式の一発勝負を一般人は好むみたいな所があったりするのだ。</p><br /> <p>なので、Jリーグ上層部と、メディア関係者が「プレーオフやってほしい」と願うのも、しょうがない部分があると思っている。サッカーファンとしては、一発勝負のプレーオフでリーグ戦の王者を決めるなど、とてもじゃないが納得は出来ない。サッカーってのは運の要素が強いスポーツであり、一発勝負では、何が起きるかなんて予測がつかないからだ。リーグ戦38試合もやれば、かなり実力が順位に反映されるが、一発勝負のトーナメントってのは、実力が順位に反映されるとは言い難い。だから、僕も、プレーオフで年間王者を決めるというのは納得しがたい部分がある。<b>だが、リーグ戦では優勝がかかった試合ですら視聴率が取れない</b>以上、視聴率とれそうなプレーオフやらないと、ダメなんかなとは思う。(プレーオフですら視聴率とれなかったら、本格的にJリーグやばい)</p><br /> <br /> <p>さて、Jリーグ本体の年間予算は120億で、配分金はJ1は年間2億~2億5000万、J2は一億となっている。この本でも扱われているが、13億円の減収が生じた場合、減額幅はJ1の1クラブあたり4000万、J2の場合2000万と試算された。</p><br /> <p>この状態で、2014年のJリーグ経営情報開示と照らしあわせてみよう。</p><br /> <p><a href="http://www.jleague.jp/aboutj/management/club-h26kaiji.html">Jクラブ個別経営情報開示資料(平成26年度)</a></p><br /> <p>こちらになるが、明らかにヤバイクラブがある。プロサッカークラブは企業であり、当たり前だが、「借金返せないとデフォルトする」存在である。この観点からいうと、2014年の柏、横浜FC、福岡なんかは、ちょっと危ない。2013年に福岡の経営危機が表面化したけれど、2014年の財務状態を見る限り、<b>福岡は流動資産(現金なんか)が1億3700万円にたいして、流動負債(一年以内に返さないといけない借金)が2億6800万円となっており、この状態で2000万円の減益が発生すると、資金ショート起こしかねない状態だった。</b>福岡は依然として危機的な状態にある事は変わっていない。J2のクラブで、持ってる現金にたいして、短期の借金が大きいクラブってのが、去年の横浜FC、福岡なんかで、こーいうクラブは配分金減額されると資金ショートおこしかねない。J2は特に深刻なのだ。</p><br /> <br /> <br /> <p>ただ、J1でもやばいクラブってのはある。一番は柏さんで、<b>光り輝く流動負債10億4100万円</b>。一方で、流動資産は2億2900万円となっており、親会社から資金補填してもらわないとこれ無理じゃね?という状況にある。親会社がいなかったら、柏さんは2014年に選手とスタジアムを売り払わないと無理になってただろう。はっきり申し上げておくけれど、柏さんの財務状態は悪い。もの凄く悪い。入場料収入もグッズ収入も細い。そしてスタジアムは拡張が難しいので入場料収入を伸ばすのは難しい。さらに、チーム人件費が営業収入の6割をこえており、サッカークラブの適正水準と言われる5割を大きく上回っている。この赤字を広告収入という形で親に補填してもらってる格好だ。親が元気だからいいけれど、親が倒れたら、間違いなく柏さんトコは潰れる。そういう風に出来ている。</p><br /> <br /> <br /> <p>次に、やばいというか、もうどうやってやりくりしてんだかよくわからないのが神戸である。神戸も親がミッキーなんで、すぐにつぶれたりはしないのだが、毎年のように赤字をだす万年赤字クラブだった。ちなみに、神戸の数字の中で面白いのは、神戸が赤字をだすと、固定負債がその分増えるという構造である。ま、ミッキーだしね。ただ、クラブライセンス制度の問題で、2014年は流石に赤字をだす事は出来なくなった(3年連続赤字だとクラブライセンスがもらえない)。で、神戸は何したかっていうと、<b>光り輝く特別利益22億5000万円計上である</b>。これによって、神戸の固定負債は2013年の19億9100万円→2014年3億1800万円へと圧縮されたのでした。めでたしめでたし。親がミッキーじゃなかったら、ここもとっくの昔に死んでるクラブである。ミッキーについては、現場に口だすって事で嫌ってるサポもいるみたいだけれど、ミッキーいなかったら、とっくの昔にぶっつぶれているクラブなんで、まあ、大目にみてあげたほうがいいじゃないですかな、と。<b>ミッキーがいなかったら2014年で神戸は潰れてましたyo。</b></p><br /> <br /> <br /> <p>もうひとつ、横浜FMについても扱っておく。「Jリーグ再建計画」では横浜FMの話に、かなりのページが割かれている。この本でのマリノスの嘉悦朗のインタビューはなかなか面白くて、僕は興味深く読ませて頂いた。なかなかのやり手だなあ、というのが僕の印象である。実際に、2010年に嘉悦さんが社長に就任してから、マリノスは入場者数を順調に伸ばしており、入場料収入も伸びている。これは、嘉悦社長が就任してから、地道に取り組んできた成果であり、評価できる。また、就任直後から、マリノスの改革のために、「マリノスは実は赤字です。親の補填をうけないと成り立たないクラブなんです。」って事を内外に公表したこともプラスだった。これによって、クラブ内部で「このままじゃダメなんだ」っていうコンセンサスが出来、改革のための意思統一ができたからだ。ただ、一方で、赤字体質の改善は上手くいっていない部分がある。マリノスは2010~2012までは赤字のままで、流動負債がどんどん膨らんでいった。2012年には、マリノスの流動負債は20億1700万円まで膨らんでおり、一方で流動資産は4億8000万円。ここも、いつ突然死してもおかしくない状況となってしまった。手持ちの現金4億に対して、一年以内に返さないといけない借金20億は多すぎる。フツーの中小企業なら資金ショートでぶっつぶれてもおかしくない。マリノスが2013年に10億の特別利益を計上したのは、クラブライセンス制度の問題もあるが、財務構造上、非常に悪い状態になっていたという背景があった。マリノスは2014年の広告収入が20億5900万円となっており、2013年度の15億1300万円より5億以上多くなっているのだけれど、これも親からの補填と見るのが無難だろう。嘉悦社長は、就任以降で、マリノスの営業収入を10億近く増やすことに成功したやり手だが、借金経営、そして親からの補填を受けての2014年の営業収入45億という形である。まあ、それを内外に隠すことなく発表してくれたおかげで、Jリーグのサッカークラブの実情ってが白日の目に晒されたのだけれど。</p><br /> <br /> <p>最後に湘南の話もしておこう。湘南ベルマーレというチームを「Jリーグ経営情報開示」で見ていくと、「ファッ!?」となる部分がある。<b>どこが変かというと、アカデミー運営経費がゼロなのだ。</b>なんで、アカデミー運営経費がゼロかっつーと、ここにはちょっとしたカラクリが存在していて、湘南は、アカデミーを本体から切り離しており、「NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブ」として運営しているんだ。なんでNPO法人にしてるかってーと、NPO法人なら、TOTOの助成を受けられるんだな。プロサッカークラブ直属のアカデミーだとTOTOの助成がおりないんだけれど、こうすればTOTOの助成がおりるって訳。そんな理由で、ベルマーレのアカデミー運営経費がゼロな訳さ。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>Jリーグの理念、「脱企業スポーツ」</h4> <p><br /> 今回の話の〆としては、この話になるのだけれど、Jリーグは発足当時から、「脱企業スポーツ」を理念として掲げてきた。ただ、現実的には、Jリーグの創生期に参加したクラブの多くは親会社をもっていた「企業型スポーツクラブ」であり、「市民クラブ」ってのは、その後に参入していったクラブとなっている。</p><br /> <br /> <p>いわゆる親会社がバックについているチームはJ1に多く、親がいない市民クラブタイプは、大概J2ってのが現状だ。市民クラブの予算は5~10億がせいぜいで、J1を戦うような戦力を揃えることは出来ない。出来たとしても、毎年のようにふくれあがるチーム人件費という問題に直面することになる、つまり今のサガン鳥栖だ。鳥栖さんは、営業収入18億にたいして、チーム人件費11億となており、人件費が60%を超えてしまっている。サッカーにおける選手人件費の適正水準は50%以下とされているから、鳥栖さんは非常に危険なゲームをしている事になる。実際、ここ2年赤字なのだ。クラブライセンス制度の問題から、来年は赤字を出せない。</p><br /> <br /> <p>結局の所、市民クラブのままだと、J1で戦うのは難しいし、戦い続けるのはさらに難しい。現実的には、親がついてないと、という奴だ。脱企業スポーツというJリーグの理念は、達成されたのかというと、残念だが、強いクラブは親もってる企業型クラブである以上、理念と現実の間にギャップがあると言わざるをえない。</p><br /> <br /> <p>今回の話はJリーグのクラブ経営の難しさばかり強調してしまったが、期待がもてるクラブもある。「Jリーグ再生計画」の中でも触れられているが、川崎なんかは、割と期待がもてる。現状は入場料収入が細く、広告収入依存の典型的な親会社依存のクラブだけれど、等々力の改修が終わり、2020年までに3万5000人入るようになれば、川崎は浦和並に金のあるクラブになれるからだ。</p><br /> <p>ただ、やっぱり市民クラブは厳しい。ほとんとの市民クラブは良いスタジアムを持っていないので入場料収入には限界があり、広告収入は親がないので集めにくい。放映権料はTVでJ1ですら視聴率を取れないので頭打ちとなっており、ここから成り上がるのは非常に難しい状況なのだ。さらにクラブライセンス制度のせいで、赤字出せない状況なので、「身の丈経営」だとチームの強化なんてままならない状況となっている。</p><br /> <br /> <p><a href="http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150831-00010001-newspicks-socc&amp;p=2">湘南の叫び「Jリーグが規制緩和しないと市民クラブはしんどい」</a></p><br /> <br /> <p>こないだ、湘南の社長が色々と言っているけれど、「脱企業スポーツ」というJリーグの理念は大事な事なんだけれど、現行のルールだと、親がついてるクラブが有利すぎるってのがあるし、何とかならんもんですかね、とは思う。結局の所、クラブライセンス制度がある限り、赤字だしても親が補填してくれるチームが有利になっていく一方だ。湘南サポとしての妬み嫉みが入っているけれど、赤字だしても親が補填してくれるクラブと、赤字だしたらそのままクラブライセンス取りあげられちゃうクラブ、どっちが強くなるかなんて明白じゃないですか。</p><br /> <br /> <p>この話になると、「チーム名に企業名いれてもいいですか?」という話になるので、難しいのは分かっているのだけれど、そろそろ、ちょっと考えてくれてもいいんじゃねぇかなと。</p><br /> <p>ま、今日はそんな話なんでしたとさ。</p> </div> Tue, 08 Sep 2015 05:06:19 +0900 hatenablog://entry/6653458415120549152 2015 ロシアワールドカップ二次予選 「日本対カンボジア」のレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/09/04/225738 <p>さて皆さん、こんにちは。本日は先日行われた2015年ロシアワールドカップ二次予選「日本対カンボジア」でお送り致します。</p><br /> <br /> <p>今回の試合なんですが、先日にプレビューやった時に言及しましたが、最初の見所が「カンボジアがスカウティングの予想通りの入り方をしてくれるかどうか?」でした。具体的には、相手が5311で試合してくれるかどうかにかかってました。結果はどうだったかというと、カンボジアは日本が想定していた通りの布陣できてくれました。つまり、5311でした。日本のフォメも、前日にメディアにすっぱ抜かれたのと全く同じ。4231でしたんで、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902011143.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902011143j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902011143j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなってました。</p><br /> <p>これ、プレビューで書いたことですが、4231と5311がやりあった場合、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223122.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223122j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223122j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>この白で○で囲ったスペースが問題になります。あそこはデフォで空いてます。このサイドがデフォで空いてる問題は、日本代表の選手も事前に知らされていたらしく、モリゲが<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>森重真人(FC東京)</p><p>「集中力が一番大切な試合」</p><p> ビルドアップのところが今回の試合はできると思うし、サイドのスペースが空くので、サイドからどういう形で中にうまく入り込んでいくのか。そういった形を今回の合宿で練習していましたし、最初から中、中ではなくて、引いてくる相手に対してサイドから始めて、うまく中を使いながらというのができると思う。基本的にはサイドや相手の裏というのを狙っていくと思います。</p><br /> <br /> <p><a href="http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201509020010-spnavi">長谷部誠「しっかり勝ち点3を取る」 カンボジア戦前日 選手コメント</a></p> </blockquote> <p></p><p>こんな事を前日に言ってるんですね。モリゲらしいというか、メディアにチームの基本戦術を喋ってくれてるわけで有り難い事この上ないですホントに。モリゲのコメント見る限り、サイドのスペース使った攻撃を練習してたらしいので、それメインになるだろうなあとは思っていた訳なんですけどね。</p><br /> <p>(ちょっと心配なのは、CBがこんなにチーム戦術をべらべら喋っていいのだろうか・・・って事位です。)</p><br /> <br /> <p>まあ、それはチームの問題なんで、本題に入りましょう、今回の試合のレビューを開始します。今回はホントにレビューやるのは楽な試合で助かります。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対カンボジア、前半のレビュー</h4> <p></p><p>さて、この試合の場合、カンボジアは日本のスカウティング通り、5311で入ってきてくれました。日本はいつも通りの4231。さて、この試合で最初に見られたカンボジアの守備方法ですが、</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904203811.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904203811j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904203811j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こーなってました。プレビューでも扱いましたけど、これはほぼ予想通りの動き方です。図にすると、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904204330.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904204330j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904204330j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなるんですけど、ここで大事なのはカンボジアのトップ下が日本のボランチを必ず捕まえる事。インサイドハーフはSBのマークに出るし、中央のアンカーはトップ下をマークしとく必要があるので、トップ下が必ずボランチ捕まえないといけない。とまあ、このシーンはカンボジアに問題ねぇんです。</p><br /> <br /> <p>ただ、問題はここからで。</p><br /> <p>これね、前半3分あたりから、主にカンボジアの左WBがおかしな事はじめるんですけど(左WBの16番は前半で交代させられちゃうんですが)</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904205512.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904205512j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904205512j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904205515.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904205515j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904205515j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904205517.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904205517j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904205517j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904205520.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904205520j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904205520j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>ここでのカンボジアの守備陣の動きは特に間違って無くて、本田がDFを背負う状況でボール受けざるを得ない状況に追い込んでます。これ、DFにとっては非常に対処しやすい状態で、「ボールも人も視界にいれた状態」で、「相手はゴールを背にしてボールを受けてる」訳で、DFが圧倒的に有利な状態なんです。ところが、ここでカンボジアのインサイドハーフ(以下、IH)とWBは本田がターンして前にパス出せる状態にしちゃうんです。</p><br /> <p>これは絶対にやってはいけない守備で、途中まではカンボジア有利だった状況が、本田をターンさせちゃったことで、カンボジア超不利って状況に変わっちゃったんです。この後、酒井はサイドを抉ってクロス。得点はできませんでしたけど、抉ってクロスで終われたんで、日本にとってはグッドな攻撃でした。</p><br /> <br /> <p>この日の前半に目立ったのは、日本の右サイドで、本田がちょっと引いてくれば、簡単にボールうけて前むけるんで、もうひたすら右サイド攻めてれば良いみたいな状態でした。これ、プレビューでも言いましたが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902224403.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902224403j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902224403j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>あの位置でWGがボール受けて前向けたら、あとはWGが好きにやれば良いだけなんです。具体的には、</p><br /> <br /> <p>1,SBのオーバーラップ使う<br /> 2、トップ下とのワンツー<br /> 3、カットインしてミドル、あるいはファーへのクロス<br /> 4、縦突破クロス<br /> 5、中央に斜めにパスいれてCFとトップ下がスルーをつかったコンビネーション</p><br /> <p>って選択肢のうち、WGが好きな事をやれば良い。</p><br /> <br /> <p>普通、あそこで簡単に前向かれてしまうと、上記のような攻撃を雨あられとやられる事になる為、簡単にWGに前向かせたりはしないんですけど、この試合の前半の場合、カンボジアの16番のWBのマークが異常に緩くて、これ、確認した限りだと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211048.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211048j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211048j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211051.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211051j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211051j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211054.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211054j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211054j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211101.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211101j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211101j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211105.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211105j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211105j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211108.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211108j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211108j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>もう、延々とこのリプレーなんですが、日本が先制するまで、同じパターンでやられてんですよね、カンボジア。この試合に関して言えば、サイドのスペースガラ空きな上に、本田がちょっと引いてくれば、簡単にボール受けて前むけるので、サイドの本田にボール出して、あとは本田が好きにやればいいって試合でした。で、26分に本田のミドルで日本が先制。</p><br /> <br /> <p>試合のプレビューで「5311ならスペースあるからやりやすい、541だと面倒」って話しましたけど、なんできついかってーと、図で説明しますけど</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211702.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211702j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211702j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなるんですが、541だと本田が引いてきてボールうけるスペースがまず無いんです。サイドに一人選手いますからね。それに、サイドにボール出しても、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904211841.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904211841j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904211841j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こんな感じで対応されるので、サイドで守備側が数的有利作れるんですわ。CFがボランチ捕まてくれる事が条件ですけど、これやられると本当に面倒くさくなる。正直な話、前半は「なんで541にでドン引きしないんだろ?」と不思議でした。</p><br /> <br /> <p>この日の前半ですけど、問題があったとすれば、</p><br /> <p>1,武藤が左サイドでもっとやれただろって所<br /> 2,香川が二回も決定機外した所。29分と41分の奴<br /> 3、岡崎に楔いれるの少なすぎ</p><br /> <p>って感じでした。この日、左サイドの武藤については、もうちょっとやってくれないと困る試合でした。<b>ちょっと引いてくればフリーで前むけるというWGにとっては夢のような試合</b>だったわけで、この試合の前半の武藤には不満があります。香川については言わずもがな。あの決定機を二回も外すのはありえない。岡崎への楔については、キャプでちょっと説明しときますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904214838.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904214838j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904214838j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904214842.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904214842j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904214842j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904214846.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904214846j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904214846j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904214849.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904214849j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904214849j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904214852.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904214852j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904214852j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーいうシーンだったんですが、この試合、カンボジアのアンカーはわりと香川にぴったりついてました。アンカーがトップ下にぴったりとついてるなら、トップ下の動きでアンカー動かして、CFに楔いれてきゃ良い訳です。ところが、この日、岡崎になかなか楔入らなくて、イラッと来るシーン多かったです。岡崎はボール要求してるんだけど、ボールでてこねぇんですね。山口と長谷部のダブルボランチなんでしょうがないのかもしれませんけども。</p><br /> <br /> <p>とまあ、前半の感想はそんな所です。前半44分にカンボジアは16番を懲罰交代。守備が軽すぎましたし、当然です。これ、そもそも論なんですが、16番の選手、FW登録なんですよ。代わりに入った18番はDF登録。なんでFW登録の選手を本田とマッチアップさせてたの?と、普通に聞いてみたい。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対カンボジア、後半のレビュー</h4> <p></p><p>さて、こっからは後半です。前半と後半で、何が違ったかというと、カンボジアの左サイドにD登録の選手Fが入ったって所です。新しく入った18番の選手は、本田をわりとタイトにマークしてたので、本田が前半みたいに簡単に前むけるって事は無くなりました。</p><br /> <br /> <p>でもって、後半4分に吉田のミドルで日本は二点目。あれはビックリしました。</p><br /> <p>この後、後半8分あたりで、香川と武藤が位置を入れ替えてます。本田のいる右サイドはマークがタイトになってたんで、左サイドで起点作りたかったんでしょう。後半8分以降は、前半の右サイドのリプレー状態で、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904221105.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904221105j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904221105j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904221108.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904221108j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904221108j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150904/20150904221111.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150904221111j:plain" title="f:id:pal-9999:20150904221111j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんな感じで、香川が簡単に前向けるんで、あそこから攻めてりゃいいだけでした。中央の場合、アンカーとCBにタイトにマークされて中々前向かせてもらないですけど、あそこだと、ホント簡単に前向けるんです。この後、15分に香川がごっつぁんゴール決めて3点目。この日は香川が二回トーレスしてたんで、3回目やったらピクシーばりに「次やったらコロヌ」状態だったんですが、3回目が来なくてよかったです。いやホントに。</p><br /> <br /> <p>この日の試合なんですけど、試合中、延々と「宇佐美と原口いれろーー」ってtwitterで喚いていたんですけど、なんで原口と宇佐美かっていうと、この日の試合は、サイドでWGが前向き放題だったからです。この日のカンボジアなんですが、中央は凄くタイトにマークするしスペースも無い反面、サイドのスペースは放置、WBのマークがゆるゆるって試合だったので、WGにとってのパラダイスみたいな状況がサイドに出来てました。試合中、宇佐美と原口の映像が出たとき、「試合でたくてしょうがないだろうなあ」と思って眺めてましたが、あんだけサイドにスペースあるなら、のっけから原口と宇佐美でも良かった位なんです、いやマジで。二人とも、この試合ではチャンスをそれぞれ貰えた訳ですけど、この試合なら最初からも良かったかなと。</p><br /> <br /> <p>この日のハリルホジッチなんですけど、交代策も妥当でしたし、戦術面でも上手くいってました。香川と武藤の位置を取り替えたのもいい判断でしたし、僕の中でハリルホジッチの株が上がった試合でしとさ。</p><br /> <p>3点じゃ物足りないって論調もありますが、香川が二回トーレスしてなきゃ、5点とって終わってた訳ですよ。なんで、3点しか取れなかったのは選手の最後の部分としか。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>そろそろまとめに入りますが・・・</h4> <p><br /> この試合の後半はあまり書くことがありませんので、そろそろまとめにはいります。</p><br /> <br /> <p>この日の試合なんですけど、率直に言って、勝てて良かったです。いや、本当に。ここで負けたりしたら、ハリルホジッチの進退問題に発展しかねない試合だった為です。流石にここで監督交代は不味い。二次予選の真っ最中ですから。</p><br /> <br /> <p>この試合に関してはプレビューやってしまった分、書くことが少ない試合です。長谷部が「ダイレクトプレーが少なかった」って反省してましたけど、岡崎にもうちょい楔入れる事を意識して欲しいってんは有ります。岡崎が要求してるのに出てこないシーンを結構みかけたんで。もっとも、サイドに開けばWGが簡単に前むける試合だったので、サイドサイドになっちゃうのはしょうがないのですけれども。</p><br /> <p>ダイレクトプレーする必要があるのは、WGがタイトにマークされて、サイドでなかなか前向けない時ですけど、この日の場合、サイドで簡単にWGが前向けてた訳で、WGが前むいて好きにやればよいだけの試合だった事もあり、あんまし、ボランチを攻める気はないんですけどね。結局、この試合のまとめは、「<b>WGがサイドで簡単に前向けるなら、WGが好きにやれ、以上</b>」で終わってしまうので、書くことがホントにないんです。サイドはマークがタイトでWGがなかなか前向けない、中央もしっかり固められてる、みたいな試合の場合、工夫が必要になってくるんですけど、この試合の場合は、そうじゃなかったので。</p><br /> <br /> <br /> <p>次はアフガニスタン戦なんですけど、またハリルホジッチがドジッ子やって、風のいたずらで、日本のスタメンとアフガニスタンのフォメが流出したら、プレビューやります。流石にないでしょうけど。</p><br /> <br /> <p>今日はこのあたりで。それでは。</p> </div> Fri, 04 Sep 2015 22:57:38 +0900 hatenablog://entry/6653458415120158234 2015ロシアワールドカップ二次予選 日本対カンボジアのプレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/09/02/233356 <p>みなさん、こんにちは。本当は今日はJリーグの話でもしようかと思ってたんだけど(いい加減、J1も佳境なので盛り上げていかないといけない)、ハリルホジッチがドジッ子かまして、</p><br /> <br /> <p><a href="http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20150901/345974.html">カンボジア戦のスタメンと戦術が漏洩…ハリル、急いで隠すも間に合わず</a></p><br /> <br /> <br /> <p>こんな感じで、3日のカンボジア戦のスタメンと戦術を漏洩して下さったので、本日はプレビューやっとこうと思う。風で戦術ボードがめくれて、試合のスタメン漏洩とか、どんだけ不用意なんだと思うけど、ハリルホジッチは体脂肪ネタの時にも前科があるので、あれはあれでワザとやってるのかもしれない。</p><br /> <br /> <p>ちなみに、スタメンのほうなんだけど、<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>その戦術ボードからカンボジア戦のスタメンと見られるメンバーが判明した。それによるとGKは西川周作(浦和レッズ)、最終ラインは右から酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ)、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、森重真人(FC東京)、長友佑都(インテル/イタリア)、ダブルボランチは山口蛍(セレッソ大阪)と長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)、トップ下に香川真司(ドルトムント/ドイツ)、ウイングは右が本田圭佑(ミラン/イタリア)、左が武藤嘉紀(マインツ/ドイツ)で、1トップに岡崎慎司(レスター/イングランド)。対するカンボジア代表はメンバー発表会見でハリルホジッチ監督が口にしていたように5バックで、中盤は3ボランチ+トップ下に1トップを配した布陣を想定している模様で、人やボールの動きを想起させる矢印も記入されていた。これがカンボジア戦の狙いということなのだろう。</p> </blockquote> <p></p><p>こーなっているので、図にすると</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902011143.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902011143j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902011143j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなる。ポイントとしては、やはりボランチだ。山口蛍と長谷部のダブルボランチ。どちらもゲームメーカータイプではない。攻撃に関しては、前へ走り込む、追い越す動きに特徴のある選手なので、中盤でボールを動かす気はあまり無いようだ(長谷部も山口もアシストは多くない)。これまでの試合もそうだったけど、中盤でボール動かしてたのは、山口がサイドチェンジ連発してた中国戦くらいなんで、ポゼッションにはそんなに拘ってるスタメンに見えない。</p><br /> <p>正直いって、カンボジア相手なら、ボランチには柴崎使いなよ、と思う。山口か長谷部、どっちか片方でよくて、もう一人はもっと捌ける選手つかないよと思う訳だ。</p><br /> <br /> <br /> <p>もっともスタメン選考は代表監督の特権だし、それについてグダグダいってもしょうがないので、プレビューに移ろう・・・・とその前に、前回のシンガポール戦の時にでた問題と、本来やるべきだった攻撃の話をしておく。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>前回のシンガポール戦で出た問題と、本来やるべきだった攻撃の話</h4> <p><br /> まず、この話から。シンガポール戦はレビューやったので、</p><br /> <p><a href="http://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/06/19/032652">2015ロシアワールドカップ二次予選、日本対シンガポールのレビュー</a></p><br /> <br /> <p>こっちのエントリにまとめてあるけど、あの試合の場合、</p><br /> <p>1,右サイドで大渋滞が起こっている<br /> 2、左サイドで縦パスが入らない</p><br /> <p>って問題が起きていた。この話は以前のエントリでまとめたので、今回は詳しくは触れない。今回のエントリでは、前回のような試合では、どういう攻撃をすべきだったかという話をしておく。</p><br /> <br /> <p>前回、シンガポールが日本にやった守備方法というのは、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618010909.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618010909j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618010909j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなるのだけれど、サイドではシンガポールのSBとSHがマンツーマン気味に日本のWGとSBを捕まえる。中央はボランチ3枚がスペースを消すのを優先し、中央の岡崎に楔がはいらないように守っていた。その代償として、日本のボランチがシンガポール陣内でフリーでボールを捌けるという状態になった。</p><br /> <br /> <p>相手がこういう守り方をしている場合、どういう風に攻めれば良いのかって話になるんだけど、これ、実は簡単で、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902222049.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902222049j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902222049j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こんだけやってればよかった。「え、これだけ?」と思われるかもしれないけど、こんだけ。このやり方なんだけど、レーブのドイツ代表が好むやり方だ。ドイツ代表はWGとSBを目一杯サイドに張らせる。狙いとしては、相手チームを横に広げることで、SBとCBの間、SHとボランチの間のギャップを作り、そこをボランチ、トップ下に使わせるっていうもの。ドイツ代表を見ているとケディラがやたらとSBとCBの間に走り込んでくるのを見かけると思うんだけど、あれはチーム戦術として必須の動きで、サイドにWGとSB張らせるチームの場合、SBとCBの間のギャップに走り込む動きをボランチが担うことが大事になってくるんだ。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>実は、これ、試合中、1度上手く行ったことがある。キャプでやると、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902222839.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902222839j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902222839j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>シンガポール戦の前半11分、この状態ができた。この時は、攻守の切り替えの場面からのスタートだったんだけど、本田がサイドに張ってる状態だったので、シンガポールのSBとCBの間にギャップが出来ていた。で、そのスペースを香川が使ってシュート打ったシーン。</p><br /> <p>シンガポール戦の場合、アンカーはスペース潰すのを優先し、香川にマンツー気味にはついていなかった。この場合、ボールを左右に動かしてSBとCBの間にギャップを作り、そのスペースをトップ下に使わせてしまえば良いだけなんだ。あそこに走り込んでもシンガポールのアンカーはついてこないので、本来であればトップ下はあそこのスペース使ってやりたい放題できる。</p><br /> <br /> <p>ところが、あの試合の場合、それは出来なかった。理由は、右サイドの場合、本田が常時中に入ってきていたので、SBとCBの間にスペースがなかった事。左サイドの場合、SBとCBの間にギャップが出来ていて、香川が走り込んでいるんだけれど、ボールが出てこなかった事。この二つだ。</p><br /> <br /> <p>あの試合の場合、根本的に攻撃の順番を間違っていた。本田は相手のアンカーが香川についてきてない時点で、サイドに張ってるべきだった。そして、SBとCBの間にスペースを作り、そこを香川、あるいは走り込むボランチに使わせるべきだった。この動きを続ければ、そのうち、アンカーが香川にマンツー気味でつきだす。そうなったら、香川の動きでアンカー動かして、空いたスペースを使うために中に入ってもいいんだ。ところが、それが起きてないのに本田は中に入りっぱなしだった為、右サイドでの大渋滞が引きおこされてしまった訳だ。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>ここからがカンボジア戦のプレビューになるんだけど。</h4> <p></p><p>さて、こっからは3日のカンボジア戦のプレビューになる。スタメンとカンボジアのフォメは、ハリルホジッチがドジッ子してくれたので、すでにわかってるわけだ。日本は4231、カンボジアは5311だ。基本的に、5311ってのは、守備面で問題があるフォメであり、デフォで3の両脇が空いており、日本のSBが浮いてしまう。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223122.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223122j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223122j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうだな。なので、あの○で囲ったスペースを上手く使う事、浮いてるSBを使った攻撃が大事になってくる。</p><br /> <p>ただし、単純にSBの足下にボールが出しても、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223150.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223150j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223150j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形での対応されて終わる。インサイドハーフがサイドに出てSBに対応。ボランチのマークはトップ下に受け渡し、CFがCBのマークについて作り直しをするのを防ぐという形だ。</p><br /> <br /> <p>勿論、532でドン引きしてくる可能性もある。つまり、噛み合わせとしては、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902020229.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902020229j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902020229j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなる。デフォだと、これ、やっぱり日本のSBが浮いてるんだけど、SBにボールが出たら、</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902020454.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902020454j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902020454j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形で対応してくる可能性が高い。中盤3枚のスライドでSBには対応。日本のCBは放置でボランチを2トップに捕まえさせて、ボランチ経由のビルドアップを封じる。CBに戻してビルドアップをやり直させるのはオッケーくらいの形だな。</p><br /> <br /> <p>さて、こういったフォメの相手と対戦する場合、どうやって攻めたら良いの?って話になるんだけど、この手のフォメに対する定石としては、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223601.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223601j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223601j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><br /> <span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223904.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223904j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223904j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><br /> <span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902224140.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902224140j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902224140j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この三つになる。</p><br /> <p>繰り返しになるが、デフォだとSBが浮いてるんだけどSBの足下にボール出すと、ほぼ確実に相手のプレスに捕まるって所だ。なので、単純にSBにボールつけるのは悪手。これやっちゃうと、相手の思うつぼになる。</p><br /> <br /> <p>戦術については、順をおって説明すると、5311の泣き所は3の両脇で、あそこがデフォで空いている。なので、あそこで起点を作りたいのだけれど、SBに単純にボールつけても、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223150.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223150j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223150j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんな感じで相手のプレスに捕まって詰まる。だから、基本は降り来てたWGを利用する。3の両脇のところにWGを下ろす。ここでフリーでボールうけて前むけるなら、</p><p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902224403.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902224403j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902224403j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>あとはあそこからWGが好きにやればいい。</p><br /> <br /> <p>ただ、普通はWBが出てくる。そうしたら</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223601.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223601j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223601j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形でWBの裏にSBを走り込ませ、トップ下はフリックでSBにボールをあわせるって形を取る。もしくは、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902224616.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902224616j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902224616j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形でWGがフリックしてトップ下をWBの裏に走り込ませる形でもよい。</p><br /> <br /> <br /> <p>これが2~3回成功すると、相手のCBかアンカーがトップ下にぴったりマークにつくようになる。CBがトップ下についてくる場合、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902223904.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902223904j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902223904j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>この形を狙う。相手のCBがトップ下やCFにぴったりついてくる事を利用して、相手の3バックを中央に寄せて、サイド深くへのパスコースを作り出す。その上で、そこにSBとボールを送りこむって形だ。あるいは、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902224140.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902224140j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902224140j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形でもよい。これは相手のCBがトップ下やCFにぴったりついてくる事を利用して、相手の3バックの間隔を広げて、ボランチが走り込むスペースを作るってやり方になる。</p><br /> <br /> <p>ちなみに、アンカーがトップ下にマンツーマンでついてくる場合、これは一番簡単で</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150902/20150902224938.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150902224938j:plain" title="f:id:pal-9999:20150902224938j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなる。トップ下の動きで相手のアンカーを動かして、空いた中央のスペースを岡崎に使わせる。つまり、岡崎に楔打ち込んで、本田が岡崎の落としを受けて、あとは本田が好きにやればいい。</p><br /> <br /> <p>ただし、これらのやり方は、相手が541で守ってくる場合には意味がなくなる。541相手だと、SBがオーバーラップしても相手がついてきて対応されてしまうので、SBのオーバーラップはさほど有効ではないし、中央がダブルボランチなので、かなり面倒な事になる。個人的には報道通り、カンボジアが5311なら、かなり嬉しい。スペースがあるからだ。一方で、541でドン引きされるとかなり面倒くさくなる。</p><br /> <br /> <p>ここで大事なのが、相手の出方だ。相手チームがどういう守り方をするのか、それで攻め方は当然変わってくる。今回のエントリで、シンガポール戦の話を絡めたのは、シンガポール戦の場合、相手のDFの動きをみて、攻撃方法を変えるって事が出来ていなかったからなんだ。本田は最初っから中に入りっぱなしでDFの守備方法に関わらず、常に中に入っていった。</p><br /> <p>当たり前の話なんだけど、WGが中に入ったほうが良い局面と外に張ってたほうが良い局面がある。その判断が本田は出来てなかった。</p><br /> <br /> <p>次の試合もそうなんだけど、5311相手の場合、相手のWBがどこまでWGについてくるか、インサイドハーフがSBについてくるのか、アンカーはトップ下についてくるのか、トップ下とCFが交錯する動きをした時に、CBはどう対応するのか、それによって攻め方は変えなきゃいけない。</p><br /> <br /> <br /> <p>前回のシンガポール戦なんだけど、前4人の動きがちぐはぐでチームとして動けてなかった。なので、カンボジア戦ではしっかりやって欲しい。きちんとチームとしてサッカーしてくれって事。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>とまあ、ここまで色々書いたけど、実はカンボジア相手なら、戦術云々でなく個人技でねじ伏せて欲しいってのもある。実力差がある相手とやるときは、戦術でなくて純粋な個人の能力差で押し切って欲しいし、「格下のこざかしい戦術なんぞ力でねじ伏せろ」という脳筋思考、嫌いじゃないのだ。</p><br /> <br /> <p>プレビューで、あまり多くかいてもアレなんで、この辺りで。</p><br /> <p>ではでは。</p> </div> Wed, 02 Sep 2015 23:33:56 +0900 hatenablog://entry/6653458415119829567 2015年ブンデスリーガ第2節 ドルトムント対インゴルシュタットのレビュー 「4141ブロックの崩し方」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/08/26/031145 <p>さて、本日は、久々にドルトムントのレビューである。前にドルトムントのレビューやったのいつだったか思い出せない程度に久々のドルトムントのレビューである。ブンデスリーガはすでに開幕しているのだけれど、ドルは第一節でBMGを4-0で、第2節ではインゴルシュタットを4-0で屠っており、PSMで虐殺された川崎はそろそろ許されてもいいのではないかと思う。最近の公式戦では3試合で12点取ってるチームである。川崎は悪くないと思う。(こないだ湘南が川崎に勝った事とは、これは無関係である)</p><br /> <br /> <p>この試合では、香川がブンデスリーガ公式戦初ゴールを決めているんだけれど、それ以外にも香川の出来は良かった。中2日だったので、ドルの選手はみんな動きが鈍く、いつものスピーディーなサッカーが出来ていたとは言い難い所があったんだけれど、それでも圧勝してしまったのだから本当に今のドルは強いと思う。</p><br /> <br /> <p>この試合の場合、単にドルと昇格組のインゴルシュタットの実力の差というだけでなく、チームとしての攻撃の組織度、攻撃の選択肢の選び方に大きな差があって、今日はその辺りについて、試合のレビューを進めてみようと思う。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>ドルトムント対インゴルシュタット、前半戦のお話</h4> <p><br /> まず、スタメンの紹介から。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826002701.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826002701j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826002701j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>スタメンはこうなっていた。ドルトムントは4231、インゴルシュタットは4141。この組み合わせは、完全にフォメが噛み合っている為、ミスマッチが起きない対戦である。ただ、これはフォメ上の話であり、相手チームがどういう守り方をしてくるか、自チームがどういう攻め方をするのかで、話は全く変わってくる。</p><br /> <br /> <p>具体的に説明すると、4231対4141の対戦の場合、中央の3枚のマッチアップにおいて、マンツーマン気味に守るか、ゾーン気味で守るかによって、攻め方というのが変わってくる。</p><br /> <p>こっからはキャプでやる。インゴルシュタットの守備とドルの攻撃を例にして説明するけれど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826004328.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826004328j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826004328j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826004331.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826004331j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826004331j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826004335.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826004335j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826004335j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826004339.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826004339j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826004339j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826004343.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826004343j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826004343j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは前半7分のシーンのドルトムントのビルドアップ。このシーンの場合、中央の3枚が香川、ギュンドガン、ヴァイグルを捕まえている。マンツー気味の守備なんだけど、相手がこういう風にマンツー気味に捕まえようとするなら、その裏のスペースが空くという事でもある。具体的にいえば、このシーンだと、香川が引いてボールを受ける動きをしてアンカーを釣り出して、そして空いたスペースをロイスが使おうとしている。このシーンの場合、ロイスが下がってきたので、インサイドハーフがロイスのマークについた。その結果として、ギュンドガンがフリーになってしまい、そこに起点をつくられてインゴルシュタットはラインの裏を取られかけた。(この攻撃は巡り巡って香川のゴールの伏線なんだが、それは最後にやる)</p><br /> <br /> <br /> <p>このシーンは、4231対4141の対戦では、中央の3枚をマンツーマン気味にしてしまうと、中央3枚のポジショニングにアンカーとインサイドハーフのポジショニングが支配されてしまい、そこから崩される危険性があるって事を示している。ここでドルが使ってる形なんだが、「<b>トップ下+ボランチのポジショニングで、相手のインサイドハーフとアンカーを動かして、空いたスペースをCFとWGに使わせる</b>」って戦術だ。</p><br /> <br /> <p>んじゃあ、アンカーが香川をマンツーマン気味で捕まえるのやめて、中央のスペース潰すの優先でやったら、どうなるかってーと、これはこの後、すぐやるんだけど</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826005234.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826005234j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826005234j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826005241.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826005241j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826005241j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826005244.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826005244j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826005244j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これは11分のシーンだけど、アンカーが中央にいるため、香川にギャップ受けされちゃってサイドチェンジされたんだ。アンカーが香川にマンツーマンでついてこないなら、相手のインサイドハーフを前に釣り出してから、アンカーの脇のスペースを香川に使わせれば良いだけって話になる。</p><br /> <br /> <p>実は、この日の前半、インゴルシュタットの守備上の穴になっていたのが、このシーンで香川がボールをうけた場所だった。右インサイドハーフの10番とアンカーの間のスペース。完全に守備上の穴となっていて、あそこのスペースを香川に使われまくることになった。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826012519.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826012519j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826012519j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは21分。ここもそうなんだけど、インゴルシュタットのアンカーの右脇の所、誰もいないエアポケットになってるんだ。で、そこを香川に使われてしまっている。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826012728.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826012728j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826012728j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>さらに23分、またあそこで香川に前を向かれてしまう。あそこのスペースが空くって事がわかってから、ドルは楽に攻める事ができるようになった。26分にもアンカーの右脇で香川に前向かれてしまっている。</p><br /> <br /> <br /> <p>ここ、アンカーが香川にマンツーマン気味でつけばいいんじゃ?というのがあるんだけれど、それやっちゃうと前半27分にあったみたいに</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826014653.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826014653j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826014653j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826014657.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826014657j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826014657j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826014707.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826014707j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826014707j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826014715.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826014715j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826014715j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826014719.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826014719j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826014719j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>香川の動きでアンカー動かされて中央に楔入れられて、そこからコンビネーションで崩される危険性ってのが出てくるんだな。</p><br /> <br /> <p>ここで、インゴルシュタットも動く。連続で香川にアンカーの右のスペースを使われた事から、30分あたりから香川にマンツーマン気味で10番のインサイドハーフがつくようになる。サイドに流れても、相手のWGがきっちり捕まえるようになり、香川が良い形で中盤で前をむけるって事は段々なくなっていった。インサイドハーフに香川を捕まえさせたことで、一旦はインゴルの守備は落ち着いた。</p><br /> <p>ただ、前半33分みたいに、の高速コンビネーションやられると流石についていけなかったけれど。前半33分のコンビネーションは流石に凄かった。</p><br /> <br /> <p><script type="text/javascript" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb_watch/sm27002076"></script><cite class="hatena-citation"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm27002076?via=thumb_watch">www.nicovideo.jp</a></cite></p><br /> <br /> <p>33分のは、動画張っとくのでそっちでどうぞ。やり方はロイスのと一緒で、右サイドから斜めにパスいれて、スルーをつかったコンビネーションから裏を取るって形。動画見て貰えばわかると思うんだけど、このシーン、相手の10番が香川についてきてるのね。もっとも、スルーを使ったコンビネーションされるとマーク外してしまってるんだけど。</p><br /> <br /> <p>このインゴルシュタットの守り方、前半はそこそこ上手くいっていたんだが、後半、トゥヘルとドルの選手が修正を行ってくると、この守り方そのものがインゴルシュタットに致命傷を与えてしまう事になった。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>ドルトムント対インゴルシュタット、後半戦で起きた事、トゥヘルとドルの修正</h4> <p><br /> さて前半は0-0、インゴルとしてはこれでオッケーだった。ドルは、なんとかして勝ち点3が欲しい。だから、インゴルは耐えて、ドルが前がかりになった所をカウンター、そんなゲームプランでよかった。ただ、問題はドルの選手達がインゴルの守備方法になれてきてしまった事である。どーいう事かというと、相手のインサイドハーフが香川をマンツーマン気味で捕まえている訳だから、必然的に、ドルトムントのボランチの片方がフリーになれる。</p><br /> <p>結果として、何が起きたか、それはキャプで説明するけど、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826020417.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826020417j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826020417j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これは後半45分のシーン。ボランチのヴァイグル君が完全に空いちゃってるのね。次に</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826020842.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826020842j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826020842j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは後半47分のシーンだけど、香川が気になってるのか、ここでも空いてるんだ。あそこでボランチに前向かれて捌かせてしまうの非常に不味い。こうなってしまう原因が、インサイドハーフに香川を見させてしまうからだ。</p><br /> <p>1,アンカーに香川を見させると、香川のオフザボールでアンカー動かされて中央に楔打ち込まれる<br /> 2,じゃあインサイドハーフに香川見させると、ドルのボランチの片方がフリーになる。</p><br /> <br /> <p>後半開始直後から、インゴルシュタットは、こういう悪循環になっていた。一旦、ボランチが空くって事がわかりはじめると、ドルトムントはボランチを起点にして攻めに出ることが出来るようなる。ボランチが高い位置でボールを捌けるようになった事が、この後のドルの先制に繋がってくる。</p><br /> <br /> <br /> <p>次に54分のドルの先制シーンになるが</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022122.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022122j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022122j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022125.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022125j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022125j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022129.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022129j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022129j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022133.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022133j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022133j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022137.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022137j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022137j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022140.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022140j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022140j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022144.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022144j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022144j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これだが、香川をインサイドハーフがマンツーマン気味で捕まえているせいで、ドルのボランチのヴァイグル君(19才!)がフリーになって、そこを起点としてやられてしまった。前半の最後のほうは、ドルの選手が慣れてなかったから、この守り方でも良かったんだけど、一旦、ボランチが空くって事がバレたら、このやり方は非常にリスクが高い。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <p>その後のドルの二点目の時もそうなんだが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826022734.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826022734j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826022734j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>後半58分、あそこでヴァイグル君が又フリーになってる訳だ。正直な所、インサイドハーフに香川を見させるのは悪手。ヴァイグル君を空けるのは不味い。彼、19才で今年からドルに来た子だが、凄い良い選手でドルトムントのビルドアップが前シーズンとは比較にならないほど安定してる原因になっている。この後、ギュンドガンとのパス交換から、ギュンドガンに縦パス入れられて、シュメルツァーがPKもらってロイスが決めてドルトムントは二点目となった。</p><br /> <br /> <br /> <p>ここでインゴルシュタットのほうも、ヴァイグル君フリーにしてるとやられるとわかったみたいで、69分あたりになると</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826023140.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826023140j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826023140j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こんな感じで10番がヴァイグル君捕まえに出てくるようになった。ここでインゴルシュタットは、インサイドハーフがドルのボランチ捕まえて、アンカーが香川捕まえるみたいな形に変更。ところがそれはじめると、今度は降りてきたロイスにSBから楔入れられてしまうんだな。インサイドハーフが前にでてしまう事になるから、どうしたってアンカーの両脇が空いてしまう。そして、その両脇をWGやCFに使われてしまうと、前半のリプレーになってくる。</p><br /> <br /> <p>最後の香川の得点シーンが、まさにそれなんだけど、まず</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826024525.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826024525j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826024525j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826024528.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826024528j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826024528j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826024532.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826024532j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826024532j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826024536.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826024536j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826024536j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>という流れから、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826023827.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826023827j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826023827j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826023833.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826023833j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826023833j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150826/20150826023838.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150826023838j:plain" title="f:id:pal-9999:20150826023838j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなった。これは典型的な4141における、アンカーの両脇を使われて失点の仕方。綺麗にホフマンと香川にアンカーの両脇を使われて失点。ヴァイグル君とギュンドガンをフリーにしたくないので、インサイドハーフをヴァイグルとギュンにつけたら、インゴルシュタットは空いたアンカーの両脇を使われて失点してしまった。</p><br /> <br /> <br /> <p>この後、オバメヤンのゴールもあるんだけど、あれは、文脈のないゴールだったので割愛する。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>新生ドルトムントとトゥヘルのまとめ</h4> <p><br /> ここまでこの試合の流れを見てきたわけだけど、トゥヘルのドルトムントに関しては、かなりポゼッション寄りのカラーを持ってる。相手チームに対して、合理的な攻め方をするチームになっていて、かなり驚いている。クロップの頃からスピーディーなパスワークをもっているチームだったんだけれど、トゥヘルのチームの場合、相手チームの守り方に応じて攻め方を柔軟に変える事が出来ていたので、正直言って驚いた。</p><br /> <br /> <p>BMG戦では、BMGの442ブロックをいともたやすく引き裂いていたので、びっくりしたモンだが、この試合ではインゴルシュタットの4141ブロックを中2日にも関わらず、簡単に引き裂いてしまった。</p><br /> <p>この試合の流れをまとめておくと、</p><br /> <p>1,前半開始直後はインゴルシュタットの前プレが強く、ドルトムントはあまり良い所なし<br /> 2,前半10分過ぎあたりから、香川がインゴルシュタットのアンカーの右脇を使えるようになり、ドルトムントペースに。<br /> 3、前半27分あたりでインゴルシュタットは守備方法を変更。相手の右インサイドハーフの10番が香川にマンツーマン気味でつくようになる。<br /> 4、前半はその後は静かな展開に。ドルはアンカーの右脇を使えなくなり、ちょっと攻めあぐむ。<br /> 5、後半開始直後から、ドルのボランチがフリー。ドルトムントは、フリーのボランチ、特にヴァイグル君を使うようになる。<br /> 6、後半54分、ドルトムント、ヴァイグル君の縦パスから先制。さらにそのあと、ギュンの縦パスからシュメがPKもらってで追加点。<br /> 7,70分あたりからインゴルシュタットはまた守備変更。ヴァイグル君フリーは不味いと気付く。インサイドハーフがギュンとヴァイグル君をきちんとマークするように。<br /> 8、インサイドハーフが、ドルのボランチ捕まえる為に両方前に出るようになり、アンカーの両脇にスペースが生まれる。<br /> 9、そのスペースをドルに使われて3点目。勝負あり。<br /> 10 最後のドルのゴールは、インゴルがもう集中切らしてた。</p><br /> <br /> <p>こうなる。</p><br /> <br /> <p>この試合のレビューをしようとおもったのは、非常に良い対4141オフェンスのモデルケースだったからだ。インゴルシュタットが試合中、何度か守備方法をいじってくれた事もあって、4141に対して、どういう風に攻めればいいのかってのの、教科書的な試合となった。</p><br /> <br /> <p>トゥヘルのドルトムントは、クロップのカラーを引き継いで、前プレのチームなのはそのままなんだけど、ポゼッション面やコンビネーションの面で、クロップ時代より質が高いチームに仕上がっており、今年一年は楽しめそうな感じである。去年と比較して、コンビネーションプレーの質が断然高い。</p><br /> <br /> <p>で、最後になるんだけど、この試合でやたらと目立ったドルのヴァイグル君。記事の中でも彼のことを何度か扱ったけど、この子、本当に良い選手。19才とは思えない位落ち着いてる。この日、一番関心したのは、前半26分のシーンのプレーで、インターセプトしたボールをダイレクトで香川につけたのね。これは動画にあるから、見て欲しいのだけれど、あれをみて「うわ、これで19才か・・・・」と感心してしまった。あれはなかなか出来ないぞ・・・というプレーだった。19才でドルトムントのプレースピードについていけるどころか、加速させることすら出来てる訳で、末恐ろしい。</p><br /> <br /> <p>そんな訳ですので、ドルトムントの新星、19才のヴァイグル君はホントに良い選手なので、ドルトムントの試合みる時は彼に注目してみてみてね。</p><br /> <br /> <p>今日はこのあたりで。ではでは。</p> </div> Wed, 26 Aug 2015 03:11:45 +0900 hatenablog://entry/8454420450106829822 2015年 J1 1stにおける傾向のお話 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/08/19/001257 <p>さて皆さん、こんにちは。本日はブログ書きのリハビリもかねて、2015年のJ1における傾向なんかの話をしたいと思う。内容は戦術分析というより、J1におけるトレンドの話になる。J1の各チームの話は、そのうち、それぞれやる。</p><br /> <p>本日はJ1が再開して、清水の大榎監督が成績不振から辞任、鹿島のセレーゾ監督が成績不振で解任となった事をうけて、Jリーグの最近の傾向の話でもしておこうと思う訳だ。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>J1においては、外人選手、外人監督が以前ほど活躍できなくなってきた。特にブラジル人。</h4> <p><br /> まず、この話から入るのだけれど、昨今、ブラジル人監督、ブラジル人選手はJ1では以前ほど活躍できなくなってきている。</p><br /> <p>Jリーグというリーグは、これまでブラジル人の成績が際立って良いリーグだった。実際、過去22シーズンで、ブラジル人監督が優勝したのは9回。ブラジル人の得点王は7人となっており、ブラジル人助っ人といのはチームが成功する為に絶対に必要なピースと言って良いくらい重要な存在だった。</p><br /> <br /> <p><a href="http://ultra.zone/jleague-mvp-best-eleven-top-scorer">Jリーグ 歴代のMVP・新人王・ベストイレブン・得点ランキング</a></p><br /> <br /> <p>こっちのサイトで、Jリーグの歴代得点ランキングがまとめられているけれど、2000年代はまさにブラジル人FWの時代といっていい位だった。2001~2008年までは得点ランキング上位をブラジル人FWが独占している状態であり、得点王に至っては、</p><br /> <p>2003 ウェズレイ <br /> 2004 エメルソン<br /> 2005 アラウージョ<br /> 2006 ワシントン、マグノ<br /> 2007 ジュニーニョ<br /> 2008 マルキーニョス</p><br /> <p>と、ブラジル人が6年連続で取っているような状態だった。ブラジル人FWというのは点を取るためには必須と言って良い位重要な存在だった。</p><br /> <br /> <p>また、2007~2009のオリヴェイラの鹿島の三連覇、2011の柏でのネルシーニョの優勝は、ブラジル人監督の評価を際立たせるものでもあった。</p><br /> <br /> <p>ところが、状況が変わりはじめたのが2012年あたりからになる。2012,2013のポイチの広島の2連覇、2014の長谷川健太のガンバの三冠と日本人監督が立て続けに成功を収め、得点ランキングの上位は日本人FWがほぼ独占というトレンドが出現するのである。</p><br /> <br /> <p>これがJリーグだけの話なら、ブラジルの凋落なんて話にはならないのだけれど、ブラジルの凋落を決定づける出来事が最近立て続けに二つ起こってしまった。つまり、ブラジルW杯におけるセレソンの7-1での敗北、コパアメリカでのベスト8敗退という結果だ。正直な話、最近、J1にやってくるブラジル人助っ人のプレーを見ても、あまりワクワクしない。ブラジル経済が好調なので、良い選手がブラジル国内に留まるようになったせいもあるんだろうと、以前は思っていた。ただ、W杯、コパアメリカにおけるブラジルの失態、ネイマール以外のFWのレベルの低さを見て、「王様は裸だ・・・・」という思いに駈られている部分もある。</p><br /> <br /> <p>この手の出来事で思い起こすのは、1953年にウェンブレーにおいて、イングランドが「マジック・マジャール」ことハンガリーに6-3で敗れた試合だ。イングランドは試合前まで、「ハンガリーのボールジャグラーなど強いタックルで阻止できる」と高をくくっていた。しかし、6失点したのは1881年のスコットランド戦以来という大敗をホームで喫してしまった。それまで、イングランドは、英国内のチームとの対戦を除けばホーム不敗の伝統を誇っていたのだが、それを粉々に砕かれたのである。さらにいえば、翌年のブダペストでのリベンジの試合も7-1でフルボコにされ、「ドナウの災厄」と呼ばれる事態にまで陥った。1950年のブラジルW杯におけるアメリカ戦での敗北、そしてハンガリーに対する2度の大敗によって、「イングランド最強論」は地に墜ちた。そして、イングランドのW杯での恥辱の歴史が始まるのである。</p><br /> <p>ロンドン五輪の時、ブラジル代表をみて「うわ、ひでえ、こんな糞みたいなチームに優勝されたらどうしよう・・・」とか思ったモンであるが、流石に自国開催のW杯なら勝てるだろうと思ってはいた。なんだかんだで、サッカーってのはホームアドバンテージが非常に強いスポーツだからだ。ところが、7-1でドイツにフルボッコにされてしまい、うごご・・・状態である。</p><br /> <br /> <p>話がそれてきたので、元に戻す。</p><br /> <br /> <br /> <p>2012年以降、ブラジル人監督、ブラジル人選手の成績は、はっきりいって良くない。ネルシーニョもぱっとしないし、鹿島のセレーゾもそう。結果と給料が全く釣り合っていない状態だった。ブラジル人選手もそうだが、2014年、得点ランキング上位であるマルキーニョス、ペトロ・ジュニオール、レアンドロ、エドゥーは点は取ってはいるが、給料が非常に高額なので、コスパが悪かった。日本人FWと大して成績は変わらないのに、給料は倍くらい貰っているので、これだと何の為に高い給料払っているのかわからない。</p><br /> <p>これは、2015年シーズンも続いており、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150801/20150801000944.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150801000944j:plain" title="f:id:pal-9999:20150801000944j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは、2015年J1 2ndステージ 第5節までのJ1の外人監督の年俸、勝ち点数、勝ち点1取るのに必要とした額の表だけれど、ネルシーニョとセレーゾの両ブラジル人監督の数字の酷さが際だっている。高い給料貰ってる割に勝ててないのだ。セレーゾが解任されたのは「給料高い割に勝てなかったから」としか言えない。ネルシーニョも、このままの成績だと、あと一年持たないと思う。根本的に給料が高すぎるんだ。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150801/20150801000951.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150801000951j:plain" title="f:id:pal-9999:20150801000951j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>一方で、こちらが日本人監督のモノになる。日本人監督は全体的に安い。安かろう悪かろう理論でいえば、鳥栖の森下さん、柏の吉田さんはしょうがない部分もある。清水の大榎さんもそうだが、給料低い訳だから、そんなに多くの事を期待してもしょうがない部分はある。ちなみに湘南のチョウさんは韓国人なんだが、ここでは日本人枠にいれた。基本的に、この人は海外でのキャリアがゼロで日本のサッカーシステムで育った人だからだ。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150801/20150801001000.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150801001000j:plain" title="f:id:pal-9999:20150801001000j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こっちは恒例のFWのコスパ表である。自分で作ってみて思った事だが、FWのコスパを計算していくと、清水と神戸のコスパの悪さが目についてしまう。神戸にいったっては、高額なペトロ・ジュニオール、マルキーニョス、レアンドロ、ネルシーニョを抱えているが、結果がついてきていない。最近のJ1でのブラジル人FWのコスパの悪さ、ブラジル人監督のコスパの悪さを考えると、神戸は払った金額に見合わない順位で終わることになると思われる。清水に関しては、大榎監督は年俸が超安いので多くを期待すべきではなかった。ただ、年俸が高いウタカと大前はもうちょい頑張ってくれないと困る。大前には厳しく言うけれど、5500万というのは日本人得点王クラスの給料なので、年間20点は取って欲しい所である。そこまでやらないと、清水は降格してしまう。</p><br /> <br /> <p>余談になるが、ちょっと元湘南ベルマーレのウェリントンの話もしておこうと思う。昨年、J2の得点王であり、湘南にとっての不動のCFだった。ただ、オフに色々あって、契約を更新できず、湘南はウェリントンを手放すことになってしまった。ウェリントンについては、僕はそれほど惜しいとは思わなかった。理由が昨今のブラジル人FWのJ1でのパフォーマンス低さであり、高い給料払っても、それに見合うだけの成績は収めてくれないだろうなあ、と思っていたからだ。</p><br /> <p>最近のJ1で、ブラジル人選手で、日本人選手より明らかにパフォーマンスが良いと言える選手は二人しかいないかった。川崎のレナトの半分、そして新潟のレオ・シルバだ。レナトの半分ってのは、レナトは守備でJ1最低の選手だからだ。攻撃ではJ1最高の選手の一人だったが、守備ではJ1最低の選手だった。ただ、レナトにしても、ジュニーニョほどのすごさは無かった。</p><br /> <p>何故、ブラジル人選手、ブラジル人監督がJ1で結果を残せなくなったのか。それはホントによく分からない。2011年までは、J1でブラジル人選手、ブラジル人監督は結果を出しまくっていたんだ。ところが、2012年以降、ブラジル人選手・監督がJ1で結果をだせなくなり、代わりに日本人監督がタイトルを取り始め、日本人FWが得点ランキング上位を独占しはじめた。</p><br /> <br /> <p>現在のJ1のトレンドは、「<b>純国産のFW・監督のほうが結果を出すようになってきた</b>」、「<b>ブラジル人監督・FWのコスパが極端に悪くなってきた</b>」これに尽きる。なんで、こんな事になってしまったのかは知らない。ブラジルのレベルの低下か、日本のレベルの上昇によるものなのか。議論はあるだろうけど、とりあえす結果の世界なので、最近のJ1はブラジル人監督より、日本人監督、ブラジル人FWより日本人FWのが結果だしてるのは事実なんだ。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>ACLに出たチームはどのくらいのハンデを背負うのか</h4> <p></p><p>次の話題はコレ。2015年のACLについては、浦和さんと鹿島さんがGLで敗退。ガンバさんと柏さんはGL突破と明暗が分かれた。浦和さんは、ACLで一勝も出来なかったが、リーグ戦では前期負け無しで優勝してしまった。言いたい事は色々あるが、まあ、浦和さんは良い。問題は鹿島さんと柏さんである。ACLでもダメで、リーグ戦でもダメ、セレーゾ監督は遂に、松本に負けた試合の後で解任されてしまった。柏さんは、前任者のネルシーニョが柏最高の監督という評価なので、その後を継いだ吉田さんへの風辺りが非常に厳しい。何が良くないって、ネルシーニョで十分勝ってたのに、やり方を全部変えてしまった事である。これをやってしまうと、ネルシーニョ時代より負けが増えたら全部監督の責任になるわけで覚悟がいる。そんな訳で、吉田さんは、茨の道を歩んでる状態である。</p><br /> <br /> <p>とまあ、ここまではJリーグ見てる人なら誰でも知ってる話なんだろうけど。</p><br /> <br /> <p>ACLに出た場合、翌年の成績にどのくらい影響を及ぼすのか?というのは、しばしばネタになるんだけど、実際に勝ち点の増減を表にしてまとめると、次のような形になる。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150802/20150802023135.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150802023135j:plain" title="f:id:pal-9999:20150802023135j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150802/20150802023143.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150802023143j:plain" title="f:id:pal-9999:20150802023143j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150802/20150802023154.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150802023154j:plain" title="f:id:pal-9999:20150802023154j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんな具合なんだけど、<b>ACLに出たクラブの勝ち点の増減で調べた場合、ACLにでたクラブは勝ち点を平均で8ポイント失っている。</b>酷い年、つまり2012年に関しては、柏、名古屋、ガンバはリーグ戦でボロボロになってしまった。</p><br /> <p>ACLとリーグ戦の並行はとても難しい。過密日程で勝ち点を落とすのが珍しくも何ともないし、怪我人だって増える可能性が高い。リーグ戦ではACLがないライバルが有利になるだけで、観客動員も良くないと来ているので、正直いって、非常にビミョ~なコンペティションと化してしまっている。</p><br /> <br /> <p>表の最後に、ガンバ、浦和、鹿島、柏さんの今年の予想勝ち点も載せといたけど、ACLにでるクラブは、前年度と比較して平均8ポイントを失う事から、これらのクラブは、今年は勝ち点51~54前後になる可能性が非常に高い・・・・と言いたい所だけど、ここまでの勝ち点ペースを見る限り、浦和は大きく上ブレし、柏は下ブレすることになる。具体的には浦和は年間勝ち点60強とるだろーし、柏は年間勝ち点40弱位にはなりそうだ。</p><br /> <p>浦和は最初からACL捨ててるような感じだし、柏はACLにあまりに真剣に望みすぎている部分がある。真面目にやりすぎればリーグ戦が犠牲になり、リーグ戦重視だとACLを捨てざるを得ない、そんな部分もある。</p><br /> <br /> <p>さらに難しい話をすると、ACLという大会は日本では完全にブランディングに失敗してしまった。欧州CLはブランディングに成功し、平日開催だろうと人は入るし、視聴率も取れている。一方で、ACLは平日開催なので人が入らないし、視聴率も取れない。もっとも、J1のリーグ戦だろうと平日開催だと人が入らず、地上波でTV放送しても視聴率3~4%だから、大した違いはないのだけれど。</p><br /> <p>残念な話だけれど、J1のリーグ戦では、現状、スカパーですら採算が取れておらず赤字だと聞くし、一部のチームを除いて、電通・博報堂が頑張っても広告が全部売りきれないという状態のようだ。国内でも厳しい訳なんだから、海外は尚更厳しい・・・</p><br /> <p>海外チームと試合するなら、欧州強豪となら、平日でも人が入る。この前の川崎対ドルトムントの試合は、ただの親善試合+平日開催なのに24000人入ったし。ただ、アジアの強豪とじゃ、人は入らないのである。</p><br /> <p>この、「人が入らない平日開催のコンペティションは、一番大切なリーグ戦の足枷にしかならない」というのがJリーグの現状でもある。J1で連覇したチームがアジアでさっぱりなのは、アレな部分もある。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>昇格組の行方</h4> <p>最後に、昇格組の行方の話もしておこう。湘南ベルマーレの話にもなるし。</p><br /> <p>これは以前も話をした事なんだけれど、僕はJ1で通用するかどうかの目安を、「<b>J2で年間得失点差+40以上</b>」と定義している。なんで+40以上かというと、近年、得失点差+40以上で昇格したチームで、一年でJ2に出戻りしたチームはないからだ。</p><br /> <p>J2に関していえば、得失点差+20~+30稼げば、J1昇格の切符を手に入れることは出来る。<b>ただ、その切符は往々にして片道切符なのだ。</b>2013年の湘南がそうだったが、2012年、得失点差+23で昇格したもの、一年で降格してしまった。確実に残留できるチームを作るなら、J2で得失点差+40以上で昇格できるチームを作らないといけない。そのくらい圧倒的なチームでないとJ1では厳しい。</p><br /> <p>今年に関して言えば、松本さんと山形さんは、非常に厳しい状態にある。J1が24試合終了した時点で、松本さんは勝ち点21,山形さんは勝ち点18となっており、降格ペースとなっている。新潟と清水が盛大にコケているので、まだ残留の目はあるんだけれど、清水や新潟みたいに補強資金があるチームではないので、正直難しいと言わざるを得ない。</p><br /> <p>湘南に関しては、すでに勝ち点33を稼いでいるので残留できそうだぜヒャッハー!(これが言いたかっただけ。)<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>サッカーとtilt</h4> <p><br /> 今回の話は、これで〆ておこう。</p><br /> <p>tiltっていうのは、本来ポーカー用語なんだが、これ、実はスポーツの世界でもしばしば見られる現象である。この話をしようと思ったのは、先日の柏対広島の試合後の監督コメントで、<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>柏</p><p>[ 吉田 達磨監督 ]<br /> サンフレッチェは今、日本で一番強いチームだけど、向かっていこうと選手と話をしていました。彼らのカウンターはとても鋭いし、ボールを回しはじめたらおそらく簡単には取れないでしょう。そういったところに対して準備をしていたのですが、(3分に)点を取ったことでカウンターからチャンスを迎えるシーンが増えました。ちょっと想像とは違う展開で、前半から過ごすことになりました。この相手に対してアウェイの地で、最後まで集中力を切らさずコンパクトな陣形を保ち、戦い続けたことは評価していいなと。<b>ただわれわれは前期(1stステージ)にたくさんの落とし物といいますか、忘れ物といいますか、たくさんのモノを置いてきました。それを1日でも早く、1分でも1秒でも早く取り返したいという思いでやっています。</b>連勝はしましたけれど、次から次に試合はやってきます。しっかりと引き締めて、これからのゲームに臨んでいきたいです。</p> </blockquote> <p></p><p>こんな事を柏の吉田監督が言っていたからだ。僕が問題にしたいのは、黒字で強調した部分になる。正直な所、柏の吉田監督は、勝負師として見た場合、ちょっと致命的な欠点がある。J1の前半戦で、非常に苦しんで、なかなかそこから抜け出せなかったけれど、メンタルの部分にちょっと問題がある。このコメントを見る限り。</p><br /> <br /> <p>まあ、柏さんは、2ndステージに入ってからは好調で勝ててる訳だから、余計なお世話的な部分があるんだけど、今回は、「<b>勝負事で負けを取り戻そうとした場合に何が起きるのか?</b>」ってのを絡めて、ちょっと説明しておく。</p><br /> <br /> <p>tiltというポーカー用語がある。これは、</p><br /> <br /> <p><a href="http://ja.pokerstrategy.com/glossary/_101/">ティルト</a></p><br /> <br /> <p>こっちのポーカーのページでまとまっているが、<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>定義</p><p>一番広い意味でティルトとは、「プレイヤーが合理的な判断ができなくなり、感情にかられた行動をとるようになってしまった状態」、のことを指します。例えば、プレイヤーが大きな損失を出してそれをできるだけ早く埋め直すために、アグレッシブな賭けをしたり、弱いハンドでビッグ ポットを勝ち取ろうとすることは、彼がティルトになっていることを意味します。<br /> <br /> </p> </blockquote> <p></p><p>ティルトの定義とは、こういう状態である。簡単に言えば「負けた分を取り戻そうとして、アグレッシブな賭けに出てしまう」状態になる。<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>ティルトの種類</p><br /> <p>ティルトが一番はっきりわかるのはアグレッシブな態度です。プレイヤーは、アグレッシブな動きでビッグ ポットを勝ち取ろうとします。彼はブラフをかけて多額の賭けをしてきます。彼は非常にアグレッシブになり、勝ち目の薄いハンドで大きなポットを勝ち取ろうとする傾向があります。そして絶望的な「ダブル オア ナッシング (チップが倍になるか、それともゼロか)」の状況に追い込まれます。それはまるでルーレットで赤にすべてのお金を賭けるようなものです。<br /> この種のティルトでは、プレイヤーはバンクロール (手持ち資金) の管理を無視して、自分のバンクロールに合わないような大きすぎるリミットのベットをします。</p><br /> <p>よりやっかいな種類のティルトはパッシブなティルトです。プレイヤーはあまりに内気で臆病になり、十分なアグレッシブさがあるプレーがもはやできません。彼は強いハンドでもアグレッシブにプレーができず、いつも「またバッド ビートがどこかから来るのではないか」とびくびくしています。 </p> </blockquote> <p></p><p>これはティルトの種類なんだけど、負けを取り戻そうとして、躍起になるあまり、弱い手で「ダブル オア ナッシング」をしてしまうのが典型的なケース。もう一つが、自信を失って強いハンドでも強気に掛け金をつり上げられない状態になる。</p><br /> <br /> <br /> <p>今回は、柏の話になるんだけど、これは僕個人の感想なんだが、今の柏ってチームは、時々、ひどく冷静さを欠いてしまう。特に勝てなかった時期の前半戦で目立ったが、異常なまでに前に人数かけて攻撃に出てきたり、異様にライン上げてボールを奪いにくる時がある。その結果として何がおきたかっていうと、あっさりカウンターでやられたり(1stの鹿島戦)、一本のパスで裏取られて失点したりしていた(1stの新潟戦)。身も蓋もないけれど、勝てなかった時期の柏さんってのは、リスクを取りすぎていた。</p><br /> <p>なんであんな不必要なリスクを取るんだろうと思っていたのだけれど、柏さんの監督さんのコメント読んで、「ああ、この人、tiltに陥りやすい性格なんだ」と思ったのである。というのも、コメントで、<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>「ただわれわれは前期(1stステージ)にたくさんの落とし物といいますか、忘れ物といいますか、たくさんのモノを置いてきました。それを1日でも早く、1分でも1秒でも早く取り返したいという思いでやっています。」</p> </blockquote> <p><br /> と言ってるんだけど、これ典型的なティルトに陥った人間の心理だからだ。勝負事の世界でやってはいけない事の一つに「<b>負けた分を取り戻そうと考えてはいけない</b>」ってのがある。なんでダメかというと負けた分を取り戻そうとするあまり、まったく割に合わないリスキーな行動をしてしまうからだ。サッカーでは、これの典型状態は大きく分けて二つで、</p><br /> <br /> <p>1,攻撃時に前に人数をかけすぎてカウンター食らって憤死<br /> 2,守備では前でボール取ろうとする余り、ライン上げすぎて裏取られて憤死</p><br /> <br /> <p>となる。これね、上手くいってないチームで本当に頻繁に見られる傾向なんだ。チームが連敗していて、こういう状態が起きていたら、チーム全体がtiltに陥っている兆候だ。ぶっちゃけ、清水さんとこも似たような状態だった。</p><br /> <br /> <p>サッカーでもポーカーでもそうだし、他のゲーム全般でそうなんだけれど、勝負事では「負けた分を取り戻そう」という心理状態になったら、その時点で負けだ。この心理状態になったら、すぐにゲームをやめて頭が切り替わるまで待つしかない。その状態でゲームに臨むと、不必要なレベルでリスクを取るようになり、結果として自滅してしまう。</p><br /> <br /> <p>僕は柏さんの今のサッカーが結構気に入ってるんだけど、監督さんの心理状態は非常に危険と言わざるを得ない。「<b>負けた分を取り戻そう</b>」としてはいけない。これだけは絶対にダメだ。サッカーでは全部の試合には勝てない。だから1シーズンで何試合かは必ず負けるスポーツなんだ。だから、「負けた分を取り戻そう」なんて考えてはダメだ。そういう心理状態に指揮官が陥りやすいのは本当に危ない。連敗した時に本当に危険な状態になる。</p><br /> <p>今日は、そういう話で〆とく。ではでは。</p> </div> Wed, 19 Aug 2015 00:12:57 +0900 hatenablog://entry/8454420450104061498 2015年東アジアカップ、日本対中国のレビュー 「例えミスマッチだったとしても」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/08/13/224104 <p>はい、皆さん、こんにちは。本日は先日行われました東アジアカップ、日本対中国のレビューをやりたいと思います。今回の東アジアカップは一勝も出来なかったので、日本代表は公式戦でアジア相手に4戦勝ち無しという状態になっております。</p><br /> <br /> <p>今回の中国戦は前二つの試合と違って、割とこのブログでレビューする事がある試合でした。この試合の後、案の上、ハリルホジッチは色々と叩かれてますが、試合内容のレビューはそんな出回ってない感じですんで、一つ書いとこうと思った次第です。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対中国のスタメンとハリルホジッチの基本戦術の話から</h4> <p><br /> さて、まずはスタメンから入りましょう。中国の選手は名前知らないので、日本のスタメンとフォメの紹介から入りますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813005118.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813005118j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813005118j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>基本はこんな感じでした。日本は4231、4バックは米倉、槇野、モリゲ、ニワ、ダブルボランチが山口と遠藤航、WGが宇佐美と永井、トップ下に浦和の武藤、CFが川又となってました。一方で中国なんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813005321.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813005321j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813005321j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんなフォメが紹介されましたが、試合見る限り、4141でブロック組んで守る感じでした。この試合なんですが、ハリルホジッチは何もせずに試合に臨んだという訳ではなくて、中3日あったんで、きちんと戦術練習は出来たみたいです。そうなると、どういう攻撃してたかって話になるんですが、コレは、キャプでやりますね。</p><br /> <p>まず、遅攻のほうだと、前半から積極的に狙ってたのが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813011602.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813011602j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813011602j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813011611.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813011611j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813011611j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813011621.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813011621j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813011621j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813011631.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813011631j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813011631j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813011642.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813011642j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813011642j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813011651.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813011651j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813011651j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーいう攻撃になります。このパターンはハリルホジッチが日本代表監督になってから、よくやってる奴です。海外組がいた試合でもフツーにやってました。この時の武藤の動きはなかなか秀逸でした。中国のアンカーを動かして川又がポストプレーをするためのスペース作る所から、アンカーのマークを上手く外す所まで完璧。</p><br /> <p>図にすると</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813012944.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813012944j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813012944j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなるんですけど、トップ下が左右に動く事で、相手チームのアンカーを動かして、中央にスペースを作り、そこをCFに使わせて楔を打ち込んで行くってやり方です。この日は浦和の武藤がトップ下やってましたが、前半から左右に動き回ることで、中国のアンカーを動かしていました。中国のアンカーは馬鹿正直に武藤についていってくれたんで、川又がポストプレーする為のスペース作るのは偉い簡単な試合だったんです。</p><br /> <p>そんな訳で、この試合の前半から後半になるまで、川又のポストプレーの独演会みたいな感じになりました。その結果、何が起きたかってのは、川又の話の項目でやります。</p><br /> <br /> <br /> <p>次に、ハリルホジッチがやりたくてしょうがない速攻なんですけど、これは後半開始直後のプレーで説明するのが良いと思うのでキャプでやりますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813014834.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813014834j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813014834j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813014847.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813014847j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813014847j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813014859.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813014859j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813014859j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813014926.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813014926j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813014926j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813014927.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813014927j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813014927j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813014928.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813014928j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813014928j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こーですね。このシーンの場合、最終ラインはPAから10メートル程度の位置でした。この位の高さだと、WGはハーフウェーライン前後まで戻ればいいので、カウンターになったら即CFのフォローに入れます。なので、このシーンだとモリゲ→川又→宇佐美→武藤という流れで一気に敵陣深くまでボール運べました。最後のクロスは合わなかったんですが、ここのカウンターの流れは非常に良かったです。</p><br /> <br /> <br /> <p>ここまでハリルホジッチのサッカーを5~6試合ほど見たわけですけど、遅攻では、ボランチ、トップ下のオフザボールで相手チームの中盤を動かして、CF・WGが降りてくるスペースを作り、そこに楔を打ち込んでいくってスタイルです。速攻では奪ったら出来るだけ速く前に当てようとしてます。</p><br /> <br /> <p>このハリルホジッチのスタイルそのものは何の問題もないですし、この試合でハリルホジッチが取った攻撃戦術ってのも、特に間違ってません。中国のアンカーは、日本のトップ下をマンツーマン気味で捕まえるスタイルでしたから、「<b>トップ下のオフザボールでアンカーを動かしてCFに楔を打ち込んでいく</b>」ってのは常識的な戦術です。W杯のギリシャ戦でもザックが似たような事やってます。</p><br /> <br /> <p>ただ、この試合の問題となったのは、戦術より選手の人選の方でした。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>名古屋の川又のポストプレー祭り</h4> <p></p><p>こっからは、この試合における選手個別のレビューになるんですけど、まず川又の話から入ります。この試合の川又のプレーを見て、</p><br /> <br /> <p>「<b>うわあ、何て下手な選手なんだ・・・・</b>」<br /> 「<b>何でこんなポストプレー下手なCFに楔打ち込み続けてるの?</b>」</p><br /> <p>という感想を抱いた人は多いと思うんです。気持ちはわかりますよ。ええ痛いほどわかります。</p><br /> <p>例えば、前半25分、槇野がボールをもって持ち上がりました。ここでトップ下の武藤が左サイドに流れる動きで 相手のボランチを一枚動かして川又が使うスペース作ってます。次に、槇野が川又に楔のパスいれたんですが、何故か川又がボールにさわることもできずに、相手ボールになっちゃいました。</p><br /> <p>前半37分には 「<b>モリゲが前を向く→武藤が動き出して中国のアンカーを動かす→川又が降りてきて、モリゲが楔を入れる→川又がポストしたボールは綺麗に中国の選手の前におち、カウンターの起点に。</b>」なんてドリフみたいな流れもありました。まあ、この時は中国の選手がミスしてくれたので助かりましたけどね。</p><br /> <p>この試合、川又についてなんですが、残念ポストが複数あって。モリゲが川又に楔入れたら、何故かモリゲに帰ってきたり、ターン出来そうな所でターンできなかったり、処理が難しい山なりのボールを落としてみたり、相手にパスをプレゼントしたみたりと大車輪の活躍でした。これはキャプでやると、川又に気の毒になるんで止めときます。見たい人は録画見直すなりして下さい。</p><br /> <br /> <p>前半から、こーいう残念ポストをやっていたので、この試合みた人が「川又下手すぎね?」と思ってしまうのはしょうがない部分があります。僕なんか、画面の前で爆笑しちゃったシーンもありましたし。「なんでモリゲがいれた楔のボールがモリゲに帰ってくるんだよ~」と笑い死にしそうになった事を懺悔しておきます。</p><br /> <br /> <p>じゃあ、なんでこんな事になったのかといえば、ハリルホジッチが川又をCFで使ったからです。そもそも論になるんですけど、川又のポストプレーがビミョーだってのは、初戦の時点で明らかだった訳ですよ。なのに、なんで川又がポストプレーをせざるをえない攻め方してんの?って話です。「<b>トップ下のオフザボールで相手チームのボランチ動かし、空いた中央のスペースを使ってCFに楔を打ち込む</b>」サッカーやるなら、川又じゃなくてコーロキじゃね?という奴なんです。</p><br /> <br /> <p>CFの人選とやるサッカーのミスマッチが起きてるんですよ。川又はポストプレーでのし上がった選手じゃないのに。</p><br /> <br /> <p>川又なんですが、名古屋だとCFやってます。ただ、現在の名古屋は3421でワントップ2シャドー、守備時は永井と川又の二人前残しするサッカーです。1トップ2シャドーなら、CFは裏取りとフィニッシュに専念してればいいので、川又のポストプレーのアレさ加減がひどく目立つサッカーにはなりません。トップ下が二人いるので、CFはポストプレーはそんなしなくていいシステムなんです。ライン間に引いてきて楔受けるのはシャドーがほとんどやります。ついでに、川又と永井の二人前残しでカウンター狙いのチームなんで、CFが前で時間作る必要がそんなありません。二人残しなら、二人で持っていってしまえるので。具体的には、カウンターになったら、一人が下がってボール受ける動きしてDFを引っ張り出し、空いたスペースをもう片方が使えばいい。</p><br /> <p>クラブレベルだと、西野さんが苦労して永井と川又を併存させる方法作ってますが、ハリルホジッチは、どうもよくわかってないっぽいです。プレーヤー同士の最適解を見つけるってのは割と大変な作業で、アンチェロッティがキャリアの話でよくネタにする話ですけど、<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p> もちろん、何度も何度も失敗を重ねながら。たとえばパルマ時代には、あの4-4-2の中でジャンフランコ・ゾラという天才を外してしまうという決断を下しているし、ユベントスに移ってからの私は、98-99シーズン、あのティエリ・アンリを右のウイングで使うという大失敗を犯している。あれこそが私の監督としてのキャリアで最大の汚点だ。</p><br /> <p><a href="http://www.footballchannel.jp/2013/06/27/post5956/3/">【ロングインタビュー】カルロ・アンチェロッティ、勝者の戦術論(中編)</a></p> </blockquote> <p><br /> こーいう話ですけどね。川又って選手はレフティで、ちょっと癖のある選手です。ボール受けて前むける位置が極端に限られてます。つまり、左サイドから出てきたボールを左足でトラップするため、左サイドからのパスが来ると本当に残念なプレーしか出来ません。この試合でも一回ありましたが、レフティの典型的な欠点です。ただ、点とる事についてはサラブレッド的な能力があります。いやマジで。馬鹿とハサミは使いよう的な話なんですけど、使い方を誤るとアレですが、点はホントに取れる選手なんです。もっとも、その使い方が難しい訳ですけども。西野さんも名古屋で散々試行錯誤してますし。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>山口の評価が割れている原因の話</h4> <p></p><p>次にこの話をしましょう。この日、ダブルボランチは、セレッソの山口と湘南の遠藤航で構成されてました。ただ、この試合では山口の評価が結構割れてました。この試合なんですけど、山口を褒める人と山口のポジショニングに文句を言う人とで、二極化してる感じでした。</p><br /> <br /> <p>ここで山口の評価が何故割れてしまうのかって話になるんですけど、この日、山口は最初から最後までよく走り、広大な範囲をカバーしてました。前への攻撃参加も結構やってましたから、そういう所を評価する人は、「山口って良いボランチだねえ・・・・」となるわけです。</p><br /> <br /> <br /> <p>一方で、山口に文句いってる人も多かったんですが、この理由もよくわかります。どういう事かというと、これもキャプでやっときますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><a href="http://f.hatena.ne.jp/pal-9999/20150813023836" class="hatena-fotolife" itemprop="url"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813023836.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813023836j:image" title="f:id:pal-9999:20150813023836j:image" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></a></span><br /> <span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><a href="http://f.hatena.ne.jp/pal-9999/20150813023837" class="hatena-fotolife" itemprop="url"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813023837.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813023837j:image" title="f:id:pal-9999:20150813023837j:image" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></a></span></p><br /> <p>こんなのが前半開始直後に見られましたし、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813024117.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813024117j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813024117j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813024118.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813024118j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813024118j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813024119.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813024119j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813024119j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>そのすぐ後も似たような事やってました。</p><br /> <p>この3試合で、山口の評価が割れてしまっている原因がこれで、ダブルボランチがカバー&マークの関係を作れておらず、相手にバイタルを使わせる原因になってしまってました。僕が思うに、ハリルホジッチが433にシステム変更する理由の一つがコレです。前から行くなって支持だしてる時もあるみたいですが、ダブルボランチが揃って前に出てしまうのが散見されるので、非常に危なっかしい訳です。433なら、インサイドハーフが両方前にでてしまってもアンカーが残ってる計算ですから、食いつき癖があるボランチ使う場合には433のほうが向いてるっちゃ向いてるんです。</p><br /> <p>この日、簡単な1本のパスで裏取られたり、ダブルボランチが二枚一緒に前にでてしまったりと、ホントに単純なミスが散見された訳ですが、チームとして練習できてないので、しょうがない部分があります。だから、そこは多めにみてあげて欲しいです。</p><br /> <br /> <p>つーか、そもそも湘南の遠藤航はクラブだと3バックの右CBですので、この手のミスがでちまうのはしょうがない部分があるんです。元々遠藤航は、チョウさんにもの凄い便利屋的に使われており、湘南でも状況に応じて色んなポジションやらされてるんですが、ボランチ本職でやってる選手じゃないのでミスが出ます。この試合の場合、クラブシーンでは本職じゃないポジで使われる選手があまりに多く、小さなミスについては、多めに見てやる必要があります。もっとも、パス一本で裏取られるのは勘弁してくださいと言いたいですが。</p><br /> <br /> <p>それと、日本が失点したシーンでの話もしときます。</p><br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/_jlWQ6_Z8mY?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=_jlWQ6_Z8mY">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>こーですが、前半9分の日本失点。日本陣内からのスローインから始まる流れです。よくある失点パターンの一つなんですが、壁パスから逆サイドのWGとボランチの間のギャップを取られて、そこから失点という流れでした。本当によくあるタイプの失点の仕方で、これで点取られるのは色んなチームで見られます。ハリルホジッチの日本代表でも、頻繁にあそこのスペースが空くのを見てきたので、この得点については「まあしょうがないか」位で多めに見てやって欲しい所です。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813204832.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813204832j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813204832j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813204836.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813204836j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813204836j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813204839.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813204839j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813204839j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>ぶっちゃけ、現在の守り方、WGの人選では、あそこには絶対スペース出来ます。壁パス使われて、あそこのスペースにボール運ばれた場合、バイタルミドルは覚悟したほうがいいです。あそこのスペースなんですけど、このチーム、マジで空きます。ウズベキスタン戦の時もキャプで解説しましたけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150402/20150402232323.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150402232323j:plain" title="f:id:pal-9999:20150402232323j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>あっこのスペースがぽっかり空いてて、壁パスからあそこのスペースにもちこまれた事がありました。あそこのスペース空けてしまうのは、色んなチームで見られる現象です。後半57分も、あそこのスペースがぽっかりあいてて、あそこのスペースからミドル食らってます。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813214946.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813214946j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813214946j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>このシーンです。ここは宇佐美が中に絞ってないから、あそこのスペースぽっかり空いてしまい、そこからミドル食らいました。ただ、宇佐美が高い位置取っていた分、この後に良いカウンターが出来てるわけで、諸刃の剣的な部分があります。<br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>永井が残念プレーを連発した件なのですが・・・・</h4> <p><br /> 最後に永井の話もしときます。永井については、元々サイドの適正は高い選手で、彼にとっては右WGってのはそう悪くないポジション・・・・と言いたい所ですが、今シーズンの名古屋じゃ色々やらされてます........最近は左のシャドーやってたハズです。</p><br /> <p>この試合、ハリルホジッチの狙いとしては、速攻でも遅攻でも、川又に楔いれて、左の宇佐美かボランチにボールを落とし、右の永井の裏への動きにパスを出す、ってトコだと思います。この人選だと、これ以外に最適解が見あたらないので。</p><br /> <p>ただ、これがあんまり上手くいかなかったんですね。</p><br /> <p>ちと名古屋の話しときますが、最近は永井と川又を前に残してのカウンターサッカーみたいな事やってるチームになってます。どういう事かってーと、わかりやすいのがコレ、浦和戦なんですけど、</p><br /> <br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/7Jc1g5ni7MA?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=7Jc1g5ni7MA">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>この動画の1:30からの森脇がレッドカード食らった時の流れが、今の名古屋のやり方を象徴してるんですが、守備時には永井と川又を前に残して、この二人を使ったカウンターです。この場面だと、ボールを奪ったら、川又が引く動きでCBを釣り出して、空いたスペースに永井が斜めに走り込む。これで森脇ちぎってます。この後、後ろから永井ひっぱった件で森脇にレッドカード。この日は永井が二回スピードで裏にボール持ちだして2点とったといっていい試合でした。ハリルホジッチが永井気に入ってもおかしくないです。速攻には向いてる選手ですから。</p><br /> <p>現在の名古屋は川又と永井使ったカウンターのチームになってまして、前節はそのキーマン二人がいないので、どーしょもない試合やってました。</p><br /> <br /> <p>話を東アジアカップに戻しますが、大会期間中、「<b>ライン間でボールを受けようとする永井</b>」という全く永井のストロングポイントが全く出ない事を永井がやってまして、それが永井の悪印象に繋がってるんだと思います。勿論、裏を狙って良いプレーした時もあるんですけどね。</p><br /> <br /> <p>ぶっちゃけ、川又の動きでCB引っ張り出して、その裏に永井走り込ませて、そこにパスだすべきなんじゃね?川又にポストさせても何も起きない気がするし、永井引いてボール受けさせても、やっぱり何も起きないと思う。</p><br /> <p>後半頭にあった川又の残念ポストプレーのキャプやりますけど</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813213328.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813213328j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813213328j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813213335.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813213335j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813213335j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813213338.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813213338j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813213338j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150813/20150813213342.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150813213342j:plain" title="f:id:pal-9999:20150813213342j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こーいう流れだったんですけど、川又のポストプレーの精度を考えると、</p><br /> <p>「CBから川又への楔→川又がポストしてボランチに落とす→ボランチからサイドの永井か宇佐美に展開してフィニッシュ」</p><br /> <p>は、あんまり上手くいきそうにないんです。なんで、もう面倒だから、</p><br /> <p>「CBがボールもったら、川又が下がって来てボール受けるフリをしてCBを引っ張り出し、そのスペースに永井を特攻させて、そこにパス出す」</p><br /> <p>で良いんじゃね?って話です。選手の特徴考えると、そっちの攻撃やったほうが生産性高いと思うのですけどもね。この試合なんですけど、選手の特徴と、やってる攻撃のミスマッチが酷くて、「なんでこの選手にこんな事やらせてるの?」と不思議な感じで試合を見ていました。<b>まあ、その分、新鮮で面白い試合だったんですけど。</b></p><br /> <br /> <p></p> </div> <div class="section"> <h4>最後に試合の感想</h4> <p><br /> かなり長くなってしまいましたので、そろそろ感想書いてまとめておきます。</p><br /> <br /> <p>と、その前に、日本の同点ゴールについて、簡単に触れておきますが、前半40分、日本先制。これは見事なゴールでした。槇野の持ち上がりから、宇佐美が中に入ってSBを中に絞らせて、空いたスペースに米倉が突撃。米倉のクロスからニアで武藤が合わせてゴール。ここまで、中国は川又への楔を散々入れられていたので、そっちにDFは気が取られていたっぽいです。その分、サイドが空いちゃった感じです。なので、川又のポストプレー祭りも、あながち無駄じゃなかったのかもしれません。</p><br /> <br /> <p>今回の試合なんですが、僕の感想としては、「<b>選手のストロングポイントが全然出ない攻撃を延々とやってる・・・</b>」というものでした。まあ、その分、川又の面白ポストプレーとか、2ライン間でプレーしようとする永井とか、ゲームメーカー山口蛍とか、左SB米倉とか、SBの位置まで戻ってきて守備やってる宇佐美とか、リーグ戦では滅多に見れないプレーが見られて、新鮮みがあって面白かったです。いや、マジで。試合自体は面白かったです。ストロングポイント出てるか?と言われると、全然出てないよ、と答えますが、見てる分には面白かったです。</p><br /> <br /> <p>この試合、ハリルホジッチにとってのテストだったのか、それともガチだったのかは知りません。収穫があったのは、浦和の武藤(寿司)は使えそうだって事と、湘南の遠藤はどのポジションも無難にやれてた事くらいかと思います。月並ですいませんがね。この試合がテストだったのか、それともハリルホジッチが選手の適正見誤ってるだけなのかは、今後の試合でわかると思います。</p><br /> <br /> <p>最後に。今回のエントリでくり返し述べている事ですが、川又のポストプレーは残念なアレです。川又って選手は癖がある選手でして、ポストプレーはアレだし、テクニックもそれほどありません。ただ、FWに一番必要な「点取る能力」だけはもってます。そういう選手です。FWってのは面白いポジションでして、「決定力」ってのは練習してもあがりません。シュート練習を沢山しても、ゴール数が増えるかというと、増えないんです。そのため、「<b>下手糞だけど点だけは取る</b>」って人種の名FWが歴史的に何人も存在してます。その系譜に連なる選手です。僕はこのタイプ結構好きでしてね。なんで、湘南戦以外だと、川又を応援してるクチです。面白い選手ですよ。</p><br /> <br /> <p>今日はこのあたりで。ではでは。</p> </div> Thu, 13 Aug 2015 22:41:04 +0900 hatenablog://entry/8454420450105402586 日本対韓国雑感 「速攻したいんだろうけど」 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/08/09/022000 <p>今回の話はレビューじゃなくて、先日行われた東アジアカップ、日本対韓国の試合の雑感的なものです。あの試合も又、レビューとか書きにくい試合で、というより書くこと殆どない試合でした。</p><br /> <p>試合内容そのものは、日本代表がガン引きで守って、韓国がポゼッションして攻めるというモノ。</p><br /> <br /> <p><a href="https://www.legendsstadium.com/eaffeastasiancup-mens/match/821666/stats/">https://www.legendsstadium.com/eaffeastasiancup-mens/match/821666/stats/</a></p><br /> <br /> <p>こっちでスタッツ見られるけど、ポゼッション36:64で韓国が大幅にポゼッションするってゲームになった。前回の東アジアカップの時もそうだったけどね。前回と違うのはカウンターがきまんなかったってトコである。前回は柿谷がシュート2発で日本を勝たせてたけど、今回は柿谷に相当する選手はいなかった。</p><br /> <br /> <p>今回の東アジアカップなんだけど、北朝鮮戦、韓国戦と日本のパス成功率が異様に低い。今回の韓国戦では68%、前回は64%と、これまでの日本代表とは思えないほどパス成功率が低いし、ポゼッションも低くなってる。</p><br /> <br /> <p>今回の韓国戦でこうなってしまった原因は、日本が前半、完全にドン引きで守っていたからで、前にコーロキ一人残して9人でブロック組んでいたので、カウンターが非常に難しい状態だった。それどころか、前にボール当ててもセカンドボールも拾えず、押し込まれっぱなしみたいな状態だった。ココ弐試合でよく見られたのが、奪ったら前にすぐ当てようとして、逆に相手にボールを渡してしまい、二次攻撃、三次攻撃食らうって傾向だ。</p><br /> <br /> <p>今回も速攻の話になるんだけど、ザックも言ってたけど、日本のサッカーは横パスが多い。特に奪った後。奪った後にバックパス、横パスをいれてしまうと、相手は守備陣形を整る時間をもらえる事になるため、効果的な速攻ができなくなる。</p><br /> <br /> <p>ただそうなってしまうのは、良いCF持ってないチームが多く、前でキープして時間を作れないチームが多いってのがある。J1の場合、前に一人残して9人で守備をするチームが多いんだが、この場合、速攻が極めてやりにくいという欠点がモロにでる。奪った後、前に一人で残っているFWにボール入れても、FWがキープしきれずボール奪われて二次攻撃を受けるなんて事になりかねない。そういうのが嫌なんで、一回横パス、バックパスいれてからボール運ぶ傾向は確かにある。</p><br /> <br /> <p>Jリーグでは、「ボールキープ、ポストプレーが上手くて、空中戦が強く、得点感覚に優れたセンターフォワード」ってのが少ない。そのため、前に一人しか残さない守り方をしてしまうと、速攻が非常に難しくなってしまう。それにも関わらず、日本の多くのチームはボールより後ろに9人下げる守り方を好むので、押し込まれてしまうと効果的なカウンターを繰り出せなくなるチームが多い。</p><br /> <br /> <p><iframe src="//www.youtube.com/embed/1MuvtiY_pl8" allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" width="420"></iframe><br><a href="http://www.youtube.com/watch?v=1MuvtiY_pl8">【サッカー日本代表】 韓国戦 1−1 ハイライト 山口蛍 東アジアカップ2015 - YouTube</a></p><br /> <p>今回の試合の動画はっとくけど、今回の試合でモリゲがPK取られたシーンとか、その典型例なんだが、日本の両WG、この試合だと永井と倉田なんだが、PAギリギリまで下がってしまっているんだ。両WGの位置がここまで下がってしまうと、まともにカウンターを繰り出すのは非常に難しい。そう言わざるを得ない。この試合、永井はさっぱりだったけど、中2日でサイドを上下動させられたら、まともなプレーは出来ないと思う。モリゲがPK取られたシーンで日本の選手は9人が深い位置まで下がってる。動画で確認してもらえば、この試合では両WGが守備の度に深い位置まで戻ってることがわかると思う。</p><br /> <br /> <p>こういう風に、WGを下げず、カウンターの為に前残りさせてるのが、フィッカデンティのFC東京で、前に2人ないし3人残して守るスタイルを取っているので、あそこはカウンターが凄くやりやすい。奪った後の縦へのパスコースが断然多いからだ。勿論、前に残す人数が多い分、中盤でギャップを取られやすいって泣き所はあるんだけど、そこではフィッカデンティさんはリスクを負っている訳だ。</p><br /> <br /> <p>個人的に、カウンターサッカーやりたいなら、前に人残せよ、と思う事が多い。負けてるのに、前に一人しか残さず、9人で深く守ってるチーム見ると、「やる気あんの?」とか思う。負けてるなら、せめて二人前に残せや、一人じゃカウンターできねぇだろ、と突っ込みたくなるのだ。</p><br /> <p>前に一人しか残さず、それでもカウンターを成立させるのは非常に難しい。この役割は、「ロンリーストライカー」と呼ばれるけれど、完璧なCFでない限りは、まずつとまらない。</p><br /> <br /> <p>今回の試合の場合、浦和のコーロキがロンリーストライカーの役割を任されることになった。コーロキはポストプレーがとても上手い選手なんだけど、それでも、この試合では完全に前で孤立状態になっている事が多かった。こうなると、一人でボールキープして、コーロキが両WG押し上げる時間を稼がないといけないのだけれど、それは流石に辛そうだった。</p><br /> <br /> <p>こういった問題は、ラインを高い位置に保ち、ボールを高い位置で刈り取れる限りにおいては、別に問題でもないんだけれど、そういつもいつもボールを高い位置で取れるなんてことはないし、相手によってはどうしても押し込まれてしまうってのがある。そうなったら、低い位置から速攻を繰り出せないと、チャンスを作れないんだけど、日本のチームってのはコレが苦手なんだな。理由は先にも述べた事だけれど、質の高いCFが非常に少ないので、「前で一人でキープしてWGの上がる時間を作れるCF」ってのが、どこのチームもなかなか取れないんだ。</p><br /> <br /> <p>質の高いCFがいない以上、前に一人残して9人で守るやり方は速攻には不向きだ。そうなると、日本では前に二人ないし3人残してまもるやり方のが速攻サッカーではベターなんだが、前に2人以上FW残すやり方は守備で不安が出てくる。その兼ね合いになる訳だな。ちなみになんだけど、効果的にカウンターできてる訳でもないのに、日本対韓国の試合では、山口のゴラッソで追いつけてしまった。サッカーってのはこれがあるから面白い。速攻も遅攻も機能してないのに、ゴラッソ一発で追いつけたり勝てたりするのがサッカーってスポーツでもある。</p><br /> <br /> <br /> <p>今回の話も速攻の話ばっかりになってしまったけれど、ラインを高くして、ボールを高い位置で取れる限りにおいて、CFってのは守備とフィニッシュだけに専念してりゃあいいんだ。問題はラインを高くできず、押し込まれ気味になった時で、そうなると、CFが前でボールキープして、全体を押し上げる時間を作れないと、速攻は極端に難しくなる。後者の仕事が得意なCFってのは、とても貴重で、点が取れなくても、「チームにとって必要」という理由で使われたりする。さらに得点力までも兼ね備えているCFの場合、大概、移籍市場で途方もない値段がつく。存在そのものが戦術になる選手なんだ。そんな選手がいれば、誰も苦労しない。ハリルホジッチのサッカーに関しては、ドログバが日本にしれば、全部解決すると思うんだけど、それがいないから困ってるのである。</p><br /> <br /> <p>ま、今日はこの辺りで。ではでは。</p> Sun, 09 Aug 2015 02:20:00 +0900 hatenablog://entry/8454420450104860822 2015年 東アジアカップ 日本対北朝鮮のレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/08/05/015603 <p>さてみなさん、こんにちは。久々の更新になりますが、本日は先日行われた2015東アジアカップ、日本対北朝鮮のレビューでもしようと思います。内容は、レビューというより単なる愚痴に近いですけれど、暑い上に男女ともに逆転負けを食らって、どうもイライラしてるんで、その辺りはお察しください。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>ハリルホジッチとフランス・サッカー</h4> <p><br /> 今回の話、レビューと題うってますけど、実際のところ、レビューする内容はそんなありません。てのも、今回の試合は、代表として練習できたのは一日のみだったんで、たいした事は出来ないだろうな、とやる前から思っていたからです。</p><br /> <p>今回のスタメンなんですけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150804/20150804230239.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150804230239j:plain" title="f:id:pal-9999:20150804230239j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなってました。日本はいつもの4231。ただし、ダブルボランチは山口と谷口というコンビになってまして、いわゆる「中盤でボール動かす気がない」ダブルボランチです。二人とも守備のほうに特徴がある選手です。それなりにボール裁ける選手ですけどもね、二人とも。</p><br /> <br /> <p>ここで、ハリルホジッチとフランス・サッカーの話になるんですが、僕は、ハリルホジッチのサッカーをよく知らなかったので、就任当初は「<b>東欧系、旧ユーゴなサッカーやる人なんかな?</b>」と思ってたんです。ところが、試合を何試合か見るにつれて、「<b>旧ユーゴじゃなくて、ガッチガチのフランスサッカー系だ</b>」という結論に達しました。</p><br /> <br /> <p>どういうことかってーと、これね、アンチェロッティが、</p><br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309275079/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/514hJC2i8sL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="アンチェロッティの完全戦術論" title="アンチェロッティの完全戦術論"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309275079/fifthedition-22/">アンチェロッティの完全戦術論</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> カルロアンチェロッティ,ジョルジョチャスキーニ,片野道郎</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 河出書房新社</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/06/09</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4309275079/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (5件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <p>この本の中で、PSGの監督やってた時の話をしてるんですけど、そこでフランス・サッカーについて、<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>ピッチ上で展開されているサッカーに関していえば、ペースが速いフィジカルなスタイルが特徴だ。採用されるシステムはバリエーションに富んでるが、カウンターアタックへの志向が強いという共通点がある</p> </blockquote> <p></p><p>という形で簡潔にまとめてます。ハリルホジッチ監督については、就任以降、しばしば「速攻の重要性」と「フィジカル」について触れてるんですけど、「<b>ペースが速いフィジカルなスタイル</b>」と「<b>カウンターアタックへの志向の強さ</b>」ってのは、ハリルホジッチのサッカーの特徴なんです。つまり、ハリルホジッチさん、フランスサッカーの人であり、旧ユーゴ系のサッカーって訳じゃなかったんですね。</p><br /> <p>「<b>ペースが速いフィジカルなスタイル</b>」ってのは、よーするにボール奪ったら素早く前に当てる。そこでボールがこぼれたらセカンドボールの拾い合い、つまり肉弾戦をするって事です。セカンドボールの拾い合いは、体のぶつけ合いですからね。</p><br /> <br /> <p>そこでなんですが、今年、フランスサッカー界から日本サッカー界に入ってきた人が二人います。つまり、日本代表監督ハリルホジッチ、そしてもう一人が、横浜Fマリノス監督、エリック・モンバエルツさんです。この二人、知り合いで、かつては師弟関係だったみたいです。ハリルホジッチに関しては、旧ユーゴの人ですけれど、サッカーのキャリアのかなりの部分をフランスで過ごしており、選手としても監督としてフランスでタイトルをいくつか取っています。</p><br /> <p>この二人、今現在、とっても難しい立場に置かれてます。ハリルホジッチはアジア相手に勝てておらず、モンバエルツさんもJ1で勝ててません。もともと、J1にはフランス人監督、フランス人選手は少なく、フランスサッカーは馴染みが薄いサッカーであり、彼らの印象がそのままフランス・サッカーの印象になってしまう状態なんです。ちょっと大げさにいえば、彼らはフランスサッカーを代表する立場といってもいい。ところが、彼らは、現在の所、勝ててない訳で、このままだと「フランスサッカーは日本人には向いてない」って流れが出来ちまうんです。</p><br /> <p>ちとJ1の話をすると、J1で結果を出している外人選手・外人監督ってのは、圧倒的にブラジル系で、それに次ぐのが旧ユーゴ、ドイツ位の順番になってます。今の所、「日本人とは相性悪い」と言われてる最右翼がオランダサッカーでして、こいつは近年、日本でオランダ式サッカーやった監督が次々と撃沈されてしまったのが原因になってます。正直、オランダサッカーが悪いというより、連れてきた監督が悪かった気がせんでもないのですが、サッカーというのは非情な結果の世界。浦和の旧ペトロビッチ監督のやらかしのせいで、オランダサッカーはJリーグから駆逐されたも同然の状態になってしまいました。とにかくオランダ式433は評判が地に墜ちました。</p><br /> <br /> <p>話をフランスサッカーに戻しますけど、モンバエルツさんにしろ、ハリルホジッチさんにしろ、この二人が失敗しちまうと、日本におけるフランスサッカーの威信が地に落ちることになるので、後進の為にも、頑張って結果だしてくださいとしか言えません。ちょっとモンバエルツさんの話をしますが、この方、現在三門をトップ下にして前プレタイプのサッカーしたいみたいんですが、あんまり上手くいってません。フォメみる限り、三門トップ下にして守備時は442のハイプレスタイプのチーム作りたいみたいんですが、あのチームで一番良い攻撃の選手は俊介とアデミウソンなんで、「それなんか違わないか?」感がすごいんです。</p><br /> <p>実は、今回のハリルホジッチのチームみてて、西川君にひたすら川又めがけて放り込ませたり、川又にポストプレーを散々やらせたり、宇佐美にオフザボールの動きが少ないと言って雷落としたりと、「それちょっと違うだろ・・・」感が凄く、フランスサッカーってそーゆーモンなのかね・・・と思う次第であります。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>あんま書くことなんですけど、試合内容について</h4> <p></p><p>こっからは試合内容について簡単にレビューでまとめておきます。繰り返しますが、今回は試合前に練習できたの一日だけなんで、多くは求められません。</p><br /> <p>今回の試合ですけど、ハリルホジッチはやり方そのものはいじってません。攻撃は4231、守備は442、もしくは4411です。</p><br /> <p>攻撃に関しては、西川君から川又への放り込み、川又のポストプレー、引いてくるWGにボール当てて相手のSBを引っ張り出し、そのスペースにトップ下orSBが突撃ってのが多かったです。最後のは図にすると、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150805/20150805003005.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150805003005j:plain" title="f:id:pal-9999:20150805003005j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーいう奴です。これはハリルホジッチが就任してからずーっとやってる攻撃です。逆にいうと、速攻とこれら位しか現状、攻め手がないというのもあるんですが、ハリルホジッチはチームつくりの時間を十分に与えてもらってない状態なので、攻め手が少ないのはしょうがない部分があります。モンバエルツさんは、もうちょいバリエーションがある攻撃やってるので、時間をあげれば、もうちょい攻撃のパターンは増えると思います。(そう信じたい)</p><br /> <p>ちと動画はっておきますが、</p><br /> <p><iframe src="//www.youtube.com/embed/XL3zv0dLLQI" allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" width="420"></iframe><br><a href="http://www.youtube.com/watch?v=XL3zv0dLLQI">ハイライト 日本代表VS北朝鮮 東アジアカップ2015 Japan North Korea Goals ...</a></p><br /> <br /> <p>先制点の流れは、北朝鮮のパスミスを日本が拾って、右の遠藤に展開、遠藤のアーリークロスから武藤(寿司)がゴール。これは綺麗な得点でした。</p><br /> <p>動画にある前半23分の攻撃はハリルホジッチになってから、よくやってる攻撃で、モリゲの縦パスを引いてきた永井がフリックして武藤、川又とつないでフィニッシュって流れでした。</p><br /> <br /> <p>日本代表なんですが、ハリルホジッチになってから、そんなに中盤ではボール動かさなくなってます。でっかいサイドチェンジ使って攻撃したのは前半19分くらいだったはずです。基本、縦にさっさとボールつけてしまうことが多く、サイドチェンジ多様する試合は今までなかったはずです。</p><br /> <br /> <p>こっからは、ちょっと戦術うんちくな話になるんですが、いわゆるサッカーにおける「速攻」の話をします。</p><br /> <p>ハリルホジッチになってから、日本代表のサッカーは「速攻」を強く打ち出すようになってます。この「速攻」に関しては、現在日本代表が守備時に採用しているフォーメーション、つまり442なんですが、442は速攻に関して、構造的な欠陥を抱えているフォメです。</p><br /> <p>ここで「<b>えっ!?442って速攻の代名詞じゃないの?</b>」と思う人がいるかもしれませんが、ちょっと違うんです。</p><br /> <p>これについては、先に紹介した「アンチェロッティの完全戦術論」でアンチェロッティが説明してるので、それを引用しますが、<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>一般論として言えば、442は現在もなお、守備に関しては最良のシステムであると私は考えている。それは、サイドと中央の両方をバランスよくカバーすることが出来るからだ。実際私自身、「クリスマスツリー」をはじめとする他のシステムにおいても守備の局面にはこのシステムを採用することが少なくない。10人のフィールドプレーヤーを3つのラインに配置するこの布陣は、陣形をコンパクトに保ちやすく、したがって敵陣においてもバランスを崩さず相手に効果的なプレッシャーをかけることを可能にする。</p><br /> <br /> <p>他方、3ラインによって布陣が構成されているという事実は、攻撃に転じた時には多少の避けがたい問題をもたらす。前線のフォワードに直接ボールを送り込むか、そうでなければサイドバックとサイドハーフの縦の関係を利用し、サイドのスペースを使って攻撃を組み立てなければならない。<b>これは横パスを多様せざるを得ないことも意味している。</b>もちろん、例えば、サイドハーフが敵の2ライン(中盤とディフェンス)間に入り込んだり、フォワードが手前に引くなど、選手の動きによってパスコースを作り出すことは可能だ。しかしそれを機能させるためには動きとパスのタイミングをぴったりと合わせる必要が出てくる。</p> </blockquote> <p></p><p>黒字強調は僕のモノですが、442ってフォメは3ラインで構成されるため、ボールを奪った直後のパスコースが非常にに少ないという欠点を持っています。4411もそうですが、そのために、ボールを奪った後、FWにボールを放り込むか、サイドに横パスだしてSBとSHの縦関係でボールを運ぶかの二択になりがちです。後者はどうしても横パスが多くなるため、速攻には不向きなんです。もちろん、選手の動きによってパスコースを作ることは可能なんですが、そのためには組織的なシンクロニズムを磨かないといけなくなります。つまり、結構時間がかかるんです。チームとしてのポゼッションの強化に時間がかかるのは有名ですけど、442の速攻にかんしては、結構、習熟に時間がかかったりするんです。上手くいってない442ってのは、ボールを奪った後に横パスがやたらと多くなります。(無論、ハイプレスでDFかボランチからボールを奪えれば話は別ですよ)</p><br /> <br /> <p>今回の試合の話に戻しますが、速攻の際、「ボール奪ったけど前に川又一人しかいない」って状況が多く、しかも川又はボールキープとかポストプレーで天下取った選手じゃないんで、速攻が上手くいかない状態でした。ハリルホジッチは、後半途中から433に布陣を変えてボール奪った後のパスコース増やそうとしてた節がありますが、後半は北朝鮮に放り込まれて、ラインがずるずる下がり、左右のWGも低い位置まで押し込まれてたんで、あんまり意味がありませんでした。</p><br /> <p>442、もしくは4411みたいな布陣から速攻に転じる場合、横パスを使わずに縦パスのみで速攻しようとすると、FWのキープ力、ポストプレーに強く依存し、または、組織的なシンクロニズムを必要とするので、一朝一夕で出来るもんじゃないって話です。だから、時間を与える必要はあります。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>今回の話のまとめになりますが</h4> <p><br /> 今回の話は、きちんとしたレビューというより、サッカーうんちくばっかりになってしまいました。すいません。</p><br /> <br /> <p>今回の北朝鮮戦に関しては、暑くてイライラしてたところに、なでしこの敗戦、男子の敗戦と続いたので、イライラが爆発してしまい、twitterのほうではハリルホジッチをかなりクソミソに言ってしまいました。ただ、冷静になってみれば、結構同情すべき点も多いし、なんだかんだで、シュート数、枠内シュート数は多かったので、時間をあげれば、きっちりチームを作ってくれるかな、とは思っております。僕は基本的に代表監督寄りのスタンスでブログ書いておりますので、代表監督の仕事を貶すつもりはそんなにないのです。</p><br /> <br /> <p>ただ、選手の起用法については、ちょっと文句があって、川又を本物のポストプレーヤーとして使うのはやめといたほうが良いです。川又は日本一のポストプレーヤーじゃありません。それと宇佐美についてなんですけど、「オフザボールの動きが悪い」って雷落としたみたいですが、宇佐美をサイドで使って「オフザボールの動きが悪い」って文句をいうのは、根本的に宇佐美を理解してません。宇佐美ってプレーヤーなんですが、基本的にスタミナに不安のある選手で、サイドを上下動できないタイプなんです。</p><br /> <br /> <p>これはドイツで原口なんかもぶち当たった壁なんですけど、彼の最近のインタから引用しますが<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>ヘルタは守ってカウンターというサッカーなので、サイドの選手は守備の際、サイドバックの位置まで下がるんですよ。そこまでいって(味方が)ボールを奪うと、今度は爆発的なスピードを駆使して50~60m走って前に出て行くんですが、ゴール前で受けたときには、もうフィニッシュのパワーが残っていない。相当きつくて、これで活躍するのは大変だなって思いました</p><br /> <br /> <p><a href="http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2015/07/15/post_928/index.php">原口元気、ドイツでの苦悩「こんなに自信を失ったのは人生初」</a><br /> </p> </blockquote> <p></p><p>宇佐美、これが出来ないんですわ。「守備のときにはSBの位置まで下がって守備やって、攻撃になったら50メートル走ってゴール前に入る」、これだけのことなんですけど、ドイツ系の監督は、しばしばサイドの選手にこれを求めます。ハリルホジッチのサッカー見てても、サイドの選手は相手のSBが上がってきたら追っかけないとダメなんで、これが出来ないといけない。特に4231の時はそうです。</p><br /> <br /> <p>宇佐美はこれが出来ないんです。というか、宇佐美がサイドで使われているときは、宇佐美抑えるのはある意味じゃ簡単でしてね。対面のSBガンガンあがって、宇佐美の位置を下げてしまえばいい。宇佐美は守備やってからフルパワーで攻撃に移れないから、これやってれば宇佐美は全然怖くなくなる。それに走りっこに持ち込めば、後半ちょっとで宇佐美はガス欠です。健太さんが、宇佐美をサイドじゃなくて中央にコンバートしたは正解だと思いますよ。宇佐美自身「僕はサイドアタッカーじゃなかった」って話をしてますが、宇佐美は現代のサイドアタッカーには向いてないんです。中央で使うべき選手で、サイドで上下動させたら、良さがでません。そもそも、中央で使っても運動量が少ないので、試合終盤にはガス欠起こすことが多く、ガンバの試合終盤の得点の少なさの原因になってしまっている位なんですからね。</p><br /> <br /> <br /> <p>宇佐美の話はコレくらいにして、ハリルホジッチに話を戻しますが、ここまでの試合みる限り、ハリルホジッチはホントに速攻系のサッカーの人です。ハイテンポでフィジカルなサッカーを志向してるようです。これ自体は何も問題はありませんし、サッカーには正解なんてありません。基本的にサッカー文化というのは、「隣の芝は青い」の世界でして、イングランドは負けると「技術がない」と嘆き、ブラジルは負けると「守備が弱い」と嘆き、日本が負けると「決定力がない」と嘆き、そして違うサッカー文化の世界に憧れるもんなんです。</p><br /> <p>ただし、負けた監督が「フィジカルガー」とか「日本の育成ガー」とかいうのは問題外なんです。</p><br /> <p>今回、試合後のハリルホジッチのコメント読んで脱力し、イライラマックスになってしまったのはそのせいもあるんです。ちょっと前に、鹿島のセレーゾ監督(こないだ松本に負けて解任された)が、ACLで負けたときに<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>「現日本代表監督のハリルホジッチ監督は率直に感じたことを述べたと思うが、日本人選手はコンタクト(接触)を避ける、嫌がる。(ハリルホジッチ監督が)勇気を持って言っただけで、それはずっと前から分かっていた事実。18歳の高校生、22歳の大学生が入団してきたとき、大半の選手がヘディングの技術、空中戦で競り合うテクニックを身に付けていない」</p><br /> <p> こうした現状の背景として、日本と海外の間の文化の違いを挙げた。「他の国では貧富の差があり、1日を生きる、生き延びるためには自分で頭を働かせないといけない。水がなかったり、食べ物がなかったり、それはだれかにもらえるわけではなく、自分でどうするかを考えないといけない」。ブラジル人監督はそう持論を展開し、サッカーに話を移す。</p><br /> <p>「(ブラジルでは)7歳から10歳ですでに競争の世界に身を置いている。同じ街のチームには負けてはいけない。勝つか、負けるか。そこにどういう意味があり、重みがあり、責任があるのか。それを小さいときから分かっている人と、プロになってから分かる人とでは大きく異なる」</p><br /> <p> 球際の競り合いや1対1の勝負。勝利にこだわる執着心。「日本には争いをしないという文化、習慣があり、話し合いで解決するという素晴らしい文化がある」と、日本の文化を尊重したうえで、「だが、それは極端に言えば、素手でケンカをしないということ。接触することも嫌がる。日本人選手の大半はヘディングが大嫌いではないか。競り合いになると、できるだけ自分だけは競らないようにしている」と指摘した。</p><br /> <p><a href="http://web.gekisaka.jp/news/detail/?162381-162381-fl">日本人選手の“弱さ”嘆く鹿島セレーゾ監督「接触を嫌がる」</a></p> </blockquote> <p><br /> こんなコメント出して、僕を猛烈に脱力させてくれたことがありました。</p><br /> <br /> <p>言ってることはもっともでございますよ。ええ、もっともでございます。</p><br /> <br /> <p>ただね。</p><br /> <br /> <p>アジアで勝てない監督がこんなこと言っても何も説得力がないんですよ。</p><br /> <br /> <br /> <p>というか、負けた監督が何いっても負け犬の遠吠えなんですわ、サッカーの世界では。結果が全てですから。</p><br /> <br /> <p>それに鹿島が負けたら原因は日本の育成、勝ったら自分の功績にするようじゃ、下の人間ついてこないでしょう。セレーゾさんは、松本に負けて解任されましたが、J1ですらろくに守れないチームなのに、鹿島の守備の酷さを日本の育成、文化のせいにされてもね。</p><br /> <br /> <br /> <p>ハリルホジッチさん、今回の試合の後、「日本の危機だ」とか言って会長に直談判してたみたいですが、負けた原因を「日本の育成のせいだ」とか言いはじめて、その後、解任されちまった監督がつい最近、一人でてますので、そういうのは止めといたほうが無難でござると、僕は申し上げておきます。</p><br /> <br /> <p>ぶっちゃけ、モンバエルツさんも最近J1でかててねーし、ハリルホジッチさんもアジアで勝てないようだと、フランスサッカーってダメなんじゃねぇの?って声が先に出ますわマジに。</p><br /> <br /> <p>今日はこのあたりで。ではでは。</p> </div> Wed, 05 Aug 2015 01:56:03 +0900 hatenablog://entry/8454420450104511010 2015ロシアワールドカップ二次予選、日本対シンガポールのレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/06/19/032652 <p>はい皆さん、こんにちは。本日は最高にストレスがたまる試合だった先日の日本対シンガポールの試合のレビューでもしようかと思います。久々のマッチレポートになりますね。試合自体は0-0のドローでした。シンガポールのFIFAランキングは154位ですから、大番狂わせといっていい出来事でございます。</p><br /> <br /> <p>実は一つ前のイラク戦もマッチレビューしようかと思ってたんですが、書くことがホントに何もない試合だったのでスルーしてました。ただ、今回の試合のおかげで、ちょっと書くことはできました。比較的な事をすると色々とありますので、ちょっと触れときます。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>日本対シンガポール、スタメンとフォメ、シンガポールの守備のやり方の話</h4> <p></p><p>まず、スタメンとフォメ張っときます。シンガポールの選手は誰もよく知らないので、フォメだけにしときます。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618001832.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618001832j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618001832j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなってました。日本代表はいつもの4231、対するシンガポールは4141です。このマッチアップはわかりやすく噛み合うので、誰が誰を見るのかってのがはっきりしてます。</p><br /> <p>ただ、この試合なんですけど、一つ前のイラク戦の時と、相手の守り方がちょいと違ってました。イラクは4411なんだか、4141なんだかよくわからない守り方してましたけど、</p><br /> <br /> <br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/Xu7bI7_2V2E?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=Xu7bI7_2V2E&feature=iv&src_vid=YZsVQkWltRI&annotation_id=annotation_3104380475">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>動画張っておくので軽く説明しときますが、イラクはボランチが香川と長谷部、柴崎を捕まえに結構前まで出てくるんですね。だからイラク戦では、相手のボランチを簡単に動かせたので、そこで開いたバイタルのスペースをアタッカーが使うことが簡単にできてました。それから、イラク戦だと、岡崎にぽんぽん楔が入ってましたけど、香川のオフザボールとボランチのポジショニングで簡単に中央へのパスコースを作ることが出来ていたので、トップに楔入れるのがすごく簡単な試合だったんです。</p><br /> <br /> <p>ところが、シンガポール戦の場合、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618003622.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618003622j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618003622j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618003625.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618003625j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618003625j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなってたんですけど、イラク戦の場合、ボランチが一人、必ず香川を捕まえてました。なので、香川が動くと、ボランチも移動するので、中央にスペースつくるのは割と簡単だったんですわ。ところが、この試合の場合、アンカーが香川をマンツーマン気味では捕まえてないんです。中央のスペース潰して岡崎への楔が入らないように守ってました。アンカーは中央からあまり動かないんで岡崎に楔入れるのは難しい試合でした。</p><br /> <p>もういっちょやっときますけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618005707.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618005707j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618005707j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618005705.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618005705j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618005705j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こーなんですけどね。これらのシーン、どれもそうなんですけど、シンガポール陣内で長谷部と柴崎が、簡単に前向いてボール持ててるんです。湘南ベルマーレの話を突然挟みますけど、湘南の選手がこーいう守り方したら、チョウさんはガチ切れします。「相手のボランチを自由にするな!!」ってガチギレです。ところが、この試合だと、シンガポールは日本のボランチを自由にプレーさせてまして、これだと、どんどん押し込まれます。</p><br /> <p>シンガポールなんですけど、「前に一人しか残してない」、「日本のボランチがハーフウェーラインでボール持って前向いても、そこでは食いつかない」という守り方してたので、基本的にカウンター出来ません。というのも、日本のボランチはシンガポール陣内で前向いて、ほとんどプレッシャー受けずにボール捌いてる状態なんで、DFラインはどんどん下がっちゃいます。この状態ではボール取っても、まともにカウンターなんて出来るはずがありません。なんで、この試合、前半はシンガポールはシュート2本、枠内シュートは無しという状態でした。</p><br /> <br /> <p>この日のシンガポールの守り方をちょっと図でまとめると、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618010909.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618010909j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618010909j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんな感じです。中央三枚は、マッチアップ的にはアンカーが香川、インサイドハーフが柴崎と長谷部を捕まえる感じなんですけど、マンツーマン気味ではなく、スペース埋めるの優先でした。DFラインは、オフサイドトラップはそんな使ってません。たしか一回だけだったはずです。本田、岡崎の裏抜けにはDFがついていって対応してました。</p><br /> <br /> <p>この日のシンガポールなんですけど、基本的に守備だけやるサッカーです。ハーフウェーラインから、日本のボランチがほとんど自由にビルドアップ出来る状態でしたから、狙った所で奪ってカウンターってのは出来ません。そもそも日本のボランチに自由にパスだされてる訳だし。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対シンガポール、前半における日本の攻撃について</h4> <p></p><p>さて、こっからが今回の本題。</p><br /> <br /> <p>ここまで、「日本のボランチがシンガポール陣内で簡単に前むいてパス出せる試合」だって事を、ここまでで説明してきました。なので、日本のボランチは基本的にやりたい放題できます。</p><br /> <br /> <p>この試合、ハリルホジッチが、<br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>──格下の相手に主導権を握りながら点が取れない。簡単なことではないと思うが、改善するにはどういうことを意識づける必要があるか?</p><br /> <br /> <p> おっしゃるとおりで、向こうがどう引いてくるかは分かっていた。具体的にいうと(対策として)逆サイドにダイアゴナル(斜め)のパスを要求していたが、選手はそれを実現できずに中に入りすぎていた。中を崩すのであれば、ダイレクトで2〜3回(パスを)つながなければならない。ワンタッチの突破は4〜5回成功したものの、シュートに正確さを欠いた。最後の仕留めるところでの正確さが足りていなかった。</p><br /> <br /> <br /> <p><a href="http://sports.yahoo.co.jp/sports/soccer/japan/2015/columndtl/201506160005-spnavi">ハリルホジッチ「非難するなら私」 W杯アジア予選 シンガポール戦後会見</a></p> </blockquote> <p><br /> こんなコメント出してましたが、この逆サイドへの斜めのパスってのが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618022247.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618022247j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618022247j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こーいうサイドチェンジなのか、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618022706.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618022706j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618022706j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーいう斜めに裏に走りこむWGへのパスなのかは、文章からはちとよくわかりません。ただ、WGが中に入っていくのを放置してるので、サイドチェンジはそんな重要視してないっぽいんです。なんで、後者の斜めに裏に走りこむWGへのパスなんじゃねぇかとは思います。</p><br /> <br /> <p>後者の斜めに走りこむWGへのパスのほうなんですけど、これは前半最初に本田が何度かやってました。イラク戦の場合、本田はアレで簡単に点とったんですけど、この試合の場合、本田の裏抜けは明らかに警戒されてて、点取れそうな気配はなかったです。</p><br /> <p>これはそもそも論ですけど、サイドから斜めに裏に走りこむプレーってのは、本田あまり上手くありません。宇佐美もそう。日本のこの日の両WGは、足元でもらいたがるタイプで、オフザボールで裏に走りこむプレーで天下をとった選手じゃないんですよ。そういうプレーは岡崎とか川崎の小林悠とかが得意なプレーです。</p><br /> <br /> <p>というわけなんで、「逆サイドへの斜めのパス」っつても、宇佐美と本田のダイアゴナル・ランじゃ、そもそも裏とれないだろって話になるんで、ハリルさん、それをやりたいなら、ポジション変えるべきですがなって話にゃなるんです。「逆サイドへの斜めのパス」やりたいなら、岡崎を右にだしたほうがいい。それやると、ザックジャパンなんですけどね。</p><br /> <br /> <br /> <p>それ以外にも、この試合の場合、前半の攻撃は、あまり上手く行ってませんでしたが、原因は左右両サイドそれぞれにあります。なので、まず左サイドの問題点を図で説明しますけど</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150618/20150618023936.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150618023936j:plain" title="f:id:pal-9999:20150618023936j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>図でやると、こうなるんですが、図の白いエリアに香川が入ってきたときに、そこにパスが入らないんですわ。これは、遠藤がいなくなってから、問題になるだろうなあと思っていた部分なんですけど、日本の左サイドでボランチから縦パスが通らなくなってんですね。</p><br /> <p>遠藤がいた頃は、あそこに縦パス通してくれてたんです。ただ、いなくなってから、あそこにパス通せる奴がいなくなってましてね。あそこに縦パス通す攻撃が通ったのは、本当に少なかったです。</p><br /> <br /> <p>ここの遠藤がいないとパスが回らない問題なんですけど、基本的に今の日本代表って、ボランチ、CBにビルドアップ出来るレフティってのがいないんです。このビルドアップできるレフティがいないと、左方向への展開に問題を抱えてしまう事が多いんです。</p><br /> <br /> <p>ちょっと、利き足と逆方向のパスが難しいって話をするのにPKの話をしますけど、</p><br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814179/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51r1XSFvs1L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理" title="「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814179/fifthedition-22/">「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> サイモン・クーパー,ステファン・シマンスキー,森田浩之</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 日本放送出版協会</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2010/03/24</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">購入</span>: 1人 <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 75回</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4140814179/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (19件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <p>このサイモン・クーパーの本に、PK戦の話があります。経済学者のイグナシオが1995~2000に蹴られた1417回のPKのデータから、キッカーが自然なサイド(利き足の方向)に蹴ったかどうかでPK成功率がどう変わるかを計算した話があります。それによると、</p><br /> <br /> <p>キッカーが自然なサイドに蹴って、キーパーが逆に跳んだ場合のPK成功率 95%<br /> キッカーが不自然なサイドに蹴って、キーパーが逆に跳んだ場合のPK成功率 92%<br /> キッカーが自然なサイドに蹴って、キーパーが同じ方向に跳んだ場合のPK成功率 70%<br /> キッカーが不自然なサイドに蹴って、キーパーが同じ方向に跳んだ場合のPK成功率 58%</p><br /> <br /> <p>となったそうです。</p><br /> <p>いずれのケースでもそうですが、利き足と逆方向に蹴ると、PK成功率が下がっているのがわかると思います。この話はキッカーがどういう戦略をもってPKをやるべきかって話じゃありません。それはサイモン・クーパーがやってます。僕がここで言いたいのは、「<b>チームのビルドアップ部隊が全員右利きだと左方向への展開に問題を抱えやすい</b>」って事なんです。圧倒的にキッカー有利なPKでも、利き足と逆方向に蹴ると成功率が落ちるわけです。パスも同じで、基本的に、右利きの選手ってのは左方向へのパスで問題をかかえやすくなるんです。チームのビルドアップ部隊が全員右利きだと、左サイドの底からビルドアップ、左方向へのパス、この二つが上手くいかなくなる事が多いです。</p><br /> <br /> <p>遠藤が日本代表でボランチやってた時代は、この問題がそれほど大きな問題にはなりませんでしたけど、遠藤がいない試合だと、すぐこの問題が出るんです。</p><br /> <br /> <p>ここで、シンガポール対日本の試合に戻りますけど、この試合の問題点を浮き彫りにしてるのが、前半4分のビルドアップなんですが、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619005551.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619005551j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619005551j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619005554.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619005554j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619005554j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619005558.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619005558j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619005558j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619005601.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619005601j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619005601j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これです。この試合の前半は、こんな攻めばっかだったんですけどね。まず、左でフリーな選手がいるけど、右に右にパスをだしていく。でもって、右の中央に入ってきてる本田に、マークついてるのに足下にパスだしてしまう。</p><br /> <br /> <p>柴崎か長谷部がボールもつと、相手のボランチの一枚がどこかで出てきます。そしたら、その背後のスペースが空くんですけど、その際になにが問題って、図でやると、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619010519.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619010519j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619010519j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなるんですけど、あそこの赤で囲ったスペースを香川、岡崎、本田が使おうとして大渋滞という意味不明なプレーが散見されました。</p><br /> <br /> <p>これね、前半9分にもくり返されるんですが、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619011911.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619011911j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619011911j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619011917.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619011917j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619011917j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619011921.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619011921j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619011921j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619011924.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619011924j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619011924j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>なんで、左無視して、わざわざマークがぴったりついてる右の本田にパスだすのか、お父さん、さっぱりわかりません。本田が中央に入りすぎなのも問題なんですが、その前の段階で、香川か宇佐美にボール当てない理由が、僕にはよくわからんのですよ。これ、前半19分の時も同じようなことやってます。左サイド無視して、マークついてる本田にパスいれろって指示でもハリルホジッチから出てたんでしょうかね?</p><br /> <br /> <p>これ、そもそも論なんですが、本田が中央にはいってきてるんで、左から右へのサイドチェンジはやりたくてもできません。一方、右から左へのサイドチェンジも機能してなくて、右は前線が大渋滞おこしてて、まともなビルドアップ出来ない状態になってました。</p><br /> <br /> <p>前半19分40秒あたりの攻めとかもそうなんですけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619014044.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619014044j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619014044j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619014059.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619014059j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619014059j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619014102.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619014102j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619014102j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619014105.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619014105j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619014105j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619014107.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619014107j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619014107j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これもホントによくわからないんですけど、何であそこでパスが出てこないの?って感じで。「左でフリーな選手がいるけど、右に右にパスをだしていく」ってのが延々続いてるんです。しかもマークついてる右の選手にパスだしてしまう。</p><br /> <br /> <br /> <p>これ、前半24分あたりからマシにはなってきてます。左サイドをまともに使えるようになってくるんですけど、前半34分から、またおかしな事やりはじめて、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619015912.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619015912j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619015912j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><p>こんなのとか</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619015922.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619015922j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619015922j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんなのです。<b>右サイドで大渋滞ジャパン。</b> 右サイドで香川本田岡崎がダンゴ三兄弟。</p><br /> <br /> <p>さらに極めつけなのが</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619020452.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619020452j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619020452j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619020458.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619020458j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619020458j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619020504.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619020504j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619020504j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619020513.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619020513j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619020513j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619020517.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619020517j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619020517j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619020519.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619020519j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619020519j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>ここはホント意味がわからないんですけど、左でフリーの選手に出さずにマークついてる本田の足下にボール入れる理由を誰か説明してください。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>ちと、ここらで前半の総括しときますけど、</p><br /> <br /> <p>1,この試合の前半の場合、シンガポールは完全なドン引き。前に出てこない。カウンターすらやる気がない。大差で負けなきゃいいってやり方。<br /> 2,日本の左サイドでは、宇佐美が張り気味。右サイドの本田は中央に入りっぱなし。<br /> 3、ボランチはシンガポール陣内で配球できるが、左サイドでマーク外してもボランチからボール出てこない。<br /> 4、一方でマークついてる本田の足下にはどんどんパスをだすボランチ。<br /> 5、しかし右サイドは本田が中央に入ってきて、その上香川+岡崎も来るので、大渋滞。</p><br /> <br /> <p>こんな感じですね。</p><br /> <br /> <p>これだけ書くと、ノーチャンスな試合みたいですけど、実際の所、前半から何度かチャンス作ってた訳で、前の選手のクォリティは高いんです。前半のチャンスのうち、どれか1本決めてれば、全く違う試合になっていた訳で、結果論ちゃ結果論です、この話。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>日本対シンガポール、そして後半へ</h4> <p></p><p>こっからは後半の話になります。ハリルホジッチのインタビュー読む限り、後半からはハリルホジッチのインタから引用しますけど、<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p><br /> ──前半45分をどう評価して、ハーフタイムではどのような指示を出したのか?(大住良之/フリーランス)</p><br /> <br /> <p> ハーフタイムで選手に伝えたのは、中に攻めすぎているということだ。中から攻めるとフィニッシュが難しくなるし、ダイレクトには行けないだろうと。中を崩すならフリックとか、2〜3回のワンタッチを使うしかない。だから、できるだけ外からボールを入れてくれという話をした。特に斜めの、逆サイドへ出すボールを入れてほしかった。昨日の練習でも、逆サイドからセンタリングを入れる練習をしていた。後半、2人のFWを置いて、両サイドからセンタリングを入れて合わせようとした。良いポジションからヘディングシュートを打っていた。タクティクス(戦術)のアドバイスは正しかったと思う。</p><br /> <br /> <p> ただし相手もわれわれの考えを理解して縦を塞いでいたので、逆サイドを使ったり、オーバーラップやワンツーにトライした。太田(宏介)には「今日は君の試合だ」と伝えた。彼の前にはブロックする選手がいたが、それでもしっかりセンタリングを供給してくれた。</p><br /> <br /> <p><a href="http://sports.yahoo.co.jp/sports/soccer/japan/2015/columndtl/201506160005-spnavi">ハリルホジッチ「非難するなら私」 W杯アジア予選 シンガポール戦後会見</a></p> </blockquote> <p></p><p>「逆サイドへ出すボール」は前半の最初、本田のダイアゴナルランにあわせて、ボランチが出してたパスくらいです。サイドチェンジは機能してなかったので、前日練習で、どんな練習してたのか、個人的に非常に気になります。</p><br /> <br /> <br /> <p>さらについてない時はついてないモンで、後半9分に太田のクロスから岡崎のヘディング、これをGKにスーパーセーブされてしまいました。あれを防がれると、この日の試合はもう日本の日じゃない状態でした。</p><br /> <br /> <p>そして、後半11分から、またおかしな事やり始めるんですけど</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150619/20150619024750.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150619024750j:plain" title="f:id:pal-9999:20150619024750j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>右サイドで大渋滞ジャパンアゲイン。いくらボランチが相手陣内で自由にボール捌けるといっても、前の選手が正しいポジショニングをしないと、ボランチは試合を動かせません。具体的に、両ワイドに選手がいて、ギャップを取る選手、裏へ走る選手。これがいないと、どんな良いボランチでも試合を動かせないんです。前の連中があんな事やってたら、ボランチは何も出来ません。</p><br /> <br /> <p>これでハリルホジッチが切れたのかどうかは知りませんけど、このすぐ後、後半15分から香川交代で大迫が入ります。大迫は入った直後から、足下じゃなくて裏でボールもらおうとして、裏への動きを頻繁にしてましたが、やっぱりボールはでてきませんでした。</p><br /> <br /> <p>大迫がはいった後は、中央偏重がやや無くなって、それなりにサイドからクロス入れてたんで良かったんですけど、後半25分、全く意味がわからない柴崎→原口という交代策。これはホントに意味がわからなかったです。会見読む限り、ドリブルでボール運んだり、ミドル打ったりして欲しかったみたいですけども。</p><br /> <br /> <p>基本的に、後半はあんまり書くことがありません。最後の15分くらいは、本田が中に入るのやめて、渋滞も解消されてたんですけど、左サイドのギャップにポジショニングした選手にボールが出ないってのは、最後まで変わりませんでした。サイドチェンジも大して機能せず。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>この試合のまとめ的なもの</h4> <p>そろそろまとめに入ります。長文かいたので、もうヘロヘロです。</p><br /> <br /> <p>今回の試合なんですが、チャンスは沢山作ってたので、どれか一つ決めてれば、こんなエントリ書く必要なかった訳です。だから、このエントリは結果論的な部分があります。</p><br /> <p>ただし、「左サイドで効果的なビルドアップが出来ていない」ってのと、「右サイド高い位置での大渋滞」は結構深刻な問題なんで、そこだけは何とかしといて欲しいです。もっとも前者は、レフティの有望なボランチ、CBがいない為、そう簡単に片づく問題ではないですし、右サイドは、本田が中に入りたがる選手なんで、そう簡単に解消できるとは思えない部分が多いんですけどね。</p><br /> <p>2列目の三人、香川、宇佐美、本田が全員足下小僧だってのも、渋滞に拍車をかけてる部分があるんですが、こればっかりは、どうにもならん部分ではあります。</p><br /> <br /> <p>今回の試合なんですけど、シンガポールがやってきたような守り方は、今後もやってくるかどうかは不明です。ただ他のチームも、ドン引きして、対日本では、</p><br /> <br /> <p>「日本の右サイドに攻撃誘導して、本田の足下にパス入った所でサンドイッチ」</p><br /> <br /> <p>こんな感じで来るかもしれませんけどね。</p><br /> <p>これ以上は、疲れて書けそうにないので、まとめになってないですが、今日はこんな所で。ではでは。</p> </div> Fri, 19 Jun 2015 03:26:52 +0900 hatenablog://entry/8454420450097986175 ナイキは如何にしてスポーツ&フィットネスの市場を牛耳るに至ったか(スポーツとお金の話の記事の参考書籍の紹介もあるよ) https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/06/12/034144 <p>ブログの題名が「サッカーレポート」なのに、サッカーレポート以外の話題を3回連続でする男、<s>スパイダーマン!</s>ではなく、pal9999どす、こんにちは。</p><br /> <br /> <p>ここんとこ、ずーーっとスポーツと金の話ばっかしてる訳だが、今回もスポーツとお金の話である。ただし、今回は、現在、スポーツ&フィットネスの市場でNo1企業、ナイキの話がメインとなる。</p><br /> <p>今回の話は、前回、前々回の話の続きでもあるので、これまでの記事を読んでない人は、そっちから読んで頂けると助かる。このエントリだけ読んでも意味不明なだけである。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>前回、前々回のエントリの参考書籍</h4> <p>前回、前々回とFIFA関連の話、スポーツとお金の話をしてきた訳だけれど、何人かの方から「参考書籍教えてくれ」という要望があったので、参考書籍を紹介しておく。簡単な書評もついでにやっておく。</p><br /> <br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061497308/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Y8V7SFJ5L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="サッカーの国際政治学 (講談社現代新書)" title="サッカーの国際政治学 (講談社現代新書)"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061497308/fifthedition-22/">サッカーの国際政治学 (講談社現代新書)</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 小倉純二</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 講談社</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2004/07/21</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 新書</li><li> <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 4回</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4061497308/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (11件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <p>「サッカーの国際政治学」小倉純二著。これは元FIFA理事の小倉さんの本だ。FIFA内部の話を知りたいなら、まずこの本が最初に読んでおくべき本になる。元理事なので、内部の事情に詳しいし、南アフリカW杯の際の、開催地投票に関しての、小倉さんの票読みも本の中に記されている。</p><br /> <p>それでなんだが、</p><br /> <p><a href="http://web.gekisaka.jp/news/detail/?164712-164712-fl">不正は常習化…2010年W杯はモロッコ開催だった</a></p><br /> <br /> <p>先日、こんな記事がでていたけれど、これねえ、小倉さんの本読めば、イスマエル・バンジー元理事の証言には色々とアレな所があるんだよね。小倉さんは、南アフリカ対モロッコの決戦投票の結果から、各国の票読みをしてるんだけど、この票読みの際、「モロッコに投票したと思われる理事が投票後、パーティに参加せず、席を立って帰った」って話してるんだ。</p><br /> <p>なんで、モロッコが2票差で勝っていたら、その際に13人がパーティーに参加せずに帰ってないとおかしい。でも、現実には、15人がパーティーに残って、9人が帰ってる訳だ。バンジー元理事の証言は、正直言って、小倉さんの話と整合性がない。</p><br /> <p>なので、このニュースは、政治的なアレだと思われるンだ。この先、紹介する本にも記述があるけど、メディアに情報リークして対抗陣営潰しをやるって政治ゲームは、FIFAでは散々行われてる。</p><br /> <br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270001275/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51JBQY6WTZL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争" title="アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270001275/fifthedition-22/">アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> バーバラ・スミット,宮本俊夫</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> ランダムハウス講談社</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2006/05/25</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">購入</span>: 1人 <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 10回</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4270001275/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (21件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <p>この本は、アディダスとプーマの間の戦争を描いた本としては、日本語で読める本の中では最良の本。ダスラー家の愛憎の歴史から、アディダスとプーマがダスラー家の手を離れるまでを克明に記録している。ついでに靴メーカーの話でもあるので、ナイキやリーボックの話も含まれてるし、アディダスとプーマが陸上やらサッカーの歴史の裏で、どんな事をしていたのかってのがよくわかる。</p><br /> <p>ちなみに、この本、結構な分量で日本の話が書かれている。プロローグは、中村俊輔がアディダスと契約する話から始まる程度に、日本の話が結構ある。</p><br /> <p>前回のエントリの主役である、ホルスト・ダスラーの人物像を知りたい人は、この本が一番オススメ。</p><br /> <br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101299811/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51fXQTn3sVL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)" title="W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101299811/fifthedition-22/">W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 田崎健太</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 新潮社</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2010/01/28</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">購入</span>: 2人 <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 9回</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4101299811/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (2件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <p>この本は、FIFAの前代会長、アベランジェを主役として、FIFA、電通、アディダスなどが繰り広げるマネーゲーム、2002年日韓W杯の招致ゲームなどをまとめた本。W杯の招致や、五輪の招致において、韓国がどんな事してたのかといった話や、電通とISL設立から、電通がISLから手を引くまでの裏話など、興味深い話が沢山載っている。「W杯ビジネス30年戦争」の改題だが、文庫本のほうが加筆されてるので、文庫本を買うのがオススメ。</p><br /> <p>ちなみに、この本でも結構な量、ホルスト・ダスラーが登場する。この時期のスポーツ界で、ホルスト・ダスラーが如何に影響力があったのかってのがよくわかる。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4914903490/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51A5Z8BYRDL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="オリンピックの汚れた貴族" title="オリンピックの汚れた貴族"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4914903490/fifthedition-22/">オリンピックの汚れた貴族</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> アンドリュージェニングス,Andrew Jennings,野川春夫</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> サイエンティスト社</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 1998/02</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4914903490/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <p>これは「黒い輪」で有名なアンドリュー・ジェニングスの五輪本。主にサマランチと、その取り巻きの批判であったり、IOC委員の、招致合戦でのたかり行為なんかを徹底的にこき下ろしている本。内容は「黒い輪」の時と同じで、五輪におけるドーピングの蔓延の暴露も当然やってる。尿検査の際、膀胱に「綺麗な尿を注射しておく」なんて話は、股間がキュンとなる。</p><br /> <br /> <p>この本でも、やっぱりホルスト・ダスラーは大活躍・・・というか、しょっちゅう名前がでてくるんで(悪い意味で)、ホルストマニアな人はどうぞ。この本は五輪の腐敗を専門に扱った本なんで、FIFAの汚職とは直接的には関係ないんだけれどもね。ただ、この本では、FIFAのアベランジェや、ホルスト・ダスラーの名前がしばしば出てくるわけで、スポーツ政治の話を知りたいなら、やっぱり読んでおいたほうがいい訳なんだけれども。</p><br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761256931/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/519ZY6YKC3L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="スポーツと権利ビジネス―時代を先取りするマーケティング・プログラムの誕生" title="スポーツと権利ビジネス―時代を先取りするマーケティング・プログラムの誕生"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761256931/fifthedition-22/">スポーツと権利ビジネス―時代を先取りするマーケティング・プログラムの誕生</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 石井清司</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> かんき出版</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 1998/02</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li> <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 3回</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4761256931/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4885531489/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51YS9CBVFDL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="スポーツマーケティングの世紀" title="スポーツマーケティングの世紀"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4885531489/fifthedition-22/">スポーツマーケティングの世紀</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 海老塚修</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 電通</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2001/02</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4885531489/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <br /> <p>この二冊は、ここまで紹介してきた本とはちょっと毛色が違って、スポーツマーケティングの話がメインの本。といっても、結局、スポーツマーケティングの話になると、ホルスト・ダスラーの話になるので、ホルストの話がどっちにも載っている。ちなみに、「スポーツと権利ビジネス」のほうには、オリンピックを黒字に変えた男、ピーター・ユベロスの話と、のちにIOCのマーケティング担当になるマイケル・ペインの話にかなりの分量が割かれている。ピーター・ユベロスとマイケル・ペインは、現在のオリンピックのスポーツマーケティングの成立に、大きな役割を果たしている。</p><br /> <br /> <p><div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309273513/fifthedition-22/"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51lkxpS7FaL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="チャンピオンズリーグの20年 ---サッカー最高峰の舞台はいかに進化してきたか" title="チャンピオンズリーグの20年 ---サッカー最高峰の舞台はいかに進化してきたか"></a><div class="hatena-asin-detail-info"><p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309273513/fifthedition-22/">チャンピオンズリーグの20年 ---サッカー最高峰の舞台はいかに進化してきたか</a></p><ul><li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 片野道郎</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 河出書房新社</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2012/09/22</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">購入</span>: 1人 <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 2回</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4309273513/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (11件) 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1993/04</li><li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li><li> <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 1回</li><li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4193551695/fifthedition-22" target="_blank">この商品を含むブログ (6件) を見る</a></li></ul></div><div class="hatena-asin-detail-foot"></div></div></p><br /> <p>この本は、エントリとは直接関係ないんだけど、1970年代以降、なぜ多国籍大企業が、スポーツのスポンサーにつくようになったのか、それを理解するには良い本なので紹介しておく。</p><br /> <br /> <p>とまあ、これで前回、前々回の話の参考書籍の紹介は、おしまい。次にナイキの話をする。「何でナイキ?サッカーと関係ないやろ」と思う人がいるかもしんないね。でもね、ナイキがスポーツ&フィットネスの市場を牛耳るまでに、彼らがやったことは、現在のサッカーと深く関係してくるんだ。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>創生期のナイキ(1964~1980)</h4> <p></p><p>こっからが今回のエントリの主題。スポーツとお金の話をする際、やっぱりナイキの話は絶対に絶対に絶対に外せない。というのも、ナイキは、現在までのスポーツ・マーケティングにおける最も重要な流れを作った企業だからだ。ホルスト・ダスラーとナイキは、スポーツ・マーケティングの話をする際に絶対に外せない。</p><br /> <br /> <p>ナイキという会社は、オレゴン大学で会計を専攻していた、中距離ランナーのフィル・ナイトと、そのコーチだったビル・バウワーマンが始めた会社である。</p><br /> <p>そもそも、ナイトがスポーツ用品会社をつくったきっかけとなったのは、ビジネススクールの授業で、「架空の事業を想定し、その設立目的とマーケティング目的を呼べよ」という課題が出た時に遡る。</p><br /> <br /> <p>ナイトはこの時、</p><br /> <p>1,バウワーマンがしばしばアディダスを含むランニングシューズに不満を漏らしていたこと<br /> 2、日本製の安価なカメラが、高価で歴史のあるライカのカメラにとって変わるであろうか?というカメラマン達の議論</p><br /> <br /> <p>の二つの記憶を元にレポートを提出した。「日本製シューズは低価格低品質と言われるが、日本メーカーが高品質のランニングシューズを作れるなら価格による差別化で日本メーカーは新たなマーケットを開くことができるだろう」というもの。</p><br /> <br /> <p>その後、ナイトは普通の会計事務所に就職するんだが、日本に旅行した際、オニツカタイガー(現アシックス)のランニングシューズを手に入れた事が、ナイトの運命を変えることになる。</p><br /> <br /> <p>ナイトは、シューズをアメリカに持ち帰り、バウワーマンに見せた所、バウワーマンの反応は「この靴は悪くない」だった。そして1964年、ビルとバウワーマンは500ドルずつを出資して、ブルーリボンスポーツ社(後のナイキ)を設立し、日本で生産されたランニングシューズをアメリカで売るという輸入ビジネスを発足させる。</p><br /> <br /> <p>現在の社名、「ナイキ」が生まれたのは、1971年。オニツカタイガーが販売権を他の業者に与えるのではないかと不安になってきたナイトが、自社の靴に新たなブランドとマークをつけようとした時から始まる。この時から、スウォッシュのマークと、「ナイキ」のシューズの歴史が始まるわけだ。(この後、オニツカタイガーとは揉めて裁判起こされることになる。)</p><br /> <br /> <p>ナイキが成長するにあたって、最初に追い風になったのは、1970年代後半から起こったジョギング・ブームだった。ナイキは当初、陸上競技から事業をスタートさせたが、ジョギング・ブームからフィットネスにも力を入れ始める。こうして現在に至るまでの、「スポーツ&フィットネス」企業、ナイキが形作られることになるわけだ。ランニングシューズの売上が急激に伸び、それに伴ってナイキの売上は、1970年代後半には、1000万ドルから2億7000万ドルまで伸びることになる。そして、1980年、ついにナイキはアディダスのアメリカ市場の市場支配を終わらせる。</p><br /> <p>この時期、アメリカの靴の市場では、堅い皮の靴がシェアを失って、スニーカーに代表されるような柔らかい靴がシェアを持ち始める。この流れに乗ったのがナイキやリーボックで、この流れを見失っていたのがアディダスなんかになる。</p><br /> <p>ただ、アディダスがそうであったように、ナイキも「フィットネス」関連の市場の発展に乗り遅れてしまった部分があった。もっともアディダスは、ジョギングブーム自体を気にかけていなかった部分があり、その事がナイキとリーボックの台頭を許す原因になるんだが。アディダスの靴職人達は、ランニングシューズや、ナイキの有名な「ワッフルトレーナー」を、てんで気にかけなかった。ワッフルトレーナーに関しては、ジョークだとすら思っていたそうだ。だが、後にその事が大間違いだと気付かされることになる。</p><br /> <p>話をナイキに戻すけれど、ナイキはジョギングブームにのって、業績を拡大させていったんだけれど、大きいなミスをしてしまった。それは1982年から発売されたリーボックのエアロビックス用シューズ「フリースタイル」の過小評価だ。アディダスもナイキも、「フリースタイル」の流行は一時的なものだと考えていた。その事がリーボックの台頭を許す原因となる。フリースタイルは空前の大ヒット商品となり、リーボックは一時はアメリカ市場でもっとも大きなシェアを握るシューズメーカーになるのである。</p><br /> <br /> <br /> <p>ナイキはリーボックの攻勢に対して、1980年代、一時はレイオフを含む組織再編にまで追い込まれたものの、この時期、ナイキのその後の路線を決定することになる、一人のスポーツ選手がナイキと契約する。</p><br /> <br /> <p>その名は誰でも知っているだろ。バスケットの神様、マイケル・ジョーダンだ。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>ヒーロー製造会社ナイキ</h4> <p></p><p>こっから先の話は誰でも知ってる内容なんだが、マイケル・ジョーダンがNBAに入ったのが1984年。そして、ナイキでは「彼との契約は賭けだった」とも言われるが、ナイキは5年250万ドルの契約を交わす。そして、ジョーダンはナイキが彼のために特注した赤と黒のシューズを履くようになり(当時、NBAでは白のシューズしか認められておらず、ジョーダンとナイキは罰金払いながらのプレーになった)、これがさらに話題を呼んだ。1985年、エアジョーダンがナイキからリリースされ、これは爆発的なヒットとなり、一年で1億3000万ドルを売り上げ、当時、低迷していたナイキを蘇らせたのである。</p><br /> <p>それだけではなく、エアジョーダンの発売後、スニーカーとバスケットシューズは、サブカルチャーではなくなった。バスケットシューズはアメリカでの売上の6割を占めるまでになり、その後のスニーカーブームに繋がっていく。</p><br /> <br /> <p>とまあ、このあたりは誰でも知ってる事だろう。</p><br /> <br /> <p>こっからは、ナイキの功罪半ばする話になる。</p><br /> <br /> <p>マイケル・ジョーダンは世界的なスーパースターになり、ナイキはエアジョーダンで大もうけすることに成功した。ナイキではジョーダンが現役だった時代を「黄金時代」と呼ぶそうだが、この時期に驚異的なスピードでナイキの売上は伸びていった。</p><br /> <br /> <p>この時期に、ナイキがやった事、それは、マイケル・ジョーダンの</p><br /> <br /> <p>「フィル(ナイト)とナイキがやったのは、わたしを夢の対象にすることだった」</p><br /> <br /> <p>という言葉が端的に表している。ナイキはヒーローを作り上げたのだ。スポーツ選手を使って売り込みをかける、というのは、それ以前から頻繁に使われてきた手だった。しかし、ナイキはそれを一歩前に推し進めてしまった。自身でヒーローを生み出しはじめたのだ。どういう事かというと、選手のイメージを作り上げて、選手を神格化させていったんだ。選手のブランディングを徹底的に会社ぐるみで行うようになった。</p><br /> <p>ナイキのノンフィク本、「just do it」からの引用になるけど、<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>「ナイキがついていなければ、マイケル・ジョーダンには何の影響力もない」by フィル・ナイト(ジョーダンはナイトがこういったのを覚えている。ナイトはそんな言い方はしてないと言ってるが。)</p> </blockquote> <blockquote> <p>18世紀後半の製品に国王や女王の承認印がつけられていたように、消費文化のもとでは、有名人に品質保証されるという要素は欠かせないものである。しかし、ナイキは、そうした品質保証とそこから生じるマーケティングを、きわめて金のかかる特定の形式に変換したのである。</p> </blockquote> <blockquote> <p>「今や、スポーツを通じて達成できるレベルが二つあるようだ」発足したばかりのスポーツ・マネジメント部で部長を務めるフレッド・シュライアは言った。「スポーツそのものでの成功と、マーケティングの世界での成功だ。今や後者の達成も義務づけられているかのようだ。より高い地位まで導いてくれるマーケティング組織がついていなければ,エリートとはいえないような状態になっている」</p> </blockquote> <p><br /> こういうモノだ。ナイキは、マーケティングというお題目の下で、ナイキと契約した選手のイメージを極めて精巧に作り上げ、そして、そのイメージを使って商品を売り込んでいった。マイケル・ジョーダン、アンドレ・アガシ、タイガー・ウッズ、ランス・アームストロング・・・・彼らのパブリックイメージは、ナイキによって細心の注意を払って作り上げられた、いわば架空のイメージと言って良いものだった。それは、商品を売り込む為には必要なものだったかもしれないけれど、神に祭り上げられた、タダの人間にとってはたまったものじゃなかった。あのジョーダンでさえ。</p><br /> <p>アンドレ・アガシは、「just do it」の中で<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>「みんなが見たがっているのは、ナイキのコマーシャルにでてくるアンドレ・アガシなんだ」</p><br /> <p>「みんなが俺に求めているのは、ガキっぽくコートを飛び回ることや、イカしたナイキの広告の中で、猛スピードで珠を打ち付ける姿なんだ。本当のアンドレ・アガシなんて退屈なガキだよ。本当のアンドレは、友達とラスベガスをうろついたり、映画に行ったりしてるだけ。本当の自分なんて、絶対に人目にさらしたくない」</p><br /> <br /> <p>「人々がみたいもの、そして見るべきものは、現実のものじゃないんだ。人々にプレーさせたり、ものを買わせたりしているのは現実の俺じゃない。連中の頭にあるアンドレ・アガシがそうさせているんだ」</p> </blockquote> <p><br /> こんな話をしているけれど、ジョーダンやアガシは、自身の姿と、ナイキがコマーシャルで作り上げていく姿の乖離に苦しむ事になる。人々の頭の中にあるジョーダンは、現実にはナイキのコマーシャルの中にしか存在しない。</p><br /> <br /> <p>そして、この手のナイキの「ヒーロー製造器」に乗せられて、ガンから生還し、レースにカムバックしたスーパーヒーローに祭り上げられたのがランス・アームストロング。ほとんどゴルフの聖人君子に祭り上げられたタイガー・ウッズ。この二人は、ナイキが作り上げた仮面がスキャンダルによって剥がされると、その後に待っていたのは、地獄だった。</p><br /> <br /> <p>スター選手をブランディングし、コマーシャルを使ってスーパーヒーローに祭り上げ、スーパーヒーローを使ってスポーツ用品をセールスする。正直、ジョーダンで、あまりに上手くいってしまった為、その後、ナイキは、このやり方でやりすぎてしまった部分がある。それの反動が、ランス・アームストロングとタイガー・ウッズのケースで出てしまった部分がある。(もちろん、両者ともに自業自得な部分もあるんだが)</p><br /> <br /> <p>そして、もっと厄介なのは、この手法が、色んなスポーツの分野に広まってしまった事だった。今や、スポーツ選手というのは、スポーツそのものでの成功だけでなく、マーケティングでの成功出来ないと、エリートと呼べない時代に突入したんである。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>以上がナイキの功罪。ナイキは、スポーツ用品市場において、ランニングシューズの先駆けであり、フィットネス革命の仕掛け人でもある。沢山の革新的なシューズも生み出してきた。一方で、スポーツ選手を使ったマーケティング会社、ヒーロー製造会社としての側面を併せ持っており、その手法は、今や、ほとんどのスポーツに広まってしまった。</p><br /> <br /> <p>正直いって、最近のスポーツは、まーるでプロレスみたいに感じる事がある。プロレスってのは、<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <blockquote> <p>アングルは、プロレスにおける隠語の一種で、試合展開やリング外の抗争などに関して前もってそれが決められていた仕掛け、段取りや筋書きのこと。試合自体の進行は「ブック」と呼ばれ、アングルはリング外でのストーリー展開を指すことが多い。アングルの組み合わせや展開が観客動員に大きく影響するため、試合内容と同じ重要性を持つ。</p><br /> <p><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%82%B9)">アングル (プロレス)</a></p> </blockquote> <p></p><br /> <p>こういう風に、試合の前後に物語を作り上げることで、観客動員をあげようとしているわけだ。最近のスポーツでは、マーケティングの論理が幅効かせているせいか、やたらとストーリーを作って盛り上げようとするもんだから、「プロレスじゃないんだから勘弁してくれよ・・・」と感じる事が多い。</p><br /> <br /> <p>ナイキとジョーダンの成功以降、スポーツはプロレス化してしまった部分がある。サッカーも然り。マーケティングの論理が幅を利かせすぎている部分がある。</p><br /> <p>とはいえ、それが時代の流れというものなんであり、そのおかげで、スポーツ選手は大金を稼げるようになった訳だから、悪い話では絶対にないのだけれど、素朴だったスポーツの時代を懐かしむ事もあるのである。今日はそんな話でしたとさ。おしまい。</p> </div> Fri, 12 Jun 2015 03:41:44 +0900 hatenablog://entry/8454420450097278205 ブラッターが辞任したので、スポーツとお金について書いておく https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/06/06/012447 <p>ブログの題名が「サッカーレポート」なのに、サッカーの政治の話題を二回連続でする男、<s>スパイダーマン!</s>ではなく、pal9999どす、こんにちは。</p><br /> <p>前回、FIFAの組織の話をしたけど、ブラッターが、</p><br /> <br /> <p><iframe src="//hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fwww3.nhk.or.jp%2Fnews%2Fhtml%2F20150603%2Fk10010101291000.html" title="FIFAブラッター会長が辞任表明 NHKニュース" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"><a href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150603/k10010101291000.html">FIFAブラッター会長が辞任表明 NHKニュース</a></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150603/k10010101291000.html">www3.nhk.or.jp</a></cite></p><br /> <br /> <p>突如、辞任→再選挙、という香ばしい流れになったので、今回は、「FIFAが金満になって、腐敗がはこびるようになっていった」過程について書いとこうと思う。これ、本一冊書けるくらいのネタなんだが。</p><br /> <p>サッカーの話を読みにきた人には申し訳ないが、本日もFIFAとW杯と政治と腐敗ネタである。</p><br /> <p>まず、サッカーのW杯なんだけど、</p><br /> <p>ドイツ大会の収益    17億ドル<br /> 南アフリカ大会の収益  36億ドル<br /> ブラジル大会の収益   45億ドル</p><br /> <p>となっており、オリンピックと並び、世界最大規模のスポーツイベント、収益マシーンと化している。ちなみに、内訳として、約半分は放映権料。残りがスポンサー収入とチケット料である。現在、W杯の収入の大半は、放映権料とスポンサー収入から生まれている。</p><br /> <br /> <p>Wカップがここまで巨大な集金マシーンと化した原因は放映権料、スポンサー収入である。実は、この二つに深く関係している会社と人物がいる。今回はそこに焦点をあててエントリを書いた次第である。</p><br /> <br /> <p>なお、クッソ長いので、最後にまとめを書いた。全部読むのが面倒な人は、最後だけ目を通すだけでも良い。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>初期のFIFAとWカップ、FIFAに金がなかった頃の話</h4> <p><br /> この話を始める際、どこから始めるか非常に迷うんだが、とっかかりとして、まだFIFAとW杯に集金力がなかった時代の話から始めようと思う。</p><br /> <p>まず最初に、第一回のW杯、ウルグアイ大会の時なんだけど、ウルグアイの他にも立候補した国があった。イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデンも立候補したんだけど、主催国が参加チームの旅費と滞在費を全て負担という条件を提示されると立候補を取り消した。とにかく金がなかったのである。</p><br /> <p>今となっては信じられない話かもしれないけど、ウルグアイ開催が決まってからからも、欧州は参加を渋っていた。船で2週間かかる南米への旅への恐怖、大会期間中の選手の給料の支払い問題などから、<b>欧州からウルグアイ大会に参加したのは、たったの4チームだけだった。</b>フランス、ユーゴ、ルーマニア、ベルギーだ。これ、全部、当時の欧州では二流と見られていた国だらけである。</p><br /> <p>ちなみに、サッカーの母国のイングランドなんだけど、この時期は珍グランドっぷりを遺憾なく発揮している。つまり、英国四協会は、第一次大戦での敵国と中立国が試合を行った事を契機にFIFAを脱退してたりする。当時はWW1の影響で、排他的な雰囲気があったのである。英国四協会は、この頃からFIFAで特権的な地位を求めて脱退と再加入をくり返してたりして、業が深い連中だったりする。基本的に、仏の連中が中心になって結成したFIFAと、英国四協会は初期からあんまり上手く行っていなかった。この辺のしこりは、現在もなお解消されたとは言い難く、英語圏と仏語圏の対立は、現在も続いている。</p><br /> <br /> <p>英国四協会の国際的孤立は、ブラジル大会で、そのツケを支払わされる事になる。「<b>FIFAワールドカップ史上最大の番狂わせ</b>」、「<b>イングランドサッカー史上最大の恥</b>」と呼ばれる、1950年ブラジルW杯におけるアメリカ戦での敗北である。続くスペイン戦もイングランドは落とし、W杯を去ることになる。寄せ集めのアマチュア選手の集団だったアメリカ・チームの勝利は2005年に映画にまでなった。W杯におけるイングランドの歴史は、ものすごく香ばしいものがあり、僕は勝手に「珍グランディア」とか呼んでたりする。この手の珍グランディアは、フーリガンの輸出で最高潮に達する。</p><br /> <p>珍グランドネタはこの辺りで止めて(ホントはもっと珍グランドネタやりたいんだけど)、W杯に話を戻すけど、入場料収入だけでは、とてもじゃないがW杯を黒字採算にすることは難しかった。まったく儲からないので、FIFAに会計監査なんて必要なかった。金になんないからだ。だから、基本的に初期FIFA仕事はボランティアみたいなモンだった。</p><br /> <p>サッカーに、入場料以外の収入が生み出され始める契機となるのは、ヒットラーがファシズムの宣伝として利用したベルリン・オリンピックあたりからとなる。</p><br /> <p>ヒトラーは、ベルリン・オリンピックをナチスの宣伝に利用したが、オリンピックが非常に優れたスポーツ用品の宣伝場所になるという事を利用しはじめた靴職人がいたのである。</p><br /> <p>彼の名はアドルフ・ダスラー。ドイツの靴職人で、後のアディダスの創業者である。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>アディダスは如何にしてオリンピックとW杯に入り込んだのか</h4> <p><br /> まず、アドルフ・ダスラーの話から入るけれど、彼は今回のエントリの主役じゃあない。彼の息子が主役である。アドルフ・ダスラーについては、wikipediaに項目があるので、<br /> <br /> </p> <blockquote> <p><br /> アドルフ(アディ)・ダスラー(Adolf "Adi" Dassler、1900年11月3日 - 1978年9月6日)は、ドイツのスポーツ用品会社アディダスの創業者。</p><br /> <br /> <p>ドイツ帝国バイエルン王国にあるフランケン地方のヘルツォーゲンアウラハにて靴職人のクリストフ・ダスラーの子として生まれた。彼の父は靴工場で働いていた。</p><br /> <p>1920年に、靴職人として訓練を受けたアドルフは、第一次世界大戦から帰還すると、母の洗濯室でスポーツシューズの生産を始めた。1924年7月1日にアドルフの兄ルドルフが事業に加わり、ダスラー製靴工場(Gebrüder Dassler Schuhfabrik)が設立された。</p><br /> <p>アドルフはオランダ・アムステルダムで開催された1928年アムステルダムオリンピックで多くのアスリートに良質なシューズを供給し、会社の国際的発展の礎を築いた。ベルリンで開催された1936年ベルリンオリンピックにおいて、ダスラーはアメリカ合衆国のジェシー・オーウェンスにシューズを供給した。アディのシューズを履いたオーウェンスは4つの金メダルを獲得した。</p><br /> <p>1930年代にアドルフ・ヒトラーが台頭すると、ダスラー兄弟は揃ってナチ党に入ったが、アドルフより兄ルドルフの方がより熱心な国家社会主義者であったとされる[1]。</p><br /> <p>アドルフがドイツ国防軍のブーツを生産するために残された一方、ルドルフは徴兵され、後にアメリカ軍の捕虜となった[2]。</p><br /> <p>第二次世界大戦は兄弟とその妻たちの不和を加速させた。ルドルフはアメリカ軍に捕虜にされた際、SSのメンバーだと疑われたが、おそらくその情報はアドルフ以外の誰かによって提供されたものではなかったという[3]。</p><br /> <br /> <p>1948年までに兄弟の反目はさらに進んだ。ルドルフは会社を去り、町の反対側(アウラハ川を挟んだ対岸)にプーマを創業した。このためにダスラー製靴工場は消滅し、アドルフは自らのニックネーム(アディ・ダスラー)をとって、社名を「アディダス」に改名した。</p><br /> <p><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%80%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC">&#x30A2;&#x30C9;&#x30EB;&#x30D5;&#x30FB;&#x30C0;&#x30B9;&#x30E9;&#x30FC; - Wikipedia</a><br /> </p> </blockquote> <p></p><p>面倒なので、まんま引用させてもらうけれど、アドルフ・ダスラーが成功するきっかけとなったのは、黒人スプリンター、ジェシー・オーエンスに靴を提供した事から始まった。陸上競技の四冠王となった彼が履いていたシューズは、瞬く間に一流選手の間で評判となり、ダスラー製靴工場の事業は軌道にのるんだけど、一方で、ダスラー家の兄弟、ルドルフとアドルフの確執は、戦争を挟んで取り返しのつかないものになっていく。</p><br /> <p>その結果として、二人は袂をわかり、兄のルドルフが「プーマ」を創業し、弟のアドルフは「アディダス」を創業する。<b>世界を股にかけるプーマとアディダスの兄弟喧嘩がココに始まりを告げる。</b></p><br /> <br /> <p>プーマとアディダスの喧嘩のどこがFIFAとW杯と関係あるの?って思う人、この話は、ここからが本番なんだ。</p><br /> <br /> <p>この戦いで、最初に大きな勝利を収めたのは、アディダスだった。1954年、スイスW杯での事だ。この大会で、ドイツ代表は決勝まで進んだ。ドイツを決勝で待ち構えていた相手は、「マジック・マジャール」と呼ばれ、国際試合で4年半にわたって不敗を続けたハンガリー代表だった。ドイツ代表は、予選でハンガリーに3-8で負けており、決勝の予想は、ほぼハンガリーの勝利で一致していた。</p><br /> <p>後世では「ベルンの戦い」と呼ばれる、この一戦において、ハンガリーは序盤にと2点のリードを奪う。ところが前半終了間際にドイツは2点取り返し、後半にはドイツが3点目を決めて逆転に成功。スイス大会の覇者は西ドイツとなった。</p><br /> <br /> <p>この試合で、アディダスとアドルフ・ダスラーは、ドイツ代表に「取り替え式スタッド」がついたシューズ(当時としては最新式)を提供していた。試合の朝、雲ひとつなかったものの、スタジアムへの移動中に雨が降り出した。それを見たドイツ監督は、チームに同行してたアドルフ・ダスラーに、スタッドの交換を依頼。これがドイツチームの勝利に貢献したとして、「取り替え式スタッド」のスパイクは、サッカーのスパイク市場を席巻することになる。</p><br /> <p>とはいえ、ルドルフも黙ってやられっぱなしになっていたわけではなく、ドイツのプロサッカークラブの大半を顧客として抑えていたんだが。</p><br /> <br /> <p>しかし、この二つのブランドの対立をやがては、ドイツ国内の陸上選手の知るところとなり、それを利用しようとする選手が当然でてくる。アルミン・ハリー、当時100mで世界記録の10秒0を保持していた唯一の陸上選手は、この対立を利用して、プーマとアディダスの双方から現金を引き出すことに成功している。「現金いり茶封筒」を双方に要求し、1960年のローマオリンピックでは金銭面でも大成功を収めた。その結果として、アディダスからは出入り禁止を食らうことになるが。</p><br /> <p>オリンピック出場選手が現金を受け取ることは、当時は禁止されていた。ただ、そんな事はおかまいなしに、アディダスとプーマは、自分達のシューズを履いて貰う為に、選手の買収合戦を繰り広げていた。現金いりの茶封筒が裏でやりとりされていたのである。</p><br /> <br /> <p>ローマオリンピック以降、この手の現金入り茶封筒は、もはや公然の秘密と化すことになる。プーマとアディダスはロッカールームに茶封筒を散乱させており、五輪の「アマチュアイズム」は、形骸化していった。オリンピックの花形である陸上競技、そして陸上競技に次いで入場者数が多いサッカーは、こうして「裏金」に蝕まれていったのである。</p><br /> <p>この手の裏金は、当時を代表するフットボーラーも当然関係している。ペレ、ベッケンバウアー、マラドーナ、クライフのBIG4も例外じゃない。マラドーナはスキャンダル大杉なので、ほっとくとして、ペレ、クライフ、ベッケンバウアーの三人に共通するのは、このプーマとアディダスの戦争から、上手い事、金を引き出すことに成功したって事。ペレとクライフはプーマから、ベッケンバウアーはアディダスから莫大な特別手当を引き出している。実はこの四人、金に汚い所で共通していて、現役時代は、堂々と裏金要求するような連中だった。</p><br /> <br /> <p>こういった特別手当、現金入り茶封筒は、主に二つのシューズメーカー、アディダスとプーマの骨肉の争いから生み出された。しかし、これはあくまで、選手を広告塔として、自陣営に引き込もうとする動機によるもので、FIFAやIOC自体には、全く関係の無い話だった。シューズメーカーが選手に裏金渡した所で、FIFAやIOCには一銭もはいってこないからだ。</p><br /> <br /> <p>ところが、ある男の登場が、これを一変させていくことになる。その男の名前は、ホルスト・ダスラー。アディダスの創業者、アドルフ・ダスラーの息子であり、1970~1980年代のスポーツを裏で操っていたフィクサーである。人物的には、スポーツ政治における田中角栄と思って貰えば良い。</p><br /> <p>彼が今回のエントリの主役である。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>ホルスト・ダスラーとスポーツマーケティングの登場</h4> <p><br /> ホルスト・ダスラーが、スポーツの世界に初めて顔を出したのは、メルボルン・オリンピックだった。この時、彼は20才。しかし、彼の非凡な才能は、メルボルンで即座に発揮された。彼はメルボルンに降り立つと、アディダスの小売店に行き、そこで「シューズの無料配布」を提案する。そんな事をしたら、靴が売れなくなるじゃないかと小売店側は渋ったが、「スリーストライプを履いた選手がゴールテープを切ること以上に効果的な宣伝はない」と言って、店主を納得させると、「好きな靴を選んでくれ」といって選手団を店に招待しだしたのである。この後、五輪の選手村では、大きなリュックを背負って、スパイクをタダでくれる愛想のいいドイツ人青年は評判になった。ここから、彼のキャリアはスタートしたと言って良い。</p><br /> <br /> <p>しかし、彼のキャリアは、順風満帆にはいかなかった。メルボルンから帰国して、ホルストは会社での決定権の向上を望んだものの、両親はそれを受け入れてくれなかったのである。そのため、両親との関係がギクシャクしたものとなっていた。さらに、カソリックの彼がプロテスタントのモニカ・シェーファーを伴侶として望んだことも、両親との関係を悪化させた。</p><br /> <p>そのため、両親は一時的にホルストを、アルザスの工場の責任者にして、家から出すことにする。こうして、虎は野に放たれた。</p><br /> <p>ホルストと「アディダス・フランス」は、この後、ドイツ本社とは切り離され、空前絶後のスポーツ帝国の建設に邁進していくことになる。(ちなみにモニカとはその後すぐ結婚している)</p><br /> <br /> <p>アルザスに居を構えたホルストは、ありとあらゆる障害を無視して突き進んだ。彼の有名な特徴として、「ほとんど眠らない」というのがある。夜の12時まで会議をしておいて、朝の7時にランニングをはじめる。しかも、深夜でも何かアイデアが閃くと電話かけてくる、深夜二時まで会議しといて、朝に深夜放送の感想を聞いてくるetc...</p><br /> <p>ただ、何よりも彼の人物としての特徴で、触れておかなければならないのは、「人たらし」の側面である。田中角栄と非常によく似ているのだが、ホイストは、とにかく他人を操るのが上手かった。彼のモットーは「<b>ビジネスは人間関係</b>」であり、信じられないほど多くのスポーツ選手、関係の名前を覚え、さらに彼らの家族の構成まで知っていた。スポーツ選手と知り合いになると、すぐに食事に誘い、家族にプレゼントをし、必要であれば、選手に気前良く小切手を渡した。睡眠をほとんど必要とせず、疲れを知らぬ仕事ぶりと、スポーツ選手とスポーツ関係者とすぐに友人になる能力。これが彼の特徴だった。部下にもそれを要求し、アディダス・フランスの社員達は、スポーツ選手と関係者に、どんどん接近していく事になっていく。(これは現在でも続いてる)</p><br /> <br /> <p>ホルストとアディダス・フランスは次第に、本社、アディダス・ドイツと険悪になっていく。原因は、彼らがドイツから国際市場での売上を奪いはじめたからである。ホルストは、アディダス・フランスの収益を増加させるため、海外事業を必要としていた。さらには、バスケシューズ、テニスシューズ、スイムウェアにまで参入し、新ブランドを設立し、輸出ビジネスでは、本社を超える勢いで伸ばしていった。結果として、両親との間は、さらに冷え込んでいくことになる。もはや、ドイツとフランスは、一つの企業でなく、ライバルといった関係にまでなっていった。</p><br /> <br /> <p>ホルストは、こうしてアディダスを様々なスポーツの分野に広げ、世界中にスポーツ関係の友人をつくり(アフリカからソ連、共産圏、アジア、日本にまで)、国際的なスポーツの帝国を作り上げていったんだが、彼が、W杯とオリンピック、この二つを手に入れるキッカケとなったのが、1974年のFIFA会長選である。そう、ブラッターの師匠、アベランジェがFIFA会長になった会長選だ。</p><br /> <p>ホルストは当初、アベランジェの対立候補だった、スタンリー・ラウスFIFA会長を支持していた。ホルストは、自慢のコネクションを利用して、共産圏の票をとりまとめていた。実は、アベランジェはソ連を味方につけており、ソ連に共産圏の票をとりまとめてもらい、共産圏の票は、全てアベランジェに入るはずだったのだが。アベランジェは、ここで、ホルストが敵に回すと厄介な相手だと知った。</p><br /> <p>ホルストは会長選前夜、知人からラウスは負けると断言された。理由はアフリカ諸国がアベランジェ支持に回ったからである。ここでホルストは方針転換する。ラウス支持からアベランジェ支持に乗り換えたのである。即座にアベランジェのホテルを訪ね、以後、ホルストはアベランジェの強力な資金源となる。</p><br /> <br /> <p>アベランジェは、選挙公約として、W杯の出場国の増加、ユース世代の国際大会開催、途上国へのサッカー振興のための投資を約束していた。これは金がかかる話であり、資金源を必要としていた。そして、そこに現れたのがホルスト・ダスラーだったのである。</p><br /> <br /> <p>ただ、ここで問題が残った。アベランジェのプロジェクトの資金源をどうやって調達してくるかという点だ。これは莫大な資金が必要だったので、スポーツ選手に小切手切るのとは訳が違った。</p><br /> <br /> <p>ここで、ホルストが目をつけたのが、「<b>スポーツマーケティング</b>」で名を上げはじめた会社、「ウェスト・ナリー社」となる。スポーツマーケティングというと、何してるかわからないから、その内容を具体的にいえば、</p><br /> <br /> <p>1,スポーツイベントのブランディングを手伝う<br /> 2、スポーツのスポンサーになって、イメージを向上させたい企業を探してくる。<br /> 3、スポーツイベントとスポンサーを結びつけて、仲介料を取る</p><br /> <br /> <p>というビジネスモデルだ。この手法は、特に従来型の広告が禁止されつつあったタバコ産業に興味をもたれたという。</p><br /> <br /> <p>ホルストは、ウェスト・ナリー社と手を組むことにした。そして、まず、1975年、コカ・コーラをFIFAのスポンサーに迎え入れる。この契約が契機となって、次々と契約を獲得、1978年のアルゼンチンW杯では、2200万スイスフランをスポンサーから集めることに成功した。アベランジェは、この資金を遣って(バラまいて)、己の支持基盤を絶対的なモノにしていく。ホルストは、その援助をし、スポーツマーケティングで仲介料をたっぷり取るという仕組みがここに出来上がった。この後、W杯では基本的に、特定のスポーツマーケティング会社が、放映権の交渉権とスポンサーの選定権を独占して、たっぷりと仲介料を取るという仕組みが出来上がる。そして、現在に至るまでの、スポーツマーケティング会社とFIFA幹部の癒着とも言える構造が、ここから始まるのである。今回の}FIFAの汚職騒ぎで、スポーツマーケティングの会社の幹部まで逮捕されているので、この癒着構造の故である。</p><br /> <br /> <p>こうして、ホルストは、FIFAを手に入れた。そして、ホルストは、次の獲物を狙い定める。そう、オリンピックだ。ここで、ホルストが目をつけたのが、フアン・アントニオ・サラマンチだった。ホルストは、今回は乗る馬を間違わなかった。1980年の選挙でサマランチがIOC会長職につくと、狙っていた獲物を手に入れる。</p><br /> <p>ここで、ホルストが欲しがったのが、五輪の放映権の交渉権とスポンサーの選定権だった。サマランチを窓口にして、IOCに入り込み、この二つを手に入れる。サマランチは、五輪の放映権料とスポンサー収入によって自分の権力の基盤を固めることが出来るし、ホルストは、そこから、たっぷりと仲介料を取るという仕組みだった。</p><br /> <p>ホルストの能力は、1981年のIOC総会における開催地決定で遺憾なく発揮された。開催候補地としては、名古屋が優勢と思われていたが、ホルストはソウルを選び、韓国側にIOC委員の票まとめをする見返りとして、五輪の放映権の交渉権とスポンサーの選定権を手に入れたのである。この招致活動では、札束が乱れ飛んだと言われる。放映権とスポンサー収入から入る仲介料はそれほどに莫大な利権となっていったのである。やはり、IOCでも、スポーツマーケティング会社とIOC幹部の癒着とも言える構造が、ここに出来上がった。</p><br /> <br /> <p>そして、1982年、ホルストは、ここでウェスト・ナリー社と手を切り、日本の電通と手を組んでISL社を立ち上げる。ここにも面白い話があるんだが、そこは割愛する。社長はクラウス・ヘンペル。こいつはこの後で重要な仕事をするが、それは後述。ISLは、1983年に世界陸上の権利を手に入れると、1985年には公式にIOCと契約。これで、世界陸上、オリンピック、W杯、全てがホルストの傘下に収まったことになる。スポーツマーケティング会社としては、ISLはほぼ全てを手に入れたと言っても良い。</p><br /> <br /> <p>こうして、スポーツ界におけるホルストの帝国は完成した。</p><br /> <p>ただ、ホルストの物語は、ここで終わりを告げる。彼は、ガンに冒され、1987年、51才でこの世を去った。ホルストの死は、ホルストを後ろ盾としていたFIFA会長のアベランジェ、IOCのサマランチにとって、大きな痛手となった。</p><br /> <br /> <p>主役はここで退場する訳だが、今回の話は、まだもうちょっと続く。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>冷戦の終了と衛星放送の登場と放映権料の高騰</h4> <p></p><p>ここからは最近の話になってくる。ホルストはソ連の崩壊前にこの世を去ったので、この後の物語は、彼の部下だったり、彼の薫陶を受けた人々によって進行する。</p><br /> <p>まず、ヨーロッパの話になるんだけど、1980年代くらいまで、ヨーロッパでは地上波が少なく、ほとんどが公営放送だった。そのため、CM枠がなく、企業はTVCMを打てないという状況が長い事続いていた。80年代から多チャンネル化が進むんだが、1990年代に入ると、冷戦が終了し、軍事衛星が民間に払い下げられた。これによって、衛星放送局が誕生することになるんだが、イギリスのBskyBは、イングランドのプレミアリーグの放送を独占するというやり方で、93年には単年黒字化を達成し、世界を驚かせた。</p><br /> <p>BskyBは、その後、五輪でのヨーロッパでの独占放送権をオファーしたとも言われる。ただ、衛星放送にも弱みがあり、「五輪やWカップのような公共性が高い国際大会は有料放送による独占を禁じるべきだ」という声が欧州では根強く、これらのコンテンツを独占放送できなくなっている。</p><br /> <p>そのため、五輪やW杯を買うのは、主に誰でも見られる電波を飛ばす放送局に限られるようになっている。もっとも、それでも五輪やW杯の放映権料はうなぎ上りなんだが。</p><br /> <br /> <p>この手の優良スポーツコンテンツは、「キラーコンテンツ」と呼ばれ、多チャンネル時代の視聴者獲得の切り札として、この独占権を巡る入札競争が世界中で行われるようになった。この結果として、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、W杯、五輪の放映権は、天井知らずの値段がつくようになったのである。</p><br /> <br /> <p>ここで、話が、ISLに戻る。ホイスト・ダスラーの死後、ISLの管理は、ホルストの末の妹の夫、クリストファー・マルムスに引き継がれた。前社長のクラウス・ヘンペルは、マルムスと反りが合わず、退社する。(実際は権力争いに負けた、という見方もできる)</p><br /> <p>なんだが、ヘンペルの退社パーティの際、そこに招かれていたUEFA会長レナード・ヨハンソンがヘンペルに声をかけ、CLの前身であったECCのリニューアルに誘いいれた事から話が一気に進む。</p><br /> <br /> <p>ヘンペルは、その後、すぐにスポーツマーケティング会社「TEAM」を設立。そして、ECCをCLにリニューアルする構想をぶち上げる。これは、現行のCLとほぼ変わらない内容であり、スポーツマーケティングとしての儲け方も変わらない。</p><br /> <p>1,スポーツイベントのブランディングを手伝う<br /> 2、スポーツのスポンサーになって、イメージを向上させたい企業を探してくる。<br /> 3、スポーツイベントとスポンサーを結びつけて、仲介料を取る</p><br /> <p>という流れである。ただし、ここで、CLは、W杯や五輪のような公共性のあるコンテンツとは違う為、衛星放送で放映権をほぼ独占することが可能だった。そのため、放映権はとても高く売ることが可能だったのである。</p><br /> <br /> <p>その後の流れは、皆さん、ご存じの通り。CLは欧州サッカー、究極のキラーコンテンツとなり、年間1200億の放映権料を生み出すモンスターコンテンツとなる。</p><br /> <br /> <p>同時期、ISLのディレクターのマイケル・ペインも、五輪の放映権料を扱うIOCマーケティング社にヘッドハントされ、五輪の放映権契約についてまとめている。こっちは、ユニバーサルアクセス権との関係上、有料放送には放映権は売れなかった。</p><br /> <br /> <p>CLの商業化は、UEFAとスポーツマーケティング会社TEAMのタッグで進められ、莫大な富を生み出すようになっていくんだが、一方で問題も生み出した。CLがもの凄く儲かるコンペティションになったものの、その基本的な運営についてはUEFAとTEAMが独占的に管理している状態だった。</p><br /> <p>ここに反旗を翻したのが、CLの主役であるビッグクラブ達と巨大メディア資本(ベルルスコーニ、マードック、キルヒ)だった。彼らは、1997年、「スーパーリーグ構想」をぶち上げた。UEFAを脱退して、ヨーロッパのビッグクラブのみが参加する「ヨーロッパ・フットボール・リーグ」の設立を画策したんである。</p><br /> <br /> <p>ここに来て、UEFAはビッグクラブに譲歩せざるを得なくなり、ビッグクラブは分配金の大幅増加を手にすることできた。以後、ビッグクラブは、CLから得た金で選手を買いあさってさらに強くなるという特権的な地位を享受できるようなる。</p><br /> <p>そして「<b>ビッグクラブのビッグクラブによるビッグクラブのためのCL</b>」という状態が出来上がった。CLに中小クラブが出ても、翌年主力を引き抜かれるだけ、美味しい所は欧州のビッグクラブが総取り、強者による総取りで、周辺国のクラブはビッグクラブの引き立て役、そんなコンペティションになってしまったのである。</p><br /> <p>そして、ここに登場するのがプラティニである。プラティニは、UEFA会長に立候補する際、自分の票田としたのが東欧などの中小国だった。UEFAの会長選では、ヨーロッパ内ではどこも一協会一票である。なので、高まりつつある中小国の不満、ビッグクラブによるCLの富の独占という状況にプラティニは目をつけた訳だ。プラティニは、中小国へのCLの門戸開放を最大の目玉として、UEFA会長選に望んだわけだ。中小国にとって、これほど有難い話はないからだ。</p><br /> <br /> <p>皮肉な話だが、プラティニのやり方は、アベランジェやブラッターがやったのとほとんど同じだ。アベランジェとブラッターはW杯の利益が欧州に独占されている事に対するアジアやアフリカの不満を利用し、会長選では反欧州・親アジア・アフリカとしての立場を明確にすることで、アジアとアフリカを支持基盤として会長選を勝ち抜いてきた。プラティニは、欧州をビッグクラブに変え、アジアとアフリカを東欧・ヨーロッパ中小国に変えたものに過ぎない。</p><br /> <p>プラティニのやり方をみていると、ブレーンについてるのは、多分、元アディダスの連中なんだろう。</p><br /> <br /> <p>疲れてきたし、大体、流れは説明し終えたので、そろそろまとめる。</p><br /> <br /> <p>現状、W杯とオリンピックは「儲からない赤字イベント」から、「大量の富を生み出すイベント」になった。しかも、双方共に、一つの団体が市場を独占している。そのうえ、外部から監査や規制をほとんど受けていない。つまり、利権団体なのである。これが何を生み出すかというと、「<b>利権団体+外部からの監査がない+市場を独占している</b>」、とくれば、必然的に腐敗が生じる。</p><br /> <br /> <br /> <p>1980年代から始まったスポーツマーケティングの隆盛は、それまで赤字経営だったIOCとFIFAに多大な富をもたらし、そこに放映権料の高騰も相まって、今や、W杯と五輪は、世界で最も儲かり、そして最も腐敗したイベントになった訳だ。</p><br /> <br /> <p>UEFAもいずれそうなる。というか、すでにそうなってるんだろうが、CLがあれほど富を生み出し続けている以上、スキャンダルが出てくるのは時間の問題だ。以前、CLの抽選がやらせだってアレは出たけど、あんなモンじゃすまないスキャンダルはいずれ出る。根本的に、UEFAも、FIFAやIOCと同じく、監視機能がない利権団体なんだから、腐敗するのは当たり前なのだ。</p><br /> <br /> <br /> <p>という訳で、これで大体、FIFAやIOCが腐敗していく流れはまとめ終わったので、これでおしまい。呼んでくれた人、サンキュー。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>全部読むのかったるいという人の為のまとめ、w杯と五輪の腐敗の歴史</h4> <p></p><p>WW2以前   ファシストによる五輪、W杯の利用、ムッソリーニのイタリアW杯、ヒトラーのベルリンオリンピック。</p><br /> <p>1950~1960 二大靴メーカー、アディダスとプーマによる陸上競技、サッカーの選手獲得競争。ロッカールームには現金入り茶封筒が散乱する。プーマとアディダスは、自分の靴を有名選手に履いて貰う為、ありとあらゆる手段を尽くすようになる。</p><br /> <br /> <p>1970~1990 スポーツマーケティングの開始。五輪とW杯の収入が、チケット収入メインから、広告収入メインに切り替わる。IOCとFIFAの収入は以後、激増する。それと同時に内部の腐敗が進行する。また開催地の負担が減ったことで、招致運動が活発化。それに伴って、招致活動の不正が深刻化する。</p><br /> <p>1990 冷戦の終了。それと同時に軍事衛星が民間に払い下げられ、衛星放送が開始される。国際試合を全世界に中継することが可能になり、スポーツはキラーコンテンツとなる。放映権料ビジネスが金脈となる。五輪とW杯は放映権料メインとなっていく。腐敗が深刻なレベルに達し、五輪などでは改革が試みられるようになる。</p><br /> <br /> <p>2000~ インターネットの登場で、オンラインでのスポーツギャンブルが流行する。結果として、オンライン賭博による国際規模のスポーツ八百長が仕組まれるようになる。FIFAの汚職が臨界を突破し、司法の手無しでは浄化不可能な段階に達する ←new!</p> </div> Sat, 06 Jun 2015 01:24:47 +0900 hatenablog://entry/8454420450096498698 ブラッターがFIFA会長に再選したんで、FIFAの話をするよ https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/05/31/012155 <p>さて、本日はFIFAの話である。</p><br /> <p>ちょっと前から、</p><br /> <br /> <p><iframe src="//hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fwww.47news.jp%2FCN%2F201505%2FCN2015052701001281.html" title="FIFA副会長ら14人起訴 贈収賄、24年間で185億円 - 47NEWS(よんななニュース)" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"><a href="http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015052701001281.html">FIFA副会長ら14人起訴 贈収賄、24年間で185億円 - 47NEWS(よんななニュース)</a></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015052701001281.html">www.47news.jp</a></cite></p><br /> <br /> <p>こんな具合のFIFAの汚職関連のニュースがサッカー論壇では話題になりまくっており、そろそろ僕も一つエントリ書いておこうと思った次第である。ざーっと、話題になった記事を読んだ感じ、FIFAの内部の政治について、詳しく書いてる記事がそんななかったので、今回の記事は、そっちに焦点あてて書こうと思う次第である。</p><br /> <br /> <p><iframe src="//hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fwww3.nhk.or.jp%2Fnews%2Fhtml%2F20150530%2Fk10010096541000.html" title="FIFA会長選 ブラッター会長が再選 NHKニュース" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"><a href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150530/k10010096541000.html">FIFA会長選 ブラッター会長が再選 NHKニュース</a></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150530/k10010096541000.html">www3.nhk.or.jp</a></cite></p><br /> <br /> <p>ちなみに、ブラッターなんだが、UEFAのプラティニに「辞任したら?」とか言われつつ、あっさり当選をキメてしまった。ブラッターの政治力マジ半端ない。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>今回のFIFAの汚職話なんだけど、その前にFIFAの組織の話</h4> <p><br /> まず、この話から始めよう。</p><br /> <br /> <p>今回のFIFAのスキャンダルが出た時、FIFAの組織の話が全然話題になっていなかったので、まずココから入る。これを理解しないと、今回の話は理解できないからだ。</p><br /> <p>FIFA(国際サッカー連盟)には6つの大陸連盟が存在し、その内訳は<br /> <br /> </p> <ul> <li>アジアサッカー連盟(AFC) 46 members</li> <li>アフリカサッカー連盟(CAF)54 members</li> <li>欧州サッカー連盟(UEFA) 53 members</li> <li>オセアニアサッカー連盟(OFC)11 members</li> <li>北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)41 members</li> <li>南米サッカー連盟(CONMEBOL) 10 members</li> </ul><p><br /> こうなっている。今回、のFIFA会長選は、この6つ大陸連盟に存在する215の協会の投票によって決定される事になった訳だ。会長選については、各協会一票が原則であり、一つの国の中に複数の協会をもつことが許されているイングランド以外、複数票をもっている国ってのは原則存在しない。</p><br /> <p>ブラッターの権力を支えているのは、この中で、アジア、アフリカ、北中米カリブになる。基本的に第三世界でブラッターは受けが良い。なんでかというと、W杯で得た莫大な放映権料をアジア、アフリカ、北中米カリブなどに特に手厚く配分してくれる上に、アジアやアフリカにW杯をもってきてくれた功労者と見られているからだ。</p><br /> <p>このFIFAの全加盟国が参加し、意志決定が行われるのが「総会」になる。FIFAの意志決定機関がココだ。<b>だが、ここでのポイントとして、総会はW杯の開催国を決定する権限をもってないってのがある。</b></p><br /> <p>じゃあ、一体、どこがW杯の開催国を決めているのか?</p><br /> <p>ここで、FIFAの最大の仕事の話に移る。FIFAの存在意義とは、「<b>FIFAワールドカップの主催</b>」、これに尽きるんだが、ココにちょっとしたカラクリが存在する。<b>開催国を決める権限をもっている場所、それがFIFA理事会だ。</b>理事会の内訳は<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>FIFA理事会</p><p>会長   1名<br /> 副会長  8名<br /> 理事  15名  </p><p>計24名</p> </blockquote> <p></p><p>となっている。この24名がワールドカップの開催国を選ぶ権限をもっている、いわばキーマンとなる。<b>ここでポイントになるのが、各大陸連盟が送り込める理事の数である。</b>普通に考えれば、大陸連盟に所属する協会数で決まりそうなもんだが、実はそうなっていない。各大陸連盟から出せる理事の数をまとめると、<br /> <br /> <br /> </p> <ul> <li>アジアサッカー連盟(AFC) 理事4名</li> <li>アフリカサッカー連盟(CAF)理事4名</li> <li>欧州サッカー連盟(UEFA)  理事8名</li> <li>オセアニアサッカー連盟(OFC)理事1名</li> <li>北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)理事3名</li> <li>南米サッカー連盟(CONMEBOL) 理事3名</li> </ul><p></p><p>となっている。これら理事23名+FIFA会長がW杯開催国を決める投票権を持っている訳だ。<b>ちなみに、開催国になりたい場合、理事会の多数決で過半数を取れば良い。</b></p><br /> <p>これが何を意味するのかというと、欧州の8票は絶対的な票田となるって事である。<b>欧州は、自分の所と会長、それにアジアかアフリカを抱き込んでしまえば、過半数の13票を抑えることができてしまうのだ。</b> つまり、その気になれば欧州は延々と、てめえの地域でW杯を開催しつづける事ができなくもない。</p><br /> <p>これははっきりさせておきたい事なんだけれど、W杯で一番美味い汁吸ってる地域は欧州だって事。過去20大会中、10回の大会は欧州で行われており、W杯開催については、欧州が圧倒的に有利になるようにシステムが出来ているのだ。これがFIFAの一番糞なシステムだと僕は思っている。欧州に有利すぎるのだ。</p><br /> <p>そして、W杯の出場枠。ここも欧州が13、アフリカは5、アジアと南米は4.5、北中米カリブ海3.5、オセアニア0.5となっており、欧州が基本的に優遇されてるんである。</p><br /> <br /> <p>この欧州の凄まじい俺様っぷりに、反感は当然でる。というか、アジアとアフリカ、南米にとって、<b>欧州の欧州による欧州のためのFIFAワールドカップ</b>という構図は我慢できないモンだからだ。美味しい所はほとんど欧州がもっていく。地域別開催数を市場シェアとすると、欧州の市場シェアは50%であり、独占禁止法違反である。</p><br /> <br /> <p>そして、ここに目をつけたのが、前FIFA会長のアベランジェ(ブラジル人)となっている。彼は、1974年の会長選において、W杯の出場国を16から24に増やし、その増加分をアジアとアフリカと振り当てるという公約を掲げて、当選を果たした。初のヨーロッパ人以外のFIFA会長が、ここに誕生した訳だ。</p><br /> <br /> <p>その後もアベランジェは数々のスポンサーを獲得しながらFIFAの収入を増やし、それをアジアやアフリカに分配していく事でアジア・アフリカからの絶対的な支持を得ることに成功していく。そして、この路線を引き継いだのが現FIFA会長のブラッターであり、この二人がいなければ、2002年の日韓共催W杯、2010年の南アフリカW杯はなかったかもしれない。アジアでのW杯、アフリカでのW杯ってのは、この二人の権力基盤がアジアとアフリカにあったからだと言っても言いほどなのだ。</p><br /> <p>基本的に、FIFAの構図としては、欧州対その他、という構図になっており、理事会で8票の大票田をもつ欧州をどう味方につけるか、どう切り崩すかのかってのが、FIFA理事会における最大のゲームとなっている。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>FIFA理事会でのゲームの歴史</h4> <p><br /> こっからは、FIFA理事会で実際に行われた、面白いこぼれ話の紹介になる。</p><br /> <br /> <p>まず最初にヨーロッパの票田を抑えることが重要ってのは、1962年大会の開催国となったチリのケースが典型的となる。この大会では、アルゼンチンとチリが招致合戦を繰り広げたんだが、この時にチリのほうがヨーロッパの票田を抑えるのに成功し、アルゼンチンに大差をつけて開催権をゲットしているからだ。裏で何したのかは知らない。まあ、察しはつくけどね。</p><br /> <br /> <p>次が2000年のドイツ対南アフリカの決戦投票の際の話。理事会は真っ二つに割れており、事前の票読みでは12対12の同数だった。この場合、会長がキャスティングボードをもつんだが、ブラッターは南アフリカ開催を支持していたので、投票が行われれば、2006年のW杯は南アフリカ開催で決定するはずだった・・・・のだが。ここで、投票の直前になって、オセアニアサッカー連盟のデンプシー理事が棄権。これによって、南アフリカは1票を失い、決戦投票では12対11でドイツが勝利した。これによって、2006年のドイツ開催が決定した訳だ。ちなみに、デンプシー理事は脅迫まがいの投票依頼を受けていたとされる。オセアニアは、FIFAにおいて、一番立場が弱く、しばしば、この手の理不尽な争いに巻き込まれる。</p><br /> <br /> <p>ただ、やっぱり忘れちゃいけないのは日韓共催W杯のアレである。この話は色んな本で扱われているので、流れだけ説明しておく。<br /> <br /> </p> <ul> <li>1990年代に入ると、UEFAはCLの開催によって莫大な収入を得ることが出来るようになってきた。</li> <li>莫大な収入をえたUEFAは、その気になればFIFAにおけるアベランジェ会長の票田だったアジア・アフリカを切り崩す事も可能に。</li> <li>アベランジェは高齢で次の会長選には出馬しないと思われていた。</li> <li>そこに日本と韓国のWカップの招致活動が絡んでくる。</li> <li>日本はアベランジェ会長の後ろ盾を得ており、単独開催を狙っていた。</li> <li>韓国は後発だったが、アベランジェ派の切り崩しと次の会長を擁立したいUEFAの思惑を利用し、欧州の8票の確保に成功する。</li> <li>欧州にとっては、次の会長選でアベランジェ派を倒すため、アベランジェの政治的威信を傷つける意図があった。</li> <li>日本はいつの間にはFIFA理事会のグレート・ゲームに巻き込まれていた。</li> <li>アベランジェは日本の単独開催を推していたが、UEFAが反旗を翻したことを知る。</li> <li>決戦投票前の票読みでは、欧州票を得た韓国がリード。</li> <li>韓国と欧州、アベランジェと日本の最終的な落としどころは、「共同開催」に。</li> </ul><p></p><p>という流れだった。基本的に、欧州票をもっていかれてしまうと厳しいのは。チリ対アルヘンの招致合戦の時と同じである。</p><br /> <br /> <p>ちなみにドイツW杯の場合、AFCはドイツ支持に回ったが、その事でアフリカ連盟を敵に回してしまい、それ以降、交流戦やめます宣言をされてしまった。開催投票で、どっちにつくかは、その後の諸々に関係してくるので、勝ち馬に乗らないと偉い事になる。このあたりも政治と同じ。</p><br /> <br /> <p>最後に、カタールW杯の票読みをやってみよう。</p><br /> <br /> <p><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/2022_FIFA%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97">2022 FIFA&#x30EF;&#x30FC;&#x30EB;&#x30C9;&#x30AB;&#x30C3;&#x30D7; - Wikipedia</a></p><br /> <br /> <p>↑にあるけど、カタールW杯の時の開催国選定の経緯はかなり面白い。</p><br /> <br /> <p>まず、理事会の前に、英国紙のおとり取材にひっかかって買収疑惑が発覚し、2人の理事がいなくなった。つまり22名での投票となった。この時、最初の投票結果が、</p><br /> <br /> <p>カタール11票<br /> アメリカ3票<br /> 韓国4票<br /> 日本3票<br /> オーストラリア1票</p><br /> <br /> <p>となった。この時、面白いんはカタールの票数である。11票。買収疑惑発覚で職務停止された理事がカタールに入れてれば、13票となり、最初の投票で過半数を取れていたことになる。</p><br /> <p>ぶっちゃけ、このおとり取材、絶対に政治的な意図があったよね、という奴である。カタールにいれるはずだった理事を狙いうちにしてるあたり、すっごいアレな香りがぷんぷんする。カタールとしては、最初の投票で決めてしまえるように、13票確保していたはずである。おもに買収で。</p><br /> <br /> <p>もっともイングランドはW杯の招致活動で毎回負けてるので、単なる逆恨みかもしんないが。つーか、プレミアは金もってるんだから、W杯開きたいなら、少しはばらまけよ。</p><br /> <br /> <p>で、2回目の投票は、</p><br /> <p>カタール10票<br /> アメリカ5票<br /> 韓国5票<br /> 日本2票</p><br /> <br /> <p>となった。この時のカタールの心の内を想像するだけで笑えてくる。事前にプラティニとサルコジに多大な支払いを約束して欧州票のとりまとめまで頼んだはずなのに10票である。どこかがカタールを裏切ったのだ。こうなったら、カタールはさらに札束積むしかない。他所の理事の皆さんは笑いが止まらない。カタールから最後の一滴まで搾り取るチャンス到来である。この投票後なら、どんな賄賂だって要求できるぜ兄弟。</p><br /> <br /> <p>そして、3回目は</p><br /> <p>カタール11票<br /> アメリカ6票<br /> 韓国5票</p><br /> <br /> <p>こうなった。カタールはブラッターを取り込んでるから、同数になればカタールの勝ちである。11票確保した時点で、カタールの勝ちはほぼ確定した。</p><br /> <br /> <p>最後の決戦投票は、</p><br /> <br /> <p>カタール14票<br /> アメリカ8票</p><br /> <br /> <p>となってカタールの大勝利。3回目の投票でカタールの勝利はほぼ確定していたので、決戦投票にはあまり意味がない。</p><br /> <br /> <br /> <p>となっている。この手のFIFA理事会の票読みは、中々面白い。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>最後に今回の一件のアレ</h4> <p></p><p>さて、最後に今回の一件で逮捕された連中のリストはってーと、</p><br /> <p><iframe src="//hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fwww.footballchannel.jp%2F2015%2F05%2F28%2Fpost90133%2F" title="FIFAに広がる闇。起訴となった14名、その経歴とは? | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"><a href="http://www.footballchannel.jp/2015/05/28/post90133/">FIFAに広がる闇。起訴となった14名、その経歴とは? | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!</a></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://www.footballchannel.jp/2015/05/28/post90133/">www.footballchannel.jp</a></cite></p><br /> <br /> <p>こっちで見られるが、見事なまでに北中米カリブ、南米の理事狙いうちである。ここはブラッターの支持母体の一つだから、会長選での切り崩しとしかいいようがない。実際、南米票は割れたみたいだし。</p><br /> <p>こういってはなんだが、FIFA会長選、FIFAW杯開催地決定投票の前には、大概、この手のスキャンダルが出てくるようになってる。ブラッター陣営にダメージを与える為に、メディアを使うってのがもはや恒例行事となっており、明らかに反ブラッター陣営がメディアに情報をリークしてるよね、という奴である。もうドロドロのグチョグチョの権力闘争である。2002年の会長選の時も、ブラッターとアベランジェの買収疑惑が出ていたし、その前のアメリカW杯、メキシコW杯はアベランジェの権力できめたよーなモンだし。</p><br /> <br /> <p>ただ、それでもなお、ブラッターが支持される理由ってのが、結局、「<b>アジアとアフリカにW杯もってきてくれるから</b>」というのが最大の理由なんである。これによって、アジアとアフリカの票を取り込んでいるので、ブラッターは結局勝つわけだ。それが面白くないのが欧州の連中だ。</p><br /> <br /> <p>今回も会長選で、反ブラッターによる凄まじいアレが行われたけど、結局ブラッターは勝ってしまった。</p><br /> <br /> <p>今回、これほどスキャンダルまみれになったのに、なんでブラッターが勝ったの?と不思議に思う人がいるかもしれないけれど、それにはこんな背景があるんですよ、とまあ、そういうお話なのでしたとさ。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>眠くなってきたし、今日はこの辺で。ではでは。</p> </div> Sun, 31 May 2015 01:21:55 +0900 hatenablog://entry/8454420450095927188 最近の欧州における戦術面でのメタの話(3バックポゼ対策) https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/05/29/013805 <p>先日、Jリーグにおける戦術のメタの話をしたんで、本日は欧州の戦術のメタの話をしようかと思う。といっても、僕は欧州の試合全部見てる訳じゃないんっで、「欧州の」というほどのくくりでいっていいのかというアレもあるんだが。</p><br /> <p>この話をしようと思ったのは、コメント欄で「海外で3421が流行らないのは何で?」という質問もらったからでもである。この話は、前回の話の3421プレッシングとも関わるので、やっといた方が良いと思い、まとめておくことにしたのである。</p><br /> <p>というわけで、軽く前回の話のおさらいをしつつ話を進めよう。</p><br /> <br /> <p>前回の話で説明したのは、2010年の南アフリカWカップ後のJ1での4231の流行、そして4231をメタしてデザインされた3421フォメの出現という話だった。そして欧州の話になるんだけど、欧州でも南アフリカW杯後、4231はもっともスタンダートなフォメとなった。(もっとも欧州のクラブシーンではW杯前から4231は流行していたが)</p><br /> <br /> <p>現在の欧州のクラブシーンにおいて、イタリアを除く主要なリーグでは、使われているフォメは4231か433がほとんどとなっている。そして、この二つのフォメの特徴となっているのが、ビルドアップ時に3バックに変形するって所である。ザック時代の4231、アギーレ時代の433の日本のフォメを思い出してもらうとわかりやすいんだけど、</p><br /> <br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150525/20150525000143.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150525000143j:plain" title="f:id:pal-9999:20150525000143j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これは4231が3421に変形するやり方で</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150529/20150529003120.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150529003120j:plain" title="f:id:pal-9999:20150529003120j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こっちは433が343に変形するやり方となる。こっちはアギーレ・ジャパンがやっていた奴だ。</p><br /> <br /> <p>いずれの場合でもビルドアップする時に3バックに変形する所が肝で、このスタイルで戦うチームに対しては442でハイプレスかけても、噛み合わせがミスマッチしているので、それほど効果的にボールを奪えない。</p><br /> <br /> <p>こういった3バックポゼが流行するにつれて、最近の欧州サッカーでは、「442でハイプレスかけても、質の高い3バックポゼもってるチームからはボールは奪えない」というのが認識されるようになってきた。もちろん、2トップに頑張って守備やってもらって、どっちからのサイドにボールを限定するってのは出来るんだけれど、それでも、そのやり方はFWへの守備負担がきつく(二人で3人追っかけ回さないといけなくなる)、やり続けるとFWが守備でヘタッってしまい、ゴール前で違いを作り出せなくなる、という問題に多くの監督が頭を悩ませていた。</p><br /> <br /> <br /> <p>J1の場合、そこで出現したのが松本や湘南の3421で、4231にハイプレスをかけていくという方式であり、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150525/20150525002426.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150525002426j:plain" title="f:id:pal-9999:20150525002426j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こんな形で相手のビルドアップ部隊をマンツーマン気味に相手を捕まえきってしまうというやり方になる。このやり方に近いプレッシングは、欧州CLで試みられたばかりである。つまり、2015年CL準々決勝のバイエルン対バルセロナの1stレグで、ペップが試みたやり方となる。この話については、</p><br /> <br /> <p><a href="http://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/05/09/034528">2015UEFAチャンピオンズリーグ準決勝1stレグ 「バルサ対バイエルン」 のレビュー</a></p><br /> <p>以前の記事↑でまとめたけれど、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150508/20150508232359.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150508232359j:plain" title="f:id:pal-9999:20150508232359j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形でのプレッシングとなる。バルサの433に対して、3412でシステムを完全に噛み合わせて前プレかけるってやり方だった。まあ、バイエルンは、この試合負けちゃったんだけどね。</p><br /> <br /> <p>こういったプレッシングの肝となっているのが、相手の3バックポゼへのポジションチェンジを織り込んでの前3枚でのプレッシング、最終ラインでの数的同数、となっている。</p><br /> <br /> <br /> <br /> <p>一方で、このやり方とは別に、実はもう一つ、3バックポゼに対抗するプレッシング方法があって、これについては、アギーレ時代のオージー対日本の試合で、オージーが日本代表に対して行ったやり方になる。</p><br /> <br /> <br /> <p><iframe src="http://pal-9999.hatenablog.com/embed/2014/11/22/011507" title="キリンチャレンジカップ2014「日本対オーストラリアのレビュー」 - pal-9999のサッカーレポート" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"><a href="http://pal-9999.hatenablog.com/entry/2014/11/22/011507">キリンチャレンジカップ2014「日本対オーストラリアのレビュー」 - pal-9999のサッカーレポート</a></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://pal-9999.hatenablog.com/entry/2014/11/22/011507">pal-9999.hatenablog.com</a></cite></p><br /> <br /> <br /> <p>↑の記事でまとめた話でもあるけれど、あの頃の日本代表ってのはボールもつと、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20141121/20141121221824.jpg" alt="f:id:pal-9999:20141121221824j:plain" title="f:id:pal-9999:20141121221824j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こういう風に変形するシステムを採用していた。433から343に変形するスタイルだ。442で守備をやってくる相手には、これで簡単に噛み合わせをずらす事が可能になる。</p><br /> <p>ところが、あの試合のオージーは442でなく、433でハイプレスをかけてきた。どういう形かというと、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20141121/20141121224215.jpg" alt="f:id:pal-9999:20141121224215j:plain" title="f:id:pal-9999:20141121224215j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20141121/20141121224226.jpg" alt="f:id:pal-9999:20141121224226j:plain" title="f:id:pal-9999:20141121224226j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20141121/20141121224237.jpg" alt="f:id:pal-9999:20141121224237j:plain" title="f:id:pal-9999:20141121224237j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こういう形である。これは433でのハイプレスの形なんだけど、コンセプトを箇条書きすると<br /> <br /> <br /> </p> <ul> <li>433の3トップを相手の3バック部分にぶつけて相手にポゼッションする余裕を与えない</li> <li>3トップは激しくプレスをかけ、どちらかのサイドのSBにボールを出させる</li> <li>SBにボールが出たら、そこで中盤の3枚がボールサイドにスライドをかける。</li> <li>FWのプレスバック、中盤3枚のスライド、高めのDFラインでスペースを圧縮し相手からボールを刈り取る</li> </ul><p></p><p>こうなる。3バックポゼに対して、433でプレッシングをかける事で相手の自由を奪うというやり方は、バイエルン戦やユヴェントス戦でのドルトムントが採用しているし、J1においてはFC東京が採用している。</p><br /> <br /> <p>欧州において、3421が使われない原因の一つとして挙げられるのが、この433プレッシングで、3トップによるハイプレスから、中盤のスライドを利用してボールを刈り取るやり方のほうが、欧州の場合は人気があるんである。</p><br /> <br /> <p>このように、4231や433の3バックポゼに対抗するには、おおよそ二つのやり方あり、</p><br /> <p>1,4231や433の変形後のシステムに完全に噛み合う形でのマンツーマン気味のハイプレス(3421、3412)</p><p>2、3バックポゼに対して、3トップでプレスをかけ、中盤はスライドで守るタイプ(433、4312)</p><br /> <br /> <p>この二つの流派が存在しているという訳だ。</p><br /> <br /> <p>これ、どっちのやり方も一長一短で、前者は最終ラインでの数的同数というリスクを背負わねばならず、後者は中盤に広大なスペースが生じてしまう可能性が非常に高い。なので、どっちが優れいてるのかってーのは、チームのメンバー次第となる。いずれのケースでも、はっきりとしているので、3バックポゼに対しては、3トップによるプレッシングを行った方が良い、という話で、日本でも欧州でも、そいつが最近の流行になってるんだよ、そういう話である。</p><br /> <br /> <p>当たり前のことしがいってないけど、今日はこのあたりでは。ではでは。</p> Fri, 29 May 2015 01:38:05 +0900 hatenablog://entry/8454420450095784109 2015年J1における戦術面でのメタの話~3421の大流行とその対策~ https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/05/25/015955 <p>本日はタイトル通りのお話である。</p><br /> <p>つまり、現在、浦和、広島、湘南、松本、名古屋、神戸、清水、山形、甲府と9チームが3421で戦っており、J1では、今やマイナーシステムから、もっともメジャーなシステムになってしまった。半数のチームが採用しているので、3421は、珍しいシステムではなくなった。ちょっと前まではミシャ式くらいのものだったが、ポイチの広島の2連覇、昨年のJ2における湘南の無双、松本の躍進があって、3421はJリーグで大流行することになった。</p><br /> <p>なので、本日は、ちょっと戦術面から、ここ数年のJ1の流れを振り返りつつ、3421の流行の流れを追いたいと思う。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>最初に3421の前にJリーグで流行っていた4231の話から</h4> <p><br /> まずは、3421でなく、4231の話から入る事にする。理由は、ちょっと前まで、J1におけるトップメタは4231だったからだ。<b>4231は現・日本代表のフォメでもあるけど、まず説明しておきたいのが、4231ってのは、442の派生だって事。</b></p><br /> <br /> <p>これは、この話をする際にとても大事な話なんだけど、4231は442の派生系のシステムであり、特に守備面でそれが顕著になる。簡単にいえば、4231をやってるチームは、守備では4411か442で守備をセットする。そのため、4231は442の派生と言われている。</p><br /> <br /> <p>442と4231の守備面の違いは何かって話になるんだけど、これも簡単にまとめてしまうと、</p><br /> <br /> <p><b>442の守備</b><br /> 押し込まれると前にFW二人残して、残り8枚でブロックを組む。セカンドトップは中盤まで下がって守備をやらない事が多いのでWGより中盤での守備が出来るSHが好まれる。WGを二枚使ってしまうと、中盤の守備が薄くなりすぎるため、使うとしても、どちらか片方のサイドに限られる事が多い。</p><br /> <br /> <br /> <p><b>4231の守備</b><br /> 押し込まれると前にFW一人残して、9人でブロック組む。トップ下が中盤に下がって守備をやる分、WGの守備負担は442と比較すると小さい為、両サイドにWGを起用する事が可能になる。</p><br /> <br /> <br /> <p>と、こうなる。基本的に守備良し、攻撃良しなWGを両サイドに持っていれば話は別なんだけど、そんな恵まれたチームはまず存在しない。</p><br /> <br /> <p>話を4231に戻すんだけど、このシステムは南アフリカW杯後、J1でも大流行した。というより、ほとんどのチームが4231になった。南アフリカW杯が4231ばっかりだった事を考えれば当然とも言えるが。</p><br /> <br /> <p>でもって、このシステムなんだけど、特徴として、442とやりあう場合、J1でしばしば見られたのが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150525/20150525000143.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150525000143j:plain" title="f:id:pal-9999:20150525000143j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この形でのポジションチェンジで、442のプレッシングをかわすって方法になる。ボランチを一枚最終ラインに落とし、3バックを形成することで相手の2トップのプレスを無効化する形。その上でトップ下をボランチの位置に落とし、WGを中に絞らせて、SBを高い位置に置く。実質的に、ここでフォメが3421になっているのがわかると思う。3421フォメは、442のプレッシングに対してミスマッチを引き起こすため、442のプレスへの対抗策として、非常に効果的なフォメだった。</p><br /> <br /> <p>この形が広まるにつれて、4231というのは一種完成されたシステムとなった。つまり守備では、「442のハイプレス」、「442でのハーフウェーラインからのオーソドックスなプレッシング」、「4411で自陣深くに守備ブロック」という三種類の守備方式を使えて、かつ442に対して3421に変形することで、相手のハイプレスを無効化できるという形だ。これは、現在でも採用するチームがあるほどに完成されている。攻守にバランスが取れているからだ。</p><br /> <br /> <p>これが2011~2013くらいのJ1の流れだったんだけど、Jリーグで4231が流行れば流行るほど、このシステムをメタしたフォメが台頭してくるのは、ある種、当然の展開だった。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>4231の3バックポゼに対する回答。3トップ+2ボランチによるプレッシング</h4> <p><br /> さて、ここまで4231の話をしてきた訳なんだけど、4231がJ1において成熟するにつれて、当然ながら、それをメタしたフォメが出てくることになる。</p><br /> <br /> <p>個人的に、このメタに先鞭をつけたのは、チョウ・キジェの湘南と反町の松本だと思っている。この二つは2012年から3421を採用して、前からアグレッシブにプレスをかけていくスタイルを採用していた。このシステムの肝なんだけど、図でやると</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150525/20150525002426.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150525002426j:plain" title="f:id:pal-9999:20150525002426j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなる。従来の442のハイプレスは、4231フォメに対しては有効ではないというのは、すでに述べた。2トップのプレッシングは3バックに変形されて交わされてしまうし、最終ラインに降りて行くボランチを自軍のボランチが追いかけてしまうと、今度は相手のトップ下がフリーになってしまう。</p><br /> <p>ところが、3トップ+2ボランチでプレッシングを行うとどうなるか?システムはミスマッチしていないので、相手のビルドアップ部隊は全員つかまえきる事ができる。勿論、最終ラインでの数的同数というリスクを犯すことにはなるが、この形であれば、442より効果的に4231に対してハイプレスが可能になる訳だ。</p><br /> <br /> <p>そして、3421に関していえば、同時期にポイチの広島が「ハーフウェーラインあたりから守備」と、「自陣深くでブロック作って守る守備」に関して、541ブロックで守る方法というのを、ほぼ完成させていた。</p><br /> <br /> <p>これによって、3421は、「3421でのハイプレス」、「541でのハーフウェーラインからのプレッシング」、「541で自陣深くに守備ブロック」の三つの守備方法が確立されることになった。これは2014年までに、ほぼ方法として確立された。</p><br /> <br /> <p>もともと、3421は442のプレッシングに対しては強く、システムのミスマッチを使ってボールを運ぶ事ができる。そこにハイプレスとハーフウェーラインからのプレッシングの方法論が整備された事で、ドン引きしないでも守れるようになった。つまり、カウンターを以前よりずっとしやすくなった訳だ。最終ラインを高く設定する事が可能になったから、人数かけた攻撃もしやすくなった。</p><br /> <br /> <p>これによって3421も又、完成されたフォーメーションとなった。3種類の守備方法の使い分け、ポゼッションとカウンターの使い分けが出来るようになった事で、現在の大流行へと至っている。</p><br /> <br /> <br /> <p><b>ただ、やっぱりというか、ここまでJ1が3421だらけになると、今度は3421をメタしたフォメが出始める訳だ。ここがサッカーの面白い所であり、対人競技の醍醐味でもある</b></p><br /> <br /> <br /> <p></p> </div> <div class="section"> <h4>3421をメタしたフォーメーションの試行錯誤</h4> <p><br /> ここからが今回のエントリの肝になる。</p><br /> <br /> <p>僕個人は湘南サポをやっている訳なのだが、ここ何試合か、相手チームが湘南に対して、興味深い戦術を取ってきている。</p><br /> <p>今シーズン、湘南ベルマーレに対して、352をぶつけてきたチームが二つある。ナビスコでの反町の松本、そして先週末での大榎の清水なんかだ。まあ、試合自体は湘南がどっちも勝ったんだけど、戦術面では非常に興味深い試合だった。</p><br /> <br /> <p>すでに述べた話だけど、湘南というチームの3421でのハイプレスは3トップ+2ボランチで相手のビルドアップ部隊(CBとボランチ)を完全に捕まえきってしまうというのがベースになってる。ここで相手に時間を与えず、攻撃をどちらかのサイドに誘導し、そこで陣形をサイドにスライドさせて圧縮しボールを奪ってしまうってのが狙いになってくる。</p><br /> <br /> <p>これに対する対抗策として、反町の松本であったり、大榎の清水がやってきたのが、352の採用である。図でやると、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150525/20150525005452.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150525005452j:plain" title="f:id:pal-9999:20150525005452j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなるのだけれど、3421で前プレをかけても、352相手にはあんまり意味がない。というのも、図の赤で囲ったアンカーがボールの避難所として機能してしまうからで、この為にハイプレスがハマらないんである。</p><br /> <br /> <p>反さんだったり、大榎さんの狙いは間違ってないと思うし、湘南の3421ハイプレスに対して、352でのミスマッチを狙うというのはいいアイデアだと思う。ただ、問題がなくなるわけじゃない。</p><br /> <p>以前、将棋の電脳戦において、<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>日本将棋連盟の谷川浩司会長は「<b>プロ棋士も開発者も、短所を克服しようとすると新たな短所が生まれてくるのは同じことだと気付かされた</b>」と対局を振り返っていました。</p><br /> <br /> <p><a href="http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/700/214130.html">電王戦 49分でコンピューターが投了</a></p> </blockquote> <p></p><p>こんな談話を日本将棋連盟の谷川浩司会長が残しているんだけど、これはサッカーにも言えて、短所を克服しようとすると、新たな短所が生まれてしまう。</p><br /> <br /> <p>反さんにしろ、大榎さんにしろ、352を採用したものの、それが湘南に対して有利に働く、というより、逆に352の短所がモロに出てしまい、試合に負けることになったのが印象的だった。</p><br /> <br /> <br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/fTRBrKoeOTs?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=fTRBrKoeOTs">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>これはナビスコでの松本との試合の動画なんだけど、典型的な352の欠点が出て、松本は失点してしまっている。図にすると</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150525/20150525012914.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150525012914j:plain" title="f:id:pal-9999:20150525012914j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなる。352はその性質上、中盤の3枚の脇、それからアンカーの両脇にスペースが生まれやすい。1点目は松本が一人少なかったからしょうがないとしても、湘南の2点目はまさに、そのスペースを山田が使うことで生まれており、典型的な352のやられ方の一つといえる。</p><br /> <p>この日、湘南は松本が人数そろっている所から2点を取っており、チョウさんがこないだの清水との試合後に述べていた事でもあるが、「ボールを持たされても苦にしなくなってきた」ってのがある。このあたりは、去年のJ2の終盤から湘南ってチームが取り組んできた事が実ってきた部分もある。「引っかけてカウンター」だけだと、J1では厳しいというのは2013年にイヤというほど味わったので。</p><br /> <br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/nTdXWCAuXeg?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=nTdXWCAuXeg">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>でもって、こっちは先週末に行われた清水戦の奴である。動画にはないけど、前半から湘南は清水とのシステムのミスマッチには苦労していて、相手のビルドアップ部隊にプレスをかけきれず、前半最初は押し込まれて苦しい時間帯を過ごすことになってしまった。なので前半最初は引いて守る湘南という形になってしまっていた。</p><br /> <br /> <p>ただ、システムがミスマッチしてるって事は、湘南は清水のハイプレスは簡単に交わせるって事でもある。なのに、清水さんときたら、やたらとラインを高くするもんだから、何がおきたかってーと、動画の1:19分からの流れである。パス一本で裏を取られることになった訳だ。システムがミスマッチしてるのにハイプレスってのは、あんまりオススメできない。パス一発で裏取られる危険性が高すぎるからだ。352は2トップでファーストプレスをかけるわけだが、そうなると3バックのチームにとっては簡単にかわせてしまう。</p><br /> <br /> <p>また1点目にしろ、2点目の直前にしろ、湘南は簡単に縦パスを入れる事ができていた。なんでかっていえば、システムがミスマッチしてて、湘南のビルドアップ隊は比較的簡単にプレスをいなせる状態だったからだ。その上、中盤3人のシステムなので中盤のギャップは取りやすい。3点目と4点目は、清水さんの選手の集中力が切れていたとしか言えないので、それはシステムとはあんまり関係ないんだけれど。</p><br /> <br /> <p>352はコンテのユーヴェの代名詞的なフォメなんだけど、松本さんにしろ、清水さんにしろ、あんまり上手く使えてるとは言い難い部分があった。まあ、そのおかげで湘南は勝てたんだけれど。(コンテのユーヴェはハーフウェーラインからのプレスが基本でハイプレスはあんましやんない)</p><br /> <br /> <p>実は、こないだ、神戸でネルシーニョもナビスコカップで352をテストしていた。神戸は今年から3421を採用してるんだけど、ナビスコでは352をテストしていた。狙いがJ1で大増殖しちまった3421対策の一環だと僕は思っている。</p><br /> <br /> <p>という感じで、J1では3421対策というのも本格化しているので、このフォメを使うメリットは、多分、あと2~3年くらいで無くなってくるんだろうな、と思う。今は試行錯誤が続いているので、それほどの脅威じゃないけど、だれかが一旦成功を収めれば、あとはそれを真似るだけでいいのは、最近の3421の流行みてればわかる。</p><br /> <br /> <p>3421メインのチームは、それまでにどんだけ勝てるか、という感じだろうと思う。</p><br /> <br /> <p>今日はこのあたりで。ではでは。</p> </div> Mon, 25 May 2015 01:59:55 +0900 hatenablog://entry/8454420450094964029 2015CL準決勝 2ndレグ、「レアル対ユヴェントス」のレビュー https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/05/18/135255 <p>さて皆さん、こんにちは。本日は先日行われたCL準決勝2ndレグ、レアル対ユベントスのレビューでもやりたいと思います。試合の方は、1-1の引き分けでした。よって、1stレグを2-1で勝利したユーヴェが決勝に進んでます。</p><br /> <p>この試合なんですが、それなりに見所がありましたし、レビューで書く内容もある試合だったので、今回取りあげておくことにしました。</p><br /> <p>こーいうエントリは試合後すぐにアップできりゃいいんですが、時間かかってしまい、こんな時期になっちまいました。先週末にJ1あって、今日、バルサが優勝きめた訳で、こんなエントリ需要あるのかと思う訳ですが、勿体ないのでアップします。<br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>レアル対ユヴェントス、スタメンと両者の守備のやり方</h4> <p></p><p>さて、まずはこの試合のスタメンから入りますが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518010157.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518010157j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518010157j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーなってました。ユーヴェはいつもの4312、レアルは433です。ここで、まずレアルの守備時の話から入りますが、レアルは守備時に、この日はフォメ変更するしてまして、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518010456.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518010456j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518010456j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなってました。守備時は442っぽくなり、ベイルが一列下がって中盤の守備に参加してます。こうなっちゃう原因なんですけど、結論からいうとクリロナです。普通、433の場合、引いて守る場合は、4141を採用し、両WGに下がって守備をやらせます。ただ、クリロナは守備やってくれないので、それが出来ません。なんで、クリロナを一列上げた形の442で守備やってました。こうすればサイドに穴はできませんし、クリロナをカウンターの為に高い位置に留め続ける事ができます。</p><br /> <p>ただし、このシステムのかみ合わせだと中央で数的不利に陥るのと、ベンゼマ+クリロナの2トップの場合、ユーベのビルドアップ部隊にプレスをかけきれないという問題に直面せざるを得ません。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518112559.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518112559j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518112559j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>この白でかこった場所ですが、この部分での守備が常に問題になってきます。この問題は試合始まってすぐに顕在化するんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518114242.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518114242j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518114242j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518114248.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518114248j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518114248j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518114251.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518114251j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518114251j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518114255.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518114255j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518114255j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こーいう風に中央にパス入れられてからサイドに展開され、レアルはライン下げて守備せざるを得ない状況に追い込まれてます。<b>これ、レアルの伝統といってもいい問題ですが、前線の守備に問題がある為、相手のビルドアップを制限できないという守備上の欠点を常に抱えてます</b>。結果、ラインがずるずると下がってしまう訳です。ただ、レアルの場合、射程の長い高速カウンターを持っているチームの為、これはそれほど問題になっていないってのもあります。少なくとも、リーグ戦レベルでは。</p><br /> <br /> <p>一方で、ユーベも守備では問題抱えているチームです。具体的に言えば、ピルロのアンカーっていうシステムそのものです。アンカーにピルロみたいな守備力がほとんどゼロに近い選手を使うってのは、これリスクと隣あわせになります。ビルドアップはスムーズになりますし、ピルロから一発のパスで得点を狙えるという強みは勿論あるんですが、如何せん、守備は羽毛です。</p><br /> <p>その結果が、この試合のユーベの4312システムそのものなんですが、ピルロの守備問題を解決するため、ユーベの場合、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518115454.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518115454j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518115454j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういう形にしてビダルにバイタルの守備をやらせてます。また、ボランチの前のスペースを2トップに潰させる事で、バイタルの守備問題が顕在化しないように設計されてるわけです。ただし、その結果としてですけど、両SBに対する守備が後手になる傾向があります。中央を3ボランチ+ビダルで固めてる訳で、SBがオーバーラップした時の守備が常に問題になります。</p><br /> <p>この試合でいえば、前半18分からレアルの両SBが高い位置を取り始め、両SBを使った攻撃をし始めると、ユーベは押し込まれ始めました。そうなると、問題がでてくるんですけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518120418.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518120418j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518120418j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518120421.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518120421j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518120421j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518120425.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518120425j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518120425j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こういう問題です。ユーベの守備の構造上、レアルのSBに対する守備は後手後手に回りやすくなります。この原因がピルロでして、ピルロは守備に問題があるので、通常、ユーベのポグバとマルキージオは中に絞り気味で守り、バイタルを使わせないようにしないといけません。ただ、そうしちゃうと相手のSBに時間と余裕を与えてしまう事になる。そのため、こういった攻撃でやられやすくなるんです。前半18分にもマルセロに簡単に前向かれて、そこから裏へのパスだされてベンゼマにクロス折り返されてます。</p><br /> <p>ユーベがPK取られたシーンでもそうですけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122347.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122347j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122347j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122350.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122350j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122350j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122353.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122353j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122353j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122356.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122356j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122356j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122359.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122359j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122359j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122402.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122402j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122402j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122405.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122405j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122405j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518122408.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518122408j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518122408j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなりました。ここは典型的なピルロ問題が生まれてるんですが、442で守備やったとしても、相手が両SB上げて来ると、ユーベは守備に問題を抱えます。というのも、両SBにインサイドハーフが引っ張られてしまうと、ピルロの脇を使われてしまうし、それがいやで中央固めてると、両SBがフリーになってしまう訳です。基本的にピルロをボランチ、アンカーに使う限りにおいて、この問題は絶対に生まれます。</p><br /> <p>ただ、相手が両SB上げて攻めてきてくれるなら、攻撃ではSBの裏使ってカウンターしてりゃ良いだけなので、攻撃面では特に頭を悩ませる事はなくなるわけなんですけどね。</p><br /> <br /> <p>という訳なので、双方、「相手の崩しが早いか、カウンターが決まるのが早いか」みたいなチキンレース状態で、このゲームは始まったわけです。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>前半の試合展開</h4> <p>ここからは前半の試合展開を追っていきます。まず、ホームで2-1で先勝したユーベは無理に攻める必要がありませんでした。0-0なら勝ち抜けですから当然です。なので最初はお互い様子見でした。レアルは最初は人数かけて攻めてませんし、ユーベも当然、人数かけて攻めませんでした。</p><br /> <br /> <p>最初に仕掛けたのはレアルのアンチェロッティでした。前半18分あたりからレアルの両SBが高い位置を取り始めます。ここ、ユーベとしては、相手が両SB上げてきてる訳だから、ある意味じゃカウンターのチャンスになります。ただ、カウンターが決まる前に、上述したような形で21分にPK。</p><br /> <p>これで、アウェーゴールがある分、レアルがリードしました。レアルは人数かけて攻める必要がなくなります。一方で、ユーベは前に出ざるを得なくなりました。レアルとしてみれば絶好のカウンターチャンスであり、レアルにとっては願ってもないゲーム展開に。</p><br /> <br /> <p>ただ、ここからがこのゲームの面白い所なんですが、レアルのカウンターが決まらないんです。特に、前半28分、カウンターで3対2の状況が出来るんですが、決めきれず。ここで決めきれなかったのが、全てといっていい位には絶好機でした。</p><br /> <p>32分には、ベルナベウのボールボーイの</p><br /> <p><blockquote class="twitter-tweet" lang="ja"><p lang="en" dir="ltr">Ball Boy last night <a href="http://t.co/8JyZzXvyOC">pic.twitter.com/8JyZzXvyOC</a></p>&mdash; Footy Jokes (@Footy_Jokes) <a href="https://twitter.com/Footy_Jokes/status/598827680591650816">2015, 5月 14</a></blockquote><script async src="//platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <p>こんなお茶目もありましたが、それはこの話とは関係ありません。</p><br /> <br /> <p>その後、前半は何度かカウンターチャンスがあったが決めきれずに終わってます。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>後半の試合展開</h4> <p>ここからは試合後半の展開についてになります。</p><br /> <p>大体、後半50分あたりからユーヴェが前がかりになってきてました。アッレグリも、ここで勝負に出た訳です。1点取れれば、決勝行きの切符はユーヴェに戻って来るわけですからね。また、前二枚もあんまり守備に戻ってこなくなり、カウンターの為の前残りをし始めます。レアルにとっては、ここ、最大のカウンターチャンスといって良い状況ができたんですが・・・・</p><br /> <p>51分、レアルのカウンターはやはりきまらず。ユーベはボールより前に5人送りこんできており、後ろに残ってるのは4人だけ。しかもそのうち一人はピルロなんで、非常に危うい賭けをやってる状況でした。</p><br /> <br /> <p>そして、56分、ユーヴェがFKから同点に追いついてます。このセットプレーの前にすでに問題が出てるんですけど、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518131139.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518131139j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518131139j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>これなんですけど、絶対にピルロに前向かせちゃいけない所でレアルは前むかせちゃてるんです。ビルドアップ部隊にプレスかけるのがベンゼマとクリロナじゃ、しょうがないんですけどね。49分にもピルロにフリーで捌かせちゃってますし、相手のビルドアップを制限できないっていうレアルの欠点がここで出てます。</p><br /> <br /> <br /> <p>この試合で面白いのは、両者ともにカウンターのチャンスをもちながら、カウンターで決めきれず、相手チームにやられてしまっている点です。試合の最初でいえば、ユーベはレアルが両SBあげてきた所でカウンターで仕留めればいいだけだったんですが、仕留めきれず先制されましたし、レアルの方は前半21分に先制しながら、後半56分まで、カウンターのチャンスがありながら決めきれず追いつかれました。</p><br /> <br /> <p>56分にユーベに追いつかれた事で、アンチェロッティは再び、前に人数をかけ始めます。そして、両SBが高い位置を取り始めると、前半と同じでユーベの守備に問題が出始めます。<br /> <br /> </p> <ul> <li>61分左サイドでマルセロのクロスからベイルが外し,</li> <li>62分左サイドでのコンビネーションからマルセロのクロスからベイルが外し、</li> <li>71分クリロナとマルセロのコンビネーションから左サイドを突破してクロス、ベイルが外し、</li> <li>74分にはCKでベイルが外し</li> <li>77分には左サイドをマルセロのパスからクリロナが抉ってクロスをあげるもクリアされました。</li> </ul><p><br /> こんな感じでレアルに立て続けにチャンス作られてるんですが、ここ、どのシーンでもピルロがひじょ~~に不味い守備やってます。キャプでやるの疲れたんで、やりませんが、ああいう守備やられたら最終ラインはたまりません。</p><br /> <br /> <p>あと、この試合、ベイルが外し杉だったので、</p><br /> <p><blockquote class="twitter-tweet" lang="ja"><p lang="en" dir="ltr">Real Madrid fans waiting for Gareth Bale outside the Bernabeu... <a href="http://t.co/uBQBp1G5OP">pic.twitter.com/uBQBp1G5OP</a></p>&mdash; Footy Jokes (@Footy_Jokes) <a href="https://twitter.com/Footy_Jokes/status/598587428358742016">2015, 5月 13</a></blockquote><script async src="//platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p><br /> <p>こんなコラも作られてました。</p><br /> <br /> <br /> <p>ここにきて「流石にヤバイ、カウンターどころじゃねぇ!!」とアッレグリも思ったのか、77分にピルロアウト、バルザーリが左CBに入り、ユベントスは532に変更。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150518/20150518133119.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150518133119j:plain" title="f:id:pal-9999:20150518133119j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>完全に逃げ切り型のフォメに。以後、ユーベの右サイドは落ち着きました。そして、その後はユーベがきっちりと守りきって逃げ切りましたとさ。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>本日のまとめ</h4> <ul> <li>この試合は非常に興味深いケース。というのも、両チームとも、カウンターが決まれば試合を決められる、という状況でカウンター決められなかった。</li> </ul> <ul> <li>前半の最初でいえば、リードしているユーヴェは、レアルが前にでてきた所をカウンターで決めればいいだけだったがそこで決められずに先制された。</li> </ul> <ul> <li>そこからはレアルがカウンター決めればいいだけの状況でしたが、やはり決めきれずに追いつかれた。</li> </ul> <ul> <li>両チームともに、守備で問題がある選手を抱えているという点で一致している。</li> </ul> <ul> <li>レアルはクリロナ、ユーヴェはピルロ。</li> </ul> <ul> <li>守備組織が、守備に問題がある選手が引き起こす問題をどうカバーするか、という形でデザインされている。</li> </ul> <ul> <li>試合を見返して思ったけれど、クリロナのプレースタイルがちょっと変わった気がする。以前よりギャップ受けが多くなってないか。</li> </ul><p></p><br /> <p>今日はこのあたりで。ではでは。</p> </div> Mon, 18 May 2015 13:52:55 +0900 hatenablog://entry/8454420450094647843 2015年、ポイチのサンフレッチェ広島のお話 https://pal-9999.hatenablog.com/entry/2015/05/14/103138 <p>皆様、こんにちは。だらだら書いてたら、こんな中途半端な時期になっちまいました。</p><br /> <br /> <p>本日はサンフレッチェ広島メインのお話です。現在、11節終了時、勝ち点22の四位。今年はACLもないので優勝争いするんじゃないでしょーか。</p><br /> <p>森保一さんの広島にかんしてはJ1の2連覇チームでありながら、あんまり扱ってこなかったんですけど、今回はポイチさんの広島について扱いたいと思います。</p><br /> <p>まず、ポイチさんなんですが、2004年の現役引退後、即S級コーチライセンスを取得。そのあとは広島、新潟と渡り歩き、2012年から広島のトップチームで監督やってます。ポイチさんの詳しい略歴については、</p><br /> <br /> <p><a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E4%BF%9D%E4%B8%80">森保一</a></p><br /> <br /> <p>こちらでどーぞ。</p><br /> <br /> <p>今回はポイチさんの広島メインのお話ですんで、まず広島ってチームの話から始めます。<br /> <br /> <br /> <br /> </p> <div class="section"> <h4>サンフレッチェ広島ってチームとポイチさん</h4> <p><br /> 今回の話をする際には、まず広島ってチームの話から始めないといけないのですが、まず、広島さんの場合、大体の目安ですが、「<b>1シーズンあたり年間平均52得点、平均46失点</b>」位のチームだって事を覚えといてください。この数字は広島のJリーグ通算成績なんですが、若干攻撃寄りのチームとなってます。</p><br /> <br /> <p>広島のチームの歴史でいうと、いわゆる「守備的なサッカー」を指向していたのは、1997~2000の間に指揮を執っていたトム・ヤンセンまで遡らないといけません。ただ、トム・ヤンセンの時代は、広島の経営難が表面化してた時代なのでしょうがない所もあります。ヤンセン以降は、どちらかというと攻撃的な指向を持っている監督を選んできてます。(一時的に守備的サッカーしてた時期は勿論あります)</p><br /> <br /> <p>もう一つ、チームとしての特徴の一つにエースストライカーが日本人ってのが上げられます。久保竜彦、佐藤寿人と、Jリーグを代表する日本人ストライカーを擁してきました。広島ってのはカープもそうですが、このあたり上手なんですよね。土地柄なんでしょうか。チームを代表するエースストライカーがほぼ日本人ってのは珍しいです。現在売り出し中で代表合宿にも呼ばれた浅野拓磨は、この後継者になれるかどうか。彼は先輩達が偉大すぎるので大変です。</p><br /> <br /> <p>ここからは、最近の広島の話になるんですが、2007年から監督に就任したミシャ・ペトロビッチ監督の下、いわゆる「ミシャ式サッカー」という特殊なサッカーを継続してます。攻撃時は415になり、守備時は541っていう変わったシステムです。</p><br /> <br /> <p>このミシャ式サッカーなんですが、今じゃ広島の代名詞にもなっており、ペトロビッチ監督が退任して、ポイチさんが監督になってからもミシャ式サッカーを継続しています。</p><br /> <p>そして、こっからがポイチさんの広島の話になるんですが、ポイチさんは広島の監督に就任した時、やってるサッカーには特に手をいれませんでした。ただし、チームとして見ると、いくつかの点でマイナーチェンジしてます。</p><br /> <p>ポイチさんが手をいれたポイントとしては、守備です。有名所では、セットプレーの守備練習をやるようになりました。ミシャ時代はセットプレーの守備練習とかやってなかったんですが、ポイチさんにかわってから、セットプレーの守備の練習をきちんとやるようになってます。これ、しっかり結果が出てまして</p><br /> <p><iframe src="//hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fwww.football-lab.jp%2Fsummary%2Fteam_ranking%2Fj1%2F%3Fyear%3D2012%26data%3Dlost" title="リーグサマリー:2012 J1 チームランキング 失点パターン | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"><a href="http://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2012&amp;data=lost">リーグサマリー:2012 J1 チームランキング 失点パターン | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~</a></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2012&data=lost">www.football-lab.jp</a></cite></p><br /> <p>ここのページで年度別の数字を調べると分かりますが、</p><br /> <p>2012 セットプレーからの失点 7<br /> 2013 セットプレーからの失点 7<br /> 2014 セットプレーからの失点 5</p><br /> <p>となっており、極端にセットプレーから失点しないチームです。年度別でいえば、ポイチの広島よりセットプレーで失点しなかったのは2012年の仙台のみです。<b>ポイチの広島相手にはセットプレーではまず点とれません。</b></p><br /> <br /> <p>もう一つは、攻撃にかける人数の調整です。これは後述しますが、ポイチさんに変わってから、広島は前がかりになることがなくなりました。ボールより前にいて良い人数が制限され、ミシャ時代みたいに前がかりになってカウンターでやられるって事がほとんどなくなったんです。もともとミシャ式はCBのオーバーラップを使うので、前がかりになりやすいシステムなんですが、ポイチさんは、この部分には明確な線引きをしてます。「<b>前がかりになってカウンターくらう攻撃はやらない</b>」系の人です。これも後述しますが、ミシャの浦和と比較すると、PAに入って良い選手の数が一人少ないです。</p><br /> <p>結果としてなんですが、ポイチさんになってから、セットプレーとカウンターで食らう失点数が減りました。この二つは現代サッカーでは失点の7割を占めるため、チームの総失点が一気に減ってます。具体的に数字を出しますが、<br /> <br /> </p> <blockquote> <p>広島通算成績    1シーズン平均52得点 46失点 <br /> ペトロビッチ時代  1シーズン平均50得点 43失点(J2除く)<br /> ポイチ時代     1シーズン平均52得点、33失点</p> </blockquote> <p></p><p>こーなってます。クラブ平均より失点数が13点ほど少ないです。2013年のリーグ年間29失点ってのは、クラブ最少失点で、ポイチ時代になってから失点は40を上回った事がありません。現時点(11節終了時)でも失点数7はリーグ最小です。今年も一年33失点前後でまとめてくるでしょうから、年間で55得点以上を取ることができれば、まず確実に優勝争いしてくると思います。</p><br /> <p>先にも述べました、広島ってチームは、基本的にやや攻撃的なチームカラーをもっていたんですが、ポイチさんはそこに修正を加えてまして、今の広島は守備寄りのバランス型チームになってます。攻撃で前にかける人数はペトロビッチ時代より減っており、その為、攻撃ではFWやWBの個人能力に多くを頼るチームになっています。例として挙げますと、サイドでWBがボールをもった時、ミシャ式の場合、CBが追い越す動きを入れる事がよくありますが、ポイチさんはそれほどコレをやりませんので、WBは単独での突破が求められるようになってます。</p><br /> <p>また、前の選手でもそうなんですけど、ミシャ時代より前に人数かけなくなってるので、どうしても攻撃では前の選手が単独で局面打開しないとならない場面が増えています。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>週末のガンバ対広島を例にして、ポイチの広島の攻撃の話</h4> <p><br /> ここからは、先週末に行われたガンバ大阪対広島の試合を使って、ポイチさんの広島の詳しい話をします。試合は1-0でガンバが勝ちました。ハセケンさんのガンバは去年からポイチの広島に相性が良く、去年からここまで1度も負けてません。一番凄かったのは去年のナビスコカップの決勝で、2点ビハインドからひっくり返してました。あれにはびっくりしました。</p><br /> <br /> <p>話を戻して、この試合のスタメンですが、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513022327.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513022327j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513022327j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513022330.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513022330j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513022330j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <br /> <p>こーなってました。広島のスタメンの話になりますが、長年広島を支えてきたミキッチ、佐藤寿人なんですが、昨年あたりから衰えが見られるようになってきました。トップ下の高萩も移籍しちまったので、広島さんも世代交代が必要な時期にさしかかっています。</p><br /> <br /> <p>こっからは本題に入ります。ポイチさんの広島なんですが、基本ミシャ式ですので、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513025945.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513025945j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513025945j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>攻撃時はこうなります。ただし、本家のミシャ式と比較すると違いがあって、攻撃の際、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513031147.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513031147j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513031147j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513031151.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513031151j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513031151j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>こうなります。本家と比べると、あんましCBは攻撃参加させてきません。単に槇野が攻撃参加しすぎだ、という話もありますが。</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513032836.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513032836j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513032836j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>広島は、この試合でも前半14分、前半15分の攻撃でもWBに展開してドリブルしてクロスみたいな攻撃を使ってまして、ボール持たされたらサイドチェンジしてWBのクロスって攻撃を続けてます。ここもキャプでやりますけど、</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513033857.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513033857j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513033857j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513033900.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513033900j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513033900j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513033913.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513033913j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513033913j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513033917.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513033917j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513033917j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513033920.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513033920j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513033920j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなります。サイドに開いたら、そこからはWBが単独で突破してクロスが基本です、このチーム。当然、ここで負けてボール失うとカウンター食らう・・・と言いたい所ですが、後ろの5人がきちんとカウンターに備えたポジショニングしてるので、そう簡単にはやられません。</p><br /> <br /> <br /> <p>ちなみに、最近は本家のほうもリスクマネジメントをきちんとやるようになってて、本家と分家の差がなくなってきてる部分も多いです。(昔の適当だったミシャ・サッカーが懐かしい)</p><br /> <br /> <p>簡単にまとめとくと、ポイチの広島はポゼッションサッカーなんですが、無用なリスクは犯しません。ポゼッションによって組織的なバランスが崩れ、カウンターを受ける危険性の高い攻撃はそれほどやってはきません.特にはやい時間帯ではそうです。CBはボールをもってもちあがる所まではやるんですが、追い越す動きはそれほどやってこないです。ここが湘南や浦和とは違います。</p><br /> <p>ポゼッションの最終地点は、序盤は、多くの場合でWBで、WBの突破からのクロスを狙ってきます。WBがサイドで一対一になったら、PA内に入るのは3~4人までで、他の5~6人はカウンターに備えたポジショニングを行う。ここのリスクマネジメントは極めて整然と行われてます。</p><br /> <br /> <p>攻撃を簡単にまとめると、ポゼッションしつつ、じりじりと前進し、サイドチェンジからWBの突破に繋ぐか、中央が開いてたら中央のコンビネーションみたいな感じになってます。後ろのCB、ボランチは追い越す動きはそれほどやってきません。ポジションバランスが崩れにくい攻撃に終始することが多いです。</p><br /> <br /> <p>ガンバ戦の場合、後半に先制されてしまったので、そこからは攻撃にかける枚数を一枚増やしていました。ただ、そうはいっても、ぽいちさんのチームというか、前がかりにならないように戦う癖がチームに染み付いてしまってたり、普段前がかりにならない分、いざ前がかりになってしまうと脆かったりするんですが。<br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>攻守の切り替えにおける人数問題</h4> <p></p><p>ちょっとポイチの広島の話に絡めて、攻守の切り替えの時の人数問題の話をしときましょう。</p><br /> <br /> <br /> <p>攻守の切り替えに関する人数問題なんですが、守備型は図にすると</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513035309.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513035309j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513035309j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><br /> (灰色はボール。白が攻撃側、青が守備側)</p><p>こうなります。基本的に、切り替えに備えたポジションは6人が取ってると極めて安全です。ボールより後ろに3-3で人を残す形ですね。ただし、これだとPA内に送り込めるのは2~3人が良い所です。</p><br /> <p>FC東京なんかは基本こうです。守備的なチームの場合は、こういう形を取ることが多いです。こうすれば、カウンターでの失点はまず起きません。というのも、カウンターの枚数ってのは、どんなに多くても5人までなんで、切り替えに備えたポジションを6人が取ってる限り、数的同数、数的不利でのカウンターをもらう事はないからです。</p><br /> <p>当たり前ですが、この手のチームにはカウンターは有効じゃありません。不毛な試合になりやすいのが、お互いが守備的なチーム同士で、カウンターしたいけど、相手がボールより後ろに人残してるのでカウンターできない、という状況になった時です。</p><br /> <br /> <p>次が</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513035516.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513035516j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513035516j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなります、こっちは切り替えに備えたポジショニングを5人が取る場合。これはガンバや広島あたりのバランス型のチームの布陣です。この5人タイプのやり方は、面白味はないんですけど、オーソドックスかつ、安定性があります。前3の後ろ2にするチームも結構あります。まあ、これは相手のチームのFWの枚数次第でもあるんですが。</p><br /> <br /> <p>そして、いわゆる攻撃型は</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513035540.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513035540j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513035540j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなりますが、切り替えにそなえたポジショニングを取るのは4枚。これは鹿島とか柏、名古屋なんかがやってます。このやり方はカウンターに弱いです。なので、変な失い方をすると、即相手のチャンスになります。この手のサッカーしてくるチームには、基本的にボール持たせてカウンターだけしてればいいってのがあります。</p><br /> <p>というのも、切り替え時の守備の枚数が4枚なので、4人でカウンターを素早く繰り出せば、数的同数でのカウンターに持ち込めるからです。</p><br /> <p>それどころか、SBがボールを奪って持ち上がる+SH2名+ツートップのカウンターが起きたら、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513035804.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513035804j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513035804j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>このように4対5の状況を作れる上、中央で絶対フリーの選手が生まれます。なので、このタイプのサッカーはカウンターに必然的に脆くなります。このやり方の場合、出来る限り攻撃はシュートで終わる必要があります。シュートで終われないとカウンターを食らう可能性が高いからです。</p><br /> <br /> <p>そして、特攻型が</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150513/20150513035846.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150513035846j:plain" title="f:id:pal-9999:20150513035846j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <p>こうなります。湘南とか川崎がたまーにこうなります。あとはビハインドを背負って前に人数かけざるを得なくなると、この手の「カミカゼアタック」が始まります。これ、恐ろしく簡単に最終ラインで数的不利のカウンターを受けますので、守備面では問題外です。図でやらなくてもいいですよね。これをやる場合、攻撃は絶対にシュートで終わらないといけません。死んでしまいます。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>ポイチの広島、守備編</h4> <p><br /> ここからはポイチの広島、守備編です。守備については、ミシャ式なので、5-4-1で守ります。ハイプレスはそんな行わず、ハーフウェーラインあたりからプレスをかけていくタイプです。</p><br /> <br /> <p>今回はガンバさんとの試合を取りあげますけど、去年からガンバさんは、1度も広島に負けてません。ミシャ式相手に慣れてるチームとも言えます。もっとも、こないだは浦和に負けちゃいましたけど。</p><br /> <br /> <p>ガンバ対広島なんですが、ケーススタディとして、ガンバがミシャ式相手にやってた攻撃をとりあげますが、試合の前半19分、広島の右サイドで宇佐美に裏へのパス出された時があります。</p><br /> <br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514074333.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514074333j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514074333j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514074338.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514074338j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514074338j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514074341.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514074341j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514074341j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514074344.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514074344j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514074344j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <br /> <p>これです。あそこ、広島のブロックで唯一、緩いと言えるポイントなんですが右サイドの宇佐美がボール受けた所。あそこは結構ボール受けて前向けるんです。右のシャドーと右のボランチの間のギャップ。あそこの守備が緩いんですね。</p><br /> <br /> <p><iframe width="480" height="270" src="https://www.youtube.com/embed/ovXtukmzrE4?feature=oembed" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=ovXtukmzrE4">www.youtube.com</a></cite></p><br /> <br /> <p>これはマリノス戦の動画ですけど、マリノスの先制点がまさに、あそこのスペース使って生まれてます。</p><br /> <br /> <p>あと、ガンバ戦でいえば、前半24分と25分に立て続けに両サイドでやられているんですが、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080340.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080340j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080340j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080342.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080342j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080342j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080345.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080345j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080345j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080348.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080348j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080348j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080351.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080351j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080351j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080354.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080354j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080354j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080401.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080401j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080401j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>ココは左サイドなんですが、ガンバは非常に上手くサイドを突破できてます。あともう一つ、次は25分の場面で、</p><br /> <p><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080501.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080501j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080501j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080505.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080505j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080505j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080508.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080508j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080508j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span><span itemscope itemtype="http://schema.org/Photograph"><img src="http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pal-9999/20150514/20150514080510.jpg" alt="f:id:pal-9999:20150514080510j:plain" title="f:id:pal-9999:20150514080510j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image"></span></p><br /> <br /> <p>これですね。</p><br /> <br /> <p>ここ、541ブロックの守備上の難点とミシャ式の問題が出てるのですが、、541ブロックはその性質上、中盤が薄くなります。中盤5枚でブロック組める4411や4141と比較すると、守備の枚数が一枚減ります。そのため、中盤のギャップを取られやすいっていう構造上の問題を抱えています。もう一つはミシャ式の守備の問題なんですが、SBのオーバーラップの対応に若干の難があります。SBにシャドーはついていきやせん。なんで、一回中に当てられてから、オーバーラップしたSBに展開されると面倒な事になりやすいです。具体的にいえば、サイドに流れてきたトップ下or降りてきたWGとSBのワンツーで裏を取られる可能性があります。</p><br /> <p>ポイチの広島がアルアハリに敗れた時も、この手のサイド攻撃でサイドを突破されてやられてましたが、ここ位ですね。脆い所。</p><br /> <p>現代サッカーではセットプレーとカウンターからの失点が7割をしめます。ポイチさんはそっちを厳しくケアしてます。一方で、人数揃っている状態から崩されて失点ってのは、割合として2割以下なので、サイド綺麗に崩されて、中でクロスに合わされたら、相手に拍手という感じで割切っているのかもしれません。失点減らしたいならセットプレー(CK,FK)とカウンター食らわないようしないとダメなんす。</p><br /> <br /> <p>守備ブロックについては、欠点はこんくらいで、他は欠点というほどのもんはありません。守備は非常に良いチームです。今年も失点は少ないので、大崩する事はないでしょう。</p><br /> <p>前がかりになる攻撃はしてこないのでカウンターは難しいですし、守備ブロックは堅いし、セットプレーも無難に守れますから、広島相手に点とるのは大変です。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> </p> </div> <div class="section"> <h4>本日のまとめ</h4> <p></p><br /> <p>最後にポイチの広島についてまとめときます。</p><br /> <br /> <p>攻撃面では、<br /> <br /> </p> <ul> <li>PAに入ってよい人数が一人減った。以前は5人入っても良かったが、現在は4人まで。</li> <li>CBのオーバーラップはそれほどやらなくなった。なのでサイド攻撃は、サイドチェンジからWBの突破が主体。</li> <li>若干守備よりの修正を行ったが、得点数の平均は、歴代広島の平均と変わらない。</li> </ul><p></p><br /> <p>守備面だと、<br /> <br /> <br /> </p> <ul> <li>541ブロックを継続,ハーフウェーラインからプレスを開始</li> <li>攻→守への切り替えの際、ボールより後ろに残っている人数が以前より1人多い。基本、攻撃5守備5のバランスを維持。よってカウンターでの失点が減った。</li> <li>セットプレーの練習をきちんとやるようになった。(ミシャはセットプレーの守備練習やらないので有名だった)</li> <li>本家ミシャサッカーは「5本以上のパスを繋いでゴールした回数」がJ1で一番多いチームで有名だったが、ポイチの広島の特徴は歴代広島の中でも特に守備が良く、特にセットプレーでの失点の少なさは驚異的。</li> <li>現代サッカーの失点の7割をカウンターとセットプレーでの失点が少ないので、チームとしての総失点が非常に少ない。</li> </ul><p></p><br /> <br /> <p>って所です。他は大体、本家のミシャ式と一緒です。ただ、本家も分家のやり方を取り入れてるっぽいので、最近は両者の差がなくなってきてる部分もあります。</p><br /> <p>今日はそのあたりで。ではでは。</p> </div> Thu, 14 May 2015 10:31:38 +0900 hatenablog://entry/8454420450094195812