米政府系メディア、複数職員休職 大統領指示影響か

ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の建物にかかる看板=2020年6月、ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】ロイター通信は15日、米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)で複数の職員が有給休暇を命じられたと報じた。トランプ大統領は14日、VOAを傘下に持つ政府機関、米国グローバルメディア局(USAGM)の機能縮小を指示しており、影響した可能性がある。

 USAGMはロシアやウクライナなど東欧諸国向けの「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」や、中国や北朝鮮を含むアジアに照準を合わせた「ラジオ自由アジア」への資金提供も停止した。

 国際ジャーナリスト組織、国境なき記者団は「報道の自由を脅かし、情報の自由な流れを支えてきた米国の歴史を否定するものだ」と批判した。

 VOAはナチス・ドイツのプロパガンダに対抗するため、1942年に放送を開始した。トランプ氏は昨年12月、VOAのトップに元テレビキャスターで、トランプ氏が敗れた2020年大統領選の不正を主張する「選挙否定派」の代表格キャリ・レーク氏が就くと発表。VOAの報道の独立性が懸念されていた。

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