社会問題 こんなのあり?就職難の中国で起きた、変わった「就活体験談」

中国で面接行ったら採用されたのは「バイク」だと?

2025/03/06 更新: 2025/03/08

映画のエキストラ募集で行ったら、落ちた。しかし、乗っていったバイクは採用された。しょうがないから徒歩で帰宅した。

これは、就職難の中国で実際に起きた変わった「就活体験談」である。

中国SNS(2月27日)のトレンド入りしたこの「事件」の背後に見え隠れするのは、中国映画製作業界の「暗黙の条件」だ。

 

採用された「バイク」

ある日、広東省に住む女性は映画(『愛是憤怒』)のエキストラの面接に、愛車の「電動バイク」を乗って駆け付けた。

面接の結果、女性は「落ちた」。しかし、「生活の味がする」ということで、愛車が「セット」の一部として採用されたのだ。

「私のバイクはとてもラッキーだ」と負け惜しみ(?)する女性だが、 「足」を取り上げられてしまったため、彼女は徒歩で帰宅するしかなかったという。

関連トピックスには「おめでとう、今後はバイクのマネージャーになれるじゃないか」といった皮肉たっぷりのコメントが目立つ。

 

関連トピックス(スクリーンショット)

 

「暗黙の条件」

現在、中国のエキストラ業界における競争は熾烈である。

中国のハリウッドこと、同国最大級の映画村「横店影視城」の場合、毎年のエキストラ新規登録者は10万を超える。しかし、平均的な需要は毎日約3千人ほどで、その時給は10〜20元(約200~400円)と低い。

そして、業界では「電動バイク」や「年代物の自転車」、「特別な小道具」など、シーンに合った衣装や小道具を持参できれば、ポイントアップ、いやエキストラ合否の分け目という暗黙のルールもある。

少しでも、制作コストを下げたいと願う制作チーム。かたや、何とかして採用されたいエキストラ希望者。

しかし、今回の場合、女性は「特別な小道具」を持参していったのに、エキストラ採用に落とされた。

「どんだけ就職難なんだ? 本人よりバイクが先に仕事を見つけるとは…」エキストラに落ちた女性には、同情と慰めが多く寄せられている。

 

中国では、景気の低迷による「史上空前の就職難」が大きな社会問題になっている。イメージ画像。南京の就職フェア(China Photo/Getty Images)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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