PlayStation 5(PS5)をリビングに設置している場合、家族がテレビや映画を観ている間はゲームを遊べません。このようなテレビの取り合いを回避するためなのか、PS5専用リモートプレーヤー「PlayStation Portal」が販売されていますが、ソニーストアでの販売価格は34,980円。ちょいとお高めです。
そこで今回レビューするのが、スマホ用ゲームコントローラー「Backbone One(第2世代)- PlayStation版」。2万円を切り、USB Type-C端子を備えたAndroid用、iPhone用ゲームコントローラーで、それぞれのプラットフォーム上で動くゲームを操作可能なだけでなく、「PS Remote Play」をインストールすれば、PS4やPS5にワイヤレス接続して、まるで携帯ゲーム専用機のような感覚でゲームを堪能できちゃうのです。
「Backbone One(第2世代)- PlayStation版」19,800円(税込/公式サイト価格)
「Backbone One」はスマホ用ゲームコントローラー。ラインアップは、PlayStation版とスタンダード版の2種類があります。PlayStation版のボタンは△/○/×/□で、本体カラーが白。スタンダード版のボタンはA/B/X/Yで、本体カラーが黒です。
そして、それぞれにUSB Type-C端子とLightning端子を装備したバージョン違いが存在します。つまり合計で4つのモデルがリリースされているわけです。今回は、PlayStation/USB Type-Cという構成の「Backbone One(第2世代)- PlayStation版」を試用してレビューします。ちなみに本モデルは、スマホ向けゲームコントローラーとしては唯一のプレイステーション公式ライセンス商品です。
PlayStation版のボタンは△/○/×/□で、本体カラーが白
本体サイズは折りたたみ時が94(幅)×177(高さ)×33(厚さ)mm、重量は138g。スマホ本体とは有線で接続するためワイヤレス通信機能は搭載されておらず、スマホを電源として使用するためバッテリーも内蔵されていません。有線接続ということはワイヤレス接続よりも低遅延で、相性問題に悩まされません。またバッテリー非搭載ということで、経年劣化によるヘタリとも無縁というわけです。
ボタンはゲームコントローラーとしては標準的で、左スティック、方向ボタン、「…」ボタン(PS5ではクリエイトボタン)、キャプチャーボタン、△/○/×/□ボタン、右スティック、Backboneボタン、メニューボタン、L1/L2ボタン、R1/R2ボタンが用意されています。
また下面には、3.5mmコンボジャックとUSB Type-C端子を装備。USB Type-C端子はパススルー充電に対応しているので、「Backbone One」に装着したままでスマホを充電可能です。
本体前面
本体背面
上面と下面
右側面と左側面
USB Type-C版はAndroid 15以降、iPhone 15シリーズ以降に対応しています
「Backbone One」を接続したスマホでPS5に接続するためには、専用アプリ「Backbone」と、リモートプレイ用アプリ「PS Remote Play」をインストールする必要があります。とはいっても設定はそれほど面倒ではありません。
「Get the App.」というカードに印刷されたQRコードをスマホで読み込めば、アプリストアからインストール可能。「Backbone」アプリ自体はアカウントの作成が不要で、Google、アップルそれぞれのアカウントでログインできます。後は「アプリの上に表示」、「オーディオを有効にする」、「ボタンの有効化」でそれぞれ権限を許可すればOKです。
アプリを起動したら、スマホを「Backbone One」に装着します
「Backbone」アプリにはGoogleとアップルそれぞれのアカウントでログインできます
「PS Remote Play」の設定に関しては公式サイトに詳しく記載されており、それに沿って行うだけ。ただし、PS5とスマホが同じWi-Fiネットワークに接続していないとスマホからPS5を探せません。設定前に、同じアクセスポイントに接続していることを確認してください。
PS5への接続には「PS Remote Play」アプリを使用します
設定時には事前にPS5で「リモートプレイを有効にする」をオンにする必要があります
すべての設定が完了するとPS5の画面がスマホに表示されます
今回は「Stellar Blade」の体験版をプレイしてみました。動きの激しいアクションアドベンチャーであっても、操作感は良好です。また、コントローラーと、Wi-Fiネットワーク(11ax)の遅延は気になりませんでした。
リモートプレイのレスポンスは、コントローラーよりもWi-Fiネットワークの速度に依存しますが、家庭内のWi-Fiネットワークでプレイしていれば基本的には実用的な速度でゲームを楽しめるはずです。
操作感は良好、遅延は気になりません
「Backbone One」にはマグネットパッドが2種類同梱されています。標準のマグネットパッドはハダカのスマホ、オプションのマグネットパッドはケース付きのスマホに適合します。今回は「Pixel 9」と標準ケースを取り付けてみましたが、オプションのマグネットパッドでピッタリと装着できました。ケースを付けたままで遊べるのは、安心感が高いですね。
ケース付きでも装着できるのが◎
個人的な不満点というか要望としては、カスタムボタンを装着してほしかったです。最近のアクションゲームは指がつりそうなぐらいに操作が難しかったりするので、苦手な配置のボタンは押しやすい背面に回したいところです。
アームの根元あたりにカスタムボタンがあると誤操作しにくくてよいかと思います
そして、本製品に対する直接の要望ではないのですが、「Backbone One」のタブレット版もリリースしてほしいです。老眼の進んだ筆者自身は、スマホよりもタブレットでゲームをプレイすることのほうが圧倒的に多いんですよね。
しかしさすがに12.9インチの「iPad Pro」に「Backbone One」は装着できません。タブレット版が発売されれば、超大画面の携帯ゲーム機が実現します。オッサンゲーマーのためにもぜひ商品化されることを期待したいです。
「Backbone One」はさすがに12.9インチ「iPad Pro」には装着できません
「Backbone One」は最新のゲームコントローラーだけに、使い勝手が高いです。特にマグネットパッドによって、ケースの有無や、端末のサイズ差に対応できるのがよいですね。また、USB Type-C端子を搭載していれば、AndroidとiPhoneに両対応しているのもうれしいところ。機種変更しても、本製品はそのまま使えます。
ゲームコントローラーとしての操作感もよかったです。スティックやトリガー、ボタンは、標準のコントローラーと比べても大きな違和感はありません。しいて言えば、簡易的なものでもいいので振動機能を搭載してほしいですね。
スマホ用ゲームコントローラーとしては高めですが、プレイステーション公式ライセンス商品ということで安心感があります。なにより△/○/×/□ボタンで操作できるスマホ用ゲームコントローラーが欲しいのであれば、「Backbone One」は唯一の候補と言えるでしょう。