コンテンツにスキップ

椎名町駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
椎名町から転送)
椎名町駅
北口(2022年7月)
しいなまち
Shiinamachi
SI01 池袋 (1.9 km)
(1.2 km) 東長崎 SI03
地図
所在地 東京都豊島区長崎一丁目1番22号[1]
北緯35度43分35.7秒 東経139度41分41.4秒 / 北緯35.726583度 東経139.694833度 / 35.726583; 139.694833座標: 北緯35度43分35.7秒 東経139度41分41.4秒 / 北緯35.726583度 東経139.694833度 / 35.726583; 139.694833
駅番号 SI02
所属事業者 西武鉄道
所属路線 池袋線
豊島線直通含む)
キロ程 1.9 km(池袋起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
[西武 1]18,897人/日
-2023年-
開業年月日 1924年大正13年)6月11日[1]
テンプレートを表示
南口(2022年7月)

椎名町駅(しいなまちえき)は、東京都豊島区長崎一丁目にある、西武鉄道池袋線である[1]駅番号SI02。同線の駅の中では一番海抜の低い場所に位置する。

練馬駅から分岐する豊島線の列車も利用可能である。

歴史

[編集]

駅名の由来

[編集]

椎名町という地名江戸時代後期にはすでに存在したが、町屋は現在の目白にあり、椎名町駅からは比較的離れた位置にあった。その後、1939年(昭和14年)から1966年(昭和41年)までの間、現在の南長崎一 - 六丁目と目白四・五丁目に椎名町という町名が付けられていた。

1948年昭和23年)に発生した帝銀事件の現場(帝国銀行椎名町支店)としての地名[注釈 1]を忌避されたこともあり[4]、椎名町全域(1-8丁目)を含めた町名の変更が1964年11月1日および1966年1月1日に住居表示と合わせて実施された[5]。このため「椎名町」の町名は行政上残っていないが、駅名や小学校や商店街などの名称として「椎名町」は現存しており、椎名町駅の周辺は便宜的に椎名町と呼ばれている。

1930年代には駅の北側地域にアトリエ付きの借家群がいくつも建ったことから、芸術家の集まるアトリエ村を形成し、ひいては「池袋モンパルナス」と呼ばれるようにもなり、著名な画家や詩人が若き日々を過ごした街としても知られるようになった[6]

駅構造

[編集]

相対式ホーム2面2線を有する地上駅である。かつては島式ホーム1面2線の形態であったが、列車の長編成化に伴い昭和30年代に現在の構造に変更された[7]。2011年10月1日に橋上駅舎の供用を開始した。

ホーム有効長は10両編成分である。ホームの両側を踏切に挟まれた構造であるが、駅のすぐ東側の池袋9号踏切が山手通りの東側に40mほど移動した。移動する前のホームは8両編成がぎりぎり停車可能な長さであり、とくに下り列車の停止位置目標は踏切のほんの手前で、少し超えると先頭車の前頭部が踏切にはみ出してしまう状態であったが、前述の踏切移動により、延長工事が行われた。

のりば

[編集]
ホーム 路線 方向 行先
1 SI 池袋線 上り 池袋ゆき
2 SI 池袋線・豊島線 下り 所沢飯能豊島園方面

(出典:西武鉄道:駅構内図

駅舎改築

[編集]

山手通りの改良工事と併せて、2010年1月に駅舎の改良工事が着工された。駅舎の工事は国土交通省の鉄道駅総合改善事業として行われており、事業主体は第三セクターの東長崎駅・椎名町駅整備株式会社[注釈 2]となっている。 2010年度の鉄道事業設備投資計画 (PDF) によると、駅舎の橋上化を実施し、南北自由通路・エレベーター4基・エスカレーター6基および多機能トイレなどを設置し、バリアフリー化を図る計画となっている。あわせて、ホームの改善と屋根の改修、10両編成対応のためのホーム有効長延伸工事や、山手通り陸橋下への広場の整備などを行う。橋上駅舎と自由通路は2011年10月1日に供用を開始し、駅前歩行者広場などの整備は2012年度に完成した。

発車メロディ

[編集]

2013年3月16日から、テレビアニメ怪物くん』(1968年TBSテレビで放送された第1作)の主題歌「おれは怪物くんだ」を発車メロディとして採用している[3]。これは、かつて当駅周辺にトキワ荘があり、そのトキワ荘ゆかりの漫画家である藤子不二雄Ⓐの作品『怪物くん』のアニメ主題歌を使用することで、トキワ荘が存在していた街をPRするために採用されたものである。

列車のホームへの接触事故

[編集]

2013年5月27日、快速池袋行10両編成が同駅通過中に異音を生じたため緊急停車した。当該列車の車掌が確認したところ、列車の最後部車両の車両端側面の一部に接触面があることが発覚した[8]。その後、原因を詳しく調査したところ、該当区間のレールの老朽化等のレール自体の問題、該当区間の路盤が他の区間に比較して軟弱であったことが判明し、これらが複合的要因となって軌道が変位したことが原因であると推定された。事故発生後、該当区間では軌道の修正、レールの交換が行われ、レール交換が行われた2013年6月12日より1年間は軌道計測が月1回のペースで行われていた。また当該区間を含めた全路線で軌道計測による計測結果を時系列で分析することとしている[9]。なお同日には、東伏見駅において駅部材であるコンクリート片がホーム上に落下する事故も発生している[10]

利用状況

[編集]

2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員18,897人であり[西武 1]、西武鉄道全92駅中50位。

近年の1日平均乗降乗車人員の推移は下表の通りである。

年度別1日平均乗降・乗車人員[11]
年度 1日平均
乗降人員[12]
1日平均
乗車人員[13]
出典
1990年(平成02年) 13,537 [* 1]
1991年(平成03年) 13,590 [* 2]
1992年(平成04年) 13,216 [* 3]
1993年(平成05年) 12,860 [* 4]
1994年(平成06年) 12,216 [* 5]
1995年(平成07年) 11,678 [* 6]
1996年(平成08年) 23,930 11,077 [* 7]
1997年(平成09年) [西武 2]22,983 10,644 [* 8]
1998年(平成10年) [西武 2]22,176 10,299 [* 9]
1999年(平成11年) [西武 3]21,707 10,025 [* 10]
2000年(平成12年) [西武 4]21,476 10,047 [* 11]
2001年(平成13年) [西武 5]20,207 9,970 [* 12]
2002年(平成14年) [西武 6]19,792 9,921 [* 13]
2003年(平成15年) [西武 7]19,394 9,740 [* 14]
2004年(平成16年) [西武 8]19,172 9,647 [* 15]
2005年(平成17年) [西武 9]19,117 9,616 [* 16]
2006年(平成18年) [西武 9]18,912 9,499 [* 17]
2007年(平成19年) [西武 10]19,062 9,560 [* 18]
2008年(平成20年) [西武 11]18,862 9,466 [* 19]
2009年(平成21年) [西武 12]18,633 9,356 [* 20]
2010年(平成22年) [西武 13]17,937 9,055 [* 21]
2011年(平成23年) [西武 14]17,638 8,803 [* 22]
2012年(平成24年) [西武 15]18,027 9,038 [* 23]
2013年(平成25年) [西武 16]18,664 9,403 [* 24]
2014年(平成26年) [西武 17]18,714 9,419 [* 25]
2015年(平成27年) [西武 18]19,372 9,757 [* 26]
2016年(平成28年) [西武 19]19,573 9,866 [* 27]
2017年(平成29年) [西武 20]19,985 10,058 [* 28]
2018年(平成30年) [西武 21]20,723 10,430 [* 29]
2019年(令和元年) [西武 22]20,649 10,407 [* 30]
2020年(令和02年) [西武 23]15,934
2021年(令和03年) [西武 24]16,994
2022年(令和04年) [西武 25]18,146
2023年(令和05年) [西武 1]18,897

駅周辺

[編集]

毎年9月上旬には長崎神社の祭りが2日間行われ、駅前には多くの屋台が並ぶ。また、毎年11月末にはサンロードで芋煮を無料でふるまうなど活況を呈している。

バス路線

[編集]

「椎名町駅(北口・南口)」停留所にて、以下の路線バスが発着する。

隣の駅

[編集]
西武鉄道
SI 池袋線(豊島線直通を含む)
快速急行・急行・通勤急行・快速・通勤準急・準急
通過
各駅停車
池袋駅 (SI01) - 椎名町駅 (SI02) - 東長崎駅 (SI03)

脚注

[編集]

記事本文

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 事件現場となった店舗「椎名町支店」の所在地は豊島区長崎であり、「椎名町」地区は事件現場に含まれていない。
  2. ^ 先に東長崎駅の工事において事業主体となっており、椎名町駅の工事に合わせ商号を変更した。
  3. ^ 1945年(昭和20年)に営業休止。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d “私鉄沿線・いま 西武鉄道椎名町駅”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1992年3月4日) 
  2. ^ 『会社要覧』西武鉄道株式会社、1999年、100 - 103頁
  3. ^ a b 3月16日(土)初電車より椎名町駅の発車メロディーを「おれは怪物くんだ」に変更します!』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2013年3月13日。オリジナルの2013年3月22日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20130322195129/http://www.seibu-group.co.jp/railways/news/news-release/2012/__icsFiles/afieldfile/2013/03/12/20130313shiinamachi.pdf2020年7月3日閲覧 
  4. ^ 地図から消えた地名―消滅した理由とその謎を探る(今尾恵介・著、東京堂出版 2008年12月20日初版)p.68
  5. ^
  6. ^ 長崎アトリエ村 - 豊島区立郷土資料館 常設展のページ
  7. ^ 『写真で見る西武鉄道100年』(ネコ・パブリッシング)55ページ
  8. ^ 【お詫び】椎名町駅における電車とホームの一部接触について (PDF) 西武鉄道ニュースリリース第13-011号(2013年5月27日発表)
  9. ^ 椎名町駅において、電車がホームの一部に接触した件に関する調査結果について (PDF) 西武鉄道ニュースリリース第13-051号(2013年12月11日発表)
  10. ^ 【お詫び】駅部材(コンクリート片)の落下について (PDF) 西武鉄道ニュースリリース第13-012号(2013年5月27日発表)
  11. ^ としまの統計 - 豊島区
  12. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  13. ^ 東京都統計年鑑 - 東京都

利用状況

[編集]
東京都統計年鑑
西武鉄道の1日平均利用客数
  1. ^ a b c 駅別乗降人員(2022年度1日平均)” (pdf). 西武鉄道. 2024年6月21日閲覧。
  2. ^ a b 駅別乗降人員 - ウェイバックマシン、2022年8月18日閲覧
  3. ^ 駅別乗降人員 - ウェイバックマシン(2001年9月5日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  4. ^ 駅別乗降人員 - ウェイバックマシン(2002年6月7日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  5. ^ 駅別乗降人員 - ウェイバックマシン(2003年4月6日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  6. ^ 駅別乗降人員 - ウェイバックマシン(2004年9月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  7. ^ 駅別乗降人員 - ウェイバックマシン(2005年3月10日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  8. ^ 駅別乗降人員 - ウェイバックマシン(2006年6月18日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  9. ^ a b 駅別乗降人員(2006(平成18)年度1日平均) - ウェイバックマシン(2020年12月24日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  10. ^ 駅別乗降人員(2007(平成19)年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  11. ^ 駅別乗降人員(2008(平成20)年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  12. ^ 駅別乗降人員(2009(平成21)年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  13. ^ 駅別乗降人員(2010(平成22)年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  14. ^ 駅別乗降人員(2011(平成23)年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  15. ^ 駅別乗降人員(2012年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  16. ^ 駅別乗降人員(2013年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  17. ^ 駅別乗降人員(2014年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  18. ^ 駅別乗降人員(2015年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年2月26日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  19. ^ 駅別乗降人員(2016年度1日平均) - ウェイバックマシン(2021年8月14日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  20. ^ 駅別乗降人員(2017年度1日平均) - ウェイバックマシン(2021年8月14日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  21. ^ 駅別乗降人員(2018年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年3月19日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  22. ^ 駅別乗降人員(2019年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年1月4日アーカイブ分)、2022年8月18日閲覧
  23. ^ 駅別乗降人員(2020年度1日平均) - ウェイバックマシン(2021年9月23日アーカイブ分)、2022年8月17日閲覧
  24. ^ 駅別乗降人員(2021年度1日平均) - ウェイバックマシン(2022年7月8日アーカイブ分)、2022年8月17日閲覧
  25. ^ 駅別乗降人員(2022年度1日平均)” (pdf). 西武鉄道. 2023年7月15日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]