オレンジジュースで有名な「トロピカーナ」が倒産寸前の危機に
オレンジジュースやアップルジュースなどのフルーツベースの飲料などを手がけるトロピカーナが、財政難に陥っていることが報じられています。その原因にはオレンジの供給不足や食生活の変化があるとのことです。
Tropicana is in big financial trouble | CNN Business
https://edition.cnn.com/2025/02/26/business/tropicana-orange-juice-bankruptcy/index.html
1947年にシチリア島からの移民であるアンソニー・ロッシによってアメリカ・フロリダ州に設立されたトロピカーナは、ジュースから水分を取り除く「蒸発乾燥装置」を開発して「濃縮還元ジュース」という技術革新をもたらし、業界におけるトップブランドへと成長しました。
しかし、2024年10月にフロリダ州を襲ったハリケーン「ミルトン」により、トロピカーナのオレンジ供給源が大きな打撃を受けました。フロリダ州ではアメリカ国内で出回るオレンジの大部分を生産していますが、フロリダ州のオレンジ生産者団体であるFlorida Citrus Mutualのマット・ジョイナーCEOは「フロリダ州の中央部を襲ったハリケーン・ミルトンにより、州内の約70%のオレンジ農園に深刻な影響が発生しました」と述べています。
また、近年ではオレンジの木の主要な栄養素を遮断する細菌感染症のカンキツグリーニング病により、アメリカ国内でのオレンジ生産量は減少傾向にあります。
こうした環境の変化に伴い、フロリダ州でのオレンジの生産は危機に直面しています。実際に、トロピカーナの主要サプライヤーであるアリコは2025年1月に「フロリダ州では過去10年間でオレンジの生産量が約73%減少しています。そのため、フロリダ州ではかんきつ類の栽培はもはや経済的に実行不可能です」と述べ、フロリダ州でのかんきつ類の栽培事業を終了することを発表しました。
加えて、近年では健康に対する消費者意識の変化から、砂糖の量とカロリーが比較的高いトロピカーナのジュースは避けられる傾向にあります。これを受けてトロピカーナは2023年に砂糖不使用のゼロシュガーラインを立ち上げていますが、Beberage Digestのデュアン・スタンフォード氏は「80年近く培ってきたトロピカーナと顧客との関係を変えるのは難しいでしょう」「トロピカーナはこれまで果汁100%オレンジジュースに注力してきたため、新たな事業への多様化には時間がかかります」と指摘しています。
このような気候変動や消費者意識の変化だけでなく近年の物価高騰も相まって、トロピカーナは財政難に苦しめられており、トロピカーナの2024年第3四半期の売上高は前四半期から4%減少したほか、収益は約10%減少したことが金融サービス専門誌のDebtwireによって報告されています。Debtwireの信用調査責任者であるティム・ハインズ氏は「トロピカーナは苦しい戦いに直面しているようです」と述べ、これを受け海外メディアのCNNは「トロピカーナは破産に向かう可能性がある」と指摘しました。
なお、記事作成時点でトロピカーナはコメントしていません。
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in 食, Posted by log1r_ut
You can read the machine translated English article Tropicana, the famous orange juice brand….