2024年のU20日本陸上競技選手権大会の男子800mで優勝した吉澤登吾(桐朋高校出身)が、東京大学理科一類に合格した。勉学と陸上の「二刀流」で戦った吉澤に、その軌跡を聞いた。インタビュアーを務める私・土田淳真は、桐朋中高陸上部と東京大学での1学年上の先輩に当たる。だから、本記事でも親しみをこめて「吉澤」と呼ばせていただこう。
小学時代は「走ったら勝っちゃう」→東日本大会で優勝
――吉澤が桐朋中学校に入学した時、自己紹介の「プチ自慢」の項目には「800m東日本大会優勝!」と書かれていたよね。陸上を始めたのはいつから?
元々はサッカーをやっていて、足が速くなりたいと思い、小学校4年生の時に陸上を始めました。小学生の陸上は、正直言って才能だと思います。だから「走ったら勝っちゃう」って感じで東日本大会で1位をとりました。
部活みたいなキツい練習をするわけではなく、走ることを楽しもう、身体能力を上げよう、と楽しく走っていました。
――中学受験を考えたきっかけは?
兄2人がともに中学受験をしたので、自分もするものだと思っていました。小学4年生くらいから本格的に受験勉強を始めました。
個別指導の塾に通っていた国語以外は、兄の教材をもとに両親に教わりました。
塾に通わなかった理由としては、集団授業が嫌いってのがありましたね。完璧なカリキュラムを「これやれ」と言われるより、自分で取り組んでわからないところを質問する方が早かったんです。
第一志望の中学は、模試でA判定だったんですけど落ちちゃいました。その時は部活動を基準に学校を選ぶことは考えていなかったですね。兄が桐朋に通っていたので、桐朋に行くことにしました。