東大、経産省、マイクロソフトを経て8年前に知事となった大井川氏。改革を掲げ、工場の誘致件数は日本一に。だがその陰で心を病み休職する職員が115人と過去最高に――。
6900人の“家臣”が仕える“殿”の口からはスラスラと数字が出てきた。
「2023年の県外企業立地件数は7年連続で全国第1位となり、農産物及び加工食品の輸出額や観光消費額も過去最高額を更新しました。中でも農産物の輸出額は就任前の13倍に拡大したところです」
今年1月6日、茨城県庁内のテレビから知事である大井川和彦(60)による年頭訓示の放送が流れていた。23年の実績を誇示し、好成績は職員の努力のおかげだと言い、こう続けた。
「皆さんをとても誇りに思っています。職員の皆さん、本年も、心身の健康に十分留意しつつ、高い志をもって新たな取組みに果敢に挑戦し、茨城の未来を共に切り拓いていきましょう」
大井川の訓示は今年で7回目。職員を褒め、心身を気遣ったのは初めてのことだった。だが、ある職員は心の中でこう呟いた。
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source : 週刊文春 2025年3月20日号