アート界にも時々イノベーションが起き、従来のアートが一気に時代遅れ(obsolete)とされる事が起こる。 僕が芸大の一年生の時、木村英輝先生は当時の京都芸大の若い気鋭の講師だった。その先輩木村さん(今はこう呼ぶ友人となった)が、また新しい画集「LIVE 飛ぶ、笑う、踊る、唄う すべては、成りゆき」を出した。その中に「還暦から絵を描いた」という題の面白い文章があった。時代は60年代、ゴッホやピカソやマチスなどの印象派の絵画が、ウォーホールやリキテンシュタインの登場などで「アート界にイノベーションが起き」時代遅れ(obsolete)とされた頃の話が面白い。 「今までになかった新しい発想。誰の真似でもないオリジナリティ。ただ絵が上手というだけでは勝負にならない。」時代の到来への戸惑いが正直に出ている。でもそれは、かつての「ピカソのゲルニカ」なども同じような衝撃を当時の世界中のアーティストに与え