中国全土を見ればまだまだ盛り上がっている電脳街もある!
中国全土、すべての電脳街、もうちょっと広く言うならデジタル製品街が不調というわけではない。
香港の隣の、広東省深センの「華強北」(ファーチャンベイ)とよばれる一帯は、世界一の巨大電子部品市場として知られており、派生したスマートフォン(山寨機と呼ばれるニセモノを含む)とモバイルバッテリーやケースなど、スマートフォン関連機器の市場として盛り上がっている。
華強北は小さなモノ作り企業が多く、PC関連では低価格なWindows(2 in 1)タブレットのメーカー直販店が何店かある。またノンブランドであれば、Android搭載タブレットや、スマートウォッチも充実。電動一輪車などの乗り物も真っ先に発売されるなど、新しい製品が最も早く、多く流通するところだ。
華強北は無数にある中国の電脳街でも最も尖っていて、かつ卸売市場となっていることからここがつぶれることはないだろう。
深センから北に高速鉄道で1時間強でたどり着く広東省の省都、広州にも元気な電脳街&ケータイ街がある。
広州の「大沙頭」というところでは、アフリカ系の人々が中古のノートパソコンを買い付けに来る。中国ではPCならレノボの「IdeaPad」、スマートフォンなら「ファーウェイ」(華為)や「シャオミ」(小米)が売れるが、アフリカ系の人々の目当てのひとつはソニー製の「VAIO」であり「Xperia」だ。
中国でもここだけは外国製の中古スマートフォンが目立つ。また、PC系やスマートフォンの周辺機器が残っており、ポータブルHDDのジャンク製品などちょっと気になる製品もある。外国人向けなので珍しく英語が通じる場所だが、ぼったくりに注意(!?)。
広州と上海の間(どっちかというと上海寄り)にある浙江省の「義烏」(イーウー)というところも要注目。
ここは中東系やアフリカ系やロシア系の人々が買い付けにきて、母国に輸出するだけあって、中国人でももはや買わないチープなUSB接続の周辺機器などのデジタル製品が多数売られていて面白い。本気で使うものではないが、ジョークグッズは買いあさりたいという人には向いている。
上海では、上海駅から1駅目の「宝山路」という駅の線路下が、秋葉原の駅前の電子パーツ売り場のようなカオスな空間となっており、中高年が変わった商品を求めてやってきている。
売っているモノも中高年向けポータブルテレビなど偏っているが、そうした対象を絞ったマーケットではPC系・デジタル系ショップは生き残っている。
外国人のニーズに応えるのが生き残りのカギ
つまるところ、多くのモノについてはネットショップで買ってしまう中、それでも生き残る電脳街・デジタル製品街は、マイナーなメーカーの最新製品すらも売られる深センか、多数の外国人バイヤーが買いに来る広州や義烏のようなところしか生き残れないわけだ。
日本でも爆買いニーズに応え、業績アップした店もあるわけで、今後は外国人のニーズに応える店が生き残る一つの道のようだ。アキバの未来はどうなるのだろうか。
この連載の記事
-
第214回
トピックス
中国でDeepSeek狂奏曲 VRAM96GB(?)の改造4090カードや各種製品が高速で大量登場 -
第213回
トピックス
日本から一番近いアフリカが中国・広州にあった デジタル中古市場の熱気がすごかった! -
第212回
トピックス
中国でも大人気のいらすとや 人気になった理由と中国流スタンプ文化 -
第211回
トピックス
日本のSNSでブレイクの「格付けミーム」は中国発 中国のコンテンツが日本で二次創作に使われる例が生まれる -
第210回
スマホ
中国で中古スマホ市場が真っ当化 中華スマホが安く買えるようになった -
第209回
トピックス
海外旅行でAIアシスタントを活用したら、見知らぬ場所にも行けて旅が楽しくなった! -
第208回
トピックス
中国のゲーマーが20数年待ち望んだ国産AAAタイトル『黒神話・悟空』の人気で勝手にビジネスを始める中国の人々 -
第207回
スマホ
折りたたみスマホが次々と登場する中国 カワイイニーズ&成金ニーズがキーワードか -
第206回
トピックス
AI時代に入り、中国独自の半導体による脱米国の可能性は少し出てきた!? -
第205回
トピックス
中国のガジェットレビューがメッチャまとも&有用になっていたのにはワケがあった -
第204回
トピックス
必死に隠して学校にスマホ持ち込み!? 中国で人気のスマホ隠蔽グッズは水筒に鏡に弁当箱 - この連載の一覧へ