Appleのサイトに表示されているイベント予告と「Spring forward.」の文字。日本では実感がないかもしれませんが、これは夏時間への移行を意味しています
アップルが米国西海岸時間3月9日10時に、サンフランシスコでイベントを開催すると発表しました。会場となるのは市内にあるYerba Buena Center for the Artsとされます。比較的小さめの会場で、プレスの招待数もかなり絞られていると考えられます。
期待が集まるのはApple Watchの販売方法、価格、そして手に入れられるのが4月の何日なのかといった情報でしょう。もちろんその他の新製品、特に筆者はMacBook Pro(今は2012年のRetinaモデル)を買い換えようと思っているので、どんな製品が出てくるか楽しみです。
ちょっと脱線しますが、今度購入を検討しているノートブックは、「Retinaディスプレイ」と「4Kディスプレイ出力」にさえ対応してくれれば、それ以外にUSBポートしかないとしても、画面サイズが15インチじゃなくても、さほどプロセッサが強力でなくても、購入に踏み切ろうと考えています。
それにしても、Apple Watchは非常に注意深くマーケティングがされているなという印象があります。2014年9月9日に発表され、11月に開発キットである「WatchKit」が登場し、その後決算発表で4月発売であることが明らかになりました。
さらに、Goldman Sachsのカンファレンスや、英国Telegraph紙でのインタビューなど、Tim Cook氏やJonathan Ive氏が、インタビューなどで断片的に情報を提供するといったやり方も目立ちます。 今までは全く情報ゼロの状態で披露して驚かせる、という方法を採っていましたが、Apple Watchについてはちょっとずつ情報を出しながら期待感を高めて行こうとしているように見えるのです。
まさに「Spring forward」の翌日にイベントが開催される
今回、3月9日のAppleイベントの招待状には「Spring forward」という文字と、若葉とも花弁とも見えるような、グラデーションの図形が並んでいる様子が、とても春らしい雰囲気を醸し出しています。
以前桜の花が咲いている写真をご紹介しましたが(関連記事)、北カリフォルニアはもう葉桜になっています。そのため、あの招待状の色合いを見ると、ちょっと青っぽくて寂しい印象もします。
一方で、ニューヨークはドカ雪で飛行機が飛ばなくなるほどの冬の終わりの嵐に見舞われており、すでに春を満喫して花粉に悩まされるカリフォルニアとは大違いですね。
さて、「Spring forward」は、時間に関係する表現です。米国では3月の第2日曜日の午前2時に切り替えが行なわれます。2015年の場合は3月8日に「夏時間」に切り替わるのです。
その切り替え方とは、午前2時になったときに、時計の針を1時間進めて午前3時とします。そのため“進める”という表現が入っています。ちなみに、この反対、夏時間から「冬時間」に変わるのは「Fall Back」という表現を使い、2015年は11月1日です。
Appleのイベントはちょうどこの夏時間への切り替えの翌日に開催されることになっており、Tim Cook氏が誇らしげに「夏時間の切り替えの瞬間も、(Apple Watchは)きちんと対応した」といって会場の笑いを誘うのではないか、と思います。
同時に、Apple Watchが“時計”であることを意識させるという点で、絶好のタイミングと言うこともできます。できれば、もう少し早く発表してほしかったのですが……。
このあたりは、サマータイム制が導入していない日本を含む国々や、米国とサマータイムが始まるタイミングが異なる欧州からすると少し実感がないかもしれません。
(次ページでは、「夏時間への移行直後はとにかく眠い、魔の1週間」)
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