Mozillaは1月6日、モバイル向けOS「Firefox OS」の取り組みを拡大する発表を行なった。2012年にローンチして以来、これまでスマートフォンで利用されてきたFirefox OSだが、米ラスベガスで開催中の「2014 International CES」で、パナソニックと共同によるFirefox OSベースのスマートTV開発計画、ZTEからスマートフォン新機種が発表されることを明らかにした。
Firefox OSにとっても、2014年は飛躍の年に!?
2013年は、MozillaとJollaが新興モバイルOSとして端末を発表したが、今年はTizenやUbuntu(Canonical)からも登場が予定されている。先行しているMozillaがさらに手を打った格好だ。
Mozillaがこの日発表した内容は、スマートフォン、タブレット、スマートTVの3つの分野に及ぶものとなる。スマートフォンでは、2013年の提供当初からのターゲットである新興市場へのフォーカスを今後も継続するとした。
現在Firefox OSはZTE、Alacatel One、LGなどから提供されており、2014年最初のニュースとしてZTEが今週にも第2弾端末を発表すると語っている。ZTEから正式な発表はされていないが、高性能なデュアルコアCPUを搭載するなど、初代機種「ZTE Open」よりも高スペックなモデルと期待して良さそうだ。
また、タブレット向けFirefox OSにフォーカスした開発者貢献プログラムを発表した。ここでは2013年に提携したFoxconnが最初のハードウェアパートナーとなり、タブレット版Firefox OSの開発を進める。プログラムは数週間以内にスタートする予定で、参加する開発者はFoxconnのリファレンスハードウェア(「InFocus」10型版)やリソースにアクセスできるという。
スマートTVではパナソニックと提携し、Firefox OSを採用したスマートTVを開発することを発表した。HTML5などのウェブ技術を活用するもので、Web APIを利用してスマートTV上で家電製品やその他の機器を操作したり、使用状況を確認するなどのことを可能にするという。パナソニックとMozillaは「商品化する予定」としているが、商用化の時期については明らかにしていない。
これに加えて、MozillaはVIA Technologiesとの提携も発表した。この提携の下、VIAが2013年に発表したコンピュータボード「APC Rock」および「APC Paper」でFirefox OS搭載モデルを提供する。デスクトップ環境で動くFirefox OSのプレビュー版が利用でき、主として開発者やアーリーアダプター向けとしている。
Mozillaの最高執行責任者であるJay Sullivan氏は、「2013年はMozilla15周年でFirefox OSをローンチした年」とし、2014年は拡大の年と位置づけている。Firefox OS向けにモバイルアプリを開発する開発者の数はこの1年で3倍増を見込んでいるとし、エコシステム面でも基盤が整いつつあることを強調している。