キャリア各社は端末を個々に展示することはなかったが、メーカーのブースでは最新モデルを展示し、試作モデルも含めた端末や技術をアピールしていた。ここでは各社ブースから注目製品および会場を回って気になったものを見てみよう。
京セラブースでの注目はAndroid搭載のスマートフォン「Zio(ザイオ)」。北米市場に投入する予定の端末でCDMA2000に対応する。Android OS 1.6ベースでスペック的にはそれほど目立ったものではないが、コンパクトなサイズのボディが特徴的。
端末メーカーとしては規模の大きなブースを持っていたシャープでは、ドコモ向けの「LYNX(SH-10B)」とau向けの「IS01」を並べて展示。サービスに依存するソフトウェア的なものをのぞいてほとんど同一だと分かるが、LYNXが光沢のある表面なのに対してIS01が微細な凹凸加工されていて、手にしたときの印象は思いのほか異なる。
NEC、カシオ、日立の3社によって事業統合したNECカシオモバイルコミュニケーションズはもちろん1つのブースで展示を行なっていた。モバイルギアを彷彿とさせるドコモ「N-08B」が人気。
カシオのG'z Oneシリーズはその高い防水/防塵/耐衝撃性能で、国内メーカーとしては北米市場で一定の地位を占めている数少ない例。折りたたみ式の「G'zOne Rock」、横開きでキーボードが現れる「G'zOne Brigade」は、国内端末には見られないデザインのごついボディが目を惹く
ZTE(中興通迅)は中国に本拠を持ち、ソフトバンクやウィルコムに音声端末やデータ通信端末を提供しているが、それ以前に基地局設備や端末では世界規模の企業である。ブース内には国内市場向け端末やAndroid搭載のコンセプト機を始め、LTEへの対応も準備済みであることをアピールしていた。
BlackBerryのリサーチ・イン・モーション社も専用のブースを設置。まもなくドコモより発売される「BlackBerry Bold 9700」はトラックパッドを採用するとともに、液晶解像度の向上などが図られているが、サイズが小さくなったことが一番の魅力。手のひらにスッポリ収まるサイズに、文字を打ちやすいQWERTYキーボードで日本人好みの1台になりそう。
ウィルコムブースでは新製品などがなかったのは、さすがにやむを得ないところだが、自動販売機やATMをはじめとしたM2M分野で活躍していることがアピールされていた。
携帯電話以外のワイヤレスデバイスもUWB(超広域無線通信)、Bluetooth、GPS、Zigbee(短距離無線機器)などそれぞれのブースで各規格の新製品などが用意されていた。
デバイスとして面白そうだったのが、フタバ産業の画像伝送モジュール。2.4GHz帯の免許不要の電波出力で見通し100メートル程度までQVGA画像を転送できるという。2.4GHz帯でも無線LANでは用いられていない狭い隙間を活用することで、無線LANに干渉しないとのこと。
ヤマハが参考出品しているミューロセンサーと呼ばれるモジュール(下写真の手前の白くて四角い物体)。高精度の3軸加速度センサーを内蔵して、リアルタイムでPCにその動きを転送する。ポインディングデバイスとしての活用法も考えられるが、左右それぞれの手でこのモジュールを握り、さらに足首にもう1つ装着するなどして、実際に音が出るエアドラム(?)を体感できるようにするなど、音楽とリンクさせての活用を考えているところだという。