今年の冬もガンダムだ! そして2010年もやっぱりガンダムだ! 1/48のユニコーンガンダムに触って、私はそう思った。
アスキー・メディアワークスのホビー誌「電撃ホビーマガジン」が、2010年1月号(11月25日発売 特別定価1290円)で大々的にリニューアルを敢行! 付録は前代未聞の「1/48ユニコーンガンダム ヘッドディスプレイベース」である。
これは、ユニコーンガンダムの頭部が1/48という大スケールで再現されたガンプラである。と同時に、完成したガンプラを飾れるディスプレイベースにもなっているものだ。1粒で2度おいしいというヤツである。写真後方に写っているアームが、ディスプレイとして機能する。
しかも、ユニコーンモード→デストロイモードに完全変身してしまううえ、雑誌付録なのに2色成形!! 採算度外視なのである!(隣の編集部のことなので、ホントは知らん) 赤いクリアパーツが、バッチリとサイコフレームを再現してしまうのである! もちろん塗装はしたいものだが、塗らなくても全然美しくてOKだ。さらに本誌には、付録をより美しく作り込むためのページまで用意されている周到ぶりだ。
ユニコーンモード(写真左)とデストロイモード(写真右)。変身ギミックはかなり複雑なのだが、それを体感できるのもプラモデルならでは。組み上げたばかりの時は、派手なデストロイモードに心惹かれるが、実はユニコーンモードも、フェイスカバーを覗き込むとその奥でチラリと光っている(ように見える)目など、手にとって眺める中で、新たな発見がある
再現しているユニコーンガンダムは、来春(2010年春)公開予定のアニメ版のもの。とはいえ、実は頭部に関してはバルカンがあるかないかの違いなのだが。現在ユニコーンガンダムはMG版のプラモデルがリリースされているが、それとは別に新規に設計し直したものだ。
下のコラムにも書いたが、10分程度で完成する手軽さの割には、1/48という大きさは十分にディティールを楽しめるサイズでもある。この造形美を、年の瀬に是非、味わっていただきたい。11月25日は、書店店頭に注目なのだ。
作ってみたよ! 10分程度で組み上がる! もちろん接着剤不要
ガンプラから離れてしまった人こそ手にとってほしい
私は実際に、テストショットをもらって作ってみたのだが、これが予想以上に楽。パーツは全部で26個あるのだが、10分程度で終わってしまう。それでいて、完全変身だからギミックは複雑なのだ。
感想を述べるとするなら、まず最初に、これはガンプラマニアだけではなくて、かつてガンプラを作っていて、今はプラモデルを作る時間がなかなか取れない人にも手にとってほしいということ。作業時間も短いし、完成物が全身モデルではなくディスプレイベースであるので、置物としての性格も持っている。だから、ライトなガンダムファンが、たとえば車のダッシュボードに置いたり、リビングや食器棚、ベッドサイドに飾っても、違和感はない……いや、絶っっ対にないハズだ!
また、かつてのプラモデルをご存じで今は遠ざかっているという方は、さまざまな点に驚かれると思う。接着剤がいらないスナップフィットである点はもちろんだが、パーツとランナーのつなぎ目が、完成したときに目立つ部分は細く、目立たない部分は太くしてあるなど、一つの工業製品として見た場合のユーザビリティーにも感嘆するだろう。オトナになったあなたが、社会人として経験を積んだ目線で眺めてみるのも、また味わい深いと思う。
さらに言えば、1/48というサイズだからこそ分かるユニコーンガンダムの造形というものがある。パーツを手にとって一つ一つ組み上げていく工程の中で、「頭の側面はこうなっていたんだ」とか、「ツノはこんなにも複雑だったんだ」とか。そうしたモビルスーツのカタチというものが、体験として自分の中に吸収されていく感覚は、実はかつてガンプラを作っていた人ならば身に覚えがあるはずだ。
ただ、これは決して少年時代へのタイムカプセルではない。まったく新しい、これから始まる何か、なのである。だからこそ電撃ホビーマガジンも、このような大々的な付録を付けたのであろう(単なる一ファンの憶測なんですけどね)。
いずれにせよ、「機動戦士ガンダムUC」という物語、そしてユニコーンガンダムは、現在進行形であるガンダム世界の、最も先端をゆくガンダムである。ここからまた、ガンダムは始まっていくのである。30周年を機に――と、段々妄想が激しくなりそうなので、原稿はこの辺で。
まずは、発売日の11月25日には書店へ足を運んで、リニューアルして気合い十分の電撃ホビーマガジンを、手にとっていただきたい。
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電撃 HOBBY MAGAZINE (ホビーマガジン) 2010年 1月号 [雑誌]アスキー・メディアワークス