LEDバックライトに超解像――秋冬テレビは「高画質化」がカギ?
30日から幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2008」では、メーカー各社から最新鋭の技術を採用したテレビを出展している。
中でも注目を集めていたのは、開幕当日にシャープが発表したハイエンド液晶テレビ「AQUOS XS1」(冒頭写真)。LEDバックライトを採用し、今まで液晶テレビが弱いとされていた「黒表現」に優れた性能を誇っている。
また、東芝が採用しているのが映像の高画質化に使用する超解像技術。低画質な映像のアップスケーリングをする際、まず映像を「テクスチャー部/エッジ(輪郭)部/平坦部」の3部分に分類。その後、複数回のプロセスを経て、それぞれの部分に最適な補正を行なう。同技術は日立製作所も開発しており、近く製品化が待たれる。
薄型化に加えて「高画質化」がキーワードになった今回の製品展示。そのほかにも参考展示として様々な取り組みが紹介されている。それではさっそく見ていこう。
最薄部2.28cmのハイエンド「AQUOS」発表のシャープ
シャープは上述のとおり、最薄部2.28cmのハイエンド液晶テレビ、AQUOS XS1を発表している。テレビコントラスト100万:1以上、色再現範囲はNTSC比で150%を実現という驚異的な高画質が何よりの特徴だ。画面をいくつかのエリアに区分けし、エリアごとにバックライトの輝度を調整しているのだという。
また、リモコンにはタッチパネル液晶ディスプレー(3.0型)を搭載。リモコンの画面に表示される「録る」や「見る」「予約」などの表示にタッチすることで、HDMIリンク機能「AQUOSファミリンク」で接続されたBDレコーダーを操作できる。
実際に見てみると、これまでの液晶テレビでは「なんか薄ぼんやりした感じだな……」と思っていた黒い画面がくっきりと引き締められているのに驚かされる。ただしその分、予想実売価格は65V型が128万円、52V型で98万円とコストもかなりのハイエンドだ。
お詫びと訂正:掲載当初、本体最薄部を「2.88mm」としていましたが、正しくは「2.88cm」の誤りでした。(2008年10月8日)
4倍速駆動にLEDバックライト――機能で選べるソニーの薄型
ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」新モデルは、4つの特徴別に機種を分類している(関連記事)。
具体的にはLEDバックライトを採用した高画質の「XR1」、毎秒240コマ表示が可能な4倍速駆動がウリの「W1」、最薄部9.9mmという超薄型テレビ「ZX1」、そして「ブラビアエンジン2プロ」搭載の「X1」の4機種だ。
有機ELとしては27V型の有機ELテレビを参考出展。またテレビとは直接関係ないもの、薄さなんと0.3mmという脅威的な薄さの有機ELパネルも展示しており、来訪者は目を丸くして覗きこんでいた。
「壁掛け」の次は「立て掛け」?! 独自色が光る東芝
上述の超解像技術など、他社とは異なる独自路線で攻める東芝。
参考出展もユニークで、「壁掛け」タイプでも「壁寄せ」タイプでもなく壁に立て掛ける「立て掛け」タイプの52V型液晶テレビというものだった。HDDの代わりに業界初となる64GB SSDを搭載しており、「薄型サイズでも録画可能」を謳っている。
なんでもブランドショップなどに立て掛けられている鏡が発想のきっかけになったとか。またPlayStation 3に搭載されていたマルチコアCPU「Cell」を搭載したテレビなども参考出展しており、複数チャンネルの同時表示デモを行なっていた。
超解像、LEDバックライトも参考展示――日立製作所
日立製作所は超解像やLEDバックライトなど、先端の技術を参考展示。また業界に先駆けて「壁掛け」を提案した同社らしく「レイアウト自由型」と銘打った、さまざまなコンセプトによるスタンドやテレビの本体デザインを出展していた。
ワイヤレスHDにネオ・ビエラリンクも パナソニック
1日から社名変更したパナソニック。1TB HDDを初搭載し、YouTube視聴機能などを備えた高画質プラズマテレビ「VIERA PZR900」(関連記事)を筆頭に出展していた。103V型の超大画面プラズマテレビ「PZ800」(予想実売価格560万円前後)や、世界最大150V型のプラズマディスプレーなどを展示していた。
そのほかにフルHD画質のまま映像をワイヤレス転送可能な「Wireless FullHD」のデモや、ホームネットワーク機能を応用した新しいリンク機能「ネオ・ビエラリンク」のイメージ展示も行なっていた。
2015年以降に実現予定という「ライフウォール」。等身大サイズで人が映る大画面テレビをモーションで操ることができる。まるでその場にいるような臨場感が味わえるとともに、SF映画「マイノリティ・リポート」に出てきたような直感操作が可能。や、やってみたい
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