コードレビューは、チームで開発するプロダクトの品質を高める重要なプロセスです。しかし、オンライン上のテキストコミュニケーションが基本となるコードレビューでは、「意図が正しく伝わらない」「受け手がネガティブに受け取ってしまう」などのすれ違いが頻発し、手戻りや誤解を生んでしまうことも少なくありません。
本書は、そんな意図や感情のすれ違いを起こさない「伝わるコードレビュー」の技法を解説した書籍です。具体的な19の事例シーンをもとに、わかりやすいプルリクエスト・レビューコメントの書き方や効果的なレビューの進め方を詳しく解説します。
事例シーンは、
・緊張感のあるレビューコメントが返ってきたとき
・説明不足のPRが提出されたとき
・考え方や価値観が食い違ったとき
など、開発現場のコードレビューでよくあるミスコミュニケーションのケースを収録。かわいいキャラクターとともに、問題の原因と対策を整理し、実践的な解決アプローチを提案します。
「レビューのつもりが指摘合戦になってしまう」
「何を伝えたいのかわからないコメントが飛び交ってしまう」
そんな悩みを抱える開発チームにとって、本書はよりよいコードレビューの指針を示すガイドラインになるはずです。レビューの指摘が的確に伝わり、レビューを受ける側も納得感をもって改善できる―そんなスムーズなコードレビューの技法を、本書で身につけましょう。
■解説TIPS(一部)
クイズを出さない/性善説で考える/チームで共有するタグを作る/作業ログをつけて参照場所をリンクする/相談までの時間を決める/わからないレベルを伝える/自分の考え・意見を添える/詳細を明示する/「念のため」の確認をする/上手に催促する/聞きたいことを絞る/Before/Afterの画像を載せる/テンプレートを用意する/ラベルをつける……他、多数の実践的なTIPSを収録!
■対象読者
・コードレビューのよりよいやり方を知りたい現場のエンジニア、メンター
・チーム全体でコードレビューの指針を整えたいリーダー・マネージャー
・はじめてコードレビューをする新人エンジニア
【Part1 心構え編】
・「伝わるコードレビュー」とは
-この本は何のための・どのような本か
-コードレビューの利点と難しさ
-コードレビューはコミュニケーション
・伝わるコードレビューの5大ルール
-コードレビューで守るべきルール
-ルール(1):決めつけない
-ルール(2):客観的な根拠に基づく
-ルール(3):お互いの前提知識を揃える
-ルール(4):チームで仕組みを作る
-ルール(5):率直さを心がける
-コードレビューは双方向のコミュニケーション
【Part2 実践編】
Case1:緊張感のあるレビューコメント
Case2:説明不足のPR
Case3:進捗が遅れているPR
Case4:考え方・価値観の食い違い
Case5:細かすぎるレビューコメント
Case6:Lintツールの言いなりの修正
Case7:「あの人が言っているから大丈夫」という思考停止
Case8:質問コメントに答えない修正PR
Case9:レビューポイントがわかりにくいPR
Case10:気を遣いすぎたレビューコメント
Case11:レビューされないPR
Case12:前提が揃っていないPR
Case13:コメントへの訂正情報の不足
Case14:放置された議論
Case15:見過ごされた質問コメント
Case16:想像に基づく修正
Case17:調べる前に相手に投げてしまう質問
Case18:関係者へ確認ができていないPR
Case19:感情的なコメント
【Part3 TIPS編】
1:クイズを出さない
2:命令しない
3:性善説で考える
4:相手の意図を断定しない
5:まずは共感を示す
6:チームで共有するタグを作る
7:Lintツールを入れる
8:作業ログをつけて参照場所をリンクする
9:相談までの時間を決める
10:詰まっていることを伝える
11:わからないレベルを伝える
12:遠回しに言わない
13:自分の考え・意見を添える
14:根拠がないなら根拠がないことを添える
15:詳細を明示する
16:何をして欲しいかを伝える
17:「念のため」の確認をする
18:同期コミュニケーションに移行する
19:質問先を明示する
20:上手に催促する
21:期限を明示する
22:すぐに返せないことを伝える
23:聞きたいことを絞る
24:相手の知識に合わせる
25:はい・いいえで答えてもらう
26:論破ではなく納得を目指す
27:Before/Afterの画像を載せる
28:「やっていないこと」を書く
29:テンプレートを用意する
30:ラベルをつける
31:箇条書きを使う
32:レビュアーを指名するロジックを作る
33:相手の理解の段階を踏む