“心に刺さるジャーナリズム”
いま、被災者が自治体に訴えられる異例の事態が多発している。東日本大震災の被災者のため自治体が貸し付けた「災害援護資金」の返済を求める訴訟だ。返済期限は13年。約2万8千件の貸し付けの多くが期限を迎える中、滞納額は約63億円にも上り、被災者は返済苦に陥っている。一方で取り立てを行う自治体の苦悩や、制度の課題が積み残されてきた実態もわかってきた。将来、同じ問題を繰り返さないために何が必要か考える。
「セクハラ対応」への意識が企業の間で高まるなか最前線で何が起きているのか?被害の訴えに対し「証拠がない」「同意があったのでは」として不認定とされた事例や企業の相談窓口で起きる二次被害の事例などから見えるのは組織が抱える様々な課題。そしてそれが退職へと向かわせてしまう実態だった。社会をアップデートしていけるのか。模索する企業の取り組みも紹介しながら私たちの足下から変えるためのヒントを探っていく。
貴重な映像で振り返る放送100年。全国のお茶の間を釘付けにした「あさま山荘事件」。近隣住民を犯人視する報道があった「松本サリン事件」。生中継の映像から世界が変わった「9.11同時多発テロ」。激動の時代の舞台裏で制作者たちは何を考えていたのか?当事者への独自取材からつむぎ出されるいくつものメッセージ・・・「視聴者にどう伝えるのか」模索してきたテレビ報道の伝え手たちとともに、これからの時代を展望する。
外の世界を“現世”と表現し、教団内でヘッドギアを着用、腐った物を食べさせられるなど劣悪な環境に置かれていたオウムの子どもたち。今回、番組が独自入手した児童相談所の記録や施設内部の写真からは、教祖を崇拝し、その教えに染まった子どもたちの姿が浮かび上がってきた。しかし、子どもへの支援を検討する国の研究は2年で終わるなど長期的なフォローは行われなかった。当事者たちの声から社会に何が必要だったのか考える。
二刀流として「最後のチャンス」と語った覚悟の表れか-投手の復帰計画を変更し、調整をスローダウンさせたドジャース・大谷翔平選手。攻撃面でも左肩故障の再発防止に向けて新たな走塁を試みるなど慎重な模索を続けている。球界最高の二刀流スターをどのように復活させるのか?21世紀初となるワールドシリーズ連覇に向けた戦略は?チーム編成のカギを握る最高幹部ら関係者を独自取材!日本での開幕戦直前、今季の展望に迫る!
コメの値上がりが止まらない。スーパーでのコメの平均価格は1年前の1.9倍に。その影響はコンビニや外食など広い範囲に及んでいる。政府はコメの流通経路の目詰まりが高騰を引き起こしている一因だとして、流通の円滑化を目的に備蓄米を放出することを決めた。これによってコメの価格は下がるのか。番組では、備蓄米の入札に参加する集荷業者などを取材。私たちの食卓に欠かせないコメをめぐっていま何が起きているのかを追う。
仕事中、災害にあったら…。東日本大震災は、多くの人が仕事をしている日中に起き、働く人の命をどう守るかを問いかけた災害でもあった。しかし、あの日から14年たった今も、企業の防災は思うように進んでいない。こうした中、命を最優先に考える対策を考えてほしいと企業に粘り強く訴え続けている遺族たちがいる。その声に耳を傾け、地震や豪雨など、さまざまな災害で1人でも多くの命を救うためのヒントを考える。
ミャンマー東部の“詐欺村”から、日本の高校生を含む数千人が解放された。その証言から、世界中の市民を狙う国際犯罪組織の拠点の実態が明らかになりつつある。“詐欺村”では成功すると酒や食事などの“報酬”が出る一方、指示に従わなければ電気ショックなどの暴行も。中国当局は「10万人以上が雇用されている」と公表、独自取材からは日本人を送り出す組織による関与も見えてきた。国際特殊詐欺の深い闇に迫る。
大阪のメーカーが輸出した民生品が、知らぬ間にロシア兵器の製造工場で使われていた。背景にあるのは、国際的な経済制裁をかいくぐって製品をロシア・ベラルーシに送り込む闇のサプライチェーン。戦場で回収されたロシア軍兵器から日米欧の部品が次々見つかり、ウクライナ政府が規制と監視の強化を要請する事態となっている。入手した製造工場の取引記録をもとに闇ルートを追い、戦争継続を阻止する輸出管理のあり方を考える。
全国の半数以上にあたるおよそ1000の市町村で、病院や診療所などの出産施設が0になり、分べんのできない「空白地帯」が広がっていることが明らかになった。片道1時間以上かかる産科への通院や車内での出産…。そのしわ寄せは妊婦に押し寄せ、不安が広がる。国は出産費用の軽減など新たな支援策に乗り出そうとしているが、課題も指摘されている。安心して子どもを産める仕組みとはどうあるべきなのか、考えていく。