中国山地の山間にある島根県飯南町の酒蔵で、社長のある行動をきっかけにSNSで大きな反響を呼んだ。「至って普通のことをしたまで」と語る社長だが、全国から注文が相次ぐなど思わぬ波及効果も出ている。その背景を取材した。

島根県飯南町、中国山地の山間の町にある小さな酒蔵で、このほどある「異変」が…。

赤名酒造・三島崇暁社長:
大変多くの注文をいただきまして、大変ですが非常にうれしく思っております。

実は2025年に入りって日本酒の注文が殺到しているいいます。その理由は…。

赤名酒造・三島崇暁社長:
「X」でここまで“バズる”とは思ってなくて、非常にびっくりしています。

赤名酒造の三島社長が、1月上旬にSNSの「X」に投稿した一枚の画像。
酒蔵の店先に「日の丸」を掲げた様子です。
赤名酒造では、祝祭日に合わせ日本国旗を掲揚していますが、1月13日の「成人の日」も同様に掲げていました。

すると「X」のコメント欄に、「他国を威嚇するようなことは止めなさい」という
趣旨の書き込みが…。※このコメントは現在は削除されている

投稿した三島社長は、「政治的な意図は全く無かった」と言い、なぜそのような反応が示されたのかが疑問だとして、「国旗はこれからも掲げる」とさらに投稿したと言います。

赤名酒造・三島崇暁社長:
理不尽なことに対しての対応をしただけ。通常のことをした、特別なことは何もしてない。

するとこの投稿が「大バズリ」!投稿から約1週間で、一連の内容すべて合わせて1億ビューに達しました。
フォロワー数も、約1万9000人だったのが、今では約6万4000人に。※3月7日時点

思わぬ反響に驚きつつも三島社長は、「ひと昔前は家庭や会社、公共施設などで当たり前だった祝祭日の国旗の掲揚が、現在はやりにくい社会になってしまったことが、この様な共感を生んだのでは」と話します。

その反響は日本酒の売り上げにも…。ネットでの注文数は、これまで月100件ほどでしたが、投稿した1月13日からの1週間で約700件になり、また県外から酒蔵を直接訪れた人も1日約100人に増えたということです。
このため売り切れた商品もあるということです。

さらに「波及効果」は、赤名酒造がある飯南町にも。日本酒以外の特産品も売れるようになり、「ふるさと納税」も増えているということです。

赤名酒造・三島崇暁社長:
地域の他の特産品なども一緒にご購入いただいていまして、そこは(地域の)皆さんと一緒に盛り上がっている感じがして、非常にありがたく思っております。

「当然の行動として掲げた日本国旗」の投稿が、「かつてない反響」を呼んだ赤名酒造。三島社長は、これを一過性の現象とせず、飯南町を知ってもらうきっかけとなって、地域が盛り上がればと期待しています。

TSKさんいん中央テレビ
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