自衛隊基地の整備が進む鹿児島県西之表市・馬毛島の港湾工事の影響で漁業権が侵害されているとして、種子島漁協に所属する男性が国に工事の差し止めを求めている裁判で、鹿児島地裁は11日、男性の請求を棄却しました。
この裁判は種子島漁協に所属する漁師の濱田純男さんが、西之表市の馬毛島で防衛省が進める港の建設工事で、漁場が使えなくなるのは漁業権の侵害に当たるとして、国に工事の差し止めを求めているものです。
裁判は、種子島漁協が国との合意で漁協権を放棄する中、種子島漁協や濱田さんに漁業権があるかが大きな争点となっていました。
11日の判決で窪田俊秀裁判長は「総会の特別決議があるときには漁業権の放棄もできるものとされている」との理由を示し、「原告が漁業権を有しているとは認められない」として、原告の訴えを棄却しました。
判決後、原告の濱田さんは会見を開き、強い口調で不満をあらわにしました。
原告・濱田純男さん
「防衛省は勝手に自分たちが利用するために工事をやっています。そういうことが許されるのか、本当に疑問視している」