心静かに体に聞くと、欲しいものが分かります。野菜ランキングを参考に!

ハーバード新研究が発表!慢性疾患予防に最適な果物と野菜ランキング

果物や野菜は、健康に役立つとされていますが、全部そうだと限りません。ハーバード大学で行った最新研究では、健康にいい果物と野菜のランキングが決められましたので、ご紹介します。食べれば食べるほど、慢性疾患のリスクから遠ざかってゆくという指針だそうです。

2024年8月、ハーバード大学の研究チームは「アメリカ臨床栄養学雑誌」(The American Journal of Clinical Nutrition)に新研究を発表しました。研究はアメリカ医療専門家への追跡調査、看護師の健康調査の第1期及び第2期の内容を含めた三つの大規模なコホートデータ(グループが特定の期間や条件下でどのように行動したかを追跡するために使用)に基づいたものとなります。

研究者は41714名の参加者を対象に、バイオマーカーの分析を行いました、52種類の果物と野菜の摂取は14種類の心血管代謝バイオマーカーとの関係性を分析、比較しました。

代謝能力の高さを基づいてランキングを作りました。

トップ5位は、

リンゴ及びナシ、

結球レタス(アイスバーグレタス)、

ほうれん草、

スプラウト・アルファルファ、

ナスまたはズッキーニ;

 

ワースト5位は

エンドウ豆またはリマ豆、

フライドポテト、

スイカ、

トマトジュース、

トウモロコシ

でした。研究では、計19種類の代謝能力の高い優れた果物と野菜を特定されました。

 

ほうれん草(Shutterstock)

 

続けて、研究チームは207,241名の参加者を対象に、代表的な慢性疾患のリスクを分析続け、32年にわたって追跡しました、その結果、摂取した果物と野菜の内、代謝能力の高い物が多ければ多いほど、慢性疾患を患うリスクが低くなることがわかりました。食べる量が多くても、代謝能力は普通な、および低めの果物と野菜を中心の場合、慢性疾患になるリスクを低下するどころか、むしろ糖尿病のリスクが高まってしまう兆候が示されました。

具体的な研究内容からみてみましょう、果物と野菜の摂取量が最も少ないグループにおいて、代謝能力の高い物を多く食べる参加者は代謝能力の低い物をメインに食べる参加者より、代表的な慢性疾患を患うリスクが15%低下した結果を観察できました。

グループによって果物と野菜の摂取量は食事に占める割合が違いますが、研究に参加されていた他のグループも同様な傾向もみられました。また、動脈硬化性心血管疾患、2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患のグループも同様な現象を現れましたが、ガン患者にあまり効果はなかったようです。

健康に役立つ果物や野菜は、カリウム、マグネシウム、β-カロテン、フラボノイド類、食物繊維など栄養素が豊富で、体が従来に備えている健康を守る機能をサポートし、抗酸化や抗炎症作用を働かせたり、血圧を低下させたりなど慢性疾患のリスクを減少させる役割を果たしています。

β-カロテン(Shutterstock)

研究者は果物と野菜をたくさん摂取することは間違いないが、代謝アップにつながる健康に役立つものを意識して食べたほうがより効果的だとアドバイスしました。

 

リンゴと梨が炎症指標を降下させる

リンゴと梨は栄養成分が似ていて、フラボノイド、食物繊維、抗酸化物質など多くの生物活性化化合物を含有しており、このような化合物は心血管疾患になる要素と発症のリスクを減少させる効果があります。

リンゴと梨は栄養成分が似ている(Shutterstock)

 

2019年、『Current Developments in Nutrition』(『栄養学の最新発展』)誌に掲載された研究では、リンゴか梨か、または両方食べることで、脳血管疾患、糖尿病、心血管疾患、心臓代謝疾患にもたらす死亡リスクを始め、すべての病気の死亡リスクを大幅に低下させられることが確認されました。

さらに、2021年に『The American Journal of Clinical Nutrition』(『アメリカ臨床栄養学雑誌』)で発表された研究では、リンゴを食べない参加者と比べ、6週間毎日にリンゴを食べ続ける参加者の、空腹時の炎症バイオマーカー(体内で炎症が起こっていることを示す分子や物質のこと。これらのバイオマーカーは、血液や組織、その他の体液で測定することができる)が改善され、C反応性タンパク質(CRP)が17%、インターロイキン-6(IL-6)が12.4%低下したことがわかりました。

また、内毒素バイオマーカー(体内で内毒素が放出された際にその存在を検出するための生体マーカー)であるリポ多糖結合タンパク質(LBP)も20.7%減少した結果を確認されました。

 

ほうれん草は脳の健康に役立つ

ほうれん草には、クェルセチンやケンペロールなどのフラボノイド類を含む多くの抗酸化物質が含まれています。研究によると、フラボノイド類は動脈硬化、糖尿病、肝毒性、炎症など病気につながる脂質過酸化を効果的に防ぐことができることがわかりました。

さらに、ほうれん草は脳の健康にも役に立ちます。ほうれん草にはルテインとゼアキサンチンといった大事なカロテノイドを豊富に含んでいます。『Journal of Alzheimer’s Disease』(『アルツハイマー病誌』)に発表された研究では、アルツハイマー病患者は、健康成人と比べ、脳内のルテインとゼアキサンチンが半分しかないと判明しました。

ほうれん草(Shutterstock)

 

メイン研究者であり、バージニア工科大学医学部基礎科学教育学科の教授C. キャスリーン・ドリーさんは、記事に「食事にカロテノイドを多く摂取する人、血液中にルテインとゼアキサンチンの濃度が高い人、或いはその栄養素が黄斑色素として網膜に蓄積された人は、アルツハイマー病になるリスクは明らかに低い」と明言しました。

ノースウェル・スタテンアイランド大学病院の登録栄養士であるアマルゴ・クチュールさんは、本誌(大紀元・エポックタイムズ)に「ほうれん草、エンドウ豆、レタスなど、一部の葉野菜にはルテインとゼアキサンチンの含有量が高い」と紹介しました。

 

スプラウト・アルファルファは動脈硬化を予防

スプラウト・アルファルファにはサポニンを始め、多様な生物活性化合物を豊富に含んでおり、抗酸化、抗ウイルス、免疫刺激、抗糖尿病の作用があります。

2021年に『Nutrients』誌に掲載された研究では、モデル動物において、コレステロールとサポニンの相互作用がスプラウト・アルファルファの抗動脈硬化活性のメカニズムを構成したと判明した内容を記載しました。つまり、スプラウト・アルファルファは、抗動脈硬化作用を持つフィトケミカル(Phytochemicalsとは、植物に含まれる化学物質のこと。植物の成長、防御、色素合成などに関与)の優れた供給源となります。

アルファルファ(Shutterstock)

 

ナスの高血圧改善効果

ナスは高血圧を改善できます。100名の参加者を対象に、ランダムにプラセボ(実際には薬効がないにも関わらず、症状の改善を感じる「プラセボ効果」があること)と対照する研究の結果、ナスエキスは血圧の数値が高い参加者の拡張期血圧を改善し、すでに1度高血圧になった患者さんの収縮期血圧と拡張期血圧にも低下させたことを確認できました。つまり、ナスは異なるタイプの高血圧に対して、それぞれに見合う降圧効果を発揮できることを示しています。

ナス(Shutterstock)

 

レタスの心血管疾患を予防する効果

レタスには、ポリフェノール、カロテノイド、ビタミンCなど抗酸化物質を豊富に含んでいます。研究では、実験用ラットにレタスを20%含む食事を与えたところ、脂質代謝の改善と血液の抗酸化能力の向上を見受けられ、心血管疾患から健康を守る効果が期待できます。

レタス(Shutterstock)

 

料理する際の注意事項

料理する方法は、食材の栄養分に影響を与えると、前述のハーバード大学研究で指摘されました。

例えば、ジャガイモの場合、揚げると栄養価を大幅に失い、心臓の代謝にも悪影響を及ぼし、高インスリン血症や炎症を誘発するリスクも高まる可能性があります。アメリカでは、ジャガイモが最も普及された食材ですが、ポテトフライにして食べるのも一般的なので、気を付けるべきです。

ほうれん草の場合、茹でる、蒸す、炒めるなど調理法と比べ、生で食べたほうが最もルテインを摂取できることもわかりました。研究者は生のほうれん草をミキサーやジューサーで細かく刻むことで、より多くのルテインを得ることができるし、また、細切りしてサラダやサンドイッチに入れて食べることも同様な効果を得られるとアドバイスしてくれました。
 

(翻訳編集 正道 勇)

王嘉儀