アメリカ食品医薬品局(FDA)の研究者らによる新たな研究で、幼児は新型コロナワクチン接種直後の発作リスクが高いことが分かった。
熱性けいれんの発生率は、モデルナ製ワクチン接種後1日以内の小児は、接種後8〜63日経過した小児の2.5倍だったと研究者らは述べた。
研究チームは、結果を説明したプレプリント(査読前論文)で、リスクが「顕著に上昇した」と書いている。
また、熱性けいれんのリスクは、ファーザー/ビオンテック製ワクチン接種後8〜63日の期間よりも接種後1日以内の方が高かったが、このリスク上昇は統計学的に有意ではなかった。
FDAの生物統計学・医薬品安全管理室のリチャード・フォーシー副部長をはじめとする研究者らは、商用データベースのデータを分析することで、自己対照ケースシリーズ(研究手法の1つ)を実施した。データはCVS Health社、Optum社、Carelon Research社のもの。2歳から5歳の子供が対象とされた。
発熱は新型コロナワクチンの一般的な副作用だ。例えばファイザー社の臨床試験では、2歳から3歳の子供の約19%が2回目の接種後に発熱した。発熱によって発作を起こすケースもあると研究者らは述べている。
この研究は、ファイザー製ワクチンを接種した2歳から4歳の小児と、モデルナ製ワクチンを接種した2歳から5歳の小児において、発作/けいれんの安全性シグナルを確認したことから実施された。研究者らは、「ほぼリアルタイムのサーベイランスという同定方法は、スクリーニングや検出を目的として、感度は高いが特異的ではないように設計されている」ため、さらなる研究が必要であると述べた。発熱けいれんに焦点が当てられたのは、先行研究で確認された症例のほとんどがこのタイプの発作であったからだ。
今回の研究で用いられた2日間という時間枠は、発作症例が「他の原因ではなく、ワクチン接種に関連している」ことを保証するものであると研究者らは述べている。
ファイザー製ワクチン接種後の発熱けいれんは88件で、そのうち7例はワクチン接種の当日または翌日に起きた。
モデルナ製ワクチン接種後の患者67人のうち10例は2日以内に発生した。
ワクチン接種から2〜7日後の発作は一次解析から除外した。
二次解析では、ワクチン接種後7日以内のリスクインターバルをより長くとったところ、ファイザー製ワクチン接種後に103件の熱性けいれんと135件の発作/けいれんを確認し、そのうち22件の熱性けいれんと32件の発作/けいれんはワクチン接種後7日以内に確認した。二次解析では、モデルナ製ワクチン接種後に78件の熱性けいれんと106件の発作/けいれんが認められ、そのうちより長いリスクインターバルにおける熱性けいれんは21件、発作/けいれんは28件であった。
その二次解析でも、他の二次解析でも、研究者らがデータに調整を加えた後、統計的に有意な発見は見られなかった。
承認された以上の投与を受けた小児の症例は除外された。研究者らは、Carelon Research社のデータベースの2022年6月から2023年2月まで、CVS Health社のデータベースの2022年6月から2023年3月まで、Optum社のデータベースの2022年6月から2023年5月までのデータを解析した。
FDAは2023年後半、ファイザー社、モデルナ社、ノババックス社の新バージョンのワクチンを、わずか50人の臨床試験データに基づき承認した。現在入手可能なこれらのワクチンは、この研究の対象外である。
FDAはこの新たな研究に資金を提供した。研究者によれば、症例数の少なさがこの研究の限界だという。研究には関与していないイェール大学公衆衛生大学院のハーヴェイ・リッシュ名誉教授(疫学)も賛同した。
「これらの小さな数字は信頼できる統計分析には不十分であり、この論文を科学的に弱めている」とリッシュ氏はエポックタイムズに電子メールで語った。
FDAの広報担当者はエポックタイムズに電子メールで、ワクチンによる発熱けいれんの絶対リスクは「非常に小さいと予想される」と述べた。
この研究論文の責任著者であるフォーシー氏は、コメントに応じなかった。モデルナ社およびファイザー社も問い合わせに回答しなかった。
研究者らは、リスク上昇が発見されたにもかかわらず、「現在の科学的証拠によれば、1価のmRNAワクチンの安全性プロファイルは幼児への使用において依然として良好だ」と主張した。研究者らは最新のリスク・ベネフィット分析を提供せず、FDAも提供を拒否した。
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