【インタビュー】札幌の不動産王・SUE、「“藁をもつかむ”の“藁”になりたい」

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札幌の不動産王、北の大富豪などの異名を持つSUE(読み:すえ)が、2月26日にダブルA-サイドとなる1stデジタルシングル「ボナペティ〜僕とマリアージュ/愛の大金波動拳」をリリースした。

◆撮り下ろし写真

数々のヒット曲を手掛けてきた音楽プロデューサー、棚橋UNA信仁(以下、UNA)とタッグを組んで作り上げた本作。

自身でワイナリーを経営するほどのワインラバーであるSUEと、同じくワインを愛するUNAならではの発想が実を結んだ「ボナペティ〜僕とマリアージュ」と、苦悩の日々を経て掴んだSUEの成功哲学やノウハウをオルタナティブなメタルサウンドで送る「愛の大金波動拳」の2曲が収められている。

今回はプロデューサーであるUNA氏にも同席していただき、自らを“自己啓発歌手”、“波動歌手”と呼ぶSUEの音楽に対する想い、また、楽曲完成までの過程を語ってもらった。

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◾︎まずは、貧しい人を豊かにしたい

──SUEさんはご自身で事業も展開していらっしゃいますが、2月26日には、ダブルA-サイドの1stデジタルシングル「ボナペティ〜僕とマリアージュ/愛の大金波動拳」をリリースされます。音楽活動を始めようと思った経緯なども含め、自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。

SUE:25年ぐらい不動産の仕事をやっていますが、昔諦めた夢があって。学生の頃、5年ぐらいバンドをやっていて、歌手デビューしたいなと思ったんです。でも生活費とかそういうのに追われて、夢を諦めちゃって。それから不動産の仕事を始めたんですが、それがうまく行って、お金とかゆとりもできたので、もう一度、歌手として東京ドームでのライブとかグラミー賞獲得とか、大きい舞台を目指そうかなと思い、3年前から歌手活動を始めました。ようやくデビューということです。

──DJ SUEとして活動もされていましたよね。

SUE:そうですね。DJの曲も何曲かあって。それも3年前ぐらいかな。でももっとメッセージを入れたいなというのがあったし、もっと全面的にステージに上がってやっていった方が面白そうだなというのもあって。

──それで歌手の道に、ということですね。2月26日にいよいよデジタルシングルがリリースされるわけですが、今のお気持ちはいかがですか?

SUE:ようやくスタート地点に立てたかなと思っています。若い頃の自分の夢を叶えるため、25年後の48歳になった今スタートできるってのはすごく嬉しいんですよ。僕と同世代のおじさんとかおばさんの背中を押したいなという思いもあるし、どこかで夢を諦めちゃった人って、多分僕だけじゃなく世の中にはたくさんいると思うので。そういった人でもちゃんと叶えられるんだ、まだやれるんだっていうようなことを、僕の背中だけじゃなく、楽曲の中にもメッセージとして詰め込んで伝えられたらなと思っています。

──極端なことを言えば音楽は趣味でもできると思うのですが、こうして音源を作り、世の中に発信するのは、SUEさんが伝えたいメッセージというものがあるからということでしょうか。

SUE:はい。まずは、貧しい人を豊かにしたい。僕は自分のことを“自己啓発歌手”とか“波動歌手”って呼んでいるんですが、僕の歌とかやることには全てメッセージが含まれているので、自己啓発で、僕の歌や言葉を聞いた人の明日からの勇気になったらいいなと思っているんです。というのも、自分は元々貧しくて。その後経済的にうまくいったんですけど、それって一部の人というか、気付けた人というか、自分で何とか這い上がろうとしてうまくいくっていうケースが多いと思うんです。だけどそうじゃなくて、今まさに闇バイトに手を出そうかって悩んでる人とか、ネット上で騒いで愚痴ばっかり言ってるような人とか、もしくは地方でシングルマザーで生活が苦しくてもがいてるような人たちにも、曲を介して「SUEって何?なんかいいこと言ってるね」「ちょっと調べてみようかな」って気づいてもらえたら、いろんな動画とかコンテンツ──僕は本も出版してるんですけど、そこに繋がって、いろいろな気付きがあると思うんです。「なんだ、こんな闇バイトしなくても金持ちになる方法あるじゃん」とか「子どもがいて私1人だけど、1人で頑張る必要ないな。ちゃんとチームを作ってやれば経済的に豊かになれる方法あるじゃん」って。そんな、“藁をもつかむ”の“藁”になりたいなと思っています。


──音楽=楽曲のリリースという手段も、気付きの入り口になると。

SUE:伝播しやすいですからね。日本の全ての国民に、もしくは人類に伝播しやすいのが音楽かなと思うので。本だとちょっとそれが弱いんですよ。頑張っている人だけしか目に入らないものになっちゃうんで。音楽は、街を歩いていても耳にすることができたりしますからね。

──そういう違いを感じていらっしゃるんですね。

SUE:学んでいる人や意識高い人だけが世の中うまくいくような、モチベーション格差にならないように。僕ら生きてる人類としてはみんな、たくさんの人が豊かさや幸せを享受できる世の中になっていってほしいなと思っているんです。そういった“まだ気付けていない人たち”にも、風のように僕の歌とか曲が届いて、気付いたときには、自分の悩みなんていらないものだったのね、みたいになってくれると嬉しいなと思ってます。

──今回の「ボナペティ〜僕とマリアージュ」も、「愛の大金波動拳」も、一度耳にしたら忘れられなくなる中毒性がありますから、その役割をしっかり果たせる2曲じゃないかなと思います。

SUE:ありがとうございます。UNAさんと一緒に一生懸命、魂込めて、心を込めて作りました。

──お二人は共にワインが好きで、以前から友人関係でいらっしゃるそうですね。

UNA:ワインの付き合いで言うと、長いですよね(笑)。でも、最初に音楽のお話をいただいた時は、固辞していました。友人ではありましたが、どこか色眼鏡で見ていたところがあったんですよね。だけどSUEちゃんの書籍を読んで、自己啓発と言っても怪しいものではないし、SUEちゃんは与えるだけで何も求めていないこともわかったので、これは真剣に音楽のプロデューサーとして受け止めないといけないなと。40年近く音楽業界にいますが、セミナーに集う生徒さんたちの様子などを見て、なるほどこれは音楽業界で井の中の蛙でいたなと勉強させられること、気付かされることがたくさんあったんです。それでいろいろふるいにかけて、戦略的にどうとかマーケティングがどうとか考えて考えて考えて──全部やめて(笑)、まずは友達同士、ワインの歌にしようっていうことになりました。

──そんな経緯があったんですね。

UNA:このタイトルも、たまたま二人でふらっと入ったお店で、お料理を持ってきてくれたフランス人の女の子が、スッと「ボナペティ」って。つまり「召し上がれ」って言ってくれた感じがとても良くて、「これ最高じゃん!」と思ってしばらく温めていたんですよね。おっさん2人で恵比寿のちょっとおしゃれな店って肩身は狭いんですけど(笑)、行ってみたらそんな出会いもあったんです。



──若い頃の夢を叶えるきっかけが、そこにあったんですね。

UNA:でも、実は夢って我々の中にないんですよ。

SUE:夢って言葉、かっこいいじゃないですか。爽やかだし。“夢を追いかける”とか。でも大人って、夢じゃなくて予定って言った方がいいと思っているんです。だって3年とか5年とか、すぐじゃないですか。不確定要素がいっぱいあるけど、予定と思わないといけないなって思うんです。

──夢っていうと、ちょっと大きくて漠然としてしまう感じがしますね。

SUE:予定にすると、何が足りてないなって、足りない部品が自分なりにわかるようになるんです。

UNA:逆算でね。

SUE:そう。例えば僕だったら、歌手として『紅白歌合戦』に出るとしたら、まず歌唱力が足りない。踊れないといけない。曲作る人がいないといけない。活動するお金もいる。協力者ももちろんいるし、今だと再生回数とかいろんなところで認められていかないといけないから広告戦略もしないといけない。そうなると僕1人じゃ無理なんで、長けた人──『紅白歌合戦』への出場、もしくはグラミー賞獲得のためのチームが僕にとって出会うべき人だって、いろいろと見えてくるんです。

──とてもわかりやすいですね。

SUE:だから僕、夢って言葉は、わざと自分で遠ざけてるようなもんだと思うんですよ。本当に夢の中で終わっちゃうかもしれない。現実にしたいんだったら夢という言葉を捨てて、予定として書いておくぐらいの方がインパクトあるし、引き寄せの法則で、自分に足りないものが解像度高く見えるようになってくるから。そういうふうに日頃から話したりしています。

──予定として冷静に捉えつつも、お二人の根底にある、音楽やりたい、音楽が好きだっていう原点みたいなところにちゃんと火がついていることもしっかり伝わってきます。

SUE:それはありますね。今、最高に面白いです。もうわくわくでね、なんか青年に戻ったような気持ちですよ。若返った気持ちで、シワも減ってきたんじゃないかなって(笑)。20歳の頃に戻ってきてます。

UNA:SUEちゃんは経営者として一つ一つの予定に対して順序立てて予算化もされていますけど、やっぱりステージに上がった時の無邪気な顔がね。「そうだよ、この人これなんだよ」って(笑)。結局予算化とか何とか言っても「ここなんだよな」みたいなところで、逆に僕は安心しました。そこで「あの電飾いくら?」とか、「これ動かして何の意味あるの?」とか始まったらそれこそブレーキかかっちゃうけど、とにかく楽しんでるから(笑)。

SUE:(笑)。

UNA:SUEちゃんは、素直に無邪気なのが伝わりやすい。バチバチに、バッキバキに一生懸命やろうとしていらっしゃるけど、そうじゃない裏側を見たときの深みっていうか、入ってみると、なんかめっちゃかわいらしいじゃないですか!っていうところが魅力だし、だからこそ音楽もそういう構造になってるんだと思うんです。

SUE:僕にとっては音楽もワインも、これはいい意味で、死ぬまで使える遊びなんです。高度な次元で。ワインも音楽もやっぱり楽しい遊び。そしてワインは特に、好きなもの同士、日本でもそれ以外の国の人でも仲良くなれるんですよね。ワインって意外と、平和になれるコンテンツでもあるのかなって思ったりもしてるんですけど。

──そういう魅力を感じていらっしゃるんですね。

UNA:ただSUEちゃんはそれを浪費させないというか、メッセージをきちっと届けるための予算化をしてらっしゃる。お金持ちの道楽としての音楽なら単純にそのクライアントが喜びさえすればいいんですけど、SUEちゃんの場合、世の中にメッセージを広めるということが目的なので、僕自身、自ずと作る音楽も違ってくるというか。伝えるためにどう削ぎ落として、伝えやすいように絞っていくのがいいのか考えるのは、僕も作っていて楽しいんですよね。

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