塩野義のコロナ治療薬、28日に本格供給 6カ月間は追跡調査し公表

田中奏子
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 塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の治療薬「ゾコーバ」が28日から医療機関に本格的に供給されることになった。塩野義は供給開始から6カ月間、服用した全員から副作用の有無など安全性のデータを集め、公開する。

 ゾコーバは、軽症者にも使える初の国産の飲み薬として22日に厚生労働省が緊急承認した。12歳以上の軽症や中等症患者に使え、1日1回、5日間服用する。

 塩野義は既に100万人分のゾコーバを国に販売した。加藤勝信厚労相は25日、当初は12月初旬を予定していた医療機関への本格的な供給を11月28日に前倒しする意向を表明した。

 供給開始から6カ月間は、ゾコーバを処方した医療機関を同社の担当者が訪ね、処方された患者の副作用の有無を確認するなど、追跡調査を行う。結果は2週間ごとに同社のホームページなどで情報を開示する。疲労感や味覚障害といった新型コロナの後遺症についても情報を集め、ゾコーバが後遺症の治療や予防に使えるか研究を重ねる。

 同社は来年3月末までに約300万人分を生産し、その後は年間1千万人分を生産できる体制を整える。 塩野義の手代木功社長は24日に開いた説明会で、ゾコーバについて「現時点では最も優れた抗ウイルス剤の一つだと思っている」と自信をのぞかせた。

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