プーチン氏、越境ウクライナ兵に投降呼び掛け トランプ氏の助命要請受け
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【3月15日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は14日、西部クルスク州に越境攻撃を仕掛けているウクライナ兵について、ドナルド・トランプ米大統領の助命要請を受け、投降すれば命を保証すると呼び掛けた。
トランプ、プーチン両氏は、クルスク州でロシア軍がウクライナ軍を包囲したと主張しているが、ウクライナ側は否定している。ただし、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も同州で自軍が追い込まれていることは認めている。
ロシアは先週、急速な反転攻勢を開始。ウクライナ軍が昨年8月から越境攻撃を行っているクルスク州で占領された領土や集落の大部分を奪還した。
プーチン氏はテレビ中継された演説で、「われわれはトランプ大統領の要請に賛同する」「彼ら(クルスク州で越境攻撃に参加するウクライナ兵)が武器を捨てて投降すれば、命と、尊厳のある待遇を保証する」と主張。
「米大統領の要請を効果的に実行するには、ウクライナの軍事・政治指導部も部隊に武装解除して降伏するよう命じる必要がある」と続けた。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ウクライナ兵「数千人」が「ロシア軍に完全包囲」され、非常に劣悪で脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれていると主張。「プーチン大統領に、彼らの命を助けるよう強く要請した。(助命が受け入れられなければ)第2次世界大戦以来の恐ろしい大虐殺になるかもしれない」と述べた。
これに対してウクライナ側は、トランプ、プーチン両氏の主張を否定し、クルスク州の占領地を維持していると主張。
ウクライナ軍参謀本部はSNSで、「われわれの部隊が包囲される恐れはない」と発表した。
だが、ゼレンスキー氏は同国軍がロシア軍に強い圧力をかけられていることを認めた。
同氏は首都キーウでAFPを含むメディアに対し、「クルスク州の戦況が非常に厳しいのは明らかだ」と述べた。
一方で、クルスク州に越境攻撃を仕掛けたことで、ロシア軍は別の前線からクルスク州方面に部隊を割かざるを得なくなり、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクに対する圧力が緩和されたと強調。
「ポクロウシク方面の戦況は安定しており、ロシア軍が同都市を再奪取するのは非常に困難」だとの見方を示した。(c)AFP