2022年ノーベル生化学・医学賞を受賞したスバンテ・ペーボ博士の著作。
読みごたえがありました。
youtubeで公表されている「DNAが解き明かす私たちの内なるネアンデルタール人」の講義も
16分ほどの動画ですが、感銘を受けます。
そこで語られている"We are all Afrikan"ということの意味がこの本を読むとがよくよくわかります。
これが言いたいんだな。さすが進んでいるスウエーデンの人だな、という感じ。
三十数年の研究の記録とともに、自分自身の出自や性癖のことも赤裸々に綴っていてすごい。
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ネアンデルタール人は私たちと交配した (文春e-book) Kindle版
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2022年ノーベル生理学・医学賞受賞。
2015年7月放送NHKスペシャル「生命大躍進」に著者登場!
絶滅し遺伝子が絶えた筈のネアンデルタール人。だが化石から復元したそのDNAは現生人類にも残っていた! 世紀の発見の内幕。
2015年7月放送NHKスペシャル「生命大躍進」に著者登場!
絶滅し遺伝子が絶えた筈のネアンデルタール人。だが化石から復元したそのDNAは現生人類にも残っていた! 世紀の発見の内幕。
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2015/6/30
- ファイルサイズ5.2 MB
販売: 株式会社 文藝春秋
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
◆2015年7月5日放送予定のNHKスペシャル『生命大躍進』第3集「ついに“知性"が生まれた」に著者登場!!
現生人類にもっとも近いヒト族だったが、数万年前に絶滅し、その遺伝子は絶えたと思われていたネアンデルタール人。
しかし、ひとりの科学者が数十年に及ぶ苦闘の末に、化石骨からネアンデルタール人のDNAを復元した。そして、そのDNAが現生人類の中に数%残っているという驚愕の事実を明らかにしたのだ。
本書はその男、スヴァンテ・ペーボ博士が自ら記した回想記。
ペーボは学生時代にミイラのDNA復元に挑んだのを皮切りに、古代DNAを取り出し、増幅して復元するという研究ジャンルそのものを創始したといえる。
しかしその道のりは苦難の連続だった。何万年も埋まっていたDNAには現代の微生物や人間のDNAが混入し、正確に増幅するのは非常に難しい。ペーボが精密な復元方法の確立に腐心する一方で、他の研究者たちは、次々と何万年どころか何千万年も昔の化石からDNAを取りだしたと称する、『ジュラシック・パーク』まがいの無責任な研究を華々しく発表する。
不遇の時期を耐えたペーボに訪れた転機が、ネアンデルタール人を目標としたことと、DNA増幅の新技術「次世代シーケンサー」の登場だった。「ヒトゲノム計画」を完成させ、生物学全体を革新して新たな遺伝子工学を可能にしたほどの威力を持つ次世代シーケンサーを使って、ペーボは4万年前のネアンデルタール人ゲノム解読という乾坤一擲の大レースに勝利する。
誠実な方法の研究を貫いたことが、最後には大逆転をもたらしたのだ。
そして、現生人類とネアンデルタール人のDNAの比較は、驚くべき事実をも明らかにした。日本人を含む「非アフリカ人」はすべて、数%のネアンデルタール人DNAを持つのに対して、アフリカ人は持たない。これは、5万年ほど前にアフリカを出た現生人類が中東でネアンデルタール人と交配して世界中に広まった、という説の強い証拠だ。
ネアンデルタール人と現生人類に接触はあったのか、あったのならば両者はセックスしたのか? これまで化石と遺物からは永遠にわからないと思われていた疑問に、ペーボは鮮やかに具体的な証拠をもって答えたのである。
この成果によって、いまや、彼らと現生人類を分けたものが何だったのか、彼らの遺伝子が私たちの中でどんな働きをしているのか、ということさえも、具体的に研究する道が開けつつあるのだ。
最先端の技術革新で古代の遺物を研究するギャップ、スリリングなネアンデルタール解読レースに手に汗握り、淡々としながらもときにあけすけなユーモアを発揮する著者の筆致にクスリとさせられながら、科学という営みの面白さを満喫できるポピュラー・サイエンス。
【目次】
第1章 よみがえるネアンデルタール人
1996年のある晩、わたしの研究室からの電話が鳴った。長年の努力の末、絶滅し、失われたはずのネアンデルタール人のDNAを骨から復元できたのだ
第2章 ミイラのDNAからすべてがはじまった
1981年、医学生だったわたしは昔からの憧れのエジプト学と分子生物学の合体を思いつく。ミイラのDNA抽出を実験し、当代一の学者の目に留まった
第3章 古代の遺伝子に人生を賭ける
1987年、古代ゲノム研究の道を選んだわたしの人生は転換点を迎える。「PCR法」で古代動物DNAを増幅する実験を重ね、正教授のオファーが来た
第4章 「恐竜のDNA」なんてありえない!
1990年、ドイツに移ったわたしは現代のDNA混入への対処に苦闘する。一方、学界では何千万年も前のDNA復元と称するいい加減な研究がはびこる
第5章 そうだ、ネアンデルタール人を調べよう
1993年、古代人「アイスマン」を解読したが、現代人との区別は難しかった。もっと古く、かつ、ある程度DNAが残るのは……ネアンデルタール人だ
第6章 2番目の解読で先を越される
1章で述べた「ミトコンドリアDNA」復元に続く第二のネアンデルタール人解読をめざし1997年に骨を入手したが、他の研究者に先を越されてしまう
第7章 最高の新天地
1997年、思わぬ機会を得て、マックス・プランク協会の進化人類学研究所を創立できることに。すばらしい施設を立ち上げ、私生活も大きく変わった
第8章 アフリカ発祥か、多地域進化か
1997年の論文で現生人類の出アフリカ説を採用したわたしは多地域進化論者の批判を受ける。それには答えたが、真の結論には「核DNA」調査が必要だ
第9章 立ちはだかる困難「核DNA」
1999年、1万4000年前の永久凍土のマンモスから核DNAの抽出に成功する。だが冷凍保存でないネアンデルタール核DNA復元は不可能に思えた
第10章 救世主、現れる
2000年にわたしが顧問となったDNA増幅の新技術「次世代シーケンサー」は生物学全体を変えるほど強力だ。ネアンデルタール人復元も現実味を帯びる
第11章 500万ドルを手に入れろ
2006年、わたしは2年以内のネアンデルタール・ゲノム解読を宣言した。しかし次世代シーケンサーの500万ドルもの費用を始め、次々と難題が襲う
第12章 骨が足りない!
ゲノム解読にはとにかく骨が必要だ。2006年、新たなネアンデルタール人の骨試料をもらいにザグレブに向かった。だが、不可解な力が骨の入手を阻む
第13章 忍び込んでくる「現代」との戦い
シーケンスの進歩を待つだけではダメだ。2007年はDNA精製の効率化の徹底を図った。だが必ず混入する現代のDNAを検査する方法が見つからない
第14章 ゲノムの姿を組み立てなおす
増幅したバラバラのDNAの全容を知るには、それを組み立てなおさなくてはならない。新しい方法を試すたびに難題が起こったが、少しずつ前進していく
第15章 間一髪で大舞台へ
約束の2年が近づき、発表は2009年2月に決まる。シーケンス担当を新会社に交代させ、発表6日前、間一髪でゲノム解読に必要な配列データが届いた
第16章 衝撃的な分析
わたしが2006年から集めていた凄腕科学者のチームは、交配の問題に取り組んでいた。2009年のゲノム配列の発表直前、彼らから衝撃的な報告が
第17章 交配は本当に起こっていたのか?
ゲノム解読には成功したものの、彼らと現生人類が交配したらしいという分析は、慎重に検証する必要がある。しかしライバルの存在にわたしは焦っていた
第18章 ネアンデルタール人は私たちの中に生きている
2009年5月から現代人のゲノムとの比較をはじめた。そして、25年夢見てきた結果が出た。現代人の中にネアンデルタール人のDNAは生きているのだ
第19章 そのDNAはどこで取り込まれたのか
5万年前、アフリカの外に足場を築いた現生人類は、急速に世界に拡散した。彼らはどこでネアンデルタール人のDNAを取り込み、今に伝えたのだろうか
第20章 運命を分けた遺伝子を探る
ヒトとネアンデルタール人を分けたのは何なのか。ゲノム情報は将来その答えを示すだろう。ヒト特有の変異のうち5つだけでも興味深い事実ばかりなのだ
第21章 革命的な論文を発表
2010年5月、ついに『サイエンス』に論文を発表し、彼らと現生人類の交配の事実を世に問うた。大反響があり、年間最優秀論文に。格別の喜びだった
第22章 「デニソワ人」を発見する
2009年、デニソワ洞窟の小さな骨がわたしに届いた。さして重要とも思わなかったが、一応DNAを調べると、なんと未知の絶滅した人類だったのだ
第23章 30年の苦闘は報われた
2010年、デニソワ人の核DNAも解読し、『ネイチャー』に論文を発表した。30年前の夢は夢をはるかに超える成功をもたらし、わたしは深く満足した
あとがき 古代ゲノムに隠された謎の探究は続く
解説 「ズル」をしないで大逆転した男の一代記 更科功
訳者あとがき 野中香方子
現生人類にもっとも近いヒト族だったが、数万年前に絶滅し、その遺伝子は絶えたと思われていたネアンデルタール人。
しかし、ひとりの科学者が数十年に及ぶ苦闘の末に、化石骨からネアンデルタール人のDNAを復元した。そして、そのDNAが現生人類の中に数%残っているという驚愕の事実を明らかにしたのだ。
本書はその男、スヴァンテ・ペーボ博士が自ら記した回想記。
ペーボは学生時代にミイラのDNA復元に挑んだのを皮切りに、古代DNAを取り出し、増幅して復元するという研究ジャンルそのものを創始したといえる。
しかしその道のりは苦難の連続だった。何万年も埋まっていたDNAには現代の微生物や人間のDNAが混入し、正確に増幅するのは非常に難しい。ペーボが精密な復元方法の確立に腐心する一方で、他の研究者たちは、次々と何万年どころか何千万年も昔の化石からDNAを取りだしたと称する、『ジュラシック・パーク』まがいの無責任な研究を華々しく発表する。
不遇の時期を耐えたペーボに訪れた転機が、ネアンデルタール人を目標としたことと、DNA増幅の新技術「次世代シーケンサー」の登場だった。「ヒトゲノム計画」を完成させ、生物学全体を革新して新たな遺伝子工学を可能にしたほどの威力を持つ次世代シーケンサーを使って、ペーボは4万年前のネアンデルタール人ゲノム解読という乾坤一擲の大レースに勝利する。
誠実な方法の研究を貫いたことが、最後には大逆転をもたらしたのだ。
そして、現生人類とネアンデルタール人のDNAの比較は、驚くべき事実をも明らかにした。日本人を含む「非アフリカ人」はすべて、数%のネアンデルタール人DNAを持つのに対して、アフリカ人は持たない。これは、5万年ほど前にアフリカを出た現生人類が中東でネアンデルタール人と交配して世界中に広まった、という説の強い証拠だ。
ネアンデルタール人と現生人類に接触はあったのか、あったのならば両者はセックスしたのか? これまで化石と遺物からは永遠にわからないと思われていた疑問に、ペーボは鮮やかに具体的な証拠をもって答えたのである。
この成果によって、いまや、彼らと現生人類を分けたものが何だったのか、彼らの遺伝子が私たちの中でどんな働きをしているのか、ということさえも、具体的に研究する道が開けつつあるのだ。
最先端の技術革新で古代の遺物を研究するギャップ、スリリングなネアンデルタール解読レースに手に汗握り、淡々としながらもときにあけすけなユーモアを発揮する著者の筆致にクスリとさせられながら、科学という営みの面白さを満喫できるポピュラー・サイエンス。
【目次】
第1章 よみがえるネアンデルタール人
1996年のある晩、わたしの研究室からの電話が鳴った。長年の努力の末、絶滅し、失われたはずのネアンデルタール人のDNAを骨から復元できたのだ
第2章 ミイラのDNAからすべてがはじまった
1981年、医学生だったわたしは昔からの憧れのエジプト学と分子生物学の合体を思いつく。ミイラのDNA抽出を実験し、当代一の学者の目に留まった
第3章 古代の遺伝子に人生を賭ける
1987年、古代ゲノム研究の道を選んだわたしの人生は転換点を迎える。「PCR法」で古代動物DNAを増幅する実験を重ね、正教授のオファーが来た
第4章 「恐竜のDNA」なんてありえない!
1990年、ドイツに移ったわたしは現代のDNA混入への対処に苦闘する。一方、学界では何千万年も前のDNA復元と称するいい加減な研究がはびこる
第5章 そうだ、ネアンデルタール人を調べよう
1993年、古代人「アイスマン」を解読したが、現代人との区別は難しかった。もっと古く、かつ、ある程度DNAが残るのは……ネアンデルタール人だ
第6章 2番目の解読で先を越される
1章で述べた「ミトコンドリアDNA」復元に続く第二のネアンデルタール人解読をめざし1997年に骨を入手したが、他の研究者に先を越されてしまう
第7章 最高の新天地
1997年、思わぬ機会を得て、マックス・プランク協会の進化人類学研究所を創立できることに。すばらしい施設を立ち上げ、私生活も大きく変わった
第8章 アフリカ発祥か、多地域進化か
1997年の論文で現生人類の出アフリカ説を採用したわたしは多地域進化論者の批判を受ける。それには答えたが、真の結論には「核DNA」調査が必要だ
第9章 立ちはだかる困難「核DNA」
1999年、1万4000年前の永久凍土のマンモスから核DNAの抽出に成功する。だが冷凍保存でないネアンデルタール核DNA復元は不可能に思えた
第10章 救世主、現れる
2000年にわたしが顧問となったDNA増幅の新技術「次世代シーケンサー」は生物学全体を変えるほど強力だ。ネアンデルタール人復元も現実味を帯びる
第11章 500万ドルを手に入れろ
2006年、わたしは2年以内のネアンデルタール・ゲノム解読を宣言した。しかし次世代シーケンサーの500万ドルもの費用を始め、次々と難題が襲う
第12章 骨が足りない!
ゲノム解読にはとにかく骨が必要だ。2006年、新たなネアンデルタール人の骨試料をもらいにザグレブに向かった。だが、不可解な力が骨の入手を阻む
第13章 忍び込んでくる「現代」との戦い
シーケンスの進歩を待つだけではダメだ。2007年はDNA精製の効率化の徹底を図った。だが必ず混入する現代のDNAを検査する方法が見つからない
第14章 ゲノムの姿を組み立てなおす
増幅したバラバラのDNAの全容を知るには、それを組み立てなおさなくてはならない。新しい方法を試すたびに難題が起こったが、少しずつ前進していく
第15章 間一髪で大舞台へ
約束の2年が近づき、発表は2009年2月に決まる。シーケンス担当を新会社に交代させ、発表6日前、間一髪でゲノム解読に必要な配列データが届いた
第16章 衝撃的な分析
わたしが2006年から集めていた凄腕科学者のチームは、交配の問題に取り組んでいた。2009年のゲノム配列の発表直前、彼らから衝撃的な報告が
第17章 交配は本当に起こっていたのか?
ゲノム解読には成功したものの、彼らと現生人類が交配したらしいという分析は、慎重に検証する必要がある。しかしライバルの存在にわたしは焦っていた
第18章 ネアンデルタール人は私たちの中に生きている
2009年5月から現代人のゲノムとの比較をはじめた。そして、25年夢見てきた結果が出た。現代人の中にネアンデルタール人のDNAは生きているのだ
第19章 そのDNAはどこで取り込まれたのか
5万年前、アフリカの外に足場を築いた現生人類は、急速に世界に拡散した。彼らはどこでネアンデルタール人のDNAを取り込み、今に伝えたのだろうか
第20章 運命を分けた遺伝子を探る
ヒトとネアンデルタール人を分けたのは何なのか。ゲノム情報は将来その答えを示すだろう。ヒト特有の変異のうち5つだけでも興味深い事実ばかりなのだ
第21章 革命的な論文を発表
2010年5月、ついに『サイエンス』に論文を発表し、彼らと現生人類の交配の事実を世に問うた。大反響があり、年間最優秀論文に。格別の喜びだった
第22章 「デニソワ人」を発見する
2009年、デニソワ洞窟の小さな骨がわたしに届いた。さして重要とも思わなかったが、一応DNAを調べると、なんと未知の絶滅した人類だったのだ
第23章 30年の苦闘は報われた
2010年、デニソワ人の核DNAも解読し、『ネイチャー』に論文を発表した。30年前の夢は夢をはるかに超える成功をもたらし、わたしは深く満足した
あとがき 古代ゲノムに隠された謎の探究は続く
解説 「ズル」をしないで大逆転した男の一代記 更科功
訳者あとがき 野中香方子
登録情報
- ASIN : B00Y9HETV6
- 出版社 : 文藝春秋 (2015/6/30)
- 発売日 : 2015/6/30
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 5.2 MB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 401ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 44,583位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2022年11月17日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2015年7月7日に日本でレビュー済みAmazonで購入本書はタイトルに見えるように、現生人類(ホ モ・サピエンス)と「ネアンデルタール人」との生物(遺伝)的関連の分子生物学的手法に基づいた「30年以上の苦闘」の研究(及び「デニソワ人」の遺伝子解析と新種としての発見)と原著者の半生を綴った自伝的エッセイと言って良い。端的に結論を言えば、現生人類(ホ モ・サピエンス)と「ネアンデルタール人」が共通の祖先から分岐した後の過去(本書の推論に依れば「10万年から5万年前」:第19章)における「交配」の事実に係わる実証研究の過程(エッセイ的記録)が本書の趣旨である。その過程には、化石から遺伝子・DNAの断片を抽出し再構成するという、原著者自身も関わったブレイクスルーとも言うべき科学的分析手法の構築への試行錯誤のプロセスも含まれており、現生人類とネアンデルタール人の関係性だけでなく、分子生物学(遺伝子解析)の解析方法の進展も描かれている。本書の帯やこのページの「商品の説明」及び本書の「訳者あとがき」(365頁)にも紹介があるが、本書の原著者であるスヴァンテ・ペーボ(Svante Paabo)博士は先日放送のNHKの特集番組に出演している。しかしながら当該番組の当日回の趣旨が(人類を含む動物たちの)“知性の獲得”であったため、番組終盤で博士自身のインタビューは僅かに(1~2分)取り上げただけで、また現生人類とネアンデルタール人の関係性に深く突っ込んだ構成ではなかったものと言える。やはり博士が取り組んだ研究の概略を知るには本書が最適だろう。
構成・内容は前記「商品の説明」及び「目次を見る」に詳しいのでそれに譲り、以下では通読しての私見を幾つか紹介したい。まず本文で340ページ弱のボリュームがありエッセイ(研究生活・経過を主体とした叙述)風なので読み応えはあるが、テクニカル・タームが解説なく頻出するので(文系読者や分子生物学・遺伝子化学などに不馴れな読者には)多少難物である。私自身逐時調べながら読み進んだがなかなか面倒で、できれば翻訳時に監修者等に依る補注や欄外解説が欲しいところだろう。ただ本文を読み進めれば漠然と掴めるものもあるので、全体的理解には致命的なものではないと思う。また本文中にある(注)番号は殆どが既刊論文や出典文献名なので(巻末に一覧)、逐時巻末に飛ぶ必要はなく無視して進んでも理解に影響はないと思う(幾つか原著者の補足もあるが然して重要ではないだろう)。原著者の研究の苦労と成功のエピソードが主体で、挫折と歓喜、ライバルたちとの研究レース、成果に対する驚きと失望など、臨場感溢れる筆致が読者を引き込む。またプライバシー面の叙述もあって起伏に富んだ、まさしくエッセイ風研究自伝である。ただ時として当該トピックの結果の叙述まで些か冗長(散漫)なところもあり(第16~19章など)、勿体を付けたような筆致も散見されるのはエッセイとしての特質の故か、評価・嗜好は分れるように思う。全体的には著者が分子生物学、特に古生物・化石等からDNA抽出・遺伝子解析の研究に携わる端緒から、初段で指摘した本書の核心(趣旨)の研究成果までの叙述は起伏と変化に富んで非常に面白い。
個人的に印象深いのは、原著者は科学雑誌(論文集)では著名で“権威”があると仄聞される『Nature』誌を(私が感じる限りでは)あまり高く評価していない?印象を受けたことである(但し86頁では『Nature』誌と『Science』誌何れにも手厳しい筆致が見える)。その典型が本書の核心とも言える現生人類とネアンデルタール人との「交配」を示すDNA配列の解析に関する論文を『Nature』誌と『Science』誌の両者から依頼されながら、『Science』誌に発表していることである(232頁・第21章など)。加えて原著者は男性大衆誌の『Playboy』誌のインタビュー(記事)にまで応じている(307頁)。他方で若い研究者には後々の世評に配慮する(『Nature』誌を推す)など、著者の(固定的)“権威”に対する(フリーな)姿勢が窺われる。研究者及びその履歴や経験にも依るのだろうが、こうした原著者の姿勢は興味深く、この傾向はクロアチアで受けた彼の研究への(旧来の)“圧力”と“壁”の経緯にも見える(186頁以下)。原著者は「謎の敵」(191頁)と言うが、「学会」と言う(旧式の観念に固まった?)「氷河なみ」の遅さと不可解さに苛立つ心情が良く伝わって来る。
現生人類とネアンデルタール人との生物的(遺伝的)関係性の研究成果(第16~21章・特に第18章)は言うまでもなく最も引き込まれるトピックの1つだが、これ以外に特に印象的な幾つかを挙げると、第12章でのネアンデルタール人の骨に残る「食 人」についての言及がある(181~191頁)。発掘された骨に観える「食 人」習慣は、日本の縄文時代人についても報告があって歴史的連関を感じさせる(参考:『倭人への道: 人骨の謎を追って (歴史文化ライブラリー) 』・中橋孝博 著)。このほかネアンデルタール人と現生人類とで異なるゲノム配列について、特に“生殖機能”についての興味深い指摘(292頁以下)など、豊富なトピックが鏤められている。個人的には「デニソワ人」(第22章)のトピックについて、もう少し掘り下げたもの(ボリューム)が欲しいところである。研究課程・時間の都合もあるのだろうとは思うが、これは続編を期待したい。全体的に翻訳には多少の堅さも観られるが、日本語翻訳としてはこなれた印象を受ける。この類(科学系解説・エッセイ等)の翻訳書で往々にして観られる、翻訳特有の日本語としての難解さは全くないと言って良いのでお薦めできる。私見では前述のように、文系読者には(解説のない)難度の高いテクニカル・タームの頻出が評価を下げたが、古生物・分子生物学等に関する愛好家以上の知見のある読者では5星でも良いとも思われる。なお本書の原著は『Neanderthal Man: In Search of Lost Genomes』(2014年)である。
- 2021年2月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入Superb review by the author in the research of evolution and involution of our species.
- 2023年1月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入ネアンデルタール人について詳しく知ることができる本というよりは、筆者の苦労が(ときに不必要な他人の悪口も交えながら)伝わってくる本です。
- 2019年12月13日に日本でレビュー済みAmazonで購入日本人が苦手な、外部の人々と協力して、ネアンデルタール人の遺伝子解析に成功したのは、凄いし、感動しました。日本人の課題を示してくれたと思います。
- 2015年7月22日に日本でレビュー済みAmazonで購入自然科学の世界にも胡散臭さは付き纏う。
確信したのは、非営利的団体で日本語訳付のted.comの映像であった。分子古生物学者ペーボと云う人は、日本で言えばウソをつかないおじさんであった。穏やかな語り口の中に人柄の良さ、優しさが滲み出ていた。この本は、活字の小ささが気にならないくらい気持ちよく読めた本である。
内容は、ペーボの30余年に亘る研究史である。
メインは、ネアンデルタール人のDNAの復元で、それに成功した。
研究足跡は、母国スウェーデン、アメリカ、ドイツ、ロシア、クロアチア等々広範囲且つ登場人物もこの分野に於けるキラ星のような人たちである。
そして紆余曲折の末、約4万年前のネアンデルタール人のDNAの復元に成功する。
その結果は、ネアンデルタール人のDNAが非アフリカ系のホモ・サピエンスの現生人類の全てに1~4%が共有されていた。遺伝子流動があったのである。
この事は、約5万年前アフリカを出た現生人類が中東でネアンデルタール人の遺伝子を取り込んで世界中に拡がっていった事を意味する。
また、新たな人類デニソワ人という存在も明らかとなった。彼らのDNAは、アジア大陸の住民とも僅かな繋がりがあるがパプアニューギニアやブーゲンビル島の住民はその割合が高い。デニソワ人は、ネアンデルタール人や現生人類より前にアフリカから出たのであった。
人類のアフリカ単独起源説や多地域進化説は過去のものとなった。
言語等に関わる興味深い知見がある。
それは、FOXP2という遺伝子でありデニソワ人、ネアンデルタール人にもある。これをマウスに導入すると通常のマウスの声とははっきりと異なる鳴き声となる。それは、ニューロンの成長や運動の学習に関する脳領域での信号処理の方法にも影響することが明らかとなっている。
翻訳が極上である。
アメリカの優れた学者はそのアイデアを企業化し現実化し冨と名誉を手に入れる風土があることが分かる。
また、リーダーの資質は、万国共通ということも分かる。
解説者は、ペーボのことを彼はどんどん追い越されながらも、きちんと地道に研究を続けズルをしなかった。そして、大逆転したと述べている。
- 2020年4月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入「交配」という語彙に惹かれますが、学術的で最初に期待した「交配」の二文字をすっかり忘れて読み進みました。
最初の出会いと恋の駆け引きはどの様だったのでしょう。時空を超えた想像をかき立てます。
- 2018年10月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入この本には、並走するDNA考古学分析技術と生活・人間関係のトレンドが、見事なバランスを保ち、適度なスピード感をもって語られている。分析技術の面では、研究生活の初期に抱いていた夢を実現すべく徹底的に正攻法で極め続ける熱意に共感をおぼえる。生活・人間関係の面では、性生活の複雑さや、研究者間の連携協力や確執が実名で詳しく記されておりおもしろい。余計なことであるが、これらを公表したことによる今後の人間関係への影響が懸念される。
ペーボ先生は、研究者として明晰であるばかりでなく、人間精神面は奔放ではあるがビジョンを語るネゴシエーターの才能も備わっている、従来の専門バカではない、新しいタイプの優れた学者のようだ。彼の研究実績は超一流であり、父子2代のノーベル賞受賞の可能性は大きいと思われる。