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青森 AOMORI 1950-1962 工藤正市写真集 単行本 – 2021/9/18

4.8 5つ星のうち4.8 119個の評価

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工藤正市は1929(昭和4)年青森市生まれ、2014年に84歳で亡くなった写真家である。
生まれ育ち、一生を過ごした青森の風景と人々を仕事の合間に撮りつづけ、1950年代にいっときカメラ雑誌に投稿したほかはだれにも見せることなく、家族にすら知らせないまま一生を終え、没後になって家族が膨大なネガの束を発見。スキャンした画像をInstagramにアップしたところ世界的な反響を呼ぶようになった、ヴィヴィアン・マイヤーにも通じる「発見の物語」である。
それはよくある「昭和の懐かしい青森」みたいな記録写真でもなければ、1950年代に土門拳らが提唱したリアリズム写真による問題提起の試みでもなく、同時期に華々しい活動を展開した同郷の小島一郎のような、青森の厳しさを暗室作業によって演出する作家性を前面に出した写真でもなかった。
ただ、身の回りにある日常の小さな喜びや幸せや寂しさ哀しさの瞬間を切り取ること。それが地元の人間には「貧しさの強調」に見えたり、東京の写真界には「青森の貧しさが足りない」と映ったのかもしれない。そしてその根底には、いまでは想像もできない、かつての東北に対する東京人の強固な偏見、差別意識があったはずだ。「青森をこう見せたい」という地元の思いにも、「青森をこう見たい」という東京の先入観にも与せず、「どこにも属さなかった」工藤正市がみずから封印した写真群が、半世紀を経たいま甦る奇跡。
「この時代だから」でもなく、「青森だから」でもなく、ここにあるのは人間のいとなみそのものだ。時代を超え、場所を超え、工藤正市の写真は70年前も、いまも、70年後の未来にも変わることがないはずの、静かで、揺るぎない「ひと」を僕らに見せてくれる。
――都築響一(写真家・編集者)
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対象商品: 青森 AOMORI 1950-1962 工藤正市写真集
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出版社より

僕の網膜の奥に映り込んでいた懐かしい故郷が、 工藤さんの写真からゆっくりと飛び出して動きはじめる。 音が加わって空気が揺れて、 あの頃の市井に暮らす人びとが隣人となって輝き出すんだ。                       ――奈良美智(美術家)

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《雪降り》1954年

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いろは通り(古川公益魚菜市場付近)

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青森機関区・青森市

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《青森駅前風景》1954年

商品の説明

著者について

工藤正市(くどう・しょういち)
昭和4年(1929)青森市生まれ。旧制中学校を卒業後、昭和21年(1946)に東奥日報社に入社。
昭和20年代中頃から写真雑誌の月例コンテストや写真展へ応募した作品が高い評価を受ける。昭和28年(1953)月刊『カメラ』月例第一部(大型印画)の年間1位となる。月例の審査を担当していた土門拳、木村伊兵衛、濱谷浩などの写真家との交流もあった。昭和30年代に入ると仕事との両立が難しくなり、次第にコンテストへの応募をやめ、仕事に専念するようになる。
昭和39年に青森県写真連盟の設立に関わるなど地元写真界での活動は続けていく。昭和40年代東奥日報社写真部長となり、昭和50年代には機械報道部長や弘前支社長などの役職を歴任。昭和63年頃、東奥日報社を退社。青森西南部東奥日報販売(株)取締役社長に就任。平成3年頃、青森西南部東奥日報販売(株)を退社。平成26年(2014)逝去。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ みすず書房 (2021/9/18)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/9/18
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 432ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4622090201
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4622090205
  • 寸法 ‏ : ‎ 15.8 x 3.5 x 20.1 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 119個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.8つ
119グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2021年10月19日に日本でレビュー済み
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    Japanese humanist photos of post-WWII times in a small town. A must for every person who love documentary photography. Great works, good quality of printing.
    27人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2022年5月4日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    自分の子供の頃の街並みが随所にあり、大変ワクワクしながら見ました。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2022年2月4日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    弘前、青森と6年の単身赴任地でした。
    想い出深い土地のかっての様子に、団塊の世代として自らの経験とも照らし合わせながら1ページ1ページを
    繰っています。
    11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2022年2月12日に日本でレビュー済み
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    私が生まれる1年位前ではないでしょうか。父親と姉とに、会うことができました。その他の写真も、なんとなく懐かしく、実際にそこに、その時代に自分も存在していたかのよう思われ、引き込まれました。ほんとうに、ありがとう!
    14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2022年2月19日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    写真家の物事を見る目、力量に驚きます。心に沁み入る大量の写真に出会えて幸運でした。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2022年11月17日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    コミコミ2442円で購入。
    版は少々小さめな気がするがページ数が膨大でほぼ鮮明な白黒写真で満ちた写真集です。
    外形的に学生用の辞書並みの大きさになります。

    自分は東北に思い入れはないんですが、昭和40年前後風景には強く憧憬を持つ世代です。
    闇市上がりのバラックの市場や未舗装の道路、着物を着た市民、大きな荷を持った行商のおばさん、未だところどころにいた蒸気機関車(特にスイッチャーとして短い貨車編成を操車していた)、牽引機関車を含む頻繁な増結分割のための2~30分の駐停車、車掌付きの路線バス、製鉄所から出てくる大量の従業員、オート三輪のトラックとかの時代です。
    戦後20年以上経っていましたが本物かどうかは別にして色んな事情から未だ傷痍軍人が駅近かの路上で義援金を求めていました。
    この時代以降は、道路の舗装が進み名神中国道高速道路が出来て、行商が行李から軽トラに代わり、蒸気機関車は消え列車による貨物輸送も漸減し、運河のはしけ用も含む接続用の倉庫も締まりっぱなしが多くなり、省人化でワンマンカーが急速に普及し金融機関のATM化が進みました。
    又私の記憶にはないのですが、この時代より前は第二次世界大戦後(ポストウォー)のゴタゴタガ続きの中でアメリカ側陣営(或いは管理下で)幹線沿いに復興するギブミーチョコや海外からの軍民帰国や戦後生まれの団塊世代が生まれ成人し就職していく過程でした。

    思えば産業地帯では日雇い労務者(当時的には労働者と言った方が正しいような気がするが)はそこら中に当たり前に溢れていたし、河川に係留してるはしけに家族住まいしてるのも普通でしたし、不法占拠地に勝手に建材持ち込んで家を建てているし、両親も一時酒屋倉庫の上階に間借りしてました。
    そういう時代の記録として貴重だと思います。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2021年10月16日に日本でレビュー済み
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    タイムカプセルを開けたときのドキドキが伝わります。思い出、ではなく手触りが。
    写真の可能性を、さらに広げるとすら思ってしまいます。
    感謝します。
    18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2021年10月28日に日本でレビュー済み
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    欲しかった本を格安で買えました。状態に問題はありませんでした。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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