Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

著者をフォロー

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

アメリカ最後の実験 (新潮文庫) 文庫 – 2018/7/28

3.9 5つ星のうち3.9 21個の評価

音楽家の父を探すため、アメリカの難関音楽学校を受験した脩。癖のある受験生や型破りな試験に対峙する中、会場で「アメリカ最初の実験」と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。やがて第二、第三と全米へ連鎖していくその事件に巻き込まれた脩は、かつて父と仲間が音楽によって果たそうとした夢こそが事件に深く関わっていたと知る。気鋭の作家が描く全く新しい音楽小説、ここに誕生!

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 文庫版 (2018/7/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2018/7/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101215413
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101215419
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 21個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
宮内悠介
Brief content visible, double tap to read full content.
Full content visible, double tap to read brief content.

1979年、東京都生まれ、1992年までニューヨークに在住。早稲田大学第一文学部卒。2010年に短編「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞選考委員特別賞(山田正紀賞)を受賞、2012年に連作短編集『盤上の夜』として刊行し単行本デビュー(第33回日本SF大賞)。2013年に第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。ほか、『ヨハネスブルグの天使たち』(第34回日本SF大賞特別賞)、『彼女がエスパーだったころ』(第38回吉川英治文学新人賞)、『カブールの園』(第30回三島由紀夫賞受賞)、『あとは野となれ大和撫子』(第49回星雲賞日本長編部門)、『遠い他国でひょんと死ぬるや』(第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞)など。これまでの作品の一覧は以下を参照ください。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=3599396050117284&id=263006690422920

カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
21グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

  • 2020年11月21日に日本でレビュー済み
      私は音楽に関する造詣は皆無であるが、実験国家としてのアメリカの、先住民への迫害と言う問題意識に、いかにもこの作者らしさを感じた。迫害と言っても単純な目に見えるものでなく、「音楽」を奪ってしまう、と言うのが斬新な視点。殺人を辞さず。マイノリティーの集会に、銃を持ち込んだ危険人物に対して、「音楽」を取り戻した人々が歌い始めた場面に、前向きな未来へのメッセージが感じられ、感動的だった。
      この作品はミステリーとしては、必ずしも綺麗に収束しているわけでなく、父と息子の関係も未整理な印象がある。が、それ以上に、骨太なテーマに全く新しいアプローチを試みた、作者の意気込みを高く評価したい。これぞ宮内悠介で、私にとっては心の琴線に触れる作家である。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年11月27日に日本でレビュー済み
    どうやら宮内悠介は、読者を「置いてけぼり」にする傾向にあるようだ。
    しかもそれが無意識によるものというより、意識的なものであるような気がするから、なおさらたちが悪い。
    私は宮内氏の著書をすべて読んだわけではないが、少なくとも読んだ範囲ではそのような印象がある。
    本作については、まず設定は良いものが揃っていると言えよう。
    アメリカにおける音楽院の入試と連続殺人事件の交錯が、幼少をアメリカで過ごした筆者の経験もあってか、リアルな空気感の中で描かれる。
    序盤から中盤にかけては、先の展開が気になるほど物語に引き込まれた。
    しかし終盤に差し掛かってくると、専門的な音楽理論やアメリカの「実験」について詳細な説明がなされないことに「置いてけぼり」を感じるようになる。
    最終盤においても、物語の顚末や事件の本質はあっさりと語られる。
    したがって、最初の設定が適切に処理されずに唐突に終わる感じ、すなわち「風呂敷の広げすぎ」の印象が否めないだろう。
    本作の全体的な雰囲気が好きだっただけに、この点は非常にもったいないと感じた。
    種明かしのされないミステリのように、「ヒントは散りばめたから、あとはよろしく!」と言われているようである。
    宮内氏の本意は分からないが、凡庸な読み手に「納得」されないことには、高い人気を得ることはできないだろう。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年4月30日に日本でレビュー済み
    宮内悠介は良くも悪くも取り上げた題材に入れ込みすぎてしまう性分がある。
    それが悪い形で発露したのが「エクソダス症候群」――心理学的な「症例」の紹介であり、
    そしていい形で顕れたのがこの「アメリカ最後の実験」における「音楽」だろうと思う。

    父親の失踪、難関スクールへの受験、仲間との友情、そして謎めいた楽器「パンドラ」……とここだけ並べるとまるで週刊少年ジャンプから飛び出してきたようなプロットだ。バー、裏路地、砂漠、カジノ……いくつも変わるロケーション、ライバルが現れ、裏切りがあり……と抜群のドライブ感で物語は進んでいく。
    さながら前述の物語のお約束(≒コード進行)の元、ジャズの即興の熱を秘め、しかし現代音楽の紙一重の美しさも併せ持つ、そう意味で言えば間違いない「音楽」小説だ。

    もし瑕疵があるならば、SFを期待したファンが肩透かしを食らったことぐらいだろうが、エンタメ小説としては抜群に面白い。更にジャズや現代音楽をちょっと齧った人なら1.5倍ぐらいは面白いと思う。彼らの「maiden voyage」は元の場所に無事に戻れるのだろうか? 是非とも読んでほしい1冊だ。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年2月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    非常に面白くすぐに読了したが、他のレビューを読むと、タイトルから音楽学校がテーマであることが分からないのと、ややマニアックな音楽理論の記述が読み手を選ぶのかなと思った。
    自分は趣味で音楽をかじってたレベルだが、専門的過ぎることはないと思ったが。
    基本、アメリカの学生の青春モノにちょっとした社会問題とサスペンスが絡み、そこそこの読み物になってるが、軽すぎず難解すぎず、登場人物も悪意がなくウィットもあるので読後感は悪くない。
    重厚なミステリーを求める人にはお勧めしないが、音楽に興味がある人ならお勧めできると思う。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2017年6月21日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    全く面白くない兎に角つまらない興味ない期待外れ。めんどくさい
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年2月2日に日本でレビュー済み
    アメリカ西海岸を舞台に三人の男が音楽に翻弄され、向き合い、音楽の意味を知る物語。
    随所に挟む音楽の薀蓄も、少しキザに感じる台詞回しも音楽家という雰囲気にマッチしており、秀逸な出来となっている。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年3月14日に日本でレビュー済み
    言葉が尖っている。
    それもそのはず、音楽しかも最新鋭のジャズ+コンテンポラリーの作曲や演奏知識を一切を音ではなくて文字で表現しようとしているのだから言葉の刃筋が水でも切れるように研がれるのも納得です。

    西海岸の謎多き音楽学院、名声と影響力に比する様にそこへの入学試験は超難関、且つミステリアス。
    試験も場末の酒場での得たいの知れぬ調律を施されたピアノ演奏、二者で競いあいどちらかが必ず落ちるアドリブピアノ合戦、最終試験は豪華カジノのコロッセニウムで。
    と、これだけでドキドキものですが、ここに演奏を独特のアウトプットに変換できるパンドラの箱のようなシンセサイザーが登場してきます。
    ピアノ演奏をブルーノートや純正律で転調する⚫⚫なんてのは響きさえ難しくて僕には想像もできませんが、言葉の刃であれば文字に刻み付けることも可能ということなんですね。

    ⊄ 人の聴覚の限界は約50分の1秒、
      だがピアニストはその倍の精度を聞き分ける。 
       認識を越えた世界での格闘。
    ℘ 客のテンションが高まる。 
       野犬の群れに囲まれているようだ。
        暗い万能感が指先から立ち上る。
    ∮ 惨めさや絶望の本質は快楽だ。
      苦しみは人に許された最後の愉悦だ。
       心が千切られることの味わいは百年前は
        さぞ最高の美酒だったろうよ!
    ∬ 音楽は突きつめれば人間に対するハッキングだ。

    プレイ中の精神性や魔性のマシンがSFらしささえ濃く漂わせますが紛れもない音楽小説です。
    普段は読書中の音楽も必需品でしたがこの本については静寂こそが最も相応しいBGMです。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年8月3日に日本でレビュー済み
    音楽用語をはじめとし,それらの説明やまつわるやり取りなどにほとんどついていけず,
    見えない壁に阻まれているような,最後まで中には入れてもらえなかったという印象です.

    また,父を捜してはるばる…という主人公や,そこから導かれる不思議なシンセサイザ,
    追って動き出し,合間合間に挟まれている謎多き連鎖殺人に,その事件名の由来でもあり,
    タイトルにもある『最後の事件』と財団あたりの中盤までは,惹かれる要素もありましたが,
    終盤になって都合のいい繋がりや,ありがちな動機や場面が目立つなどで一気にトーンダウン.

    また,待ち望んだはずの再会もわずかであっさり,その後は何もわからないまま曖昧で,
    ほかにも多くの疑問が残されはしますが,,こちらもやはりはっきりせずに消化不良です.

    一方,失われたものを取り戻すという,わかりやすいテーマも多くある内の一つと思われ,
    入り口で躓いて,表面しか見えなかった自分には,恥ずかしながら理解が及びませんでした.
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート