オスカー5冠『アノーラ』監督、『女囚さそり』梶芽衣子と対面して感激!
梶芽衣子が8日、都内で行われた映画『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカー監督来日記念舞台あいさつにサプライズ登場した。ベイカー監督は主演のマイキー・マディソンに、アノーラ役の役づくりとして梶の代表作の一つである『女囚701号 さそり』(1972)を見せており、まさかの対面に感激しきりだった。この日は、プロデューサーのサマンサ・クァンも来場した。
【画像】「スターにお会いできて!」とオスカー監督が感激!舞台あいさつの様子
『ANORA アノーラ』はニューヨークを舞台に、ロシア人御曹司(マーク・エイデルシュテイン)と知り合い電撃結婚したロシア系アメリカ人のストリップダンサー・アノーラ(マイキー)が、結婚を無効にしようとする存在に立ち向かう姿を描くコメディー。
第77回カンヌ国際映画祭ではパルムドールを受賞。先日発表されたばかりの第97回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、監督賞、脚本賞、編集賞の最多5部門を受賞しており、オスカー像を持参したベイカー監督は「オスカー受賞のお祝いを日本でしているみたいです」とにっこり。ずっとオスカー像を腕に挟んでいたため、MCからよく見せてほしいと頼まれたベイカー監督は「外で見つけて拾って来ました」とジョークを飛ばしながら披露し、「監督賞のものです。本当は全部持って来たかったけど、一体25ポンド(約11キロ)と結構重いんですよね」と話し、「みんなでハグしたり、うれし涙を流したよ」と受賞時を振り返った。
クァンは「コンニチハ、トーキョー。ようやく日本で公開できることがうれしいです」と喜び、登壇直前まで連絡を取っていたマイキーからの「わたしも行きたかったのに……。日本の皆さんに愛していると伝えください」というメッセージを紹介した。
イベント後半、花束を持って現れた梶は、ベイカー監督たちに「コングラッチュレーション。すてきな映画でした。令和の恋愛ドラマはこういうものかな? と。わたしみたいなアナログ人間にとって最初は驚きでしたが、最後は感動です」と感想を伝える。ベイカー監督は思わず梶にハグし、「本当にありがとうございます。スターにお会いできてぽけーとしています」と感激した。
また、ベイカー監督は「マイキーに役づくりをしてもらうにあたり、だいぶ早い段階で『女囚701号 さそり』を観てもらいました」と明かし、「映画の中での家父長制に対して闘う梶さんの体を張った演技が堂々として力強いところを観てほしかったんです。二つの作品はだいぶ違うけど、確実にDNAは受け継がれていると思います」と自信をのぞかせる。
梶は「わたしのはそんなに参考になったとは思いませんけど」と謙そんしつつ、「『アノーラ』の彼女は最高でした。体当たりの演技は観ていて気持ちがよかったし、最後は清々しさが残りました」とマイキーを称賛。ショーン監督は「その言葉をそのままマイキーに伝えます。びっくりすると思います」と約束した。(錦怜那)
映画『ANORA アノーラ』は公開中