<![CDATA[watchtouch.jimdofree.com Blog Feed]]> https://watchtouch.jimdofree.com/ Thu, 20 Mar 2025 03:14:27 +0900 Jimdo_Feed ja-jp http://blogs.law.harvard.edu/tech/rss <![CDATA[伝わったかな? 芳知君の話]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/05/02/%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%AA-%E8%8A%B3%E7%9F%A5%E5%90%9B%E3%81%AE%E8%A9%B1/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/05/02/%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%AA-%E8%8A%B3%E7%9F%A5%E5%90%9B%E3%81%AE%E8%A9%B1/

黄金週間始まりの土曜日にも関わらず
授業にやってきてくれた高校一年生三人と
経堂の「悠愉学舎」で
「こころのさいころ」学習をしました
「こころのさいころ」は
「だれ・いつ・どこ・なに」の順に従って
まず状況説明を簡潔に明確に表し
続けてその時の思いを 話の受取手の五感に響くように
表現することで筋道を立てて話す・書く練習です

今回は秋田芳知(よしとも)君の話


主題 自転車と外国人

僕が①学校に行くとき 交差点で信号待ちをしていた時②
僕の自転車を見た外国人の女の子を見て思わずニヤついた
なぜなら③ 彼女は僕の自転車を二度見し「So cute!!」って言った
車の音に交じってかすかに、ちいさい声で④僕の耳に入ってきた。
僕は鼻から大きく深呼吸をして⑤「Thank you」とつぶやいた。
近くのインターナショナルスクールの子かもしれない。
見た目は普通の女の子で 特別かわいいという訳でもないし
多分日系の子なのか、もしかしたら日本人かもしれないけど
まさか外国人に言われると思わなかったので
ずっとドキドキしていました。
今でも彼女とすれ違うとドキドキします。



① 書き出しの第一文「僕が・・・ニヤついた。」
「僕は・・・ニヤついてしまった」が 国語として座りがいい
「思わずニヤついてしまった」君を想像すると
 こちらもニヤついてしまう

② 「いつ」の説明が重複しているので
 交差点で信号待ちを「していたら」に

③ なぜなら で始まった文は「言ったからだ」というように
  〜だから で終えよう
 
④ かすかに と 小さい 形容詞の二語
 君にとっての意味の違いは何だろう
 両方とも書く必要があったのかどうかを考えて

⑤ 「Thank you」を言うだけのことなのに
 「鼻から大きく深呼吸をして」の部分は
 君の小さな胸の大きなときめきと緊張を表していて
 すてきです

⑥ それまでの文末は「だ・である」調なので最後まで
  それを通し一貫性を持たせること

  
登校という日常のありふれた場面で起きた「ドキドキ」
その気持ちがよく表れている爽やかな話を書き
また話してくれてありがとう

ところで
女の子に「So cute!!」と言わせた君の自転車は
そもそも一体どんな自転車なのか
話を聞かせてもらった直後に 私はをれを知りたくて
君にその自転車に乗ってきているかどうかを訊きました
「外にあるよ」ということだったので
他の生徒と教室を出て見に行ってみると
それはそれは「so cute!」な自転車でした
が話の受け手に その自転車の描写は必要かどうか
それを描いた方が君の言わんとするドキドキが
より伝わるかどうかを考えたかな

女の子の描写に三行を費やしているところは
君の興味の対象をよく表しているけれど
自転車については「僕の自転車」の一言
受け手にもこの自転車の色や形を想像できるように
具体的に書けたらもっとよかったと思う
なぜなら本当にすてきな自転車だったから
君が自慢に思っていることが受け手によくわかってもらえるし
自慢の品を褒めてもらったこと
それも「外国人に!」褒めてもらったことに
君が嬉しかったことがよりよく伝わると思うからだ

_______________________


因みに 
この記事を書くために
芳知に頼んで写真を撮って送ってもらいました
例の自転車がこれ












 

お洒落な芳知によく似合っています

生徒達の様々な経験を 
彼らなりの表現を磨いて伝え合う時間が
とても楽しみです

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Wed, 02 May 2012 15:44:00 +0900
<![CDATA[伝わったかな? 遊歩君の話]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/05/05/%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%AA-%E9%81%8A%E6%AD%A9%E5%90%9B%E3%81%AE%E8%A9%B1/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/05/05/%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%AA-%E9%81%8A%E6%AD%A9%E5%90%9B%E3%81%AE%E8%A9%B1/

海沼栄造先生が開いている経堂の私塾「悠愉学舎」で
高校一年の三人の少年と
「筋道を通して話す・書くための体験學」
「こころのさいころ」の授業をした
まずは遊歩(ゆうほ:左奥)の話から

















私は2008年某日、埼玉県大宮駅横の貨物車輌所を訪ねた。楽しかった。
なぜなら、工場棟に入ってすぐに、エンジンを降ろしたディーゼル機関車が見え、
普段聞こえる金属・機械音の代わりに、子どもたちの元気な声も聞こえ
ディーゼル用のオイルや鉄のたまらぬにおいもしていたからだ。
一般公開されていたEF58を見た横の人が
「ゴーハチだ」と思わず洩らす声も①聞こえた
機関車を触ったときの冷たさは、②筆舌に尽くしがたい
おそらく忘れないだろう。
普段は工場の関係者しか入れないような我々にとっては、
神聖な場所でのこのような経験が出来て③嬉しかった


① すでに数行前で「聞こえ」という言葉を使っているよ 
  こんな短文なので別の言い方ができるといいね
   
  「洩らす声も 見知らぬ人ながら同志として近しさを感じた」はどうかな

② 「筆舌に尽くしがたい」をどうやって伝えることができるか
  そこを今 私たちは學び始めた
  君の鉄道への熱い思いを伝えられる言葉に
  いつか出会えるといいね
  
③ 最初に君は話の大まかな輪郭を
  「だれが」「いつ」「どこで」「なにをしたか」で書き始め
  最後の「どんな思いを持ったか」については
  「楽しかった」と結んでいる
  そしてその理由を「なぜなら」に続けて
  視覚・聴覚・嗅覚・味覚(この場合は言葉のやりとり)
  触覚にも訴えて 詳細に語っていて説得力があったよ
  ところが最後に来て「嬉しかった」で話を締めくくっている

  「楽しかった」ことの理由を書いたはずが
  「嬉しかった」で終わっているのは首尾一貫に欠けている
  君は「楽しい」と「嬉しい」という言葉を
  同じ意味で使っているのだろうか 
  もしそうではないのなら最後はたとえば
  「普段は工場の関係者しか入れないような
   我々にとっては神聖な場所で
   これら五感のすべてに刺激を得る体験をした一日は
   本当に楽しかった」と結んでみるとどうだろう
  君の言葉でもう一度書き直してごらん

________________________

憧れの「埼玉県大宮駅横の貨物車輌所」で
工業高校の一年生として
技術屋の卵となった彼らしい垂涎の体験に
全身で感動しつつも
二人の妹の兄であるせいか
「子供達の元気な声」が聞こえたことを
ほほえましく思い出している


授業の始めから机の上に出してあった『鉄道ファン』誌上で
遊歩は 特集されていた「埼玉県大宮駅横の貨物車輌所」を
控えめながら 目を輝かせて私に差し出し見せてくれた


各週高校生を対象にして開くこの授業に
私は「わたし と たいわ」と名付けた
自問自答しながら思いや考えを言葉に繋げていくための
体験の場だ
遊歩の遊歩による遊歩のための「自分創り」を
私は楽しみにしている
芳知(よしとも)幸樹(こうき)の話は 
またのお楽しみに

________________

悠愉学舎へのお問合せは   03-3439-0617
あるいは海沼先生へどうぞ  080-5526-0538

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Sun, 29 Apr 2012 15:40:00 +0900
<![CDATA[青南保育室 体験學[Ⅳ]]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/04/28/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-%E2%85%A3/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/04/28/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-%E2%85%A3/

前日までの雨が嘘のような晴天に恵まれ
4月28日午後 青南保育室で
第4回目のWATCH+TOUCH体験學を開きました
当初は明治神宮での野外観察の予定でしたが
事情により延期 仕切り直しとしました


今回は青南保育室を始め
多角的な子育て支援所を経営する
株式会社アソシエ・インターナショナルの和田惠理子社長
そして柿の木坂の「キッズガーデン・マミー」
麻布十番の「あっぴい麻布」
この4月に新設された横浜市都筑区の「ふれあいの丘」
各施設長にもご参加頂きました

今回の体験學は「山笑う」
「山笑う」とは 早春の山々の木が
冬の緊張から解きほぐれて次第に潤みを帯び 
春の陽に照らされ 山そのものが「うふふ。。。」と
笑みを浮かべているようだ という意味の季語です


「山笑う」に表されるような早春のさまざまな緑色から
「機微」という今日の体験學の主題を導き出しました
機微:
  表面からは知りがたい微妙な心の動きや
  物事のしみじみとした味わいや事情


たとえば
「好きな色は緑」と聞いて
「あ 私も!」と応えたとして その時
二人が心に描く「緑」は果たして同じ色でしょうか
「緑」と言っても
DICの印刷用色見本でさえ70種類もの緑があります
耳で聞いただけの「緑」から
主観的・一方的に「同じ緑」と決めつけてはいないでしょうか
「私が好きな緑は雨上がりのケヤキの葉っぱ」
 あなたの好きな緑はどんな?」と
もう一歩自分の気持ちや好みをていねいに探ること
そして相手の気持ちに寄り添ってみること
大雑把に「ただ 緑」と括らないで
もう少しきめ細やかに関心を寄せること
機微についての學びです





まず参加者に「好きな色は何ですか」と尋ねてみました
白  3人   緑   2人
青  2人   若草色 1人
紺  1人   朱色  1人
空色 1人   黄   1人 という応えでした


自分が想像していた色は
もっと詳しく調べるとどんな色なのか
その色が命名された歴史や文化的背景は何か
和名やフランス語名の色名字典を使って調べてみました
みな初めて見る色のとりどり 初めて聞く色名に
何度も頁を繰って自分の気持ちにしっくり添う色を厳選します



























 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その結果
白    3人とも生成り(きなり)でした
     その生成りも微妙に違うのかもしれません
青    それぞれに 露草 浅黄(あさぎ) 
紺    スマルト(花紺青:はなこんじょう)
空色   空色
若草色  若菜色
朱    ピマン(フランス語の唐辛子)と
     オランジュ・エルメス
     (エルメスのパッケージのオレンジ色)の中間の色・・・微妙です
黄    ジョーヌ・プランタン(春の黄色)
という色名であることを知りました


その後に好みの色を主色にして
久しぶりに葉っぱのフロッタージュで
森作りをしました










保育中に子供が「つまんなぁい。。。」と洩らしたとき
「あ じゃ これやってみたら?」と
自分が思い描く「つまらない」に乱暴に引き寄せて
遊びや本や玩具を押しつけたりしないで
「そう つまらないんだね
 どんなことならいいかしら」
子供の気持ちに少しでも寄り添うように

「アイスクリームがすき」と子供が話してくれたとき
「先生も好き」とすぐに「同じ好き」のレッテルを貼らないで
「私は苺のアイスクリームが好き
 コーンよりワッフルに詰めてね
 あなたは何のアイスクリームがすきなの?」と
自分自身とも子供ともきめ細やかなおつきあいを
心掛けられるといいですね




窓から流れてくる薫風が心地良い時間でした

休日にも関わらず参加して下さった先生方に感謝します
保育業務や保護者会のためご参加できなかった先生方
今後はできるだけ無理なく参加して頂けるような
日時を設定するように心掛けます
また「空の路地」を散歩する明治神宮での体験學も
必ずよき機会を設けます
ご期待下さいますように


皆様の日々の保育に 暮らしに
少しでもWATCH+TOUCHの体験學が
お役に立てれば こんなに嬉しいことはありません
ありがとうございました



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Sat, 28 Apr 2012 22:09:00 +0900
<![CDATA[新小学一年生と]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/04/20/%E6%96%B0%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E4%B8%80%E5%B9%B4%E7%94%9F%E3%81%A8/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/04/20/%E6%96%B0%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E4%B8%80%E5%B9%B4%E7%94%9F%E3%81%A8/

こどものための「考える」教室
「こども・ことば・ひろば」に
二人のぴかぴか1年生がやってきました
葉乃ちゃん 優仁(ひろと)君
二人とも私がこの教室を立ち上げた時から
いっしょに学んできた同志です


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室に来たときは幼稚園に入ったばかりの
幼い幼い3歳だったのに いつのまに!
「こころのさいころ」は3歳からの子供が
そして誰よりも一番身近なお母さんたちが
子どもと一緒に
「感じる」こと「考える」こと
その釣り合いの取れた表現法を身につけて欲しいと
考え出した教材でした


今日の話題は学校給食について
今日初めて給食を頂いた葉乃ちゃん
今日は三日目の優仁君に
それぞれまず話をしてもらいました


葉乃ちゃんは初めて白衣を着て
他の三人の男の子たちと
初めての給食当番も経験しました
「こころのさいころ」の内容すべてを書くことは
まだ愉しい気持ちを削いでしまうので
その一部だけを書きました


 あおばちゃんがとなりにすわっていました
 けれど わたしはとてもおなかがすいていたので
 あおばちゃんとなんにもはなさないで
 ばくばくたべました


これが葉乃ちゃんの感想の一部
葉乃ちゃんがどれほどお腹が空いていたかは
「あおばちゃんとなんにもはなさないで」に
よく表れていました


 ぼくはきょうがっこうできゅうしょくを
 たべました おいしかったです なぜなら
 あげじゃがいもに しおがぱらぱらかかって
 いたからです


これが優仁君の感想の一部
ただ「おいしかった」だけではなく
何が美味しかったのかを
ジャガイモにかかっていた塩の加減
「ぱらぱら」でよく表しています


書き終わった後に
約1年前の彼らのノートを開いてもらいました
教室で読んだ本の題名を書くことで
精一杯だったのに!
葉乃ちゃんも優仁君も
自分で違いを認め 驚き
「すごいね はのちゃん!」
「わぁ ぜぇんぜんちがうね!」
互いに褒め合っていたのが可愛かった





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だれ・いつ・どこ・なに・どんな なぜなら
め・みみ・はな・くち・からだ のどこで
どう感じたからなのか
「こころのさいころ」方式に従って話したり
書いたりすることは かなり苦しいことです
しかし 今 この道具を身につけておくと
自分の気持ちを言葉にする必要が生じたとき
一生活用することができるのです


頑張った後に 
こんどは転がすさいころで遊んでもらいました
その前に 順番に従って話す という
型にはめての練習があったので
放り出して 突飛な話ができるこの遊びには
どの子も破顔一笑し笑いを止められなくなるようです
















































 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新しい世界の社会人になった二人
次回の来室までにどんな経験をして
どんな話をしてくれるか楽しみです
体調を崩した仁七(にな)ちゃん
母親が体調を崩して来られなかった宗祐(そうすけ)君
早く元気になって また話を聴かせてね


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Fri, 20 Apr 2012 16:05:00 +0900
<![CDATA[新高校生6人と]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/04/14/%E6%96%B0%E9%AB%98%E6%A0%A1%E7%94%9F%EF%BC%96%E4%BA%BA%E3%81%A8/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/04/14/%E6%96%B0%E9%AB%98%E6%A0%A1%E7%94%9F%EF%BC%96%E4%BA%BA%E3%81%A8/

経堂の悠愉学舎で 今夜7時から 
「わたし と たいわ」と名付け
「こころのさいころ」の体験學を開講した
受講生は6人の新高校一年生


自分と対話(コミュニケイション)することを基本とする
WATCH + TOUCH流の対話法を使って
最近食べておいしかった物を話してもらった


拓馬(たくま)  下北沢「頭」のラーメン
和花(あいか)  叙々苑の焼き肉
芳知(よしとも) バレンタインデーのチョコレート
遊歩(ゆうほ)  学食のプリン
幸樹(こうき)  塩むすびとお味噌汁
裕(ゆう)    仙台の牛タン


伝わった という実感を持ってもらえただろうか


これから各週の土曜日に
彼らと創っていく時間が
とても楽しみだ


みんな 今夜は花冷えの雨の中を
よく来てくれました
とてもうれしかった
これから どうぞよろしく


二週間後のみんなの話題を
楽しみにしています

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Sat, 14 Apr 2012 15:35:00 +0900
<![CDATA[駒沢公園で「木を観る」]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/03/28/%E9%A7%92%E6%B2%A2%E5%85%AC%E5%9C%92%E3%81%A7-%E6%9C%A8%E3%82%92%E8%A6%B3%E3%82%8B/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/03/28/%E9%A7%92%E6%B2%A2%E5%85%AC%E5%9C%92%E3%81%A7-%E6%9C%A8%E3%82%92%E8%A6%B3%E3%82%8B/



3月28日 WATCH + TOUCHは
注文家具専門店 ALFA CRAFTの新谷さん
T-シャツを触媒に活動するI LIKE TODAYの清野さん
お二人のご協力を頂き
目黒区の駒沢公園で初めてのワークショップ
「木を観る」を開きました

朝9時半 暖かな日差しの中を 
参加者が三々五々集まりました
WATCH + TOUCHのバッヂを付けた20名ほどを前に 
木の下で話を始めました





その日のワークショップの主題は「みる」ことです
三種類の「みる」を体験しました

①目でみる

まず周囲を見回し 気に入った木 気になる木の絵を
ワークシートに描きます 





近くのケヤキの幹に掲げておいた「木」の字と
隣の木に掲げた「木」の象形文字 それぞれを見て
一画目・二画・三と四画目が 
それぞれ何を意味しているかをみんなで考えます



子どもも大人も「木」の字から
古代の中国の人が 目に見える幹の部分と
見えない根の部分と両方を「みていた」ことを学びます


②心でみる

次に木を下から見上げた写真を見てもらいました 
見えるのは枝と梢がさまざまに向き合っている姿です
見える部分があるということは
見えない部分があるということでもあります
では見えない部分は何でしょう
私には「見えない」その細い空間が道に見えた時
「空の路地」と名を付け
それ以来ずっと写真を撮ってきました


なぜ「路地」ができるのでしょうか

私たち人間はたった百万年ほどの歴史しか持っていませんが
木は5億年前に生まれて 
成長するためには
互いがどのように関わっていったらいいのかについて
多くの経験を積んできました
その結果 
木は「語り合い譲り合って」緩衝帯を設けることを学んだのです


そんな話を子どもたちも熱心に聴いてくれました
それから
上をみて「空の路地」を探して写真を撮り 
下をみて落ち葉を拾う そんな散歩に出かけました




③体でみる

散歩から戻ってきた参加者に
こんどは木肌に紙を乗せて写し取った作品をみてもらいました




小半時 何種類もの木肌を写し取って戻ってきました









スタッフの清野さんが子守を引き受け 
小さな子どもと参加して下さったお母さん方も
しばし一人で散歩の時間を愉しんでいました



ALFA CRAFT店主 新谷さんも
今日は娘さん・息子さんといっしょのお父さん





おかげさまで風もなく 暖かな日に恵まれました


5月4日(みどりの日)に「木を観る」に続き
第二回目のワークショップ「木を聴く」を開きます
今度はALFA CRAFT店にて開催します
今回拾った葉っぱを押し葉にして持ってきてください
初めてご参加の方も 歓迎致します


ご参加くださいました皆様に心よりお礼を申します
木から学ぶ5月のワークショップでの再会を
楽しみにしています




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Wed, 28 Mar 2012 23:35:00 +0900
<![CDATA[4歳児のこころに]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/03/21/4%E6%AD%B3%E5%85%90%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AB/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/03/21/4%E6%AD%B3%E5%85%90%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AB/

今日の午後 4歳の兜(かぶと)クンと美音(みね)さんが
三歳からの親子日本語教室「こども・ことば・ひろば」に来ました
二人とも 最近は座ったら すぐに歩き回る とか
お母さんの膝に座りたがる ということがなくなって
よく話を聴けるようになりました


今日の「こころのさいころ」は
「最近嬉しかったことを聞きます・話します」が主題です
兜クンの母親・奈美さんも
美音さんの母親・智美さんも
「こころのさいころ」方式に従って ゆっくりていねいに
子どもたちのこころを引き出します



兜クンの話
















 ぼくはおかあさんと きのう うちで 
 レゴのおうちを つくりました
 うれしかったです
 なぜなら あかやきいろやみどりや いろいろなレゴがあって
 ひとつはボタンをおすと ベルといぬのなきごえがきこえるので
 それをドアに つかったりしたからです
 つくりながら おかあさんといろんなはなしをしました

 おとうさんは「おぉ やっとできたのか すごいすごい」と
 いってくれました
 

美音さんの話
















 わたしは おとうさんとおかあさんとおにいちゃんと
 このまえ あたらしいおうちに ひっこしをしました
 うれしかったです
 なぜなら おさらがあたらしくてきれいだったからです
 そのおさらでたべたら おいしいにおいがして
 みんなおいしいおいしいといってたべました
 

智美さんの話では
全部の食器を新しく買い換えたわけではなかったけれど
新しい家に引っ越したので
今までと同じお皿も新しく見えたのではないか ということでした


ひらがなをほとんど読める兜クン
ようやく字に興味を持つようになった美音ちゃん
「いろはうた」を詠む前に
二人に「よめるひとがいる ということは?」と訊きました
「よめないひとがいるぅ」
「そうだね 読めるひとがいる 読めないひとがいる
 大切なことは?」
「よめるひとと よめないひとと なかよくよむことぉ」


兜クンに「では 兜先生 お願いします
美音ちゃんが教えてね って言っているから
美音ちゃんがよくわかるように 大きな声で
そしてゆっくり読んであげるよ」と促すと
兜クン とても真剣に はっきりと 一文字ずつを読み
そのたびに美音ちゃんがついてきているかを
確認しながら 先に読み進みました

















「話す」「読む」こんどは「書く」作業です
今日は「も」と「し」
それぞれのひらがなに豊かなふところが広がるように
書き順も 鉛筆の持ち方にも気をつけて書けました





















 

 

 

この春 幼稚園に入園する兜クン

新年中さんの美音さん
私たちの
頼もしい未来です

]]>
Wed, 21 Mar 2012 23:29:00 +0900
<![CDATA[青南保育室 体験學[Ⅲ]]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/05/04/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-%E2%85%A2/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/05/04/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-%E2%85%A2/

3月15日 南青山の青南保育室で
第3回目のWATCH+TOUCH
「対話の体験學」の機会を設けて頂きました

題して「こころのさいころ」
感情に偏らず
感性と理性を鍛えましょう という主題です


保育士の仕事は
通常の職場のように同僚・先輩・後輩との人間関係に加え
0歳児からの子ども そしてその父兄との関わり
と複雑な多重構造の中で行われます
その状況下では
子どもとの日々のやりとりや本の読み聞かせ
保護者との対話や連絡帳を書くこと
事務上の伝言や文書作成
会議での発言や報告書を書くこと
さまざまな言葉が行き交います


私はこの「こころのさいころ」を
自宅で開いている三歳からの日本語教室
「こども・ことば・ひろば」の教材として作りました
毎週一回 母親といっしょに
「こころのさいころ」を使って
「聴く・話す・伝える・書く」練習をしていたら
3年経った この4月 
入学を控えた6歳の子どもたちは
幼稚園での たのしいこと かなしいことなどを
筋道を立てて言葉で表現することができるようになりました


これなら学校での作文の基礎作りも大丈夫
発言も気後れせずにできるようになるでしょう
子どもたちの母親は異口同音に
「書いたり発表したりするのがとても苦手だったので
 こころのさいころで表現が少しずつできるようになって
 安心しています」と評価してくれました


人が作る世界で生きていく人間は
人とどうしたら気持ちよく関わって行かれるかどうかは
つまりは死活問題ほどの大きな事柄です
物事をただ好き・嫌い
損か得かの感情(感じる)だけで判断しないで
考えてみること それには言葉が必要です
人は言葉無しでは考えることはできないからです


第2回のワークショップで
互いに補う「対」の関係を学んだところなので
今回は「感じる」に偏らないように
「考える」ことを 改めて体験する内容にしました
















① 保育の場でたのしかったこと・うれしかったこと
② 好きな絵本を人に勧める
この二つの内容を「こころのさいころ」を使って
書いてもらいましたが 多くの先生方が四苦八苦
感覚的に ではなく
論理的に(筋道を通し 首尾一貫性を持たせる)書くことに
私たち日本人の多くは慣れていません
そのような教育を受けていないことは大きな理由の一つです


「こころのさいころ」という道具に慣れ親しむと
「伝わる」話し方・書き方が身につきます
また聴き方や読み方も深く 適確にできるようになります
とはいえ道具ですから その特長を上手に活かして
使いこなせるようになるまでには
どんな道具もそうであるように試行錯誤が必要です
しかし鋏を使えるようになるまでは時間が掛かっても
一度身につけば
一生 役立てることができるのです


今回のワークショップに参加して下さった先生方は
思いつくままに 書き出した園での体験談を
筋道を立てて書くことにかなり戸惑っていらっしゃいましたが
この「こころのさいころ」ワークショップは
内容を変え 違う角度からの展開で再度 と予定していますので
ぜひまた受けて頂きたいと思っています
それまで どうか
「こころのさいころ」を必要に応じて活かして
少しでも習慣となるよう 努めて下さいますように

 
  ________________


あなたの考えにこころを配りなさい 
      それが言葉になるのだから
あなたの言葉にこころを配りなさい 
      それが行動になるのだから
あなたの行動にこころを配りなさい 
      それが習慣になるのだから
あなたの習慣にこころを配りなさい 
      それが性格になるのだから
あなたの性格にこころを配りなさい 
      それが運命になるのだから

「ウパニシャッド」と呼ばれる紀元前の書物から


  _______________


春隣といえども この日も
北風の強い日でした
青南保育室の最寄り駅 表参道にでると
街路樹のケヤキの芽もまだ固い様子




















 

 

この日のワークショップには
早朝からの保育の後の午後7時からにもかかわらず
風邪を引いている先生 花粉症の先生
本来なら出勤日ではない方までもが
熱心に参加して下さいました
また柿の木坂の保育所「マミー」の伊藤邦子園長先生
青南保育室・マミーなど10カ所の事業所を経営されている
株式会社アソシエ・インターナショナルの和田惠理子社長にも
お忙しい中をお運び頂きました


当初からWATCH+TOUCHのワークショップを支えてくださっている
青南保育所の早瀬園長先生 また
保育IMAI塾を主催するエプロン姿も勇ましい今井先生





















落合さんを始め 事務方の皆様方にも心よりお礼を申し上げます

今回 残念ながらご参加頂けなかった方々にも
次回4月28日のワークショップでは
再びお目にかかれますように

よき機会をありがとうございました

 

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Thu, 15 Mar 2012 21:24:00 +0900
<![CDATA[雨の日のワークショップ]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/03/02/%E9%9B%A8%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/03/02/%E9%9B%A8%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97/

3月2日 雨の中を来て下さった4人の書道のお弟子さんと
「いくいりぶりあむ」(平衡)のワークショップをしました
書道は 最初に書かれた一画に
次の一画が 更に次の一画が
どのように関わるのか 
画同士の対話における平衡が
常に問われる作業です



男性が一人 そして女性が三人 
机の上に広げられた押し葉 そして色鉛筆に
みんな 何が始まるのだろうという表情でした
始めに「反対語」を10組ほど
それから苦手な性格を5つ 挙げてもらいました















古代中国の陰陽の哲学は
森羅万象が陰と陽の二つの気で作られていると教えています
陰の気は下って「地」を
陽の気は上って「天」を形成します
陰は それだけでは成り立たず
陽があってこそ 平衡の取れた丸い形「太極図」を作ります
天と地も 相反するものではなく
「対」の深い関係です


その観点から考えると
最初に書いた「反対語」は「対語」になります
+と−のように 
苦手なひとも そのひとがいて
互いに補う合うことで
双方が穏やかな関係の第一歩を踏み出すことができます


「けちな人だな 苦手だな」と思うときには
たとえば「倹約を私に教えてくれる人」と
小心だな と思うひと を
「慎重さを私に教えてくれるひと」と
心の中で見方を変えてから
対話を始めることは
自分が出す怒気や毒気で自身が病んでしまうことを
避けられます


押し葉をさまざまな性格に見立てて
それぞれが苦手とする性格を
対の視点から表現してみました





























 






























































 























































 

 

 

 







































 

 


70代の女性の力作です

















私たちの社会は さまざまな性格の集まりです
「さまざま」があるのだと認識し
自分と違う人を切り捨てたり
故意に距離を置いたり 無視したりするのではなく
「自分を補ってくれる人」と観る視点を養い
建設的な対話を心掛けましょう





















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Fri, 02 Mar 2012 23:20:00 +0900
<![CDATA[青南保育室 体験學 [Ⅱ]]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2012/02/12/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-%E2%85%A1/ https://watchtouch.jimdofree.com/2012/02/12/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-%E2%85%A1/

2012年2月
南青山の青南保育室で 昨年12月に続き
保育士のための対話のための体験學 II
を開きました
題して「いくいりぶりあむ」



「いくいりぶりあむ」は英語のEQUILIBLIUM 
「平衡」「落ち着き」を意味します
こころの平衡・平穏を保ちつつ
よりよい対話に基づいた人間関係を結ぶための
一つの提案としてのワークショップです


まず先生方のそれぞれのワークシートに
「反対語」を10ばかり書き出してもらいました


それから
「木」という漢字の象形文字を示しました
この文字には幹と根の両方が描かれています
天に向かう「幹」と地に向かう「根」
その両方があって「木」が存在します
どちらか一方では成立しません

















古代中国の思想に端を発する「陰陽」
森羅万象は陰と陽という互いに対立する二つの気でできていて
生成消滅はこの二気によって起こるとされる考えです
陽の気は上昇して「天」となり 
陰の気は下降して「地」を生みます


次に「向い干支」を紹介しました
向い干支は
自分の干支の反対側(向い)にある干支を大切にした
江戸時代の風習です
たとえば子(ねずみ)歳の人は午(うま)歳の人や 
それにまつわる物を日頃気にかけるようにします
なぜなら向い干支の人は
本来+と−のように正反対の性格を持っていて 
だからこそ引き合う
そして互いに互いを補い大切にすることで
それぞれが平衡の取れた人になることができるという考えです
「向い干支」はその意味から「守り干支」とも呼ばれました























改めて最初に書き出してもらった「反対語」を見てもらいました
「反対語」と思っていた言葉は
天と地  山と海  明と暗  月と日  凸と凹・・・
元々は一つで一つの「対(つい)語」
対立した関係ではなく 
不足を補い合う 縁の深い好ましい関係と見えるようになりました


その視座を持って一般的には負と見なされる性格を
書き連ねた表を見てもらいました
そして負を「陰陽」や「向い干支」の視座から
正として観る練習をしました
「頑固な」=「意志の強い」
「臆病な」=「慎重な」
「けちな」=「倹約を知っている」・・・
一瞬で見方を変えるのが難しい負もありますが
負を負として観るだけでは
自分が出した負の気分に自分が負けてしまいます
正と負の平衡感覚を健やかに活かすことが
人間関係における対話には肝要です


最後に
さまざまな対語を
用意していった押し葉と色鉛筆で表現してもらいました













































違いを単なる違いとして切り捨てず 
よき機会に恵まれたと捉え直す平衡感覚は
双方の「対話」に 
ひいては生き方によりよき実りをもたらす一粒の種です























ワークショップに参加・不参加に関わりなく
ブログは皆様に見て頂ければ と願います
参加された方々には 復習のため
参加できなかった方々には 予習のため
また今後「保育IMAI塾」の活動を広く知って頂くためにも
ぜひご活用下さい
 

先にブログ上で記事を読んで
ワークショップの内容を頭で「知る」ことはできても
実際に自分で体験して「わかる」こと
そして何より対話をしながら
その時間・空間を分かち合う愉しさを「感じる」ことは
ワークショップ(体験学習)のいのちです

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Sun, 12 Feb 2012 22:33:00 +0900
<![CDATA[青南保育室 体験學 [I]]]> https://watchtouch.jimdofree.com/2011/12/03/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-i/ https://watchtouch.jimdofree.com/2011/12/03/%E9%9D%92%E5%8D%97%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%AE%A4-%E4%BD%93%E9%A8%93%E5%AD%B8-i/

2011年12月3日 南青山の「青南保育室」にて
保育士の先生方との 
木のワークショップの機会を頂きました
題して「かたち・きもち・いのち」

①主旨「フロッタージュ」

50億年前に地球が出来たと言われます
6億年前に針葉樹が 1億3500万年前に広葉樹が現れ
ようやく3000万年前に霊長類の一部が類人猿に進化しました

私たちの祖先は経験豊かな木によって
酸素をもらい 雨風を凌ぎ 木陰に眠り 
道具や薬をつくる材をもらい 木の実で養われ
木と しっかりつながって生きてきました

木に寄せる強い信頼 そして深い愛情や尊敬は
現代の私たちの記憶の底に眠っているはずです
「かたち・きもち・いのち」のワークショップで
一枚の葉に触れる愉しさを実感し
参加者自身の深奥の木とつながれるように
そのことが心身の不安や疲れを和らげ 
活力を育み 保育の一助となるように
「対話のためのワークショップ」です


②内容

まずは子どもの頃の木との思い出を書いてもらいました
いつ? どこで? 何の木と? どんな思い出?
いったい「木のワークショップ」って何だろう
保育とどんな関係があるのだろう 
と訝しく思っている様子の受講者も
遠くを見つめ 子どもの頃の自分になって
木との最初の関わりを懐かしそうに記してくれました


次に「木」という字の成り立ちを話しました
木の象形文字は幹を中心に地上と地下
つまり本来なら見えていないはずの根も描かれている字です
私はこのことを小学校3年生の時 恩師に教えて頂き
古代の中国人の物の見方にとても感動したものです





鉛筆を持つようになって すぐに父に教えてもらったのが
木肌に紙を乗せて 木目を写し取る遊びです
私はそれが大好きで 折に触れずっと愉しんできました
実際に旅先や仕事先 日常生活の中で
描いてきた「木拓」とそして「葉拓」を見せ
葉っぱもすでに一本の木であることを再認識してもらいました



用意してきた葉っぱ三種類とダーマトグラフ(鉛筆)を使って
巻紙に早速葉拓を試してもらいました
隣り合う人と話し合いながら 
行ってみたい森を葉っぱで作ってみようと促すと
皆すぐに手が動き出しました
フロッタージュのよいところは 絵の上手下手に関わらず
自然の美しさを誰にでも写し出せることです


        
「わぁ きれい!」「あ ほんとに葉っぱが木に見える!」
「ずっとやっていたい感じ!」
「葉っぱの模様って すごく細かいんだね!」
すぐに実感のこもった言葉が受講者から洩れたのは嬉しいことでした 
朝のうちの雨もすっかり上がって やわらかな日差しになり
すこしずつ森が出来上がってきました


ダーマトグラフの黒に飽きたらず 
さらに色鉛筆で描き足していきます  





このワークショップの後に 
互いに切磋琢磨し保育観を発表することになっていた受講者も
葉拓を愉しんでいる間は 
その重責を忘れ 
色とりどりで活気にあふれた森を描いていました


       
こうして思い思いに各自が森を描いたところで 
隣の森との繋がりや色などに工夫をしているうちに  
40分後 ようやく作品が出来上がりました







③ まとめ

「木」という象形文字が表すように
● 見えないものを観ようとすること
「根」の存在をあらためて意識することで
● 見えるものは見えないものに支えられていること
「葉」という形がすでに「木」の形になっているように
●小さな一人であっても 
  その存在はすでに社会の一員としての責任を担っていること  
「葉拓」をして 
●じかに触れてみることで 
  さまざまなことがより強く実感できること
「葉拓」をして隣り合う人と森を作ることで
●関係作りをするには話し合うことが大切であること


この「かたち・きもち・いのち」ワークショップを通して
保育にも役立つであろう知恵を木から学ぶことはできると思います
しかし まずは葉拓を通して受講者の皆様が 
ワークショップ中に味わった
「木に寄せる強い信頼 そして深い愛情や尊敬」を甦らせ
木と身近に関わる習慣を大切にすることを願ってやみません


今回のワークショップは今井明代先生とのご縁に導かれました



30年ほど前に先生と私は同じ世田谷区内の保育園に
それぞれ二人の娘を預けていました
卒園後 お会いすることはありませんでした
それが 孫息子が3年前にその保育園に入園を希望したとき
何と今井先生は園長先生として戻り 
務めていらっしゃいました
そして今年定年退職 

しかし40年間に11カ所の保育施設での
貴重な経験を積んでこられたこころの宝物を 
そのままにしておく先生ではありませんでした
株式会社アソシエ・インターナショナルが経営する
託児所の研修講師として復活
退職後一度 
馬事公苑でいっしょに愉しんだフロッタージュを思い出し
研修の一部として
WATCH+TOUCHのワークショップを招いて下さったのです
縁とは本当に不思議なものです
 

ワークショップの日は 
数日前の小春日和がうそのような12月の午後
冷たい雨の中を 
私たちは大きく重たい荷物を持って
青南保育室へ向かいましたが
帰り道は春の宵のように 身も心も軽く温かでした


ワークショップ実現の道程をていねいに運んで下さった
事務方の皆様に心より感謝致します
受講して下さった若い40数名の保育士を 
いつも木が見守っていてくれますように

 

 

 

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Sat, 03 Dec 2011 21:46:00 +0900