外国人の迷惑系配信者グループを毅然と乗船拒否 マリックスラインと鹿児島海上保安部の対応にSNSで称賛相次ぐ

2025/03/13 11:33
迷惑行為配信者の乗船拒否があった奄美・沖縄航路のフェリーが発着する鹿児島新港=鹿児島市城南町
迷惑行為配信者の乗船拒否があった奄美・沖縄航路のフェリーが発着する鹿児島新港=鹿児島市城南町
 奄美・沖縄航路のフェリーを運航するマリックスライン(鹿児島市)が、公共交通機関で喫煙するなどの迷惑行為を配信する外国人グループを乗船拒否していたことが12日、分かった。同社は「乗客に迷惑が及ぶかもしれない」と鹿児島海上保安部に協力を依頼。海保が従業員に代わり乗船しないよう促す珍しいケースとなった。

 乗船拒否は2月26日夕の鹿児島新港発の沖縄行き。動画視聴者から「迷惑行為を繰り返す配信者がフェリーを使うかもしれない」と情報提供があった。大声で騒ぎ禁煙場所でたばこを吸うなど、直近で迷惑行為を受けた同業他社に連絡を取り、配信者と同一の名前が予約名簿にあることを把握した。

 同社によると、国が定める標準運送約款に基づき、泥酔などによる乗船拒否は年数回あるものの、海保に協力を求めたのは初めて。対象が計10人の外国人という点も考慮した。海保は英語に堪能な職員を派遣し運送約款や乗船拒否を伝え、配信者らは理解した上で乗船を諦めたという。

 一連の様子は交流サイト(SNS)で拡散され、毅然(きぜん)とした対応に好意的な意見も多く寄せられた。マリックスラインの竹添行治鹿児島営業部長は「(反響に)正直、戸惑っている」としつつ「乗客・乗員にとって安全で安心な運航に努めていきたい」と話す。

 海保によると、迷惑行為配信者の乗船拒否で職員を派遣するのは珍しい。現場で対応した半沢優警備救難課長は「本来なら船会社が伝えるべきだが、トラブルを未然に防げればと思った。今後もケース・バイ・ケースで対応したい」としている。

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