36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア https://36kr.jp 日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。 Tue, 01 Apr 2025 03:12:27 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.6.2 https://36krjp-1316517779.cos.ap-tokyo.myqcloud.com/uploads/2018/07/cropped-fav-2-1-32x32.jpg 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア https://36kr.jp 32 32 中国で生活に浸透するAI技術、若者の頼れるアシスタントに https://36kr.jp/335353/ Tue, 01 Apr 2025 08:00:00 +0000 https://36kr.jp/?p=335353 中国では現在、人工知能(AI)技術が若者のライフスタイルを静かに変えつつある。中国インターネット情報センター(CNNIC)が1月に発表した第55回「中国インターネット発展状況統計報告」によると、中国では2億4900万人が生成AIを使ったことがあると回答しており、そのうち20~29歳のネットユーザーの使用割合が最も高く、41.5%に達した。この数字から、AI技術が日常生活に深く浸透していることがうかがえる。

教育分野では、AI技術の導入により、学習のプロセスがより効率的で興味を引くものになっただけでなく、知識の習得方法も目に見えない形で変化している。例えば、中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」では、「Deepseekで単語暗記」に関する投稿数が1万件を超えている。小学生から会社員まで、誰もがDeepseekを使ってより効率的に単語を覚えるこつを動画で共有している。ある高評価の投稿はとりわけ独創的で、暗記したい単語をDeepseekに入力し、それらの単語を使って面白いショートストーリーを作らせるという方法と、作成された巧みな読解問題を紹介。単語の暗記を没入型の学習体験に変えるこの方法は、6万2千もの「いいね」を獲得している。

湖南省長沙市にある中南林業科技大学の尹双鳳副学長は、大学生のAI利用ルールを定める際には、学生の主観的な意欲を分析することが基本原則だという。つまり、学生が怠けるためにAIツールを使用するのであれば、それは明らかに望ましくないが、学習効率を向上させるためにAIツールを使用する場合は、主体的な学習能力の反映と考えられるからだ。

キャリア形成においても、AIは若い求職者にとって頼れるアシスタントとなっている。インテリジェント履歴書最適化機能は、求人要件に応じて内容の重点を自動的に調整し、模擬面接機能は自然言語処理(NLP)を通じてリアルタイムでフィードバックを提供する。さらに、一部のシステムには感情分析モジュールも統合されており、ユーザーが感情的な表現を入力すると、すぐに心理カウンセリングのメカニズムが作動し、ユーザーに心理サポートを提供する。技術が「人間らしく」発展するこのような傾向は、ツールの理性と人間的な気遣いの融合に加え、キャリア形成分野におけるAI技術の大きな可能性も示している。

文化体験の革新にも目を見張るものがある。歴史愛好家はこれまでのようにガイドに従って閲覧するだけでなく、音声対話を通じて文化財を読み解くことができるようになった。さらに目を引くのは、大規模言語モデル(LLM)に基づいて構築された歴史上の人物との対話システムで、ユーザーは今や、時空を超えてデジタル化された歴史キャラクターと対話することもできる。この新たな文化体験方法は、ユーザーの精神世界を豊かにするだけでなく、歴史と文化に対するより深く幅広い理解を可能にする。

これらのテクノロジーの応用は、若者の学習ペースや就職活動の形、文化消費の習慣を変えつつある。教育面ではいつでも個人に合わせたプランが提供され、キャリア形成ではインテリジェントなナビゲーションが伴走し、文化体験は交流型・参加型に変わる中、テクノロジーは冷たいコードからぬくもりのある生活アシスタントへと変化し、この世代の日常風景を静かに作り変えている。【新華社北京】

中国DeepSeekの衝撃・創業者独占取材「中国AIがいつまでも米国の追随者であることはない」

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小鵬汽車傘下の空飛ぶクルマ「陸地航母」、湖南省のリゾート区でデモ飛行 https://36kr.jp/336651/ Tue, 01 Apr 2025 02:00:00 +0000 https://36kr.jp/?p=336651

中国湖南省の常徳柳葉湖観光リゾート区で3月27日、電気自動車(EV)メーカー、小鵬汽車傘下の広東匯天航空航天科技(小鵬匯天)が開発した電動垂直離着陸機(eVTOL)「陸地航母」の省内初飛行式典が行われた。

デモ飛行では水域をまたぐ飛行を想定し、柳葉湖畔に立つ伝統様式の門、大唐司馬牌坊近くから離陸。道路を越えて湖上を1周した後、安全に着陸した。

(写真)27日、柳葉湖観光リゾート区でドローンから撮影した小鵬匯天の空飛ぶクルマ「陸地航母」。

陸地航母は小鵬匯天が独自開発した最新世代の空飛ぶクルマで、湖南省は全国初の全域低空開放の試験地となっている。(新華社長沙)

小鵬汽車、2026年に世界初の「分割式空飛ぶクルマ」を発売へ 中国・海外市場で同時展開

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東洋のスタバ「霸王茶姫」、ナスダック上場へ 24年純利益530億円 https://36kr.jp/336634/ Tue, 01 Apr 2025 00:30:00 +0000 https://36kr.jp/?p=336634 中国ティードリンクチェーン大手の「霸王茶姫(CHAGEE)」は3月26日、米国証券取引委員会(SEC)に上場申請した。ナスダック市場での新規株式公開(IPO)を目指す。ティッカーシンボルは「CHA」に決定した。

霸王茶姫は「東洋のスターバックス」を目指し、快進撃を続けている。上場目論見書によると、2024年の流通取引総額(GMV)は前年比172.9%増の295億元(約6200億円)、売上高は124億500万元(約2600億円)、純利益は25億1500万元(約530億円)、純利益率は20.3%だった。ドリンク1杯の価格は15~25元(約320~530円)。ジャスミン茶ベースのミルクティー「伯牙絶弦」はとくに人気で、21年1月1日から24年8月13日までに6億杯以上を売り上げた。

ジャスミン茶ベースのミルクティー「伯牙絶弦」

創業者の張俊傑氏は1990年代生まれ。2017年に雲南省昆明市で覇王茶姫を設立し、21年に本社を四川省成都市に移した。24年12月31日時点の店舗数は6440店(国内6284店、海外156店)で、うち直接管理する店舗が398店(直営169店、フランチャイズ229店)となっている。25年は国内と海外合わせて1000〜1500店舗を新規出店する計画を掲げる。

覇王茶姫は全面的な自動化とデジタル化により、店舗の運営効率を大幅に向上させた。店舗には全自動の給茶機や茶葉専用エスプレッソマシンなどが設置されており、入職初日のスタッフでもQRコードをスキャンして全自動マシンを操作し、1杯8秒でティードリンクを提供できる。ミスの発生率はわずか0.2%だという。

中国ティードリンク「MIXUE」、2024年40%増益も…東京では3店中2店が撤退 

*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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中国の船体清掃ロボット、4台で240人分の作業を代替 最短納品45日で提供 https://36kr.jp/333623/ Mon, 31 Mar 2025 22:30:00 +0000 https://36kr.jp/?p=333623 工業用防さび処理装置とソリューションを提供する中国企業「海桓科技(HYDWIN)」がこのほど、シリーズAで数千万元(数億円超)を調達した。中国の港湾運営企業が出資を主導し、既存株主の雲時資本(Seas Capital)も追加出資した。資金は製品開発や市場開拓、チームビルディングなどに用いられるという。

海桓科技は2021年に設立され、超高圧部品に関わる技術や人工知能(AI)アルゴリズムなどの自社開発を手がけ、船舶産業や化学工業などに垂直統合型のソリューションを提供している。主力製品の車載型船体清掃ロボット「Treatment Carrier」シリーズは、船舶の外板、船底、船倉の洗浄とさび落としに特化して設計されたもので、船体の95%以上の範囲をカバーし、あらゆる種類の船舶に使用できる。

これまで船体の洗浄やさび落としには、手作業のサンドブラストや壁面走行ロボットが使われてきたが、作業効率が低く、事故のリスクが伴うほか、排水による環境への負荷も大きい。世界の船舶産業では環境問題に配慮した取り組みが進み、排水規制がますます強化されているため、これまでの洗浄方式は継続が困難になっている。

海桓科技の船体清掃ロボットは作業効率を従来方式の10倍近く高めることができる。これまで240人を要していた作業を、ロボット4台とオペレーター8人で完了できる。環境にも配慮して、汚水を回収・ろ過するシステムをロボットに内蔵し、さび落としの工程で排出される汚水の99%を再利用できるようにした。

中東で展示会に参加(画像は企業提供)

船体清掃ロボットには「Treatment Carrier X」と「Treatment Carrier D」の2種類がある。Xシリーズは広い平面部や船首・船尾など高所での作業向けで、作業効率は1時間に最大120平方メートル、3500時間以上の連続稼働でも無故障を達成した。Dシリーズは船底やビルジキールなど形状の複雑な部分に適している。いずれもリモート制御でき、作業データのリアルタイム伝送や視覚的モニタリングが可能。計画区域内での自動運転や全自動巡回作業などの機能も備えている。さらに、固形粒子や塗膜くず、鉄さび、汚水などをろ過・回収できる真空集積システムを内蔵しており、適正に処理して排出したり、車載型浄水装置とつなげて浄化したりできる。

海桓科技は自社の生産ラインを有しており、部品なら即日発送、清掃ロボットも最短45日で納品できるという。海外事業については、各国のニーズに特化したプランの提供や現地に合わせたトレーニングに加え、現地でのアフターサービスを展開するため、すでにグローバルチームを立ち上げている。

これまで、デンマークの海運会社マークスや世界的なコンテナ船会社MSCなど、世界の海運大手数十社にサービスを提供してきたほか、中国国内でも2023年に船舶のさび取りロボット市場でシェア45%を占め、首位に立った。

*1元=約20円で計算しています。

(翻訳・畠中裕子)

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中国CATL、24年は初の減収も1兆円超の黒字 車載電池で8年連続世界1位 https://36kr.jp/336642/ Mon, 31 Mar 2025 21:35:00 +0000 https://36kr.jp/?p=336642 車載電池世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が3月14日発表した2024年の通期決算は、売上高が前年比9.7%減の3620億元(約7兆6000億円)だった。電池業界の価格競争のあおりを受け、業績開示を始めた14年以来初めて年間売上高が減少した。一方、技術開発力と製品競争力の強化が奏功し、純利益は前年比15%増の507億元(約1兆1000億円)となった。

リチウムイオン電池の販売容量は21.79%増の475ギガワット時(GWh)だった。うち車載電池は18.85%増の381GWhで、世界シェアは37.9%と8年連続の首位を維持した。蓄電池も34.32%増の93GWhと4年連続の世界首位に輝いた。

CATLはこのほど、香港取引所での新規株式公開(IPO)が承認された。深圳取引所との重複上場となる。香港上場では少なくとも50億ドル(約7500億円)を調達するとみられ、すでに上場している中国家電大手の美的集団(Midea Group)や中国宅配大手の順豊控股(SFホールディング)に続き、時価総額1000億元(約2兆1000億円)を超える巨大企業となる見込みだ。

CATLとNIO、世界最大のEVバッテリー交換網を構築へ 「充電vs交換」覇権争い鮮明に

*1元=約21円 1ドル=約150円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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ビザ免除政策利用の訪中外国人数、24年は13倍に https://36kr.jp/335329/ Mon, 31 Mar 2025 08:00:00 +0000 https://36kr.jp/?p=335329 中国は現時点で、38カ国に対して一方的なビザ免除措置を実施しているとともに、54カ国からの旅行者が中国を経由して第三国(地域)に渡航する際、ビザなしで中国に入国し、規定区域での240時間(10日間)以内の滞在を認めている。一方的なビザ免除政策を利用して2024年に訪中した外国人は前年比13倍増の339万1千人となり、入境した外国人(国境付近の住民を除く)全体の13.8%を占めた。

中国は24年11月、ビザ免除措置の滞在期間を15日から30日以内に拡大し、訪中理由もビジネスや観光、親族・知人訪問、交流、トランジットなどに増加した。

滞在期間の延長に加え、中国の伝統的な祝日「春節(旧正月)」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことで、「China  Travel(中国旅行)」は世界で人気の検索ワードとなった。

中国カード決済大手の中国銀聯(ユニオンペイ)と、オンライン決済システム「網聯」を運営する網聯清算(NUCC)が今年春節連休期間(1月28日~2月4日)に処理した訪中外国人による決済件数は、前年の春節連休の2.2倍に増えた。

中国がこのほど発表した「2025年外資安定化行動計画」では、重要項目に「相互ビザ免除協定の交渉を加速し、一方的なビザ免除措置の対象国を引き続き拡大する」が明記された。ビザ免除政策は観光客の誘致だけでなく、開放のさらなる拡大、外資の導入においても重要な役割を果たしている。

タイやシンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)など27カ国と中国は、全面的な相互ビザ免除協定を結んでいる。米国、オーストラリアなどとは、10年または5年有効のマルチビザの相互発行で合意している。約70カ国国・地域が中国人に対し、一方的な免除またはアライバルビザ措置を適用している。

ビザ免除措置の対象国の拡大、国を越えた人的往来における利便性向上の背景には、中国が世界を受け入れ、世界が中国に近づく「双向奔赴(双方の歩み寄り)」がある。【新華社北京】

中国観光業界が日本人ツアー客を受け入れられない理由

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中国ショート動画の快手、24年は純利益72.5%増 動画生成AI「Kling」好調 https://36kr.jp/336523/ Mon, 31 Mar 2025 02:00:00 +0000 https://36kr.jp/?p=336523 中国のショート動画アプリ大手「快手科技(Kuaishou Technology)」が3月25日発表した2024年12月期決算は、売上高が前の期比11.8%増の1269億元(約2兆7000億円)、調整後の純利益は72.5%増の177億元(約3700億円)だった。

売上高に占める割合はオンラインマーケティングサービスが57.1%、ライブ配信が29.2%、電子商取引(EC)などその他サービスが13.7%となった。ECサービスの流通取引総額(GMV)は17.3%増の1兆3896億元(約29兆円)に拡大した。アプリの月間平均アクティブユーザー数(MAU)は4.6%増の7億970万人と7億人の大台を突破した。

快手は2024年、人工知能(AI)を事業戦略の重点に据え、AI技術を駆使して既存のコンテンツやビジネスエコシステムを全面的に強化した。独自の動画生成AI「Kling」は24年6月に発表され、すでに複数回の改良を繰り返しており、25年2月までに売上高は1億元(約20億円)を超えたという。同社は今後もAI戦略を推し進めていく方針を明らかにしている。

話題の動画生成AI「Kling」にアプリ版が登場。動画の続きを最長3分間生成

*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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中国ティードリンク「MIXUE」、2024年40%増益も…東京では3店中2店が撤退  https://36kr.jp/336557/ Mon, 31 Mar 2025 00:45:00 +0000 https://36kr.jp/?p=336557 中国の格安ティードリンクチェーン「蜜雪冰城(MIXUE)」が3月26日、2024年の通期決算を発表した。3月3日の香港上場後初の決算発表となる。

売上高は前年比22.3%増の248億3000万元(約5200億円)、純利益は39.8%増の44億5000万元(約930億円)。粗利益は34.4%増の80億6000万元(約1700億円)、粗利益率は32.5%に達した。増収の主な要因は、商品および設備の販売による収入増加で、フランチャイズおよび関連サービスによる収入も増加した。

2024年末時点の店舗数は23年末から8914店増加し、4万6479店(中国本土以外は4895店)となり、スターバックスを抜いて店舗数世界一の飲料チェーンとなった。店舗数の拡大が販売チャネルと顧客層の多様化につながり、売上高の増加に結びついた。

MIXUEは2023年夏に東京に上陸し、高田馬場・池袋・原宿3店舗を相次いでオープンしたが、現在は池袋店のみが営業している。

激安タピオカドリンク「MIXUE」が日本上陸、在日中国人狙いですでに原宿など3店舗【中華ビジネス戦記】 

*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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CATLとNIO、世界最大のEVバッテリー交換網を構築へ 「充電vs交換」覇権争い鮮明に https://36kr.jp/336433/ Sun, 30 Mar 2025 22:35:00 +0000 https://36kr.jp/?p=336433 中国の車載バッテリー世界最大手・寧徳時代新能源科技(CATL)と、中国電気自動車(EV)メーカー・蔚来汽車(NIO)がバッテリー交換事業で戦略提携を結んだ。世界最大規模のEV向けバッテリー交換ネットワークの構築や、次世代バッテリーの標準化を共同で進める。その一環として、CATLはNIO傘下でEVバッテリー交換ステーションの運営を手がける「蔚来能源(NIO Power)」に対し、最大25億元(約500億円)の戦略投資を検討する。

世界最大の車載バッテリーメーカーと、バッテリー交換ステーションを最も多く展開する企業との提携は、「バッテリー交換方式は本当に普及するのか」という市場の疑念に対する一つの答えを出したとも受け取れる。中国自動車市場のデータ機関「全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)」の崔東樹秘書長は「EV産業は、電池の充電・交換・アップグレードが可能な『2.0時代』へと急速に進んでおり、バッテリー交換は充電と並んでEVの主な電力供給の方式となるだろう」とコメントした。

NIOが推進する「BaaS」とは

関係筋によると、CATLはNIOの関連会社で車載バッテリーのリース企業「武漢蔚能(Wuhan Weineng)」にも出資を進めているという。

NIOが推進する「BaaS(Battery as a Service)」モデルで、バッテリー交換の運営と保守はNIO Powerが担い、ユーザー向けのバッテリーのサブスクリプション(定額課金)サービスは武漢蔚能が担当する。武漢蔚能はNIOからバッテリーを調達し、ユーザーにリースする形で効率的な運用を実現している。この仕組みは「バッテリーバンク(電池銀行)」とも呼ばれている。

武漢蔚能は2020年に、NIO、CATL、湖北省の政府系投資会社「湖北科投(Hubei Science & Technology Investment Group)」などが共同出資して設立した。現在、NIOが19.4%の株式を保有して筆頭株主となっている。一方で、CATLと湖北科投はそれぞれ10.6794%を持ち、三大株主となっている。すでに20GWhを超える電池資産を運営しており、資産の証券化やバッテリーの再利用など、さらなる収益拡大の可能性も探っている。

NIOはこれまでに、3182か所のバッテリー交換ステーションを全国に展開し、2024年末までに5000か所への拡大を目指している。同社のデータによると、第4世代のバッテリー交換ステーションの建設コストは1カ所あたり150万元(約3000万円)以下とされている。1800カ所としていた建設計画には、約27億元(約540億円)の資金が必要だった計算になる。巨額の赤字が続くNIOにとって、CATLからの投資は資金面の大きな支援となり、まさに「渡りに船」だと言える。

CATLの野心:バッテリーからインフラまで

一方で、CATLはこの投資を通じ、バッテリーのトップ企業としての野心的な経営戦略をさらに強化する意向を示している。バッテリーの資産管理や、交換ネットワークの構築に乗り出し、バッテリー交換事業のさまざまな段階に深く関わろうとしている。業界に詳しい関係者は「CATLの狙いは、EV業界『中国石油(Petro China)』になることだ」と説明した。

CATLは独自のバッテリー交換技術も展開している。2023年には交換式の「チョコレートバッテリー(Choco-SEB)」を発表し、標準化されたモジュールを異なる車種間で共用できるようにした。料金を抑えたサブスクリプション方式を導入し、たとえば、Choco-SEBの最新型「25号」は月額499元(約1万円)に設定している。この方式はすでに長安汽車(Changan Automobile)、広州汽車(GAC Motor)、北京汽車(BAIC Group)などの中国の主要自動車メーカーが採用している。また、今回の提携により、NIOの第3ブランド「ファイヤーフライ(Firefly)」の新型車もChoco-SEBに対応することとなった。

CATLは2025年までに1000カ所、最終的には3万カ所のバッテリー交換ステーション設置を目指している。

「充電」 vs 「交換」の争い

注目すべきは、交換ステーションは蓄電機能も備えており、各ステーションに搭載されたバッテリーは、電力を調整するバッファーとなるインフラとしての活用も可能だ。2024年にはCATLの蓄電池の出荷量が93GWhに達し、総出荷量の約20%を占めるまでに成長した。この比率は今後さらに上昇する見通しだ。

一方、バッテリーメーカーとしての競争相手でもある中国EV大手のBYD(比亜迪)も「メガワット・フラッシュ充電(兆瓦閃充)」と呼ばれる超高速充電技術の開発を進めている。「1秒で2km走行可能」とされ、世界最速の量産型充電技術として注目されている。

バッテリー交換と超急速充電ーー手法は異なるが、「ユーザーの充電体験をいかに最適化できるか」が、今後の普及の鍵となる。そして、その本質は、バッテリーという中核部品の「販売チャネルの確保」をめぐる業界の覇権争いにほかならない。

CATLは、積極的な投資や標準規格の制定、そして全国規模のネットワーク構築を通じて、新たな城の堀(参入障壁)を築こうとしている。

*1元=約20円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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中国アートトイ「POP MART」、24年は海外売上高375.2%増 日本市場も拡大中 https://36kr.jp/336548/ Sun, 30 Mar 2025 21:30:00 +0000 https://36kr.jp/?p=336548 中国のアートトイブランド「泡泡瑪特(POP MART、ポップマート)」が3月26日、2024年12月期決算を発表した。売上高は前の期比106.9%増の130億4000万元(約2700億円)、調整後の純利益は185.9%増の34億300万元(約710億円)だった。中国本土市場の売上高は52.3%増の79億7000万元(約1700億円)。香港、マカオ、台湾を含む海外市場の売上高は375.2%増の50億7000万元(約1100億円)と爆発的に伸び、全体の38.9%を占めた。粗利益率は66.8%(前年は61.32%)と過去最高を更新した。

POP MARTはキャラクターIP(知的財産)の育成と運用を事業の中心に据えている。2024年は「THE MONSTERS(ザ・モンスターズ)」「MOLLY(モリー)」「SKULLPANDA(スカルパンダ)」「CRYBABY(クライベイビー)」の4つの主要IPが売上高全体の58%を占めた。また、25年1月に公開されて空前の大ヒットを飛ばすアニメ映画「哪吒之魔童閙海(ナタ2)」のコラボフィギュアは軒並み完売となっており、業績拡大の起爆剤となりそうだ。

中国アニメ「ナタ2」、「スター・ウォーズ」抜いて世界興行収入ランキング5位に 4月より日本語字幕版上映

決算発表後、POP MARTの株価は約20%上昇した。王寧・会長兼最高経営責任者(CEO)は決算発表会で、2024年はグローバル化戦略が奏功し、予想を上回る業績拡大を果たしたと説明した。

日本ではすでに東京と大阪に直営店8店舗を出店しているほか、ロフトなど全国の商業施設にも常設コーナーを設けている。POP MART JAPANは現在、出店候補地となる全国主要都市の物件情報を募集中だ。

*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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