海洋生物を記録する野心的な取り組み、新種866種を発見

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発見されたヒトデの種/Martin Hartley/The Nippon Foundation-Nekton Ocean Census

発見されたヒトデの種/Martin Hartley/The Nippon Foundation-Nekton Ocean Census

(CNN) 海洋生物を記録する野心的な取り組みの一環として、ギターのような体形のサメや扇状のサンゴ、銛(もり)のような歯を持つ海貝など866種類の新しい生き物が発見されたことがわかった。海洋生物の保護を目指す国際的な集まりの「オーシャン・センサス」が明らかにした。

オーシャン・センサスによれば、これらの種は10回におよぶ海洋での探検中にダイバーや有人潜水艇、遠隔操作できる潜水機によって発見され、科学的に新種とみなされたという。オーシャン・センサスは今週に入り、2023年のプロジェクト開始以降で初となる大規模な情報更新を発表した。

モザンビークとタンザニアの沖合で発見された、ギターのような形をした新種のサメ/Nekton Ocean Census
モザンビークとタンザニアの沖合で発見された、ギターのような形をした新種のサメ/Nekton Ocean Census

10年にわたるこの計画は、科学者の深海に関する知識に存在する大きな溝を埋めることを目指している。英エセックス大学のサンゴの専門家で、オーシャン・センサスの主任研究員であるミシェル・テイラー氏は、発見の余地は計り知れないと述べた。

テイラー氏は米シュミット海洋研究所の研究用船舶でCNNの取材に答え、「おそらく海洋生物の10%しか発見されていない」と語った。今回発見された種は、サメからヨウジウオ、巻き貝といった腹足類など多岐にわたるという。

科学者たちは16カ月かけ新種を特定した/Nekton Ocean Census/The Nippon Foundation
科学者たちは16カ月かけ新種を特定した/Nekton Ocean Census/The Nippon Foundation

新種が見つかったのは水深1メートルから4990メートル。400の機関から800人を超える科学者が参加し、分析を行った。

テイラー氏は自身が参加している探索でさらに新種がリストに増えると確信している。これまで知られていなかったとみられるサンゴも3日前に発見したという。

モルディブ近海を調査していた科学者らが発見したサンゴの新種/Nekton Ocean Census
モルディブ近海を調査していた科学者らが発見したサンゴの新種/Nekton Ocean Census

テイラー氏がサンゴの専門家として新たに発見された生き物のなかで特に気に入っているのは、インド洋の島国モルディブで見つかったもので、他のサンゴよりも柔らかく柔軟性に富み、8本の触手を持つサンゴだ。

オーシャン・センサスの研究者はモザンビークとタンザニアの沖合で、サカタザメ属に分類されるギターのようなサメを確認した。体形が特徴的でサメとエイの両方の特徴を兼ね備えているという。

テイラー氏は、サメの種は世界中のどの海域でも劇的に減少しているため、新種の発見は非常に特別なことだと指摘した。

別の調査隊はノルウェー・グリーンランド海の水深約3000メートルで、円錐(えんすい)形の殻を持つカサガイやヒトデの新種を発見した。これらの生き物は、水温が氷点下に近い場所や、熱水噴出孔からの熱水のために水温が300度を超える場所からわずか数メートルしか離れていない場所など、水温が極端に変化する環境で繁栄している。

発見された種の中には有毒な海の巻貝も含まれている/Nekton Ocean Census
発見された種の中には有毒な海の巻貝も含まれている/Nekton Ocean Census
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