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脳の中の「私」はなぜ見つからないのか? ~ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史 単行本 – 2007/8/1

5つ星のうち3.8 14個の評価

「私」とか「自由意志」は幻想にすぎない……なんて言われたら驚きますよね? 本書は,ロボット工学の専門家である慶応義塾大学の前野教授が唱える「受動意識仮説」を説明した本です。前野先生はロボット工学が専門です。ロボットに人間と同じ動作や行動をさせるにはどうしたらいいのか研究しているうちに,脳の機能解明に興味を持つようになりました。そして研究を続けた結果,「心は脳が作り上げた幻想である」という考えに至ったのです。これまでに,『なぜ脳は「心」を作ったのか』『錯覚する脳――「おいしい」も「痛い」も錯覚だった』(それぞれ筑摩書房)を発表し,脳科学の研究に一石を投じてきましたが,本書ではさらに深く切り込み,東西の思想や宗教,哲学,心理学の面から「心(意識)」とは何か,その「謎」を鮮やかに解いていきます。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 技術評論社 (2007/8/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/8/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4774131660
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4774131665
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち3.8 14個の評価

著者について

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前野 隆司
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1962年山口生まれ。広島育ち。84年東工大卒。86年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼任。

2024年より武蔵野大学ウェルビーイング学部長兼任予定。

研究領域は、ヒューマンロボットインタラクション、認知心理学・脳科学、心の哲学・倫理学から、地域活性化、イノベーション教育学、創造学、幸福学まで。主宰するヒューマンラボ(ヒューマンシステムデザイン研究室)では、人間にかかわる研究なら何でもする、というスタンスで、様々な研究・教育活動を行っている。

著書に、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房)、『幸せのメカニズムー実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)、『ディストピア禍の新・幸福論』(プレジデント社)、『ウェルビーイング』(日経文庫、妻のマドカとの共著)などがある。

カスタマーレビュー

星5つ中3.8つ
14グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2020年2月27日に日本でレビュー済み
    ・ロボティックス研究者である著者は、人間の意識に関する古今東西の思想家をたどった上で、「西洋思想が長い時間をかけて行ってきたことは、釈迦や老荘の思想に至る長い道程であった」と洞察する。その上で「予想以上に東洋思想に傾倒した。こころや意識の問題について考えれば考えるほど、東洋流のやり方を取り入れることの重要性を痛感する」と述べている。仏教や瞑想が静かな世界的ブームになっているのもうなずける。
    ・古今東西の思想家をたどった個所が大変興味深い。本書で紹介されているスピノザやヒュームなどの著作は、評者のような一般読者は敷居が高くてなかなか読めないが、著者はそのエッセンスを紹介してくれる。その解説が大変わかりやすい。難解で有名なスピノザの汎神論も、著者の手によって非常にわかりやすく紹介されている。
    ・古今東西の思想をたどるのは、著者の「受動意識仮説」を思想史の中で検証するためで、「受動意識仮説」とは、意識は次のようなものであると考える。
    ① 無意識というシステムは、部分部分のモジュールが独立して各々の得意な情報処理を行う超並列計算機である。
    ② 意識は無意識の結果を受け取ってあたかも自分が注意を向けて自分の自由意思が行ったことであるかのように幻想体験し、その体験結果をエピソード記憶に転送する受動的・追随的な機能を持つシステムである。
    ③ 例えていえば、心は民主主義社会のようなボトムアップ・システムである。
    ・したがって意識の中に湧き上がる「知」「情」「意」は無意識に従う受動的な働きだという。心の主人のような顔をしている「意識」は、実は「無意識」または「深層心理」に従っているのだ。常識を覆すような分析だが説得力があり、また思い当たる節もある。「受動意識仮説」は仏教の洞察と共鳴しているのではないか。
    ・心の成長、修行に取り組んでいくうえで、貴重ないい本に出合ったと思う。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2020年3月7日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ロボティックス研究者である著者の「受動意識仮説」は、事象・対象にべったり張り付いて、客体化できない自己の意識を相対化するのに、一つのテーゼとして、役立つものだと思います。本書ではこの仮説を東洋思想、西洋哲学を論横断的に論じるなかで、検証していくところも面白いと思います。理系と文系の橋渡しをする良書です。
    ただ、論理の構成が二律背反による展開で、わかりやすい反面、階層性、重層性、差異性、関係性といった重要な視点、脳内の「小人」論、「クオリア」の幻想性への言及、がもっとほしいところでした。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年3月21日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    商品の状態が良いだったけど思ったより汚かった
    値段が値段だけに少し残念
  • 2011年8月12日に日本でレビュー済み
    科学技術に携ってきた著者の考え方の基本は西洋流の論理であった。しかし、心や意識について考えれば考えるほど釈迦の「空」や老子の「無」という東洋流を取り入れることの重要性を痛感した。自分が本当に知りたいことを知ろうとすべきとする著者とこれまた、単なる学者でない考える人ギブソニアンの哲学者河野哲也との対談はとても刺激的でその部分を取り上げる。

    われわれは、時間の概念などある部分を抽象化する能力は持っている。(言語による)
    しかし、それらは行動主義的に理解すれば「記憶」のような働きも「脳」の中にあるとする必要もない。
    世界が二重化されて「脳」の中に入って来たと考える必要はない。世界が自分の内側で起きているということはない。
    従って、「意識」という概念は必要としない。
    私たちは、たかが地上の生き物である。生き物の中に大したものが詰まっているわけがなく環境の中で動き回って生きて生活しているだけである。
    「世界は、頭の中で作られる」とか「時間は意識の産物だ」とか地上の枠組みを越えてしまえば、それは超能力の類である。

    「概念」は、存在しない。「意味」というものも頭の中のどこにも存在してない。抽象である。
    「意味」というのは、言葉と言葉の間の関係性か指示対象のことである。
    区別するというのは、あくまで対象があって始めて可能となる。区別する行動は、対象なくして作動しない。頭の中だけで区別はできない。
    「脳」というのは、対象の弁別をしているのである。
    プラトニストは、確定的な抽象体(イデア)が実在していると考える。その現代版が「真の実在は数学的に表現される存在である」であるが、そうではない。
    自然科学は、まず仮定をおいてそこから演繹しているに過ぎない。

    自由意志とは、「行為」の選択肢が見つかることで、「何かをしよう」という一種の決定でスタートすることではない。
    例えば、「生きる」ということを取り上げるとすると生き始めるスタート地点のことなど自分でもよく把握できていないのである。選択肢がある時に自由意志と呼ぶ。意識とは関係なく必要ともしない。

    「クオリア」については、二人ともことさら問題となるような性質ではない。幻想であるということで一致する。
    以上。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年1月12日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    2004年の「脳はなぜ心を作ったのか」の中で、受動意識仮説からみると古今東西の思想・哲学・宗教の説く意識・心・存在をどう考えていたのかにも触れています。
    反響が大きかったので、この部分を詳しく解説したのが本書で「脳はなぜ心を作ったのか」のあとに発表された補完本「錯覚する脳」に続いてのさらなる補完本です。
    比較・解説する対象は幅広く仏教、儒教、キリスト教、イスラム教、デカルトなどの近代哲学、ニヒリズム、実存主義、現象学、ポストモダン、心理学、複雑系、心の哲学などです。
    受動意識仮説は、仏教で説く「空」、老子の「無」に近親性があると説いています。
    脳科学者の茂木健一郎さんやグーグル・ジャパン社長の村上憲郎さんは受動意識仮説を絶賛してます。
    特に村上さんは、受動意識仮説を知ることで、今まで読めなかったカントなど難解と言われている哲学書がウソのようにスラスラと読めるようになったと自身の変化に驚いています。
    常人とは違った観点から読んでいるようで、察するにAIの方向性に示唆を得たようです。何が出てくるのか楽しみです。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2007年9月6日に日本でレビュー済み
    著者がここ最近、精力的に提唱している「受動意識仮説」の観点から、世界の思想・哲学や宗教あるいは現代科学(心理学)の知見を捉え直してみる、という趣旨の本。概括的に紹介される思想・学説自体は通り一遍の理解といった感じで浅薄だが(専門的にはそれぞれややこしい議論が分厚く蓄積されていよう)、しかしそれらに加えられる新たな切り口、すなわち著者の仮説にもとづく独自の解釈の仕方が非常におもしろく読めた。
    「意識」は一種の「幻想」である。それは無意識下で分散的に処理されている無数の知覚情報および非自覚的な行動の一部を、事後的に承認しそれを〔エピソード〕記憶として保持する際に生起している感覚でしかない。霊/肉の二元論的な意味での実体的な「意識」(≒霊〔魂〕)は存在せず、あえて「意識」を語るとすれば、それは特定の物体の内側で機能している諸種の生き生きとした感覚情報、いいかえればクオリアの断続的な現象でしかない。
    容易に予想されるように、こうした仮説に適合する思想/宗教は、「縁起」と「空」という非実体論的な立場から世界と自己のあり様を説き明かす、仏教である。超越神が人間に固有の使命を与えるといった発想を持っているキリスト教には、あまり適合的ではない。また西洋哲学史でいえば、ヒュームの「知覚の束」としての人間存在論や、構造主義以後の反主体論的なポストモダン思想がこれに近似し、デカルトの自我論などは真っ向から対立する。かくして著者は、主に仏教をはじめとする東洋思想(あるいは日本の「和」の美意識)に強くコミットしながら、古今東西の知の諸相に簡潔な評価/批判を加えていく。
    さらに、本書の最後の章では、現象学の専門家である斉藤慶典氏、そしてギブソン生態心理学をベースにした哲学者である河野哲也氏との対談が掲載されている。あくまでも生活世界的な認識から出発することで著者の「一元論VS二元論」の対立のさせ方に反省を迫る前者の意見も学ぶところ多かったが、けれど後者の対話が特に興味深かった。ロボット工学で得てきた知見にもとづき思想・哲学の方へと旋回してきた著者と、哲学専攻ながら実験科学的な議論を貪欲に取り込みオリジナルな思索を深めている河野氏が、はじめの内はお互いの論説にいくつかの疑問を提示しつつも、次第に、案外同じような考え方をしているようですね、という所に落ち着いていく様子が、実に刺激的だったのである。
    人間とは何か?様々な思想・科学知を動員しながらその秘密に迫る探求の道の最先端が、ごく読みやすくまとめられていて素晴らしい。
    45人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2007年10月30日に日本でレビュー済み
    意識とは何か、という疑問に著者は「受動意識仮説」を主張している。「無意識下で並行処理された結果として、幻想にすぎない意識が生ずる」ことが、わかりやすく解説されている。「人間の選択的行動は、実は無意識の下した結果の追認にすぎない」ということだ。

    では意識は何のためにあるのか?という疑問がわくが、その答えはエピソード記憶をするためである。よって「意識から無意識へのわずかなフィードバックがある」としている。

    ただし、フィードバックがあるとすると、幻想にすぎないはずの意識が、物質である脳に、エピソード記憶という相互作用を引き起こす力の源は何であろうか?という疑問が残った。このあたりが、素通りしているようなのは残念だ。

    最後に収録された哲学者2人との議論は、予定調和ではなく、大変興味深かった。どのような結論になるのか、最後まで緊張感があった。

    この種の本は、専門的な定義の言葉使いをしているものが多く、敬遠しがちであるが、本書はポイントを押さえ、わかりやすい言葉を選んで解説されている。このような一般向けの解説書が増えることを願う。
    28人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2013年11月7日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    <心は温度に似ている。脳には一千億個もの神経細胞があり、これらの相互作用の結果、心が生み出される。一千億個の神経細胞の発火分布が心を生み出すという機能は、統計的にしか捉えようが無いのかも知れない。(p.18)>から、<脳の中の「私」はなぜ見つからない(タイトル名)>のである、ということなのであろう。

    本書では、第2章で東洋思想と宗教、第3章で西洋哲学、第4章で現代心理学・科学・哲学を論じているが、それらに造詣の深い者が見れば、引用文献に含まれる問題がそのまま引き継がれており、適切な説明とは言い難い。

    2004年に『脳はなぜ「心」を作ったのか ― 「私」の謎を解く受動意識仮説』が出版されてから、本書が2007年に出版されている。本書の第2章以下では、著者が豪語したロボット脳の実験結果を公表されているのかと期待していた。私が両書を読んでいる2013年でも、ロボット脳はまだ出来ていないようだ。

    私も今から20年前の45歳の時、中央研究所のIBMのスパコンに400×500の視覚細胞を非線形振動子(ノーベル賞を受賞したホジキン・ハクスレイ方程式を東北大学の矢野雅文教授の方程式で近似したものを用いた)でモデル化し、ニューラルネットで視覚系を構築して画像のパターン認識をしたことがある。パターン認識の方法は、トポロジーを拡張した方法で画像の一般化を認識できるようにしたのである。夏休みの一ヶ月を占有して計算した結果、万有引力のような遠隔作用を仮定しなければ画像認識が出来ないという結論であった。つまり、隣り合う神経細胞に情報が伝搬する時間と遠く離れた神経細胞に情報が伝搬する時間に差があってはいけないという結果だったのである。ということは、逆に遠隔作用を仮定すればトポロジー型の認識は可能なのである。

    私の計算機実験では、著者も指摘するように、人間が認識するためには時間差が感じられないように自覚できる時間と自覚できない時間が存在するのである。そんなことはおかしいと考えて実験は中断したが、後に、心理学の実験でそうした事例を知った時に、あの時の実験結果は正しかったのだと気づいたのである。今のクラスター計算機を用いれば、結果は直ぐにでも出て来る筈である。
    18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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