島越駅
岩手県下閉伊郡田野畑村にある三陸鉄道の駅
島越駅(しまのこしえき)は、岩手県下閉伊郡田野畑村にある三陸鉄道リアス線の駅である。
島越駅 | |
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駅舎(2015年9月) | |
しまのこし SHIMANOKOSHI | |
◄岩泉小本 (8.5 km) (2.0 km) 田野畑► | |
所在地 | 岩手県下閉伊郡田野畑村 |
所属事業者 | 三陸鉄道 |
所属路線 | ■リアス線(正式には北リアス線) |
キロ程 |
33.6 km(宮古起点) 盛から125.6 km |
電報略号 | シコ |
駅構造 | 高架駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
30人/日 -2018年- |
開業年月日 | 1984年(昭和59年)4月1日[1] |
備考 | 簡易委託駅 |
駅の愛称は「カルボナード」。宮沢賢治の童話『グスコーブドリの伝記』の舞台の一つ、カルボナード火山島に由来する。
歴史
編集- 1984年(昭和59年)4月1日:三陸鉄道北リアス線の駅として開業[1]。駅舎は田野畑村によって建築されたもので、開業時より簡易委託駅として営業。駅舎の1階には出札窓口・売店、2階には喫茶店があり、瀟洒な南欧風の八角形のドームと青い屋根の佇まいは、多くの観光客や鉄道ファンに親しまれていた。ホームは松前川橋梁に続く高架線上にある単式ホーム1面1線を有していた。
- 2011年(平成23年)3月11日:東北地方太平洋沖地震による津波で被災。駅舎の土台、階段の一部等を除き駅舎、ホーム、高架線路の全てが消失[2]。田野畑村の震度は4であり、地震の揺れは比較的小さかったが、その後襲来した津波が当駅を襲った。全線が復旧するまでの間運行された岩手県北バスによる列車代替バスは、駅から徒歩1時間(約4 km)ほど離れた国道45号を走り、当駅付近は通らなかった。このため当駅を含む島越地区への公共交通機関は田野畑村営バスによるわずかな便のみとなっており、公共交通機関でのアクセスが極めて困難な状況となっていた。
- 2013年(平成25年)12月9日:流失駅舎の再建着工(旧駅舎所在地の約100 m北に建設)[3]。
- 2014年(平成26年)
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旧駅舎(2010年5月)
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東日本大震災後の島越駅
津波の直撃を受けた駅舎は消失し、高架橋は崩落した。(2011年6月) -
再建工事中の島越駅
宮沢賢治石碑と旧駅舎階段の一部が保存されている。(2013年2月) -
工事中の島越駅・石碑前パネル
工事中の仮柵に掲げられたパネルの一部。(2013年2月)
駅構造
編集単式ホーム1面1線を有する。簡易委託駅。再建された駅は松前川より北側の築堤に隣接するかさ上げ盛土の上に移転し、駅前広場は2016年に完成した。震災前は駅舎もホームも松前川の南側にあった。
駅舎は八角形の塔屋や屋根に初代駅舎の面影を持つ。中央にある改札口、コンコースを挟んで北側に待合室と展示室、南側にきっぷ売場・駅務室と売店・飲食スペースがある。塔屋にはらせん階段が付けられていて、2階の展望台に行くことができる。なお、再建にあたってはクウェートの政府から援助を受けている。なお、この付近の路線は震災前の高架構造から津波防波堤を兼ねた築堤に変更されている。
利用状況
編集1日の平均乗降人員は以下のとおりである[統計 1]。
乗降人員推移 | |
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年度 | 1日平均人数 |
2014年 | 63 |
2015年 | 61 |
2016年 | 50 |
2017年 | 39 |
2018年 | 30 |
駅周辺
編集旧駅舎の駅前広場には前述の津波にも流失しなかった宮沢賢治の詩碑(「発動機船 二」)[8]および旧駅舎よりホームへ向かうための階段が震災遺構として保存されている。
- 県道44号岩泉平井賀普代線
- 島越漁港〔北山崎断崖クルーズ(旧・北山崎めぐり観光船)[9]乗船場〕 - 徒歩約8分[注釈 2]
- 島越海水浴場(震災の復旧工事用地となっているため閉鎖中)
- 島越郵便局[注釈 3](郵便局は駅名と異なり、しまこしと読む)
その他
編集隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集- ^ この新駅舎オープン(使用開始)当日の扱いについて三鉄では、駅前広場および周辺施設の未整備を理由に「プレオープン」として式典の類を執り行わず、平成27年(2015年)に「正式オープン」予定としている[6]。
- ^ 「断崖クルーズ」乗船場(島越港)に至る当駅からの片道所要時間に関しては、2014年7月30日現在、三鉄が「徒歩8分」と案内している[6]のに対し、「断崖クルーズ」を運航する「陸中たのはた(クルーズ観光船発着所)」は「徒歩5分」と案内している[10]
- ^ 駅近くにあったが、震災による津波で局舎が全壊したため長く窓口業務及びATMともに休止が続いたが、2021年4月12日に、駅から遠く離れた高台にある集団移転地である切牛地区の黎明台団地で再開した。
出典
編集記事本文
編集- ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、502頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 「三陸鉄道「国の支援なければ、もはや何も…」」『読売新聞』2011年4月5日。オリジナルの2011年4月8日時点におけるアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
- ^ 「島越駅舎が待望の着工 田野畑、三陸鉄道北リアス線」『岩手日報』2013年12月10日。オリジナルの2013年12月13日時点におけるアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
- ^ 「三鉄が4月全線再開 南リアス線5日、北リアス線6日」『岩手日報』2014年1月2日。オリジナルの2014年1月3日時点におけるアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
- ^ 「三陸鉄道、島越駅駅舎再建に遅れ」『読売新聞』2013年9月22日。オリジナルの2014年1月11日時点におけるアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
- ^ a b 『島越駅窓口営業再開のお知らせ』(プレスリリース)三陸鉄道、2014年7月16日。オリジナルの2014年7月30日時点におけるアーカイブ 。2014年7月30日閲覧。
- ^ “三陸鉄道 津波で全壊の駅舎を再建”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (2014年7月27日). 2014年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
- ^ 「岩手・田野畑 流失の宮沢賢治詩碑見つかる」『河北新報』2011年7月26日。オリジナルの2011年10月20日時点におけるアーカイブ。2014年7月27日閲覧。
- ^ “観光船3年4カ月ぶり復活 岩手・田野畑の北山崎”. まちむらの宝. 全国町村会. 2014年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月30日閲覧。
- ^ “北山崎断崖クルーズ” (PDF). 2014年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月30日閲覧。
利用状況
編集- ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2021年3月12日閲覧
関連項目
編集外部リンク
編集- 島越駅:三陸鉄道