定福寺 (橋本市)

和歌山県橋本市賢堂にある高野山真言宗の寺院

定福寺(じょうふくじ)は、和歌山県橋本市賢堂(かしこど)にある高野山真言宗寺院。山号は紫雲山。本尊阿弥陀如来[1]

定福寺
本堂と九重石塔 (2020年10月)
本堂と九重石塔 (2020年10月)
所在地 和歌山県橋本市賢堂285[1]
位置 北緯34度18分32.1秒 東経135度36分45.8秒 / 北緯34.308917度 東経135.612722度 / 34.308917; 135.612722座標: 北緯34度18分32.1秒 東経135度36分45.8秒 / 北緯34.308917度 東経135.612722度 / 34.308917; 135.612722
山号 紫雲山
宗派 高野山真言宗
本尊 阿弥陀如来
創建年 不明(永禄年間との伝承あり)
札所等 紀伊西国霊場第17番
文化財 庫裏
木造阿弥陀如来坐像
九重石塔
法人番号 6170005004692 ウィキデータを編集
定福寺 (橋本市)の位置(和歌山県内)
定福寺 (橋本市)
テンプレートを表示

高野山の参詣道である黒河道の起点に位置しており[1][2]、庫裏は国の登録有形文化財に登録されている[2]

高野七口押印帳のスタンプ設置場所である。[3]

歴史

編集

創建時期は明らかでないが、16世紀永禄年間の建立であるとの伝承がある[2]。本尊の木造阿弥陀如来坐像は平安時代中期、10世紀から11世紀の作とみられ[1]、境内にある石造九重塔は銘記から弘安8年(1285年)の建立と判明する[4]

隣接して八幡宮が設置されており、神仏習合の形を残している。

境内

編集
  • 九重石塔
  • 十三重石塔
  • 一願大師
  • 八幡宮

文化財

編集
  • 庫裏(国の登録有形文化財)
  • 木造阿弥陀如来坐像(秘仏、和歌山県指定文化財)
  •  
    和歌山県定福寺・九重の塔
    九重石塔(橋本市指定文化財)

庫裏は入母屋造、桟瓦葺きで、屋根の妻面を漆喰塗とする。鬼瓦に宝暦11年(1761年)の銘があることからこの頃の建立とみられる[2]2006年平成18年)11月29日に国の登録有形文化財に登録された[5]

本尊の木造阿弥陀如来坐像はヒノキの一木造りで、平安時代中期、10世紀から11世紀の作とみられる[1]。像高は88cm。秘仏であり通常は公開されていない。1996年(平成8年)4月17日に和歌山県指定文化財に指定された[6]

九重石塔は基礎部に「弘安第八暦乙酉二月十三日」の銘があり、弘安8年(1285年)の建立と判明する[4]。現在は相輪の6段目から上を欠き、塔身も8重目の屋根石が欠けていて、完形ではないものの、橋本市内における石造層塔の現存例が少ないこと、建立年代が明確であることから資料としての価値が高い[4]。高さ244cm。1981年(昭和56年)8月28日に橋本市指定文化財に指定された[7]

民俗文化財

編集
  • 堂座講[8]
  • 念仏

高野参詣道・黒河道

編集

門前を高野参詣道である黒河道が通っている。定福寺と黒河口女人堂跡間を両端とする約16kmの参詣道で、2016年(平成28年)10月24日には世界遺産(文化遺産)にも登録されている。橋本から高野山への近道とされ、大和国からの参詣人が多いことから「大和口」とも呼ばれた。

特産物・行事

編集

交通アクセス

編集

鉄道

編集

橋本市コミュニティバス

編集
  • 中ルートの「賢堂」停留所が近い
  • 右まわり・左まわりそれぞれ3便ずつの運行となっている

脚注

編集

出典

編集
  1. ^ a b c d e 定福寺”. 橋本市観光協会. 2017年7月23日閲覧。
  2. ^ a b c d 定福寺庫裏/橋本市ホームページ”. 橋本市役所. 2017年7月23日閲覧。
  3. ^ 高野七口押印帳”. 和歌山県. 2019年10月20日閲覧。
  4. ^ a b c 定福寺九重塔/橋本市ホームページ”. 橋本市役所. 2017年7月23日閲覧。
  5. ^ 国登録文化財/橋本市ホームページ”. 橋本市役所. 2017年7月23日閲覧。
  6. ^ 和歌山県指定文化財/橋本市ホームページ”. 橋本市役所. 2017年7月23日閲覧。
  7. ^ 橋本市指定文化財/橋本市ホームページ”. 橋本市役所. 2017年7月23日閲覧。
  8. ^ 参詣道に関連する文化財”. 和歌山県教育委員会. 2020年4月5日閲覧。

参考文献

編集
  • 高野山結界道、不動坂、黒河道、神谷坂及び関連文化財学術調査報告書 2012 和歌山県教育委員会

外部リンク

編集