トロイオンス
トロイオンス(troy ounce)は、貴金属や宝石の原石の計量に用いられるヤード・ポンド法の質量の単位であり、1トロイオンス = 正確に 31.103 4768グラムである。金衡オンス(きんこうオンス)ともいう。日本では、特殊の計量である「金貨の質量の計量」にのみ限定して使用できる法定計量単位であり、その定義値がわずかに異なる(後述)。金の1トロイオンスはISO 4217ではXAUで表され、銀の1トロイオンスはXAGで表される。
トロイオンス (troy ounce) | |
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1 mm間隔格子上の1 ozの金属 左からゲルマニウム、レニウム、鉄、オスミウム、アルミニウム | |
記号 | oz tr,oz t, ozt(日本の計量法では oz) |
系 | ヤード・ポンド法(トロイ衡) |
量 | 質量 |
SI | 正確に 31.103 4768 g、(日本の計量法では、正確に 31.1035g) |
定義 | 480グレーン |
記号
編集トロイオンスの単位記号は、oz tr、oz t や ozt が用いられる。ただし、日本の計量法が認めているのは、oz のみである[1]。なお常用オンスの、計量法における単位記号も oz であり、全く同一である[2]。
明治時代の日本の文献では、漢字で「兮」と書かれている場合がある。
定義
編集1トロイオンスは、480グレーンであり、1959年以降、正確に 31.103 4768グラムである。
これは、1958年に米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの6カ国の国際協定が締結され、1959年7月1日以降、1ポンドが正確に 0.453 592 37 キログラム、1グレーンが正確に64.798 91ミリグラムと定められた[3][4]からである。
常用オンス(437.5グレーン)が正確に 28.349 523 125グラムであるので、約9.7%重いことになる。トロイオンスは、貴金属(金や銀)の計量に用いられるが、日本国内ではグラムやキログラムも用いられる。
日本の計量法では、「金貨の質量の計量」に限定してトロイオンスの使用を認めている。ただし、計量法体系では上記の国際定義値の桁数を6桁に丸めて、31.1035グラムと定義している[注釈 1]。
トロイオンスはヤード・ポンド法のトロイ衡という単位系の単位の一つであるが、トロイ衡の単位は現在ではトロイオンスしか使われていない。トロイ衡に対して通常使われるオンス、ポンドなどは常衡という。トロイ衡は、ウィリアム1世によるイングランド征服の時代にまで遡る。その名前は、中世において重要な商都であったフランス・シャンパーニュ地方の町トロワに由来する[6]。
使用
編集金地金の取引について述べる。国際価格は「米ドル/トロイオンス」で表示される[7]。一方、日本国内価格は「日本円/グラム」で表示される。[8]
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1 ozの金地金
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カードに封入された1 ozの金地金
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 計量単位規則 別表第4(第2条関係)金貨の質量の計量、トロイオンスの欄
- ^ 計量単位規則 別表第6(第2条関係)質量、オンスの欄
- ^ Refinement of Values for the Yard and Pound Federal Register, July 1, 1959
- ^ The Units of Measurement Regulations 1995 No.1804 SCHEDULE
- ^ [https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=404CO0000000357#82
- ^ コルネリウス・ウォルフォード 著、中村勝 訳『市の社会史―ヨーロッパ商業史の一断章』そしえて、1984年、268頁。ISBN 978-4881697504。
- ^ “欧州市場の主要指標11時半 円109円台後半に大幅続伸、英株は反落”. 日本経済新聞 (2017年8月10日). 2017年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月10日閲覧。
- ^ “金の取引単位、国際価格トロイオンスと国内価格グラム(筆者:横山利香)”. All About (2011年10月21日). 2017年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月10日閲覧。