2016 年 43 巻 2 号 p. 299-303
平成26年6月の労働安全衛生法の改正に伴い、昨年12月1日より、新たにストレスチェック制度が施行された。
今回は、ストレスチェック制度及び実施にあたっての重要な留意点等について、概説する。
<ストレスチェック制度の概要>
【ストレスチェック】労働者の心理的な負担の程度を把握するため、常時使用する労働者に対して、医師、保健師等による心理的な負担を把握するための検査(ストレスチェック)を実施することが事業者の義務となった。ただし、従業員数50人未満の事業場については当分の間、努力義務。
【面接指導】ストレスチェックの結果、高ストレスであり面接指導の必要があると認められた労働者の申出に基づき医師による面接指導を実施することが事業者の義務となった。さらに事業者は、面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な就業上の措置を講じることも義務である。
【集団分析】事業者は、ストレスチェックの結果を一定規模の集団ごとに集計・分析させ、その結果、必要な場合は適切な措置を講じる(努力義務)。
※本人の同意がない限り、個人の結果は事業者に提供されることはない仕組みであり、また、面接指導の申し出や、面接指導の結果等により、不利益な取扱いがなされることも禁止されている。