大野ヶ原物流 プリントトラックで呼びかけ、交通安全啓発に一役
【愛媛】大野ヶ原物流(森池浩一社長、伊予郡松前町)が交通安全を呼びかけるプリントトラックの運行を始めて1年。森池真一専務は「交通安全を呼びかける以上、私たちがルールを無視することはできない。社内で安全意識がより高まった」と話す。
全国的に横断歩道での事故が問題になっているが、同県は3年前から渡る意思を示す「大人も手を上げよう運動」を県警主導で展開している。このPRのためにプリントトラックを作りたいと伊予署が同社に相談。森池社長は「社会貢献と考え、当社が費用を全額持ち受けることにした」という。
県のキャラクター「みきゃん」とその仲間が、手を上げて横断歩道を渡るイラストを大きくデザイン。「横断歩道 手を上げて渡ろう」「横断歩道は歩行者優先」の合言葉を添え、2㌧車の両側面にそれぞれ配置。横断の意思表示が誰にでも分かるようピクトグラムを使うこだわりも。同社長と旧知でトラックのプリント事業を行う城北運送(久米正信社長、松山市)が施工。意匠はデザイナーである久米氏が手掛けた。
ハンドルを握るのはベテランの女性ドライバー。精肉などを松山市と周辺市町の小売店に運びながら、交通安全を呼びかけている。また、愛ト協のイベントや地域の交通安全運動にトラックを持ち込むなど活躍中だ。
この取り組みに対して、昨年同署から表彰された。「施工した車を持ち帰るときに注目を集めた」と社長。絶対に事故を起こしてはいけないと噛みしめ、従業員にも伝えたそうだ。
なお同社は創業30年。トラックは42台を保有し、食品配送を行う。ドライバーは35人でこのうち3人が女性。「むかしからやる気と誠実さがあれば男女問わず採用している。若い頃からうち一筋というドライバーが多く、勤続30年の者もいる」と話す。
2025年3月 6日